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「福島原発は欠陥工事だらけ」担当施工管理者が仰天告白 ---(週刊朝日)
http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/306.html
投稿者 梵天 日時 2011 年 4 月 01 日 00:53:44: 5Wg35UoGiwUNk
 

10年近くも前の記事ですが・・・・今読み返してみるとやっぱりと思います。

http://www.wa-dan.com/article/2011/03/post-84.php

「福島原発は欠陥工事だらけ」担当施工管理者が仰天告白 ---(週刊朝日)

週刊朝日2002年9月20日号配信


資源エネルギー庁の原発推進PR費だけで、年間70億円もの税金が使われている。一方で次から次へと明るみに出る東京電力の損傷隠しに、「もっと大きなものを隠しているのではないか」という声さえも漏れるほどだ。福島原発で実際に建設に取り組んだ元技術者たちが、驚くべき現場のずさんな実態を本誌に語った。(編集部注:本誌2002年9月20日に掲載。年齢、肩書き等は当時のものです。ご注意ください)


 福島第一、第二、柏崎刈羽原子力発電所で起きた東京電力の損傷隠しは、日本の原発への信頼性を大きく揺さぶった。東電のうそつき体質が明らかになり、チェックもできず判で押したように「安全宣言」を出してしまう経済産業省の原子力安全・保安院の無能さが世間に知れ渡ってしまったのだ。


 だが、原発にまつわる「不正」「ずさんさ」はじつは、これだけにとどまらない。

 鹿児島大学非常勤講師の菊地洋一さん(61)は、厳しい口調でこう語るのだ。

 「国はすぐに『安全だ。安全だ』と言うが、原子炉メーカーや現場の実態も知らずに、複雑で巨大なシステムの原発を簡単に安全などとは言ってほしくない。 保安院も東電も原発の基本的な仕組みしかわからないから、原発推進の御用学者たちの言うことに振り回されているのだろう。だが、今回のシュラウドのひび割れだって大変なことで、地震が起きたらどうするのか、そういう危機感を持たない保安院や東電の意識は非常におかしい。すべてが現場を知らない机上の空論で成り立っている。そもそも、『安全』と言う前提には、建設工事のときから完璧な材料を使って、かつ完璧な施工がされたというのが絶対条件だろうが、建設現場ではそれはあり得ないこと。現場は試行錯誤の中で手探りで仕事をしているんです」


 じつは、菊地さんは今回問題になっているGEIIの前身のGETSCOの元技術者で、東海第二(78年運転開始)と福島第一の6号機(同79年)の心臓部分である第一格納容器内の建設に深くかかわっている。GETSCOは沸騰水型炉を開発したGEの子会社で、GEがこの二つの原子炉を受注したのだ。


 菊地さんの当時の立場は企画工程管理者といい、すべての工事の流れを把握して工程のスケジュールを作成する電力会社と下請けとの調整役だったという。現場では、自分の作業内容しか知り得ない技術者がほとんどだが、第一格納容器の隅々までをつぶさに知る数少ない人物の一人だ。


 「建設中に工事の不具合はいくらでも出てくる。数えたらキリがない。当然のことですが、ちゃんと直すものもあります。でも信じられないことでしょうが、工期や工事費の都合で、メーカーや電力会社が判断して直さないこともあるんです。私が経験した中では、福島第一の6号機に今も心配なことがある。じつは、第一格納容器内のほとんどの配管が欠陥なのです。配管破断は重大な事故に結びつく可能性があるだけに、とても心配ですが......」


 ほとんどの配管が欠陥とは、穏やかな話ではないが、どういうことなのだろうか。


 主要な配管の溶接部分についてはガンマ線検査があるため、溶接部分近くに穴があいており、検査が終わると、外からその穴にガンマプラグという栓をはめていくのだそうだ。ところが6号機の第一格納容器内では、プラグの先が配管の内側へ飛び出してしまっている。仕様書では「誤差プラスマイナス0ミリ」となっているのに、最大で18ミリというものまであった。


