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原発 緊急報告(43)   「水」の行方    [武田邦彦 (中部大学)]
http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/331.html
投稿者 純一 日時 2011 年 4 月 01 日 12:10:09: MazZZFZM0AbbM
 

http://takedanet.com/2011/03/43_d4f8.html


(平成23年3月31日 午後3時)

福島原発から「大量の汚染水」があることが報告されています. 施設の中の水の放射線は1シーベルト程度と極端に高く、取水口から300メートルでも、放射線ヨウ素が規制値の3000倍以上と、これも高い値が報告されています.

これからどうなるでしょうか?


1) 発電所の中の水をかなり除去しないと、放射線が強いので、作業ができず、それが原発の処理に時間がかかることになります.私の個人的見通しでは2ヶ月というところです。


2) それは放射線が強いと一気に作業をすることができず、「今日はこれ」という具合に一つ一つになるからです.

3) 水は少しずつ海を汚染していきます. 幸い、黒潮が福島県で太平洋の真ん中に折れるので、 三陸、釧路沖などには大きな打撃を与えることはないでしょう。


4) 近くの海水浴、釣り、ダイビング、ボートなどは控えた方が良いでしょう。また漁船も付近には行かない方が良いと思います。


5) 魚は徐々に汚染されていきます。しばらく経つと汚染された魚が報告されるでしょう. どのぐらい汚染が拡がるかはまだ余談を許しません。


6)  原子炉内の水の問題は、報道されるでしょうが、一般の人にはあまり関係がないことです。


私たちには、新聞やテレビが問題にしている「原発の水をどうするか」ということより、「海は汚れるのか」、「いつごろ終わるのか」が問題ですから、あまり原発の内部のことに気をとられないことが大切と思います.

・・・・・・・・・技術編・・・・・・


この汚染水の発生原因、その持つ意味、そして今後のことを説明しておきたいと思います.

【その1】


原発の冷却系が破壊され、原発の冷却ができなくなり、東電や国は必死に海水を投入し続けた。この水の量は4000トンと言われている.

一方、 その水は空から建物の中に直接、入れたので建屋の床にたまり、徐々に海の方に流れた。


【その2】


原発には復水器、用水タンクなどがあるので、そこに4000トン水を入れることができるが、あまり余裕はない。そして今後も1万トン以上の水を注入する事になる。


【その3】


つまり、冷却系が動くまでは冷却水を入れては汚染されるという自体が続く. 水を蒸発させて減容(容量を減らす)という設備を発電所の横に作るのが正解だが、なかなか踏み切らないだろう.

【その4】


発電所はウラン235の核分裂の熱を100とすると、70は海に捨てて、30を発電するという熱収支である。従って、現在の「崩壊熱」は発電時の発熱と比較すると数%には下がっていると思われるので、復水器の冷却能力で十分だ。
その点で、国は「復水器は壊れているのか、いないのか」を明らかにすると、国民は直ちに復旧できるかどうか、どのぐらいかかるかを判断することができる。


仮に国の説明通り、「津波で破壊された」ということが本当で、「爆発前は建屋外壁は機密性を保っていた」、「原子炉建屋が移動していない」なら、復水器は破損していないはずだ。


もし国の説明が間違っていて、地震で破壊されたのなら、復水器も破損している可能性があり、その場合は発電所のもつ冷却装置を使えない。


本日のテレビで、北海道大学の先生が「空冷式の新しい冷却装置をつけろ」と言っておられたことを考えると、復水器は地震で破壊されているのかも知れない。


どうやら国の主要な人は内部の状態を知っているようだ。


(平成23年3月31日 午後3時 執筆)

 

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コメント
 
01. 2011年4月01日 13:20:06: IuL7OZ5IMk

冷却系が動かすためにはタービン建屋の汚染水の水を一刻も早く除去する必要がある。

汚染水をタンクからタンクへと悠長なことをやっている。

その間汚染水を製造し続けている。  汚染水を海に流し続けている。

海の汚染水は薄まるから問題ないといっている。  

それなら何故タービン建屋の水を海に排出して建屋内の冷却用機械を動かさないのか。

その決裁はおそらく菅まであがっている。 当初のベントを迷っていたのと同じだ。

菅は犠牲を伴う決断は出来ない。



02. 2011年4月01日 19:48:51: rWmc8odQao
「もし国の説明が間違っていて、地震で破壊されたのなら、復水器も破損している可能性があり、その場合は発電所のもつ冷却装置を使えない。」

原子力村住民・経産省保安院=電事連派が後ろで振付けしてるのでしょう。「地震には耐えたことにしてくださいっ!」って。


03. 2011年4月02日 08:49:12: 9ujpTIHsoo
「地震で破壊された」とは、口が裂けても言えないでしょうね。
「想定外の津波」でやられたという自分達のウソが根底から崩れてしまう。
しかし、もはやどんなごまかしも通用しない段階にきている。
原子炉格納庫にも亀裂が入っている。
菅よ、保安院よ、腹をくくる時だ。

