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白煙を上げる福島第1原発3号機(3月16日)
福島第1原発、一部炉心は損傷=米エネルギー長官
2011年 4月 2日 13:35 JST
ウォール・ストリート・ジャーナル
【ワシントン】米エネルギー省のチュー長官は1日、福島第1原発事故について日本当局は安定化に向けた努力で「前進している」と指摘した。しかし、少なくも一つの原子炉施設内の放射線量はかなりのレベルで、また別の原子炉の炉心は大部分が損傷しているとの認識を示した。
長官はクリスチャン・サイエンス・モニター紙主催の朝食会で記者団に対し、同原発について「依然重大な懸念がある」とした上で「原子炉建物では放射線量が高い。作業員が被曝するため、これが原子炉の制御作業開始を阻んでいる」と述べた。
同省の報道官は、朝食会後、長官の記者団に対する発言内容を明確にした。それによると、長官の発言は1号機の燃料棒が70%も損傷しており、2号機の燃料棒は3分の1が損傷しているとの情報に言及したものという。(長官は朝食会では、3号機での「放射線量がかなりのレベル」にあると述べていた。また「米国に提供された日本からの情報」を引用し、2号機については「炉心の70%が損傷して最も深刻なメルトダウン状態」になっていると述べていた)
長官のこの発言は、3月11日に発生した東日本大震災で被災した同原発での深刻な事故をめぐり、日本の事故対策の評価が交錯していることを反映している。一方、長官は使用済み燃料棒については、温度測定や計算などから一時貯蔵プールには水があることが示されており、1〜4号機まで「制御されているようだ」と述べた。米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は先月、4号機の使用済み核燃料棒の一時貯蔵プールについて、水ははとんどないか、まったくないと発言していた。
こうした評価は、使用済み核燃料棒が露出し放射性物質を放出していることを示唆するため、警戒感が広がった。NRCはその後、この評価について、「確定的ではない」データに基づいたものと認めている。
しかし長官は1日、「高級レベル」の日本の当局者と「米側の科学チーム」間で行われた協議を引用し、「1号機から4号機まですべてのプールには水があると信じられる。すべてのプールには温度測定装置があるが、水があるに違いないことを示している」と述べた。
長官によると、日本の当局者は米国の科学者とエンジニアらの支援を受け、放射性物質を含む蒸気を放出させずに原子炉を冷却する方法を模索している。
長官は「望まれるのは、安定した状態に達することだ。炉心の腐食物はエネルギーを放出するが、そのエネルギーを除去することが必要だ。最初の1週間は最も重要な時期だ。それが過ぎた現在は、緩やかな段階に入りつつある」と述べた。
記者: Stephen Power
http://jp.wsj.com/Japan/node_215139
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