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2011年04月04日
<JCJ声明>放射能汚染の拡散阻止へ叡智結集、真実の報道に全力を
2011年4月4日
日本ジャーナリスト会議
3月11日、三陸沖で発生した巨大地震と大津波、そして東京電力福島第一原子力発電所の大事故は、多くのかけがえのない生命と財産、人々の暮らしを奪ったうえ、世界中に原子力災害への深刻な波紋を広げました。日本ジャーナリスト会議は、亡くなられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、被災された方々に深甚なるお見舞いと激励を表明いたします。
日本はいま、東電福島原発の炉心溶融とみられる事故によって重大な危機に直面しています。放射性物質による大気汚染と土壌汚染がもたらす健康被害、そして汚染水の太平洋流出によって世界の海が放射能に汚染されれば、地球規模の環境破壊を引き起こします。
未体験の大災害を前にして、政府の原子力安全・保安院や東京電力は、正確な情報を公表せず、対策がすべて後手後手に回り、不安を煽り、被害を拡大させていると言わざるを得ません。
原子力災害への対応は、一刻の猶予も許されません。政府は、国民と認識を共有するため、情報をすべて公開し、解決のための工程表を明らかにすべきです。そのためには、政府、業界、学界の癒着構造を改め、原子力安全委員会を全面改組して、幅広い人材を網羅した新体制を発足させ、調査、分析をはじめ、事故収束のための強力な権限を持った規制機関として確立させることが急務です。さらに、国際的な叡智と援助を受け入れる体制整備も喫緊の課題です。
こうした緊急事態に際して、「国民の知る権利」に応えるメディア・ジャーナリズムの役割は決定的に重要です。正確で迅速な「真実の報道」こそが生命と人間の尊厳を守る保障となるのです。
大地震発生直後から、被災地の最前線で危険を顧みず、「今、何が起きているのか」「被災者が一番求めているのは何か」を懸命に取材、報道し続けている数多くの新聞・放送・雑誌・フリーのジャーナリストの奮闘に私たちは熱いエールを送ります。一方、これまで政府・財界・推進派学者が作り上げた「原発安全神話」に主要メディアが積極的に加担してきた事実も忘れてはなりません。その実態と経緯を糾明し、再び過ちを犯さぬよう自ら克服・転換しなければなりません。
日本ジャーナリスト会議は、こうしたジャーナリズムの役割をしっかりと自覚し、市民とともに、弱者の立場に立って、「真実の報道」に全力を尽くすことをあらためて決意表明するとともに、より深刻な危機回避と震災・原発被災地の復興へ向け、一刻も早く国民の叡智を集めた総力結集体制を構築するよう政府に強く要求します。
(以上)
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