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全ての地下資源は、有限です。
石油も、石炭も、天然ガスも、そして、ウランも、もちろん有限です。
しかし、石油、石炭、天然ガスが枯渇するまでには、数百年の時間が有る筈です。その前に、ウランの枯渇が起こるのではないでしょうか?
そして、とにもかくにも、私達の文明は、石油+石炭+天然ガスを中心とする文明で、そこに原子力、水力、が加わり、更に、風力や太陽光も少しだけ加わって居ると言ふのが、エネルギーから見た現在の文明の現実です。
この中で、原子力が一定の役割を果たして来た事は事実ですし、原子力発電には、燃料がコンパクトである事、原子炉自体は硫黄酸化物などを出さないと言った長所が確かに有ります。
燃料(濃縮ウラン)がコンパクトであるからこそ、例えば、国際情勢の変化による原油価格の変動に大きな影響を受ける事無く、安定的に電力を供給出来る事は、原子力発電の魅力です。原子力発電に、こうした長所が有る事は、認めます。
しかし、先ず、原子力発電は、発電の前後で、実は、他のエネルギーを多量に消費します。安全性の議論を棚上げしても、原子力発電自身が、多量のエネルギーの消費しなければ、成り立たない技術なのです。この事に触れぬまま、「石油が無くなったらどうするんですか?」と言って、原子力を「代替エネルギー」の様に語る事は、全くおかしな事です。−−石油が無く成ったら、原子力発電はもう続けられなく成るのですから。
先ず、上述の様に、ウラン濃縮に多大な電力を消費します。電力を供給する為の核燃料を作る過程で、先ず、多大な電力が消費されるのです。
原子力発電で使はれる核燃料を「エネルギーの缶詰」と呼んだ人が居ますが、濃縮ウランは、まさに「エネルギーの缶詰」です。ウラン濃縮には、方法によっても差がありますが、多量の電力が消費されて来ました。大きなエネルギーが、コンパクトな核燃料から得られるのが、原子力発電の魅力ではありますが、そのコンパクトな核燃料は、多量の電力を消費して、初めて得られるのです。だから、核燃料は、「エネルギーの缶詰」と呼ばれるのです。その「缶詰」を作る為に、多量のエネルギーが必要とされる訳です。「代替エネルギー」と呼ばれながら、先ず、最初の段階で、水力発電や火力発電で得られる電力を多量に消費するのが、原子力発電なのです。
そして、原子力発電所の建設にも、もちろん、石油が必要です。即ち、ウラン濃縮から原発を建設するまでの過程で、先ず、多大な電力や石油が消費されるのです。それにに加え、原発の解体、廃棄物の処理、管理に多くの電力、石油を消費します。これは、バックエンドと呼ばれる過程ですが、このバックエンドにこれから、どれだけ石油が必要とされるか、分かって居ません。
この様に、エネルギーを供給する為の原子力発電自体が、多量のエネルギーを消費する事で初めて可能に成るのです。その収支は、果たして、他のエネルギーの場合と較べて効率的と言へるのでしょうか?
