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原発をどうしても推進したい人が原発がなければ現在の便利な暮らしが失われると主張していることには相当量のウソが含まれている。いくつかを述べてみる。
@原発は一度発電を始めると止めることができず、24時間運転を続けざるを得ない。そのため夜間に膨大な余剰電力が発生する。これは相当深刻な原発の欠点で他の水力、火力で需給を調整しなければならない。そのための方策として、夜間電力を使って低い人工池から高い人工池までポンプで水を汲み上げ昼間にそれを流下させて水力で発電するという揚水発電所まで建設している。当然建設時にも稼働時にも大きなロスがでる。こんなことをするくらいならこの分野では代替手段は考えられるはずだ。コンビニも全部の店が24時間営業することはない。多くのEU諸国では夜には店は閉まるし自動販売機も林立していない。
A近年、家庭で使用する電化製品。冷蔵庫やエアコンは同じ大きさのものでも、技術の進歩で使用電力はかなり少なくなってきている。自動車の燃費の良さも日本は世界一の水準にある。人口自体も減少を始めておりこと日本に関するかぎり将来電力需要が単純に増加を続ける予測は外れる可能性が高い。B日本の商業ビルは高層化が進み全面はめ殺しのガラス窓のものが多くなっている。この設計は室内を快適に保つため猛烈に電気を食う。冷暖房はもとより水を汲み上げるため大きな水圧を必要としエレベーターがなければ移動も出来ない。自然換気が出来る窓のある中層のビルを多くすれば大幅にエネルギーは節約できるが東京以下大都市への機能集中はますます進んでいる。この方向性は政策の選択であり必然性があるわけではない。
CACは節約を宣伝しているようであるが本音は異なる。ここ最近の電力会社の宣伝はご存じだろう。オール電化はクリーンで快適とかでものすごい宣伝をしていた。何とか総需要を増やしたい魂胆がすけて見えた。熱を使うものはガス(現在都市ガスはほとんど天然ガス)でも代替は可能であり原子力発電が発電時に3分の2を余熱として海に放出していることを考えても決して効率的ではない。さらに東電、関電は自社の供給エリア外に発電所を立地させており長距離を運ぶ段階でもロスは起こる。最近はこのロスを減じるため20−50キロボルトと電圧を上げているが問題もある。
D現在、ブリックス諸国の経済発展に伴い、世界的には将来エネルギー需要が大きく伸びる見通しではある。それでもEU諸国では自然エネルギーへの転換はかなり積極的でになっている。まだコストや量の問題はとても化石燃料に代替できるものではないが方向は出している。デンマークは風力、ドイツは太陽エネルギーに積極的だ。これらは少量でもいくらかの電力を他の手段で入手できることは原油その他のエネルギー価格の高騰を防ぐ力ともなる。この自然エネルギーも積極的に開発すべきであろう。
E原油の採掘可能年数は、ここのところずっと40年とされており遠い将来は枯渇が見込まれている。ただ原油が枯渇寸前になれば価格が高騰し石炭を液化して使う方法が大きくなるかもしれない。石炭の埋蔵量は百年単位である。また近年、頁岩の層に含まれるシェールガスを採掘する技術が開発されアメリカでは産出量が増え天然ガス先物価格は大きく低下してきている。天然ガスは一般的にはパイプラインで運ばれるが日本は専用のLNG船を世界一保有しており液化して運搬する手段には事欠かない。またロシア極東部、サハリンでもかなりの埋蔵量がある。発電にも熱源にも使用可能で二酸化炭素の発生量も少ないとのことだ。
それぞれの状況を考えれば、原発がないとやっていけないということではない。出来上がった「利権構造」を死守しようとする原発推進集団の意見に単純にうなずかないことだ。古くなった原発を徐々に廃炉にしていくことは決して非現実的ではない。
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