04. taked4700 2011年4月03日 09:29:15: 9XFNe/BiX575U : GhdzH9ABB6
自分は、格納容器が壊れているとは思っていません。しかし、配管は確実に地震で壊れていると思います。作業員の方が地震直後に白煙を一号炉で目撃されています


燃料棒は、1から3号炉まで確実にメルトダウンしていて、使用済み燃料保管プールは1から4号炉全てでやはりメルトダウンしているでしょう。プール自体も損壊している可能性は強い。

メルトダウンによって1から3号炉の圧力容器が破られている可能性はかなり強い。実際、これらの圧力容器の圧力は大きく減っています。
http://www.meti.go.jp/press/2011/04/20110402003/20110402003-3.pdf
の原子炉圧力A というのが圧力容器であり、どれも、Bつまり格納容器のそれと大差ありません。

http://www.jsa.gr.jp/pukiwiki/index.php?%CA%A1%C5%E7%B8%B6%C8%AF%CC%E4%C2%EA%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6#d4c6b468
こちらに、基本的な事故状況の見方が載っています。

ともかく、既に燃料棒の取り出しはメルトダウンのためできない状況になっていて、水による冷却を続けるしかないようです。つまり、4年から5年は水で冷やし続けるしかない。一次冷却水を二次冷却水で冷やして再使用すると言うシステムができない限り、大規模な放射性物質の環境中への漏れ出しが続くことになります。

武田教授が指摘されている復水器のことは、この1次冷却水の冷却のことを言っているわけです。

http://www.meti.go.jp/press/2011/04/20110401013/20110401013.pdf
に原発が被った地震による最大加速度が載っています。何と、4月1日にやっと発表になったものでした。これによると、東西方向の揺れは2、3号機で想定を上回っているようです。このことから言っても、復水器のような2系統のパイプ(原子炉からタービンへ来て、そこから復水器へ来ているパイプ、海からのパイプ)がつながっている設備は壊れている可能性が高いと思います。


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110401/dst11040107480012-n1.htm

福島原発1〜3号機「圧力容器」損傷濃厚 「5重の壁」すべて破損
2011.4.1 07:10

 深刻な状況が続く東京電力福島第1原子力発電所の1〜3号機で、放射性物質(放射能)を閉じ込める最も頑丈な要の「原子炉圧力容器」が損傷し、高濃度の汚染水が漏出している可能性が高まっている。これで「5重の壁」と呼ばれる防護がすべて破られ、原発の安全性と信頼性も根底から崩れた。大量の汚染水の排出・回収に加え、安定化のカギとなる冷却機能の復旧に重大な障害となるのは避けられない。

大量の汚染水

 「たまり水の放射性ヨウ素の濃度からみれば、原子炉(圧力容器)内から漏れているとしか考えられず、原子炉が何らかの損傷を受けているはずだ」

 九州大の工藤和彦特任教授(原子炉工学)は、圧力容器内の気圧が1気圧程度で推移しているデータも挙げ、気密性を失っていると指摘する。

 これまで放射能漏れについて、圧力容器内の圧力上昇を防ぐため、外側の格納容器内に放射性物質を含む蒸気を放出。蒸気の状態や冷やされて水に戻った状態で、格納容器の外部に漏出したとの見方が強かった。

 しかし、大量の汚染水の存在で、水が直接漏れ出していると考えざるを得なくなり、原子力安全委員会も「程度は違うが、1〜3号機(の圧力容器)が損傷している」との見解に転じた。

 ではどこが損傷しているのか。元IAEA(国際原子力機関)事務次長の町末男氏は、「下から制御棒を挿入する部分の溶接に、地震の揺れでひび割れが発生した可能性がある」と推定する。

 東京電力によると、震災時の揺れは、データのある3号機で耐震設計の想定を15%上回った。

 この揺れでひびが入り、その後の余震や高熱の燃料棒の影響で広がった可能性がある。


修復は不可能

 一方、「全炉心溶融」(メルトダウン)で溶け落ちた燃料棒の熱で原子炉に穴が開いた可能性について、経済産業省原子力安全・保安院は「圧力が保たれており、あり得ない」と否定する。

 だが事態は深刻だ。高濃度の水と強い放射線量で修復はほぼ不可能。圧力容器への冷却水の注入を続ける限り、汚染水は増え続ける。

 水を循環させる抜本的な冷却システムを復旧させても、損傷度合いによっては容器内を水で満たすことができない恐れがある。

最後の砦まで

 原発は、「5重の壁」による放射能の閉じ込め機能を安全の大前提としてきた。だが、内側のウラン燃料を閉じ込めるペレットとそれを覆う被覆管は、水による冷却機能の喪失で一部溶融。外側の建屋は水素爆発などで吹き飛んだ。格納容器も、それにつながる圧力抑制室や配管が損傷したとみられる。

 圧力容器は厚さ16センチの鋼鉄製で1200度までの高熱に耐えられる最後の砦(とりで)。その損傷はこれまでの原子力政策が根底から崩れ、信頼回復がさらに遠のいたことを意味する。



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