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東電、原発危機乗り切きれる財務力が焦点に
2011年 4月 4日 11:50 JST
ウォール・ストリート・ジャーナル
http://jp.wsj.com/Japan/Companies/node_215640?mod=LatestAdBlock2
福島第1原子力発電所の事故に関連した費用や負債が拡大する見通しのなか、同原発を運営している東電が危機を乗り切れる十分な財務力があるか、国有化を回避できるかなどが注目されている。
同原発の安定化には数カ月かかるとみられており、日本政府内では東電に対し、一定の財政支援は不可避との共通認識が強まっている。菅直人首相は1日、「(国として東電を)支援することは必要だが、基本的には民間事業者として頑張っていただきたい」と述べ、東電の完全国営化案は退けた。
世界最大の民間公益企業である東電は、昨年末時点の手元流動性が総額6770億円だった。また、東日本大震災後、東電は複数の銀行から総額1兆9000億円の緊急融資を受けたばかり。CLSAアジアパシフィック・マーケッツのアナリスト、ペン・ボワーズ氏は、「東電は2兆円規模の融資を受け、財務面ではあと1年は大丈夫だろう」との見方を示した。
最も可能性の高いシナリオは、政府が東電の債務の一部を保証するとともに資金注入を行うというもの。東電の5兆円規模の発行済み社債は、生保と銀行、また世界最大の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの年金基金、ならびに個人が保有している。
東電にとっての最も喫緊の問題は、燃料コストにいかに対処し、いかに迅速にそのコストを消費者に転嫁できるかだ。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは調査リポートで、「東電は最終的には燃料コストの増加分を利用者に転嫁できるだろうが、それには時間差がある。燃料コストの増加分は5000億〜6000億円とみられる」と指摘した。
CLSAのボワーズ氏は、「供給元にとって懸念となりかねないカウンターパーティー・リスク認識」のために、東電は液化天然ガス(LNG)などの燃料のスポット(随時契約)確保に苦戦する可能性があるとの見方を示した。
格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は1日、東電の長期格付けを「シングルAプラス」から「トリプルBプラス」に3段階引き下げたと発表した。S&Pは「東電のスタンドアローン・ベースのフリー営業キャッシュフローは引き続き低く、政府の特別な支援がなければ投資適格等級とはもはや適合しなくなる」と指摘した。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスも先月31日、東電について2週間足らずで2度目の格下げを行った。
CLSAのボワーズ氏によると、東電はほとんどが国内債権者であるため、同社の資金調達力が直ちに影響を受けることはないという。
東電は、差し迫った資金繰りの悪化には直面していないが、追加資金の必要性が生じる見通しを明らかにしている。同社広報担当者は、現時点では手元流動性に特段問題はないが、今年度から大規模な資金需要が予想され従い資金確保に尽力している、と指摘ている。
東電に対し実施されるような種類の資金注入や政府保証の前例はない。経営難に陥っていたりそなホールディングスの例がこれに近く、同社は2003年に政府による約2兆円規模の公的資金の注入を受け、政府が同社の議決権の7割以上を取得した。しかしその時でさえ、りそなの普通株の上場は廃止されなかった。
一方、大震災で被災した中小企業に対しては既に融資保証が実施されている。同計画では、中小企業が復旧・復興資金として商業銀行から資金を借り入れる際に、中小企業向けの融資保証を提供する目的でリーマン・ブラザーズ破綻後に設置された36兆円規模の基金を利用して政府が保証を提供することになる。
しかし、りそなの場合とは異なり、東電の負債は膨大な額に達する可能性がある。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの概算によると、福島第1原発問題が2年以内に解決しない場合には、東電への賠償請求額は最大11兆円に達する可能性がある。
東電の株価は急落し、同社の時価総額の約80%が消失している。4月1日時点では東電の株価は1962年以来の安値に落ち込み、同社の時価総額は7220億円となった。同社株価は1日、前日比3.6%下落して取引を終えた。
記者: Mariko Sanchanta and Kana Inagaki
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