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電源喪失後のビジョン語らず 東電武藤副社長 (goo/レスポンス)−東電は反撃に出ています。
http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/914.html
投稿者 一隅より 日時 2011 年 3 月 28 日 19:32:35: PnbUj1IYwR18o
 

電源喪失後のビジョン語らず 東電武藤副社長 (goo/レスポンス 3月27日18時52分)
http://autos.goo.ne.jp/news/industry/153889/article.html

26日夕、東京電力本店(千代田区内幸町)で開かれた原発担当の武藤栄副社長の会見が荒れた。

・・・会見の雲行きが怪しくなったのは、新聞『赤旗』の記者が「津波によって電源が失われた場合の想定はしなかったのか」と、質問した後のことだった。

「発電所内の電源は地震でなくなったが、その時にディーゼル発電はしっかり起動している。地震では電源はなくなっていないわけだが、その後の津波が襲ったところで電源を喪失している。津波が今回の電源をなくした原因だと言えようかと思う」

原発は緊急停止後も、原子炉を冷却するために水を循環させなければならない。今回の事故は、そのための電源が失われ原子炉内の温度を制御できなくなったことが、事故の根幹にある。

・・・電源を喪失したときのバックアップ体制はどう考えられていたのか。しかし、武藤氏は、それに答えることはなく、「地震の後も、電源は確保できていた。津波によって電源は落ちた」と、喪失した原因が津波であるということを繰り返し、その後を語ろうとはしなかった。

記者が繰り返す同じ質問に武藤氏は「電源がなくなった場合でも、原子炉を冷やすことができるように設計はされている。ただ、これは一定の時間バッテリーを使いながら、原子炉の中の蒸気でもって原子炉を冷やすことが基本的な考え方」と前置きして、説明を始めるのかと思いきや、再び、こう話し出した。

「バッテリーの稼働の時間を超えて電源が復旧できないような状況になるというのは、今回の津波が全ての電源設備を利用できないような状況にしたということがある」

核心をはぐらかす武藤氏に、「今、この状況下で、最悪の事態をどのように想定しているのか」と、何人もの記者が詰め寄ったが、・・・会見は打ち切られた。
(引用おわり)

--------------------

 記者は、東電がいま最悪の事態をどう想定しているか、が核心で、武藤福社長がそれをはぐらかしているのが問題だ、といいたいようだが、それはどうでもよい。
 そんなことは、その確立した対処方法とともに答えるのでなくては答えても意味がない、すなわち今は誰にも答えられない。
 そうでなければただ無責任な予想であり、それなら誰でもできる。記者が自分で勝手に書いておけばよい。

 つまり記者たちは、責任をもって答えられないことを武藤氏に答えさせてネタにしようとしているだけ。ただのスケベ根性。

 そうではなくて、この武藤氏の頑とした態度の核心は、福島原発は地震には対処できたということ、ただ想定外の津波だけが事故原因だということをいおうとしているということだ。

 武藤氏はなぜこれを主張したいのか。
 次の記事によれば、
  ↓

福島第1原発 周辺の津波 14メートル以上の可能性 (毎日新聞 3月21日20時25分)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110321-00000034-maip-soci

 東京電力福島第1原発周辺で、14メートル以上の津波が押し寄せた可能性があることを21日、経済産業省原子力安全・保安院が明らかにした。設計時に想定した津波の高さの3倍近い。・・・東電が同原発で設計時に想定した津波の高さは約5メートル。

 今回、同原発では、3号機を襲った東西方向の揺れの強さが507ガル(ガルは加速度の単位)と、保安院が耐震安全の基準値として認めた数値の1・15倍だったのを除き、揺れはおおむね基準値を下回った。
 ・・・
 東電は今回の事故を、設計時の想定を超えて炉心の損傷につながるような「過酷事故(シビアアクシデント)」と認めている。保安院によると、東電は複数の対策シナリオを国の指示で02年に作成したが、津波による被害は考慮されていなかった。国の「原子力白書」でもシビアアクシデント発生の可能性について「工学的には考えられないほど低い」などとしていた。
(引用おわり)

 これによる東電の主張は2点。

 まず、東電は地震に対する基準は守った。だから、地震の規模は(3号機に加えられた東西方向のガル値を除いて)基準値を下回ったが、原子炉は基準どおり地震に耐えた(緊急停止もした)。
 したがって東電に落ち度はない。(なお、この点では東電の利害は国の利害とも一致する。すなわち、この点では国も間違っていなかったことになる。)

