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株式日記と経済展望
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大前氏の説明では、格納容器の底に穴が開いていて溶けた燃料が漏れ
出ているようだ、しかし再び臨界になるような可能性は低いと解説しています
2011年3月29日 火曜日
◆昨年6月、東電福島原発老朽機には前駆症状があった:いわき市議ブログに重大記録あり 新ベンチャー革命 2011年3月28日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/23630312.html
1.昨年6月、福島原発老朽機には深刻な前駆症状があった
東電福島第一原発2号機は原子炉損傷の疑いがもたれていますが、この2号機に関し、ネットでものすごく恐ろしい情報がアップされています。それは、地元いわき市の市議・佐藤かずよし氏の2010年6月19日付けブログです(注1)。
今回の3.11大地震発生より9か月前の2010年6月17日、2号機の発電機が故障し、原子炉が自動停止したのに、非常用ディーゼル発電機が作動しないという電源喪失事故を起こしていたそうです。圧力容器内水位は瞬く間に低下、15分後にやっと非常用ディーゼル発電機が起動したとのこと。そのわずか15分間、炉心への給水が止まっただけで、瞬く間に危険な燃料棒がむき出しになるということです。なんと恐ろしいプラントでしょう、原発は・・・。
たとえ外部電源が遮断されても瞬時に緊急炉心冷却できる構造になっていなければ、あっという間に、メルトダウンしてしまうとは、もう絶句です!
問題の老朽機4基(1号機から4号機のマークT)は40年の寿命を経ています。世界的常識では原発寿命は30年ですから、原発寿命30年が、人間の就業者の定年60歳と仮定すると、老朽機4基は人間の年齢に換算してほぼ80歳前後です、だから過酷な労働はどだい無理です。
上記、前駆事故は、老朽機の発した危険信号だったのですが、東電はそれを隠し、80歳の老人に過酷な労働を強制していたということになります。
しかも、昨年10月、老朽3号機を、毒性の強いといわれるMOX燃料の実験機にしているわけです。なんと無謀なことよ。
2.なぜ、こんな恐ろしいことが易々と実行されたのか
われわれ人間の就業者は、勤務先の健康保険組合から毎年、健康診断を受けるよう指導されています。もし、その結果に問題あれば、精密検査して、必要なら入院します。
これとまったく同じことが、当該老朽機にも起きていたのです。すなわち、4基は老化であちこちガタが来ていて、とても健康体ではなかったのです。
そこに、1000年に一度の巨大地震・大津波が襲来したのですから、もつわけがありません。
この話は、いずれ大問題に発展するでしょうが、昨年の6月の前駆事故に関して、東電社内でも大議論が交わされたはずですが、反対意見を押し切って、昨年10月に、老朽3号機に危険なMOX燃料が入れられたということです。
この流れを振り返ると、昨年来、東電は何かに取り憑かれたように暴走していたことがわかります。
なぜ、暴走は止められなかったのでしょうか、残念でなりません。
3.戦前の日本軍大本営を連想させる恐怖
上記の戦慄の事実から、誰もが連想するのが、戦前の日本軍大本営の暴走でしょう。
東電はなぜ、地元・福島県知事や議員の懸念や反対を押し切って、強引に破局的暴走を起こしていたのか、不思議でしようがありません。
今、老朽4基に深刻な危機が起きている以上、東電には結局、この暴走を止められる人間がいなかったということです。東電の意思決定者は戦前日本の大本営参謀と同様に、非常に狭視野に陥っていたのではないでしょうか。
東電幹部はなぜ、危険な老朽機の運転続行を決めたのか、それは2007年に新潟中越地震で被災した柏崎原発が致命的破局に至らず持ちこたえた事実が、ある種の傲慢さと過信を生んだ可能性があります。
国民を道連れに破局に向かって突き進んだ戦前日本軍の傲慢さと過信となんとよく似ていることか。
4.近代日本人の欠点が露呈:シナリオ発想力の欠如
ところで筆者の専門はMOT(技術経営)ですが、その方法論にシナリオ・プラニングがあります。
筆者は1986年に米国シンクタンク・SRIインターナショナルに所属して以来、20数年もMOTを研究していますが、その経験から常日頃、感じているのは、米国人エリートに比べて、日本人エリートはシナリオ発想力が劣るのではないかという仮説です。
今回の東電原発事故を観て、その仮説が強く想起されます。
東電幹部がもし、米国人エリートだったら、昨年6月の老朽機の破局前駆症状を経験すれば、間違いなく、最悪シナリオの検討を部下に命じていたでしょう。そして、老朽機の新鋭機交換コストと老朽機破局事故の二次災害補償コストを算定させたはずです。
二次災害補償コストは、チェルノブイリ事故を参考にかなり定量的に算定できます。
結論は明らかで、老朽機の廃炉オプションを意思決定したはずです。ところが、日本の大企業のサラリーマン型幹部は、米国企業経営者に比べ、そのような大胆な意思決定ができないことが多いような気がします。
もうひとつ、技術の本質に疎い文系経営者は、肝心なところで、厳しい技術的判断ができないことがあります。また、技術に疎いがため、逆に、根拠なく技術を信じ込んでしまう危険があります。
今回の事故にて、残念ながら、そのような弊害が東電幹部に観察できます。
注1:風のたより、いわき市議会議員 佐藤かずよし『あわやメルトダウン、福島第一原発2号機、電源喪失水位低下』2010年6月19日
http://skazuyoshi.exblog.jp/12828796
◆福島第一原発 現状と今後とるべき対応策 (大前研一ライブ580)
http://www.youtube.com/watch?v=5mBlngPiaSY
大前氏の説明では、格納容器の底に穴が開いていて溶けた燃料が漏れ出ているようだと解説しています。再び臨界になるような可能性は低いと解説しています。だから漏れ出た水の放射線の値は非常に高くなっている。今後はだましだまし燃料を冷やしていくしかありませんが、何年にもわたる様になるだろう。その間は水をかけ続けなければならないし、放射線も出続ける。
◆大前研一 最悪のシナリオ・メルトダウンしたらどうなる?
