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2011年 東北地方太平洋沖地震による 「原発震災」 について    石橋克彦 
http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/772.html
投稿者 愚民党 日時 2011 年 4 月 08 日 15:32:45: ogcGl0q1DMbpk
 








 

2011年東北地方太平洋沖地震による「原発震災」について

On the "Genpatsu-Shinsai" (Quake and Nuke Disaster Complex) due to
the 2011 off-Pacific-coast-of-Tohoku, Japan, earthquake



石橋克彦(神戸大学名誉教授)




 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(M9.0)で亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被災された膨大な皆様に心からお見舞いを申し上げます。そして、一人でも多くの方が救出されることを切に願っております。

 激甚な地震津波災害のうえに、東京電力福島第一原子力発電所で重大な事故が発生し、かなりの放射能が漏出して多くの住民が避難を強いられていることは、痛恨の極みです。
 私は、大地震によってこのような事態が生ずることを憂慮し、1997年から警鐘を鳴らしてきましたが、こんなに早く懸念が現実化してしまうとは思いませんでした。

 今は、東京電力・協力企業、政府、地元自治体、消防・警察、自衛隊、国際的な援助チームの関係者のご奮闘により、一刻も早く危機を脱して最悪の事態が回避され、住民の被曝と不自由な生活が最小限に抑えられることを祈るばかりです。

 私がこれまで書いたり話したりしてきたことは、今の緊急事態に役立つことではないのですが、私が願っていたことを少しずつ纏めておきたい気がしてきました。幸いに危機的状況を脱することができたら、今後の日本社会をより安全に復興するために多少は参考にしていただけるかもしれないとも思います。まずは3点をアップします。 (以上、2011年3月15日記)









 「原発震災」の原典: 原発が地震で大事故を起こす恐れは1970年代から指摘されていますが、私は震災論の立場から「原発震災」という言葉・概念を下記で提唱し、震災軽減の重要な一環としてその回避を訴えました。細かい点は古いですが、基本的コンセプトは今も通用すると思います。
  石橋克彦:「原発震災−破滅を避けるために」
    『科学』(岩波書店) Vol.67, No.10 (1997年10月号) に掲載










 2007年新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発の被災の後に書いた下記では、「(地震活動期の)日本の海岸線を縁取る(中略)原発の地震被害が日常的風景になるといってもよい」として、地震列島における原発依存は、原発震災以外にも、電力供給危機の長期継続といった地震リスクを抱えていることを指摘しました。
  石橋克彦:「原発に頼れない地震列島」
    『都市問題』(東京市政調査会) Vol.99, No.8 (2008年8月号) に掲載










 石橋克彦:「迫り来る大地震活動期は未曾有の国難−技術的防災から国土政策・社会経済システムの根本的変革へ−」
  第162回国会衆議院予算委員会公聴会(2005年2月23日)で公述
  『人間家族』(スタジオ・リーフ)2005年3・4月号(通算345号)に掲載

(時間が30分に限られていたとはいえ、東日本への目配りが薄かったことは反省しています)








 Ishibashi, K., 2003, Genpatsu-Shinsai: Catastrophic Multiple Disaster of Earthquake and Quake-induced Nuclear Accident Anticipated in the Japanese Islands
Presented in Session JSP11 (Geophysical Risk and Vulnerability: The Population-Hazard Interaction) in the 23rd. General Assembly of IUGG (the International Union of Geodesy and Geophysics), 2003, Sapporo, Japan


石橋克彦:「原発震災:日本列島で懸念される、地震と地震による核事故とが複合する破局的災害」 第23回IUGG総会(2003年7月7日/札幌)で講演

(2011年3月18日追加)


 

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コメント
 
01. gataro 2011年4月08日 15:42:29: KbIx4LOvH6Ccw : FwMBPf5y36
岩波書店が石橋克彦・神戸大学名誉教授の論文を公開しています。

「原発震災──破滅を避けるために」 (科学1997年10月号)
http://www.iwanami.co.jp/kagaku/K_Ishibashi_Kagaku199710.pdf



02. 2011年4月08日 15:51:07: ClbsaI02eM

世界 5月号

東日本大震災・原発災害 特別編集 生きよう!
T 未来の崩壊か、未来の創出か

──いま、私たちはどこにいるのか──
読者へ
  編集部
>>>公開中[PDF:608KB]
http://www.iwanami.co.jp/sekai/2011/05/pdf/skm1105-1.pdf

私らは犠牲者に見つめられている
──ル・モンド紙フィリップ・ポンス記者の問いに
  大江健三郎 (作家)

巨大複合災害に思う
──「原発安全神話」はいかにしてつくられたか?
  内橋克人 (経済評論家)

敗北力
  鶴見俊輔 (哲学者)

人間のおごり
  坂本義和 (東京大学名誉教授)

いま人間であること──大地震の災禍の中で考える
  宮田光雄 (東北大学名誉教授)

専門家の社会的責任
  池内 了 (名古屋大学名誉教授)

人の生きてあるところ、語りは生まれる
  松谷みよ子 (児童文学作家)

「人間愛」の社会へ──禍の経験を希望につなぐために
  岩田靖夫 (東北大学名誉教授)

生まれてくる生命(いのち)を支える社会を創る
  中野佳裕 (国際基督教大学助手・研究員)

振り出しにもどる
  木田 元 (中央大学名誉教授)

二度目の誕生日──私たちは再生できるか
  坂手洋二 (劇作家)

近代産業文明の最前線に立つ
  西谷 修 (東京外国語大学)

未来の追悼──『ツナミの小形而上学』より
  ジャン・ピエール・デュピュイ (哲学者)、訳=橋本一径

天災・人災の彼方へ
  森崎和江 (詩人、作家)

脳力のレッスン 109
緊急編 東日本大震災の衝撃を受け止めて──近代主義者の覚悟
  寺島実郎

制動(ブレーキ)・大洪水のこと
  宇佐美圭司 (画家)

U 福島原発炉心溶融事故と放射能汚染

──何が起きたのか──
対談 自然エネルギーの社会へ再起しよう
  飯田哲也 (環境エネルギー政策研究所所長)
  鎌仲ひとみ (映画監督)
まさに「原発震災」だ──「根拠なき自己過信」の果てに
  石橋克彦 (神戸大学名誉教授)

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  樋口健二 (写真家)
表紙の言葉
  鈴木邦弘 (写真家)

   

http://www.iwanami.co.jp/sekai/

●内橋克人氏の<巨大複合災害に思う
──「原発安全神話」はいかにしてつくられたか?>
 は、原子力原発既得権益同盟たちが、いかに日本社会を末端まで洗脳してきたのかが暴露されております。
また、現在における電気事業連合会による「情報統制」そのファシズム体制としての現在進行形が暴露されております。


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