 原因は、度重なる設計変更だ。当初の計画では肉厚の配管を使う予定が、いつのまにか薄い配管になってしまっていたのだった。


 担当外だった菊地さんが気づいてすぐに担当部署に相談したが、最終的には配管工事を請け負った業者の判断に一任され、結局、直されることはなかった。


 菊地さんが続ける。

 「確かに配管を直したら、プラグの発注から始まり検査や通産省立ち会いの耐圧試験も含め、半年や1年は工事が延びたと思う。工事が1日延びれば、東電側に1億円の罰金を支払わなければならないというきまりもあった。GE側は業者の判断によっては違約金の支払いも覚悟していたが、最終的には業者側の直さないという判断を尊重した形になった。でもこの配管を放置しておけば、流れる流体がプラグの突起物のためにスムーズに流れなくなり乱流が生じ、配管の一部が徐々に削られていき、将来に破断する可能性だってある。それが原因で、何十年後かにドカンといくかもしれないのです」


 今回の損傷隠しで、6号機はジェットポンプの配管のひび割れが未修理のまま運転されていることが明らかになっている。このずさんな工事と関係があるのだろうか。


 
◆大型のジャッキで圧力容器を矯正◆

 菊地さんは、6号機を東電に引き渡した後、退社したが、その後も第一格納容器内の配管が破断し、暴走する夢を見たという。

 実際、86年には米バージニア州のサリー原発で、直径45センチの配管が破断する事故が起きた。それまで「配管の破断前には水漏れ状態が続くため、完全破断する前に対策をとれる」ということが「定説」になっていたが、サリー原発では瞬間的に真っ二つに断ち切れる「ギロチン破断」と呼ばれる状態になった。定説を覆す、予期できないことが原発には起きるのだ。

 福島第二原発の3号機のポンプ事故(89年)後、菊地さんは、6号機の配管も、「全部めちゃくちゃだから直すように」と東電本社に直訴した。東電からは一部主要な配管は替えたものの「ほかはちゃんと見ているから、安全です」という答えが返ってきたという。

 「東電はこの配管の問題性をちゃんと認識しているのか。通産省(当時)に報告しているのか。報告しているのなら、通産省がどんな調査をし、どう判断したのか。そのうえで東電は安全だと言っているのか、はなはだ疑問だ」(菊地さん)

 では工事をチェックする立場の国は、何をしていたのだろうか。菊地さんがこう説明する。

 「まったくあてになりませんね。通産省の検査のときに、養蚕が専門の農水省出身の検査官が来たという話も聞いたことがあるほどです。現場では国の検査に間に合わなくて、ダミー部品をつけておいて、検査が終わってから、正規の部品に取り換えるということもやった。もちろん、検査官は気がつきませんよ」

 こんなこともあった。

 東海第二の試運転を前に国の検査があった。だがその前日、電気系統がトラブルを起こし、使えなくなってしまったという。試験当日は国の検査官を前に、作業員が機械の前で手旗信号で合図し、電気が通って機械が作動しているように見せかけた。それでもしっかりと「合格」をいただいたというのだ。まるでマンガのような話だ。本当に、おかしなことを挙げていけばキリがないようだ。


 「いかに国の検査が形式的でいい加減なものかということがわかるでしょう。何よりも問題なのは、いい加減な検査を受けた原発が、いま現在も動いていて、国が安全だとお墨付きを与えているということなのです」


 菊地さんは次々に起きた浜岡原発の事故や今回の損傷隠しを契機に50ccバイクで全国をまわり、自らの体験を生かし反原発を訴えていくことを計画しているという。


 今回の損傷隠しのきっかけは、2年前のGEIIの元技師による内部告発だった。原発に関する内部告発は、じつは14年前にもあった。


 現在、科学ジャーナリストの田中三彦さん(59)がメーカーの不正な工事過程を告発したのだ。


 内容は、田中さんが日立製作所の関連会社のバブコック日立の設計技師だった74年に起こった出来事だった。


 同社は日立製作所が受注した福島第一原発4号機(78年運転開始)の原子炉圧力容器を製造していたが、製造の最終過程でトラブルが起こった。高さ約21メートル、直径約6メートルの円筒形で厚さ約14センチの合金鋼製の圧力容器の断面が、真円にならず、基準を超えてゆがんだ形になってしまったというのだ。


