http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/941.html
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昨日、私は御用学者という倒錯した人々が時代を超えて存在しているという、ほんの一例を示してみた。
http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/877.html
今回は、若干古い文献ではあるが、原子力「学会」の構造について解明をしている広瀬隆「東京に原発を!」より抜粋を行う。
以下抜粋
P31
・・・コンピューター・ルームのオペレーターたちは、大事故に備えて緊急時の訓練を絶えず受けている。炉心が空炊きになる前に、緊急炉心冷却装置(Emergency Core Cooling System − 略してECCS)と呼ばれる注水装置が作動して、炉のなかへ大量の水を送りはじめるという。
最後の命綱である。ところが、このECCSは過重な装置であるから不要だ、と言い出した人間がいる。原子力産業会議のトップに立ち、すべてを支配するこの人物こそ、有沢広巳会長である。・・・
問題の発言がなされたのは、1986年4月8日、つまりチェルノブイリ原発事故の2週間前である。以下、当日の朝日新聞の記事から重要部分を再録しておこう。
――日本原子力産業会議の有沢広巳会長は8日、東京で開かれた同年次大会で、「安全確保に役立っていない過重な付属設備は除去すべきである」と語った。同会長はその例として軽水炉の緊急炉心冷却装置をあげ、その設計が「オーバー・デザイン」ではないか、配管の瞬時破断は実際には起こりえない、などとし、「ある面だけ丈夫にしても安全上意味がなく、無駄な投資だ」と、述べた。
P35
・・・原子力から恩恵を得る人間集団が、どのように科学技術世界の比較的まともな人間の口さえ封じることができたのか、この点についてはなお疑問を抱いていた。ところが、シンジケートの構造を調べてみると、科学技術者が原子力の危険性に目をつぶっている理由は一目瞭然であった。つまり彼らは、学会という特定の世界で認められることによって教授のイスを占め、会社内で要職を与えられ、そのほかさまざまな面で報酬が得られるようになっているが、これら頭脳集団は、日本学士院会員をめざしている。その学士院長が有沢広巳日本原子力産業会議会長だったのである。科学者や技術者は、学士院のほかに学術会議も出世の拠りどころとしている。だが学術会議も、いまを去る三十年以上前(1951年)に同会議で「原子力研究」を公式に提言し、「原子力委員会」の基礎を固めた伏見康治会長が支配してきた集団だった。学術会議は1979年11月26日、すでに述べた原子力安全委員会と合同でシンポジウムを開き、事前に機動隊を配置する特異な性格さえ持ち合わせている。すなわち、現在の行き詰った技術界が至上の存在と仰ぐものこそ、原子力である。・・・
したがって、科学者と技術者は、これら原発シンジケートの配下で、重要な存在として機能する。原子力を否定することは許されない。たとえ危険性に気づいても、それを公式の場で発言しようとする者があれば、はっきり待ったの命令を受け、給与生活を脅かされる構造が完成している。こうして日本学士院と学術会議が、原子力推進に向かって科学界を暴走させるブレーンになっていると言わざるを得ない。
具体的には、原子力発電所の建設は、内閣総理大臣、通産大臣、原子力委員会、原子力安全委員会、動力炉安全基準専門部会、原子力発電技術顧問会、電源開発調整審議会、環境審査顧問会のすべてがハンコを押さない限り認可されないようになっている。これは大変に厳しい手続きのように見えるが、組織はすべてシンジケートのメンバーで構成されているので、計画すなわち認可とほぼ同じ意味を持っている。一例を述べると、内田秀夫原子力安全委員は、過去に通産省の立場で作った自分の資料に、安全委員としてハンコを押してきたのである。だがこれではいかにも危険だと指摘されはじめた昨今では、地元民の発言を反映させようと「公開ヒアリング」の制度が設けられたが、質問の時間が10分間、回答も10分間に限られ、しかもこれ1回きりの応答で次の話に進んでしまうので、なにも言わないのと同じ結果になる。なおおそるべきは、この公開ヒアリングがおこなわれると、それによって、“全地元民の賛成が承認された”ことになるのだ。周囲にはシンジケートの暴力団機動隊と私服警官が配置され、彼らはヒアリングの入場者を身体検査し、その重装備によって一般の市民に威圧感を与え、少しでも腹を立てる短気な者があれば、首根っこを押さえて引きずり出す始末である。・・・・これが、われわれの見聞した民主主義の姿のようだ。
(以上 抜粋終わり)
上記のような構造があるなかで、それでも原子力の危険性を警鐘し続けてきた方々がいる。我々はそういった人たちの声をもっと早くから真摯に受け止めるべきだった。今からでも遅くはない、いや、もう遅いのだろうか。
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