 次に、津波による被害は(国により)想定されていなかった。この点について国の許可基準はなかった。
 もっとも東電の設計には津波対策はあった(5メートルを想定)。ただし津波はその想定をこえた。

 ここから導き出される東電なりの結論。

 まず、東電に落ち度はない。
 なぜなら原発は国の許可にもとづいたものであり、国の許可基準に津波は含まれていなかった。

 (なお、津波にたいして東電なりの対策はあったが津波が想定をこえていた、だから東電は悪くないという主張もあるが、これは副次的なもの。)

 つぎに東電の言い分は、落ち度は津波についての基準を設けなかった国にある、それに従った東電にはない、というものだ。(そしてこれが東電の主張の根幹だ。)

--------------------

 私(投稿者)は、東電副社長・武藤氏のこの発言は一種の国への反撃として見ておくべきだと思う。ある種の正当性すら認められる。別にほめられたものではないが。

 菅や枝野(とくに最近の枝野)の、東電に責任を押しつけ逃げを図るような言動を見れば、この点は重要だ。
 ↓
(たとえば)
官邸に報告なし…枝野長官、東電に不快感 (2011年3月27日06時59分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110326-OYT1T00592.htm


 私(投稿者)は、国民に責任を負うのは第一に政府であり、われわれはまずそれを追及すべきだ、と思う。

理由その1。
 補償の確保という点でもそうだ。(東電は損害賠償責任はあろうが、国の補償責任はより広いだろう。国はつぶれない。)

理由その2。
 これを東電のみの責任の問題とすると、その裏返しとして、『国の原発政策は間違っていなかった、安全対策・基準見直しにより再出発できる、浜岡その他の原発についても路線変更の必要がない』、ということになるからだ。

 これを、(国策会社ではあるが)一私企業である東京電力の問題としてはいけない。国が、東電の問題にしようとするのを見逃してはならない。
 これまでチッソ水俣病や、薬害ミドリ十字問題への政府対応を見てもそうだ。
 

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コメント
 
01. 2011年3月28日 19:45:30: 39HuzqnW7g
投稿者の指摘はとても重要である。
原子力発電が、自民党政権による国策として行われたきたということは、忘れていはいけない。
下請けの原発労働者や、今回、福島原発周辺の土地が人が住めなくなったという犠牲について真剣に考え、政権交代のように国民の意思として、この国策を見直さなければならない。


02. 2011年3月28日 19:52:02: RA4vqhxNCo
落ち度がなくてこのような事故が起きるのなら原発は全て廃止という結論になる。

東電は同意したわけか。当事国でない国でも廃止の動きが広がっているというのだから妥当な結論のはずだが。


03. 2011年3月28日 19:52:42: gGUIJgHtuM
質問です。
>これを東電のみの責任の問題とすると、その裏返しとして、『国の原発政策は間違っていなかった、安全対策・基準見直しにより再出発できる、浜岡その他の原発についても路線変更の必要がない』、ということになるからだ。

これって、国の責任も一緒に有るよ、となれば、「国の原発政策は間違っていた」となり、今後の日本からの原発全廃に繋がると考えて良いのでしょうか?

いずれにせよ、東電だけをトカゲのしっぽ切りの如く叩いて、官僚が逃げるというのは防がなくてはならない、これ程の重大事件を闇に葬ったら、私は日本を捨てる。


04. 2011年3月29日 02:10:59: DnjbcxPnes
戦後まもなく始まった原子力政策の責任を、ついこの間政権の座についたばかりの民主党に負わせようとか、どういうバランス感覚してるんだよ。自民党関係者の責任逃れにしか見えないわ。東電といい本当に汚い奴等だ

05. 2011年3月29日 05:05:22: eprYXuiWgY
東電は寝ぼけたことを言っているな。
東北電力の女川原子力発電所は福島より条件は厳しかったのに事故にはならなかった
このデータ比較はどうしたのかね?