 これも冗談のような話なのだが、容器内部に3本の大型ジャッキを入れ、610度の炉の中に3時間入れてゆがみを直したというのだ。田中さんは当時、原子力設計部門から別部門に異動していたが、急遽呼び戻され、どれだけの時間をかけて、何度の熱処理をすべきか解析作業を担当させられた。作業は国にも東電側にも秘密裏で行われ、ゆがみを直した後、東電に納入されたのだという。

◆国と業界一体で「安全」ゴリ押し◆

 田中さんはその後退職し、88年に都内で開かれた原発シンポジウムで、
 「ジャッキで無理に形を整えた圧力容器が実際に運転しており安全性を心配している」と"告発"したのだ。

 田中さんが懸念したのは、ジャッキで力を加えた熱処理による材料の性質の変化などで、それによる原子炉の安全性の問題だった。

 しかし、告発からわずか数日後、東電と日立製作所、そして通産省までもが、
 「問題ない処置だった」
 と口をそろえ、またもや得意の"安全宣言"を出した。


 田中さんはこの経過を90年に出版した『原発はなぜ危険か―元設計技師の証言―』(岩波新書)に詳細にまとめている。田中さんはこう話す。


 「ゆがみの矯正は明らかに違法行為であり、日立側は私との話し合いで、最後まで当時の生データも出さなかった。また告発後、通産省も東電も日立から事情聴取することもなく、すぐに安全宣言を出した。今回の東電の損傷隠しでもこれが繰り返されている」


 なぜ、こうも国はちゃんと調べずに安全宣言を出してしまうのか。そして何よりも恐ろしいのは、この福島第一原発4号機も、その後も十分な検証が行われないまま、今も稼働しているということだ。


 「根本的な問題は、電力業界の体質そのものです。彼らには罪の意識はまったくなく、逆に合理的な判断の上に成り立っていると思っている。それは給電の計画変更などのコストの問題、同じ構造の原子炉を持つほかの電力会社への影響など、結局は電力会社サイドの勝手な都合で決められている。国も『あうんの呼吸』でそれを見守ってきた。国も電力会社も原発が壊れるまで『安全だ』と言うのでしょう。いつかはわからないが、大事故は必ず起きる。早急に脱原発の方向に切り替えるべきだが、その前に、せめて国の技術的なレベルを上げ、原発に対する管理能力をきちんとすべきです」(田中さん)


 最近、70年代半ばに通産省の検査官が逆に東電に損傷隠しを指示した疑惑も報道されている。まさに「あうんの呼吸」を持つ官業もたれ合いの原子力行政そのものであり、「原発は安全だ」と喧伝する中で、官業一体となって「損傷隠し」までしてきてしまったというわけだ。


 いずれにしろ、欠陥だらけの原発が稼働し続けているという、この恐ろしい状態を脱するには、保安院でも東電でもない第三者機関にきちんと調べてもらうしかない。  (本誌取材班)
 

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コメント
 
01. doradora1968 2011年4月01日 01:09:19: edFTVy/8IiUNU : V0EVnzAIzw
ダメだこりゃ。

農水の偽装米の検査と同じ。
あきれるわ。


02. 2011年4月01日 01:31:05: Ey9ocC9aAg
他の原発も、似たようなものだろう、浜岡原発もそうではないかな。

自殺行為。

日本にある、構造物はすべて、そんなものかもしれない、
日本では原発は無理だ、今までどうにか綱渡りで、無事に済んだだけ。


03. 2011年4月01日 03:58:39: 3UbsnckrEQ
設計も欠陥。施工も欠陥。運用も欠陥。
危険度200%の、すばらしい安全神話だ。

04. 2011年4月01日 06:34:25: ZTEpNBIsXU
東電の施工能力は業者の中でも呆れるくらい低いらしいから、
設計通りでもやっぱりダメらだったろうな。

