http://takedanet.com/2011/03/36_9d9f.html

（平成23年3月28日　午前9時）

（「知識」が自分の身や家族を救うこと、原子力の知識は見かけが難しそうに見えるだけで内容的にはそれほど難しくないので、できるだけわかりやすく書きますので、理解を深めてください。また専門的な知識の必要な方もおられますので、ブログの後半にはやや専門的な内容を盛り込むことにしました。）

今までの原子炉は、ウラン235を核分裂させるのがほとんどでしたが、最近ではプルトニウムを核分裂させるものも出てきました。

それが福島原発の3号機です。3号機が水蒸気爆発等をしますと、プルトニウムが空気中に放出されます。これについてすでに1度、このブログで説明をしましたが、追加して説明をします。

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(簡単な説明)

3号機が爆発して燃料として使っていたプルトニウムが空気中に飛散しますと、小さい微粒子になって風に乗って飛んできます。

それが、野菜等について食品と一緒に口の中に入る場合には、そのまますぐ排泄されてしまいますので、あまり害はない ということを書きました。

しかし、プルトニウムの微粒子が風に乗って飛んできた場合、呼吸とともに口から入り、75％ぐらいは消化器系の壁について胃のほうに行きますから良いのですが、25％、つまり4分の1ぐらいは肺に行きます。

肺に行くと肺の奥の方に詰まってそのまま出てこなくなります。そうなると、プルトニウムは周辺の細胞をいためますので、それが心配されています。

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【防御方法】

空気中を飛んでくるプルトニウムの粒子は、0.3ミクロン程度の非常に小さな微粒子です。

しかしインフルエンザウイルス（0.1ミクロン程度）よりも大きいので、「インフルエンザウイルス用のマスク」を用意しておけば、おそらく95％ぐらいは被曝を防ぐことができると思います。

機会のある内に、インフルエンザ用のマスクを買って置いておきましょう。

放射性物質の量が多い福島県の人等は比較的頻繁にマスクを変えた方がいいと思いますが、東京や仙台などでは今のところ洗って繰り返し使えると思います。

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（やや専門的）

わたくしがウラン濃縮の仕事をしているときに勉強したプルトニウムの知識は少し古いので、今回、西暦2000年までの事故例などを調べてみました。

やはり最も注目すべき事故例は、1965年のアメリカで起こった事故で、その時には25名の人が酸化プルトニウムの微粒子を吸い込んでいます。

吸い込んだ量は、放射線の作業をする人として認められている許容値のさらに10倍程度であり、かなりの量を被曝しています。

この時の酸化プルトニウムの粒径は0.21ミクロンから0.37ミクロンです。0.21ミクロンとは21ナノメートルですから、所謂“ナノ粒子”の領域です。微粒子としてもかなり小さい方に属します。

当時、プルトニウムは非常に毒性が強いと言われていたので、この25人は直ちに肺癌になると予想されていました。しかし、事故後20年たった1985年の健康診断でも健康上の被害は認められていません。

このほかに事故例は10ぐらいありますが、いずれも軽度の被曝で重篤な症状は見られていません。

・・・

原理的に言えば、酸化プルトニウムの微粒子が呼気とともに肺に入ると、沈着しα線をだして周囲の細胞を痛めると考えられます。また半減期が長く、水に溶解しないので、一旦、肺に入った酸化プルトニウムは除去ができないと考えられます。

しかし、それは机上の考えであり､事故例を見ますと、酸化プルトニウムの化学的、生理学的なダメージは小さく、α線による放射線障害が主でしょう.

一方、インフルエンザウイルスの大きさは、0.1ミクロン程度ですので、幸い「インフルエンザ用マスク」でかなりの部分は、防ぐことができると思います。

・・・

「プルトニウムの毒性」が極めて強いのではないかという危惧があるのはわかりますが、あくまでも、わたくしたちは「正しい科学的な知識」によって行動を決めなければいけません。

その点では、根拠なくプルトニウムの毒性について述べてもいけませんし、また逆に3号炉はプルトニウムを燃料としているのですから、東京電力や国はもう少し誠意を持って3号炉の状態や、プルトニウムが飛散した時の防御を発表するべきだと思います。

（平成23年3月28日　午前9時　執筆）

コメント
01. 2011年3月28日 12:07:02: aT4dYkFwlY テレビに出まくっている京都大学教授の中島健、なんとかしろよ、こいつ。ｗ 武田さんのような真摯な方はぜったいテレビで解説させないようだ。
02. 2011年3月28日 12:23:31: r2FFQi1r4M ここにかいてもしょうがない話だが 0.21ミクロンは210ナノでは？
03. ダイナモ 2011年3月28日 12:46:20: mY9T/8MdR98ug : SFB6e5PgNo 『わたくしたちは「正しい科学的な知識」によって行動を決めなければいけません。』 よく言うよ。　地球温暖化問題では「北極の氷が溶けても海面は上昇しない」などと主張して赤っ恥をかいたのに懲りないようだ。 単なる売名屋で金儲けが目的なんだろう。
04. 2011年3月28日 13:23:00: 53uRnpnFSA > 空気中を飛んでくるプルトニウムの粒子は、0.3ミクロン程度の非常に小さな微粒子です。 プルトニウムは、原子として飛散するわけではないのですね。
05. 2011年3月28日 16:22:26: 5HeyZSF5JA >03 >単なる売名屋で金儲けが目的なんだろう。 武田さんのようなことを言ってれば原発企業からの補助金もなにも出ないよ。ｗ 産学共同体から排除されて、どうやって金儲けできるんだ。 あほう。底なしの低能だ。 いまテレビに出てる東大や京大の教授らは東芝、日立ら東電の原子力建設企業から研究費を得ている。 だから何もいえないのだ。このあほ！ 金儲けしたけりゃ、こんなこといえるか、この低能。
06. ダイナモ 2011年3月28日 17:35:37: mY9T/8MdR98ug : SFB6e5PgNo >>5HeyZSF5JA さん。まあ落ち着いてくださいな。（爆笑） 金儲けといっているのは、武田邦彦氏が素人の無知に付け込んだトンデモ本をたくさん書いているからです。今回の一連の書き込みも売名が目的でしょう。 武田邦彦氏が書いたトンデモ本についてはウィキが詳しいですよ。（爆笑）
07. 2011年3月28日 18:50:05: N0ecmP8qLE 原発　緊急情報（32）では，プルトニウムが呼吸によって肺に入る件について全く言及していないので，その問題を指摘した者です。 http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/825.html （コメント文） 01. 2011年3月27日 12:55:56: N0ecmP8qLE 私は放射線の人体への影響についての専門家ではなく，書いたことは素人の推測です。この（36）で，改めて言及しているようですが，この程度のことが考察から抜け落ちてしまうような論者（←武田氏のことです。）はあまり信用するに値しないと思います。06でダイナモ氏が指摘してるように，武田氏には首をかしげざるを得ない著作内容の出版物がたくさんあります。 世の中には，素人には直ちに正否を判断できない極端な主張や一風変わった論を立てて一般人の耳目を集めるといったスタイルで，著作や評論活動をしてる「機を見るに敏な」人々がたくさんいます。 武田氏がそうだとは言いませんが，警戒しておいた方がいいと思います。
08. 2011年3月28日 18:52:36: 5HeyZSF5JA こっちが爆笑だ、このあほう。 トンデモ頭野郎が出てくる幕じゃねえ。あほう。
09. 2011年3月28日 20:41:47: G0fkoMjiOQ 誰が言ったかじゃなく、何を言ったか、だろ？

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