http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/802.html
Tweet |
ピーチボトム原子力発電所(米ペンシルベニア州)
2011/4/8 19:18
米国政界で原発問題が過熱
福島原発事故受け
ウォール・ストリート・ジャーナル
福島の原発事故は、世界中に波紋を及ぼしている。米国の関心の強さも、1万キロメートルも離れた国のこととは思えないほどだ。
6日に開かれた米下院エネルギー・商業委員会小委員会の公聴会では、米国内の原発で福島第1原子力発電所と同様な事故が起こる危険性について米原子力規制委員会(NRC)の分析をベースに議論が行われた。
それによると福島原発と同様な構造のペンシルベニア州のピーチボトム原子力発電所で、全電力が失われれば、1時間以内に炉心が損壊し福島と同様な事態に陥る可能性があることが分かった。いくつかの想定シナリオのうち、最悪な想定は予備電源を含むすべての電力が失われた場合だ。この場合、炉心は1時間以内に損壊が始まるという。ただし手動で蒸気制御バルブを回すことでメルトダウンは辛うじて回避できるという。
このシミュレーションでは、9・11同時多発テロ以降に原発がテロのターゲットとして狙われることを想定して導入した装備や手順が、最悪の場合にも大事故に至るリスクを軽減したという。
一方、原発反対派として知られるエドワード・マーキー下院議員(民主、マサチューセッツ州)は声明を発表し、福島第1原発の2号機の炉心が「非常に高温となって溶融し、恐らく原子炉圧力容器から漏れ出している」と述べている。確かに2、3号機は圧力容器が損傷しており、汚染水が流出しているとみられている。だがマーキー発言は事態がそれよりもかなり深刻なことを示唆している。
これに対し、NRCのバージリオ局次長は、「そのようなことは、今朝の時点での日本のチームからの状況報告にはない」、「圧力容器から漏れ出したという確証は得ていない」と否定した。
マーキー発言について、ダウ・ジョーンズ通信が報じたところによると、NRCの議会担当者のティモシー・ライリー氏がマーキー氏のスタッフに対する電子メールで、放射線のデータなどからそう推測されると説明したという。これは福島での現状認識について、NRCの中でも見方が分かれているというのだろうか。
6日付のニューヨークタイムズもマーキー発言を取り上げ、原発の損傷がこれまで考えられていたよりも深刻なことを示唆していると伝えている。
米国で福島原発についての関心が強いのは、放射能汚染への懸念もあるが、同国のエネルギー政策も要因になっている。オバマ大統領が3月30日に概要を示したエネルギー政策にも示されていたように、同国は温暖化ガスの抑制の観点から原発を増設する方針で、それに対する反対派の活動もヒートアップするなど政治的議論が高まっているからだ。
原発への積極姿勢は米国だけではない。中国など新興国でも原発の建設が積極的に進められている。国を挙げて原発事業に肩入れしているフランスからは先週、サルコジ大統領と国策会社で世界一の原子力コングロマリット、アレバの最高経営責任者(CEO)一行が来日した。そして今週は福島原発の一部の原子炉の建設に携わった米コングロマリット、ゼネラル・エレクトリックのCEOも来日した。
こぞって全面的な協力姿勢を表明したが、福島原発事故の先行きへの懸念と同時に、原発増設の流れを途絶えさせてはならないという危機感もその背景となっている。
記者: 竹内カンナ
---
トピックス:福島原発事故
http://jp.wsj.com/Japan/node_216000
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素8掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。