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(回答先: 石原都知事 原発で暴言数々「東京湾につくってもいい」「訳の分からぬ連中が反対」(しんぶん赤旗) 投稿者 馬鹿まるだし 日時 2011 年 4 月 02 日 15:25:46)
東京湾に原子力発電所を!
http://www.cnfc.or.jp/pdf/Plutonium29J.pdf
「私は、完璧な管理が行われるのであれば、東京湾に立派な原子力発電所を作ってもよいと思います。日本にはそれだけの管理能力がある、技術があると思っております。また、その技術が改善されていく余地があると思っております。それくらい冷静な認識を持たないと、何でも反対ということでは禍根を残すこととなります。」4月26−28日、社団法人・日本原子力産業会議の開催する年次大会(東京、1,300人参加、うち外国人100人)の初日に講演に立った石原慎太郎東京都知事が、公人としては初めて、前提はあるものの東京に原子力発電所を作ってもよいと思うと発言した。
東京都とその隣接県である埼玉県、神奈川県、千葉県の全体で、3,300万人、日本の4分の1強の人口を擁し、これらの都県でメガロポリスを構成している。「このメガロポリスがまさに日本の心臓部、頭脳で、日本の近代国家、国家社会を動かしています。この首都圏が国家の中枢機能として動いているわけだから、当然、そこに必要なエネル
ギーを安定に供給しなければ、この地域のメガロポリスだけではなく、国家というものに大きな影響を与えかねません。」と、都知事としての責務について言及した。
石原都知事のこの発言は、マスコミばかりでなく、原子力発電所を保有する地域関係者、そして原子力関係者に少なからぬ反響を呼んだ。原子力利用に反対する者から、「東京に原発を」という本や、皮肉として同様の発言が発せられたことはあるが、原子力関係者ならいざ知らず、年間予算12兆円弱の予算を持つ日本一大きな自治体の知事から発せられたからである。その東京都の現在の電力自給率はたったの6%、年間を通して東京都の消費電力の40%、夜間には100%近い電力が、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所、福島県の福島第一、第二原子力発電所から送られてくる。
東京都では、2050年をにらんだ将来構想が今年度から検討に入る。いつまでも電力大消費地と言われるばかりでなく、安定供給を図る意味でも少しでも自給できれば、また、その大消費地に原子力発電所を立てれば、もっと安い電力が供給できるのではという公算もある。エネルギーの中で最も簡単に運べる電力でさえ、その送電コストが距離に比例し、電力料金にかなりの比重を占めてしまうからである。
一部の地域で「厄介者」と呼ばれている原子力発電所、しかしながら固定資産税や核燃料税、さらには立地地域交付金などをもたらし、自治体を潤しているこの地場産業が、東京や大阪、名古屋などの電力大消費地に建設されるようになると、立地地域の公共施設の充実、雇用対策、地元企業の活用など、今まで地方を対象としてきた電源立地に伴う地域振興策は、当然変更されることとなろう。また、電力会社にとっても、送電線を延々と敷設することもなく、電力自由化策にも対応した都市接近型原子力発電所の建設についての突破口となり、願ってもないことになると思われる。
都知事の発言を実現させるための最も大きな難関は、原子力発電所の立地指針、土地の価格と住民の合意形成である。現在の立地指針は主に、1)第3紀層の岩盤に立地、2)豊富な冷却水が得られる、3)人口の少ない地域、である。冷却水は、東京湾を考える以上、全く問題はない。第3紀層の地盤については、東京湾の埋め立て地では望むべくもない。また、土地価格も膨大である。しかしながら、目を転じれば、世界の原子力空母、原子力潜水艦は多数、世界中で航行されてる。わが国でも、20年近く放っておかれた実験船、舶用炉を載せた原子力船「むつ」がほぼ1年間、地球を2周回る実験航
海をしっかり果たした。これにも立派な小型の原子炉が積んであり、嵐の中をローリング、ピッチングがそれぞれ30度に達する実験航海を繰り返した。もちろんこれらの舶用炉は、船の推進ばかりでなく、船内の電力をも賄っていることは言うまでもない。
東京の第4紀層の地盤である粘土層にも、原子炉の立地指針ができた40年前には考えもつかなかった高層ビルが乱立している。原子力発電所の立地指針も新しい技術を踏まえ、改正した方が良いと思われる。しかし、立地指針が変わらなくても、舶用炉としてフローティングの発電所を目指せば、技術的に全く問題はないし、埋め立て地を買うより安くつくだろう。
昔は、原子炉の危険性を考え、なるべく人口の少ないところへの立地を念頭に置いていた。しかし、技術は進んだ。今の原子力発電所でも十分であるが、東京のように人口が多いところでもより安全に、誰にでも運転ができてしまう、故障しても、ブレーキをかけず放っておけば勝手に止まり、冷えてしまう小型の原子炉がいろいろ考えられている。
問題は東京都や近隣県の住民の合意である。これには今までと同様、今後も明快な解決策はない。情報の一層の公開や提供、コミュニケーションの活発化などは当然のことであるが、スイスや他の国でも進めている原子炉の熱を各家庭に供給するシステムを作ることもその一つとなろう。熱供給会社を住民の投資によって設立しても良い。大都市に接近すればするほど電力送電コストが安くなるばかりでなく、その熱供給システム併用により、熱利用効率の向上にもなり、地球温暖化防止対策への投資にもなる。また、発電所の運転、管理や、熱供給システムの運営にも、投資家である住民の意見が反映されるようになれば、身近に原子力エネルギーの恩恵が感じられ、自分が関与している施設として、住民の原子力への関心も高まるであろう。
石原都知事の「東京湾に原子力発電所を」と言う発言には、到底予想のつかない2050年の東京、日本の姿を見据えた思惑が感じられる。政治家としての先見性にあふれたこの積極的な発言に対して、原子力技術者、都市開発関係者、社会心理学者などが真剣に検討してはどうだろうか。世界に先駆けて。
(編集長)
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