05. 2011年4月01日 07:18:21: 07XBmwlKCE
こういう話を聞くにつけても稼動中の原発の全てを停止して徹底的な再検査がひつようだが、検査とその確認は第三者にやらせなければまた誤魔化すだろう。 昔の軍隊で員数合わせということばがあったそうだが、要するに検査の時だけ格好とト数を合わせておくやり方。 今でも身近な話しなら自動車の車検の時にやっているのは皆が知っている話。 権力は腐る。 長期にわたる権力は、その期間に応じてよりひどく腐っている。 腐り果てた権力者、この場合はエリート官僚と東電の幹部だろうが、その上の国の中枢にある内閣が無能無策だから救いようがない。 彼らの頭にあるのは今のポストを守ることだけなのだろう。 仮病で入院した馬鹿社長でも、辞めさせらる時には巨額の退職金を採る心算なのだろうと思うと腹が立つ。 N.T 

06. 2011年4月01日 15:41:28: IkwoLMDYhQ
日本が技術立国で、世界一の技術大国、というのは真っ赤なウソだった。第2の超大国・ソ連が、粗製乱造で経済力を大きく見せていたのとそっくりだ。故・石井紘基氏が喝破したように、日本国と旧ソ連は同じだった。

07. 2011年4月01日 23:09:03: XOhdjOeqxE
まじめに仕事をしない者に、金を沢山得る世界
業界は、国民の安全を本気でないことが理解できた

08. 2011年4月02日 09:15:03: TP15ZBYvUM
コストのためには安全を犠牲にする東電、
安易に「安全宣言」を出す国、経産省
彼らの頭に「国民」はない。
このままだと日本は確実に破滅する!

09. 2011年4月02日 18:39:59: bAeNGmt5TI
破滅はしない。
歴史を見ても国民がどんなに搾り取られても破滅はしなかった。
生かさず殺さず。このサジ加減が難しい。
官僚の真骨頂というところだ。

破滅はしない、させない、見逃さない。
わかるかな。
官僚


10. 2011年4月02日 21:17:06: gFoxFl4bmU
マークIを採用している原子炉で同様な事故が
米国で起これば、プラントメーカーのGEに
ほとんどの責任が行くだべさ。

なぜなら、1972年以来マークIの欠陥は
専門家に指摘されてきたが、根本的な対策を
とらずにきただべさ。

例えば、マークIが冷却機能を完全に失うと
露出した燃料棒により水素が大量に発生し、
その積み上がった水素圧力に内容積が小さい、
鉄板の板厚が薄い欠陥格納容器であるマークI
は耐えられなくなり、壊れて開いてしまうか、
または爆発して壊れてしまうという指摘だべさ。

GE側は冷却機能を完全に失う可能性は無視
していいぐらい低い確率だと反論しただべさ。

実際、80年代後半では電力会社やプラントオペレーター
がGEの内部文書がマークIの欠陥性を指摘
しているので、GEに「こんな欠陥商品を売り
つけやがって、訴えるぞ」と脅したことが
あっただべさ。

一方、日本では官僚の原子力行政やプラント
メーカーであるGE、東芝、日立を擁護したい
電通マスゴミNHKは耐震偽装事件と同様に、
本来なら被害者である東電を悪者に仕立てて、
東電を国有化(庶民の税金投入)する事で
この歴史的な大惨事の幕引きを画策しているだべさ。

本来なら、手続き上に則って被害者は今回の
事故責任をプラントオペレーターである東電
に賠償責任を求め、そして東電はプラント
メーカーに賠償責任を求めなければならないだべさ。

しかしながら、ニューヨークタイムズ紙によれば
日本では、官僚の原子力行政によって事故責任の大半
はプラントオペレーターである東電にあって、
プラントメーカーであるGEの責任の範囲は非常に
限られたものにすでになっているらしいだべさ。


11. 2011年4月02日 21:49:51: THUSDJN2Rs
「配管が全部めちゃくちゃ」の6号機は今の所事故のニュースが入っていませんが、その内「6号機もメルトダウン」といったニュースが流れそうですね。

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