このエネルギーの収支の問題については、以前から多くの議論が有ります。その中には、チャップマンや室田武氏の様に、原子力発電の収支は負に成るとまで結論ずける論者すら居ますが、それほどではないとしても、原子力発電のエネルギー収支が、「代替エネルギー」の名に値する物かどうかは疑問です。特に、このバックエンドに一体どれだけの電力や石油が必要に成るかは、不明です。
問題は、その様に、ウラン濃縮から原発建設、原発解体、核廃棄物の処理、管理に、結局、他の発電法による電力や石油を必要とする原子力発電を、今回の様な大事故のリスクを賭けてまで選択する価値が有るか?と言ふ問題です。
私は、無いと思ひます。石油も、石炭も、天然ガスも、無限に有るわけではありませんが、これから数百年の消費は十分まかなえます。その間に、地熱や太陽光の利用を研究、実用化していく事は十分可能だと思ひます。
「枯渇」を言ふなら、ウランにも枯渇は有ります。しかも、ウランの場合は、石油や石炭などを大量に消費しなければ、ウラン濃縮も原発製造も、解体も、核廃棄物の処理、管理もできないのですから、石油、石炭が枯渇したら、原子力も終わりです。
「二酸化炭素による地球温暖化」が科学的根拠を欠いた仮説でしかない事は繰り返すまでもありません。
仮に本当だったとしても、原子力発電と言ふ技術体系が、上述の様に、実は巨大な石油製品なのです。ですから、確かに、原子炉それ自体は、二酸化炭素を出しませんが、その前後(ウラン濃縮、原発建設、解体、核廃棄物の処理、管理、等)で石油が多量に消費される以上、二酸化炭素対策としても、決定的な意味を持ちえない事は明らかです。それなのに、原子炉それ自体は二酸化炭素を出さない事だけを取り上げて、原子力発電が「環境に優しい」等と考える事は、全くの間違いです。
又、これは検証を要する事ですが、原発の出す温排水が海に与える影響も、無視できる物ではないかも知れません。
原子力発電は、真の意味の「代替エネルギー」には成り得ないのです。原子力発電は、それ自体が、石油の産物なのです。そして、何より、一旦事故が起これば、これだけの惨禍を招くのが原子力発電です。
その原子力発電が「クリーンだ」等と言ふのは、エイプリル・フールの冗談にも成らない、悪質なデマゴーグです。
西岡昌紀(内科医)
(これもお読み下さい)
↓
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(「西尾幹二氏の発言を期待する」)
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■福島第一原発、廃炉は数十年がかり
(読売新聞 - 03月31日 09:21)
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福島第一原発、廃炉は数十年がかり
(読売新聞 - 03月31日 09:21)
危機的な状態が続く東京電力福島第一原子力発電所1〜4号機。
東電の勝俣恒久会長は30日、これら4基を廃炉にする方針を示したが、喫緊の課題は、原子炉の冷却や放射能に汚染された大量の水の処理だ。廃炉に持ち込むには長い時間がかかり、専門家は「すべてを終わらせるには数十年がかりの作業になる」と指摘する。
◆短期的課題
目の前にある最大の課題は、高濃度の放射能に汚染された大量の水処理だ。作業用トンネル(トレンチ)にたまっている汚染水だけで、計約1万3000トン。このほか、量は不明だが、タービン建屋の地下にある大量の汚染水も除去しなくてはならない。
汚染水を除去できれば、原子炉本来の効率的な冷却機能復活への道が開ける。しかし、現状では汚染水に阻まれ、原子炉の制御機器を動かす外部電源ケーブルすら敷設できていない。
内部の放射線が強すぎて機器の修理ができなかったり、汚染水の排水ができなかったりして、電源が回復しないといった事態も想定される。漏えいが続くと、一時的な保管場所にしている外部タンクでは間に合わなくなる。関係者から「新たな貯蔵場所を、早急に確保しなければならない」という意見が出ているのには、こうした背景がある。
汚染水を除去できたとして、同原発からの放射性物質の大量放出を止め、安全な状態に持ち込むには、原子炉を「冷温停止」と呼ばれる段階にする必要がある。杉山憲一郎・北大教授は「外部電源で本来の冷却装置を動かし、水を循環させることができれば、1〜2日で冷温停止に導ける」と話す。廃炉に向け、核燃料をさらに冷やして取り出せる状態にするには、さらに数年はかかりそうだ。
一方、仮設ポンプで炉心に水を送り続ける現状が続くと事態はより深刻になる。海老沢徹・元京都大原子炉実験所助教授は「核燃料は少しずつ冷えていくが、冷温停止には少なくとも数か月を要するだろう」と、推測する。このシナリオだと、水の注入量は増え、汚染水も増える。
◆長期的課題
最終的な廃炉には、数十年の時間がかかる。国内の商用原発として、初めて廃炉作業に入った茨城県の日本原子力発電東海発電所では、1998年の営業運転終了後、2021年までかけて段階的に進めている。
廃炉は、燃料を取り出し、放射線量の低減を待つ。この間、発電機など汚染の少ない設備を先に解体、最後に原子炉の鋼鉄容器などを切断し地下深くに埋める。現在は熱交換器などの撤去作業中だ。
しかし、原子炉や建屋が破損した福島第一原発の例では、こうした通常の手順通りに解体できるか疑問だ。松浦祥次郎・元原子力安全委員長は「今回は汚染低減作業に非常に手間がかかる。廃炉は恐らく20〜30年では終わらない」と語る。
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