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2011/04/03　1914号　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(転送紹介歓迎)
［ＪＣＪふらっしゅ］

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　　　◆◇◆◇Ｇ記者の「報道クリップ」◆◇◆◇

▽ＩＡＥＡ、国連事務総長　福島第１原発　事態長期化の見通し示す

　ＩＡＥＡ（国際原子力機関）の天野事務局長は１日の記者会見で、「人々が考える
以上に時間がかかる」（共同通信）と語った。「危機を脱するには時間が必要で、原
子炉安定にはさらに時間がかかる」と福島第１原発の事態長期化の見通しを示した。
また国連の潘基文事務総長も、同原発の状況について「かなり深刻で、懸念を抱いて
いる」と語った。ＩＡＥＡは６月下旬に閣僚級会合をウィーンで開催する予定。

　日本の松本外相は２日夜のドイツ外相との会談で、「これから国際社会では原子力
安全分野の取り組み強化がテーマとなる。しっかり事故を検証し、国際社会と（情報
を）共有することで貢献していきたい」（時事通信）と述べて、日本政府として深刻
な事態を招いた原因を徹底分析し、国際社会に公表する考えを表明。

原発事故長期化とＩＡＥＡ局長　国連総長「かなり深刻」（共同通信）
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011040201000044.html
原発事故原因、国際社会に公表＝日独外相が会談（時事通信）
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011040200324

▽ＩＡＥＡの要請に、原子力安全委が猛反発

　福島県飯舘村で検出された高濃度の放射性物質。ＩＡＥＡが独自の土壌調査を行
い、日本政府に対して避難勧告を検討するよう促した。だが原子力安全委員会（内閣
府）は、「判断基準の物差しが違う。日本の方が総合的に判断しており問題ない」と
これに反論。人体への影響の考慮は、安全委員会のほうが優れているという趣旨のコ
メントを出すなど、＜見解の相違＞で異様な雰囲気。

　すでに、危機を脱するまでにかなりの時間を要する事態へと発展しているほか、原
子炉の安定となるとさらに長期間を覚悟すべき事態となっているなかで、安全委員会
のいう＜人体への影響＞のなかに、環境への影響が人体に跳ね返ってくるその後の影
響を盛り込んでいるのかどうか。さらなる検証が必要に。

　米ウォールストリート・ジャーナルは３１日、福島第１原子力発電所に、事故対応
のために配備されていたのは、衛星電話１台と担架１台などとして、防災計画が全く
不十分だったと報じた。

　国際的に、東電のおそまつな防災対策や政官業の癒着と隠蔽体質への批判が高まる
なか、ＩＡＥＡに食いついた「原子力安全委」の感情的とも思える態度も＜同根＞か
と気になるところ。

焦点：出口見えない福島原発危機、解決には数十年か（ロイター通信）
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-20365420110331?pageNumber=3&virtualBrandChannel=0&sp=true
ＩＡＥＡと安全委、土壌めぐる見解相違で混乱（読売新聞）
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110401-OYT1T00786.htm
福島第1原発、お粗末きわまりない防災対策 米紙報道（ＡＦＰ）
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2793520/7024878
（海外論調）原発政策の今後、どう見る 安全基準を強化へ・次世代型に関心　途上
国、建設推進に疑問も(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/interview/

▽原発輸出に直結した協定案に、参議院議員２３０名が賛成

　３１日夕、参院は本会議で、ヨルダンに原子力技術を供与するための原子力平和利
用協定締結承認案件を、与党などの賛成多数で可決した。衆院でも近く承認される見
通し。福島第一原発事故後初の原子力協定承認。事故の今後の見通しも立たないいま
この時期に、臆面もなく「原発販売」に直結する協定に、２３０名の参議院議員が賛
成した。

ヨルダンとの原子力協定案を可決　原発事故後初の国際協定
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011033101000806.html
ヨルダン：原子炉事業計画の入札、７月まで延期−原子力委員会
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=a1gE7WXikjWc
「建設予定の原発、日仏合弁の原子炉に評価」 ヨルダンのエネルギー相
http://www.nikkei.com/news/interview/
本会議投票結果　第177回国会　2011年 3月 31日
投 票 結 果　
案件名：原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とヨルダン・ハシェミ
ット王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
投票総数　２４１　賛成票　２３０　反対票　１１
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/177/177-0331-v013.htm

▽東電　福島第１原発７、８号機の増設計画を盛り込んだ計画を提出

　福島第１原発の７、８号機の増設計画を盛り込んだ２０１１年度の電力供給計画を
東京電力が３月末に提出していた。福島県の幹部は、３月２６日に東電側から説明を
受けたという。「とんでもない話で認められないと伝えた」（共同通信）という。
　東電は、時間的に間に合わないとしてこの計画を提出、震災の影響を踏まえた計画
は再提出する。再提出の時期は未定という。電力会社は、電気事業法に基づき、新年
度の供給計画を前年度末までに、経済産業相などに提出することが義務付けられてい
る。

東電、供給計画に原発増設　福島県「認められない」
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011040201000893.html

▽菅首相　福島第１原発の「廃炉」と「エネルギー基本計画」の見直しを表明

　菅首相は３１日、東京電力の福島第１原発は１〜６号機全てを廃炉にすべきとの見
解を明らかに。東京電力は前日３０日に、損傷した１〜４号機の廃炉にする考えを示
していた。また菅首相は同日、２０３０年までに少なくとも１４基以上の原発を増設
し、うち９基は２０２０年までに完成させるという内容の「エネルギー基本計画」の
見直しも表明した。同日行われた共産党の志位和夫委員長との会談で。

菅首相、原発新増設の見直し検討　東電存廃も議論へ（朝日新聞）
http://www.asahi.com/politics/update/0331/TKY201103310499.html
菅首相「福島第1原発は全廃炉を」、基本計画の見直しも表明（ＡＦＰ）
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2793557/7005364
志位委員長と菅首相との党首会談 （しんぶん赤旗／詳報）
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-04-01/2011040105_01_1.html
菅首相、福島第一原発「廃炉」明言（ＴＢＳ）
http://news.tbs.co.jp/20110331/newseye/tbs_newseye4688370.html
菅首相、共産・志位委員長と会談　国のエネルギー基本計画を再検討する意向示す
（ＦＮＮ）
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00196397.html

▽「原発からの早期撤退を求める」九州電力本社に９３団体

　１日、玄海原発プルサーマル裁判の会など９３団体が、福岡市の九州電力本社に要
請文を提出。原発からの撤退を早期実現するように求める内容。海江田万里経産大臣
にも、エネルギー政策の転換を促す要請文を届ける方針。
　九州電力の真部社長は３０日、定期検査で停止した状態にある玄海原発２、３号機
について、「順調に進めば、５月に営業運転が見込める」（佐賀新聞）との考えを示
していた。９３団体はこの発言についても撤回も求めている。

「原発からの早期撤退を」　９３団体が九電本社に要請（佐賀新聞）
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1863743.article.html

▽広島、長崎両大と連携協定　福島県立医科大

　２日、福島県立医科大は、広島、長崎両大と連携協定を結んだ。研究者らの交流を
通じて、放射線に関する調査研究の歴史がある両大学との教育や研究、医療の分野で
の協力を深めるとしている。朝日新聞は、「非常に長い時間をかけて取り組まないと
いけない問題。世界で唯一被爆した大学として、これまでのノウハウを役に立てた
い」との長崎大・片峰茂学長のコメントなどを紹介している。

福島県立医科大、放射線研究で広島・長崎大と連携協定
http://www.asahi.com/national/update/0402/TKY201104020305.html

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