東京電力は4日、福島第1原発施設内の高レベル放射性汚染水の保管スペースを確保するため、低レベル汚染水の海への排出を決めた。「重慶晩報」が伝えた。

　太平洋に排出された放射性汚染水による中国沿海への影響はあるのだろうか。中国の核問題専門家、滕建群氏は「今回の排出は短期間だし、放射性物質は日本以東の海流によって太平洋の東側へと流れていく。また、放射性物質は海流によって希釈されるため、中国沿海への影響は小さい」と指摘する。

　■輸入サンマは放射能測定が必要

　南海水産研究所の邱永松氏は「南中国海の海産物に放射能漏れの影響はない。ただ今後数カ月、北西太平洋の北海道漁場のスルメイカやサンマへの放射能測定に注意し、強化する必要がある」と指摘する。

　スルメイカとサンマは北海道漁場の主産物だ。邱氏は「現在市場に出回っているスルメイカやサンマに放射能漏れ事故の影響はない。いずれも前の漁期に水揚げされたもので、まだ次の漁期に入っていないからだ」「放射能漏れは食物連鎖を通じて海産物に影響を及ぼす可能性がある。このため次の漁期には北西太平洋産のスルメイカとサンマへの放射能測定を強化する必要がある」と指摘する。

　■ゴジラの出現はないが、海洋生物のDNAは変異

　映画『ゴジラ』は、米国の核実験による放射能で海洋生物が巨大な怪物へと変異したというストーリーだった。現在人々は、今回の海洋放射能汚染によって、このような悲劇が本当に起こることを懸念している。日本の原発事故による海洋汚染の問題について中国原子力業界協会の馮毅研究員は「現在のところ放射能によってゴジラのような怪物が誕生することはあり得ないかもしれないが、海洋への汚染が非常に深刻なことに変わりはない」と指摘する。

　米「ナショナル・ジオグラフィック」電子版では、米国の専門家が福島原発付近の放射性汚染が海洋生物にもたらす脅威を指摘している。放射線生態学者のワード・ホイッカー氏は「海洋生物の卵や幼体は放射線の影響を受けやすく、DNA変異が起きる可能性がある」と指摘する。ニューヨーク市立大学リーマン校海洋河口研究所所長のラクリン氏は「DNAが変異した生物のほとんどは生き残ることができないが、一部の変異は次世代に遺伝する。海洋生物が放射能の影響を受けた海藻や小型の獲物を摂取すれば、食物連鎖を通じて汚染の影響が出る」と指摘する。

（編集NA）

　「人民網日本語版」2011年4月5日
http://j.peopledaily.com.cn/

日本での発表から3時間後「初めて聞いた」

福島原発　

「日本政府は放射能に汚染された1万1500トンの水を海に放出することを決めたが、これに対してどう対応するのか」

　4日午後6時53分ごろ、記者は外交通商部（省に相当）でこの問題を担当する人物に、電話で問い合わせた。日本の枝野官房長官が午後4時ごろ「放射能汚染水を海に放出する」と正式に発表してから、この時点ですでに3時間近くが過ぎていた。ところがこの担当者は「初めて聞く話だ。こちらでは何も聞いていないので、おそらく日本の外務省は外交通商部に連絡していないようだ。しかし、教育科学技術部や韓国原子力安全技術院（KINS）には事前に連絡が行っているかもしれない」と述べた。

　午後6時55分ごろ、外交通商部の別の担当者に同じ質問をすると「何の話か分からないので、取りあえず在日韓国大使館に確認したい」と回答した。12分後の午後7時7分、この職員は「在日韓国大使館に問い合わせ、韓国ではこの問題で深刻な状況になっているので、慎重に取り扱ってほしいと頼んだ」と話したという。

　午後7時34分にKINSの上層部と電話がつながった。この人物は「それは本当か。仕事で外にいたので状況は把握していない」と述べた。7時37分ごろに教育科学技術部に問い合わせると「朝からつい先ほどまで国会にいたので、報告は聞いていない」と説明した。外交通商部、教育科学技術部、KINSの担当者はいずれも、日本政府が汚染水の放出を発表してから3−4時間がたっても状況を把握していなかったのだ。これは、韓国近海に大きな影響が及ぶかもしれない重要な問題だ。しかも韓国国内では午後4時45分の時点で、このニュースがすでに報じられていた。そのため政府関係者たちは、自国のニュースさえチェックしていないことが明らかになった。

　夜9時ごろ、東京の韓国大使館は日本の外務省に「放射能に汚染された水を放出するという発表は事実か」と問い合わせた。外務省は「放射能の数値は今後も引き続きチェックする。放出は5日かけて行う予定だ」と回答したという。韓国大使館はこの内容を整理して外交通商部に報告した。

　日本の外務省は5日午後「6日朝に改めて説明する」と韓国大使館に連絡してきた。外務省は午後4時から各国の大使館関係者を集め、汚染水の放出について説明を行ったが、この際、韓国大使館が最も多く質問し、詳しい説明を求めたからだ。

　韓国政府ではどこの部処（省庁）も、日本での原発事故を人ごとのように考え、互いに責任をなすり付け合っている。外交通商部の関係者は4日夜「外交通商部には原発事故の問題に関して日本とのパイプはない。日本との情報交換は、教育科学技術部や韓国原子力安全技術院が行っている」と述べた。しかし、教育科学技術部の担当者は5日「われわれは全国で放射能の数値をチェックしており、また国内における対策のとりまとめで他には手が回らない。日本と協議を行うのは外交通商部の仕事だ」と責任を転嫁した。

　各省庁の業務を取りまとめるべき立場にある国務総理室（首相室）も、1日に局長が「担当ではないのでよく分からない」とした上で「22日まで国内の原発に対する一斉点検が予定されているため、日本の状況を詳しく調べる暇はない。この問題については教育科学技術部に確認してほしい」と述べるだけだった。各省庁とも担当者は正確な情報を把握しておらず「韓国は安全なので大丈夫だ」と繰り返すばかりだ。

　政府関係者は今も手をこまねいており、国民も相変わらず正確な情報が得られない。外交通商部は日本で地震が発生した先月11日から今月5日までの間に、合計51件の報道資料を配布したが、その中で原発関連はわずか4件だった。先月15日には日本で原発から半径30キロ以内、17日には米国が半径80キロ以内にいる自国民に避難を勧告するなど、問題は深刻だ。しかし、教育科学技術部の担当局長は「まだ交代したばかりでよく分からない」と言い訳するばかりで会見には姿を現さず、KINSと気象庁の関係者に状況を説明させた。

金真明（キム・ジンミョン）記者

チョ・ベッコン記者

【ニュース特集】福島原発

朝鮮日報／朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/news/20110406000036

菅直人は他人の助言は聞かないだろうな？