06. 2011年3月29日 21:21:02: xtlWVCU5v6
社長は体調不良で療養していた、と言われているが・・・。
今後の対応を検討していたのだろう。

原発への今後の対応ではなく、自分が会見した際に余計なことを口走らないための対応。
ああ言われたらこう応える、そう言われたらこうする。

どうしようもなくなったら、泣いて言葉を詰まらせる。


07. 一隅より 2011年3月29日 21:23:43: PnbUj1IYwR18o : EDdl3oR2Vp
投稿者です。
>>03さん、>>04さん のご意見にふれて、私なりに補足します。

 原発事故について国(現政府)の責任を問うことは、決して東京電力の責任や、歴代自民党政権の原子力政策の責任を免ずることにはなりません。

 しかしながら、以下の3点については、現民主党政府(菅政権)の責任を問うしかありません。

1.
 不幸にして起きてしまったことのカヴァー(補償)、事故の被害を受けた方々の生活確保、確立、再建についての国(政府)の責任は、現在および将来の政府(および国民)が果たすべきものです。

 国の補償責任はこれまで代々の政権の所在とは関係ありませんから、べつに歴代自民党政権を免責したり、現民主党政権のみを攻撃したりしていることにはなりません。

 また国の責任を問うことはべつに東電の責任を免ずることにはなりません。
 もっとも、国の補償責任の範囲と、東電の賠償責任の範囲との関係は、法律と裁判所により決定されるべきです。
 この点では、枝野が、原子力損害賠償法3条の例外規定(自然災害時の電力会社の免責)が東電に適用されることは「社会状況からありえない」と言った(3/25記者会見)というのは、余計なことです。

2.
 現在進行している事態の対処は現政府(行政)の責任です。

 現地で命がけの作業に携わっている方々のご苦労には感謝するばかりです。
 しかしながら、上に立ち大きな決定をする立場の者が的確な対処、判断をしているか否かは別の問題です。

 その意味で、枝野が、東電にたいして、「首相官邸に報告はなかった。・・・あらゆる情報は正確にかつスピーディーに報告していただかないと、政府として適切な指示が出せない」と、〈不快感を表明〉した(3/26記者会見)、というのも余計なことです。
 国民からすれば、政府も東電も一体となって何とか早く事態を解決して欲しいのです。政府と東電の間に連絡不行き届きや見解・方針の違いがあろうが国民には関係ない、両者で調整してくれ、というところです。

 そうすると、枝野はいう必要のないこと、いってはならないことを外部に向けていったことになります。そこに、政府の責任のがれの兆しを感じるのです。

 だからといって東電の責任が減じるわけではありません。東電の責任追及は、監督官庁としての政府が、自らの監督責任を明らかにしつつ、(あとで)すればよいのです。

3.
 上の1、2の政府の責任を明らかにしつつ、これからの日本のエネルギー政策をどうしてゆくか、これまでの原発推進路線をどう転換してゆくかが、現民主党政権(およびわれわれ国民)の課題です。

 これなしには、政権交代(=過去の自民党政治からの決別)したことの意味がありません。原発路線からの転換を政権交代の成果のひとつにしようではありませんか。

 そのためには現政府が、上の1、2の政府の責任から逃れることなく向き合うことが必要です。

 経団連・米倉や日商・岡村の福島事故発生後の、原発路線継続必要をうたう発言を見ても、現民主党政権にはそれ(=自らの責任直視)が望まれるのです。
 ところが枝野の発言に見られるように、責任逃れ、東電への責任押し付けの様子がうかがえるので、心配なのです。

 「(報告がないと)政府として適切な指示が出せない」、といういいかたには、ベントの時期、海水注入の判断、米軍などへの支援要請の要否などについて、自分たち(政府)の対処・判断が自分たちとして最善の努力だったかかえりみる態度がありません。


08. 2011年3月30日 19:08:33: gGUIJgHtuM
>>07. 一隅さん

03です、丁寧に説明を頂き有難うございます、勉強に成りました。


09. rav5 2011年4月09日 11:01:30: 8QffDdN5Bs4MI : JZOnsaVuWY
一隅さん
武藤副社長の歯切れの悪い応答の理由が納得できました。後に自分たちの不利になることを発言しないように本能的に用心深く振る舞うとあのような会見になるのでしょうね。官僚と同じく頭の良い人たちですから。

枝野さんの発言は東電が諸悪の根源だと予防線を張っていることを微妙に感じます。

久しぶりに冷静・公平で納得のいくコメントを読みました。ありがとうございました。


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