http://www.youtube.com/watch?v=Xcy-gKvQkm8
本体が爆発したのではないからチェルノブイリになる事は無いのですが、電源が復旧してもポンプを回すことも非常に困難だろう。配管自体も爆発で破損しているからだ。おそらく原子力発電所では最悪の場合を想定した訓練も行なってはいなかったのだろう。行なっていれば水素爆発は防げたはずだからだ。
(私のコメント)
昨日は官僚の天下りシステムがどのような弊害をもたらすか述べましたが、結局は原子炉が爆発して死の灰が東京の空に降るようになるまで来てしまった。軍事官僚の暴走も、B29が東京の空を覆って爆弾の雨を降らすまで来てしまった。彼らは自分たちの失敗を絶対に認めずに、隠すために奔走して暴走してしまう。軍事官僚も中国から撤退していれば良かったのですが、暴走してしまった。
原子力エネルギー政策も、一旦暴走してしまうとなかなか止められない。安全対策を求めても、天下りシステムで監督官庁は東京電力に骨抜きにされてしまった。福島第一原発は1971年に作られたものであり、耐用年数の30年を過ぎてしまっている。だから廃炉にすると言う決断をすべきだったのですが、サラリーマン社長には無理だったのだろう。
今回の津波がどうこう言うよりも、福島第一原発は去年重大事故を起こしていたようです。原発が停止したにも拘らず非常用電源が作動せずに水位が低下してメルトダウンの事故を起こすところだった。その時はジーゼル発電機を起動させて何とか冷却したと言うことですが、この事故を東京電力が十分に認識していれば今回のようなことは起きなかったはずだ。
私自身コンピューターセンターの設備管理をしていましたが、月に一回程度は非常用発電機の起動テストを行なっていました。テスト自身は簡単でテスト用ブレーカーをOFFにすれば非常用発電機が起動するようになっています。その前の数秒間はバックアップの蓄電池が働きます。おそらくそれも働かずに水位だけが低下したと言うことは、安全システム自身が逝かれていたのでしょう。
非常用ジーゼル発電機も40年以上も前の物なら作動しない恐れもあります。ジーゼルエンジンは動かし続けていなければ錆付いて動かなくなるから、月に一度は動かして潤滑油などをエンジン全体に回さなければなりません。そのようなテストをしていたのだろうか? 下請けの設備屋さんならやらないことも考えられます。ジーゼル発電機は非常に巨大であり、たくさん並んだレバースイッチを操作するのは新米の設備屋には出来ない。
40年前の原子力発電機なら、どこがどう老朽化しているか分からないから廃炉にすべきなのですが、廃炉の決断をするにはかなりの費用がかかり続けるから決断を先送りにしてきた。本体は丈夫に作ってあったとしても周辺の設備が老朽化して大事故の発生源になりうる。さらには使用済み燃料棒の保管問題もあり、耐用年数の過ぎた原発は廃炉にすべきだ。
自動車だって40年も前の自動車ならエンジンは動いても、周辺部品は耐用年数が過ぎて全部取り替えないと動かせないようなものだ。福島第一原発はブレーキの壊れた自動車であり暴走してしまった。たとえ大津波が襲ってこなくても今回のような事故は起きていただろう。災害は十分な準備がしてあるところには起きず、油断している所に起きる。
私自身はビル設備管理の専門家であり、大手のビル管理会社に9年間在籍していましたが、現場の状況は経営の合理化が進んできてビルの設備管理予算は削られる一方だ。だからビル管理会社は下請けに丸投げしてやらせている。下請け会社は電気も空調も何も分からない派遣社員を送り込んでくるから何も出来ない。だから私がいた現場は何のトラブルが無かったのに私がいなくなるとトラブルが続出した。
福島第一原発も似たような環境だったのではないだろうか? 所長や幹部社員は技術があっても下請けの社員は原子力発電の事が分からないまま仕事をしている。テレビではシーベルトやベクテルなどの専門用語が連発されていますが、マイクロやミリなどの単位も分からないような人が原子力発電を管理監督している。
新ベンチャー革命で指摘しているように、このまま老朽機を運転し続けて事故を起こして賠償をする時の賠償費用と、新鋭機に切り替える費用とのコストを考えたことが無いのだろう。今回の災害で東京電力が負担する賠償費用は数兆円になるだろう。まだ災害は収まってはいませんが、テレビの解説者もいい加減な説明ばかりで、限られたデーターで判断できなければ専門家とはいえない。
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