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放射性物質:「セシウム、現基準妥当」食品安全委
http://mainichi.jp/select/today/news/20110330k0000m040116000c.html
2011年3月29日 20時42分 更新:3月29日 21時34分 :毎日新聞
野菜や飲料水に含まれる放射性物質の健康への影響を議論している内閣府の食品安全委員会は29日、放射性セシウムの基準は現在の暫定規制値の根拠となっている年5ミリシーベルトが妥当との見解をまとめ、厚生労働省に通知した。暫定規制値には専門家や自治体から「諸外国より厳しすぎる」との声が相次ぎ、委員の間でも引き上げを認める意見が多かったが、見直しの最終的な判断は厚労省に委ねられた。
この日の審議は14人の専門家が「10ミリシーベルト以下での健康影響はない」との意見でほぼ一致したものの、事務局は現状を維持する姿勢に徹した。このため文言の表現で2度中断し、最終的には現状の5ミリシーベルトを妥当としながら、緊急時は10ミリシーベルトに引き上げることを認める余地も残した。
食品衛生法には放射性物質の基準がない。厚労省は福島第1原発の事故後急きょ原子力安全委員会の「飲食物摂取制限に関する指標」を引用し、食品ごとの摂取基準量をベクレルで定めた。食品安全委員会は20日に暫定値の妥当性の審議を諮問され、28日には放射性ヨウ素も現状の年50ミリシーベルトで妥当との見解を示した。
暫定規制値を巡っては、福島と関東の8都県知事が28日、政府に見直しを求めた。茨城県園芸流通課は「数値をわずかに超えただけで出荷停止になっている農産物もある。委員会が緩和の結論を出すことに期待していただけに、残念というしかない」。ホウレンソウとカキナが出荷停止となった栃木県生活衛生課の担当者も「緩和されないと、生産農家だけでなく食品加工業者にも影響が及び、かなり深刻な状況になる。厚労省の対応に期待したい」と話す。【小島正美、中西拓司、田村佳子、五味香織】
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