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原発 緊急情報(34・35)  春休みの終わり、簡単に判断すると [武田邦彦 (中部大学)]
http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/860.html
投稿者 純一 日時 2011 年 3 月 27 日 21:42:44: MazZZFZM0AbbM
 

(平成23年3月27日 午後2時)

春休みも終わりに近づき子供を持たれる多くの家庭の方は、これからどうしようかと思案しておられると思います。


先日示した被曝量の表はかなり複雑だったので、それをさらに簡単にして多くの人が参考にできるようにしたいと思います。


また、あまり文章が長くなると複雑になるので必要に応じて分けて整理をしたいと思います。


・・・・・・・・・


まず第1にどのくらいの放射線を浴びても良いかということを、自分ではっきりと決めておくことです。

ご不安はあるでしょうけども、とにかく決めないと決断をすることができません。


その参考のために二つの例を挙げます。


一つは、日本の放射線障害防止の法律と国際放射線防護委員会の勧告で、これは同じ値です.この値を使うということは、専門家に判断をゆだねるということを意味しています。

値は1年に1ミリシーベルトですから、1時間あたりに直しますと約0.1マイクロシーベルトです。

つまり、一つ目の決断の数値は、

「1時間 0.1マイクロシーベルト」

であるということです。

・・・・・・・・・

2番目は政府や NHK が言っている「レントゲンの被爆」との比較です。私は医療行為であるレントゲンと日常的に被曝するのを比較できないと思いますが、ここでは「政府の考え方」を尊重する人のために、計算しました。

レントゲンには、胃のレントゲンと胸のレントゲンがありますが、1回あたりの胸のレントゲンで被曝する量は50マイクロシーベルです(文末に資料をつけました)。


胸のレントゲンを1年に20回ぐらいは良いということになると、1年に1ミリシーベルトになるので、1時間あたり、0.1マイクロシーベルとになります。

つまりもう一つの決断の数値(政府より)も「1時間 0.1マイクロシーベルト」であることがわかります。


(これについては、テレビ等で言っている値と少し違うので。文章の下に説明を加えておきました。)


つまり、私(法律とICRP)と政府(レントゲン)とはまったく同じ数値(1時間0.1マイクロシーベルト)なのです。(ただし、レントゲンを1年に20回までOKとすれば。もし1年に2回とすると政府の方は一桁下がって0.01になる。)

・・・・・・・・・

次に現在の放射線がどのくらい続くかということです。


放射線は徐々に減っていきますが、これには大きな原則があり、

「40日で約10分の1」

になるということです。


すでに放射線が漏れてから、7日以上たっていますので、現在の時点から見ると、

「5分の1」

程度になるということがわかります。それから後は半減期が30年ものが主になるのでほとんど変わりません。


さらに現在、発表されているデータは「外からの放射線」のことですから、空気中に浮いている粒子は呼吸で体内に入りますので、発表された数字を2倍にしなければなりません(チェルノブイリの実績)。

次に、水道や食品から取り入れられる放射性物質の量は、おおよそ外部からの放射線と同じと考えていいのです。

つまり、これからしばらくたって放射線が減少する量が(5分の1)、食品や水、自分の体に入った放射性物質は(3倍)ですから、結局、発表される放射線の強さに0.67(=3÷5)をかけると、この4月になると、1年間に概ね浴びる放射線の量を計算するときには、

「今、発表されている量  ×0.67」

「0.1マイクロシーベルト」


を越えるかで判断ができます。


・・・・・・・・・


(発表値の例)  全て1時間あたりです。


原発の周囲   90マイクロシーベルト

福島市      4マイクロシーベルト

福島県の周辺   2マイクロシーベルト

東京新宿     0.1マイクロシーベルト

(1年間、実際に被曝する放射線の予想値)

原発の周囲   60 マイクロシーベルト

福島市      2.7マイクロシーベルト

福島県の周辺   1.3マイクロシーベルト

東京新宿     0.07マイクロシーベルト


これに対して、

限度       0.1マイクロシーベルト


・・・・・・・・・


原発の周囲    直ちに待避

福島市      できるだけ早く待避

福島県の周辺   できるだけ早く待避

東京新宿     大丈夫


・・・・・・・・・


この結果は、4月から1年間の判断ができるように、放射線の減少も具体的に示してあります。テレビでは「そのうち減るから」と言っているだけです。


また、数値が越えたからと言って、100人が100人、放射線の障害がでるわけでもありませんが、「国際的に危険が生じる可能性があるという基準」と認識してください。


後は、ご本人のご判断です. ここで示した数値は、赤ちゃん、妊婦も範囲に入っています. また1歳児から5歳児までは放射性ヨウ素が危険ですから、できるだけ「雨、水道を飲むこと、群馬などの野菜」を控えてください。それは1年ではなくヨウ素の半減期が短いので、4月中旬までです。


(平成23年3月27日 午後2時 執筆)


  (続 編)

 【 原発 緊急情報(35)  春休みの終わり 判断−2 】

     http://takedanet.com/2011/03/35_bfcc.html


春休みの終わりにどう判断すべきすべきかという参考にしていただくために、緊急情報34で、簡単な計算を紹介いたしました。

その後多くの方からご質問を受けたので、一部、ご返事申し上げます

・・・・・・・・・

福島県の海岸線、及び茨城県の北部の海岸線まで、政府から発表される放射線の値が少し低くても、お子さんのいる家庭は避難したほうがいい とわたくしは考えています。


実は、次の図を見ていただくとわかります。


この図は3月23日に原子力安全委員会から発表された図ですが、原発から漏れて出るのは「光のように四方八方に行く放射線」ではなく、ホワッと上空に上がって風で飛んでいく放射性物質(粒子)です。


この図ですと、北北西と南に放射性ヨウ素が飛んでいます。


そしてその濃度は、1歳児の甲状腺の場合、いわき市や伊達市で1時間あたり350マイクロ シーベルトの及んでいて、発表される放射線量の150倍にもあたります。

この測定は事実ですから。もしこの地域に1才から5才程度のお子さんを持ちの人は、甲状腺が異常をきたす可能性が高いので、赤ちゃんのことを考えれば、是非とも移動してもらいたいとわたくしは思っています。

その点でぎりぎりの境界を決めるのが大変に難しいのです。

おもに風向きによりますが、風向きが少し変わりますと、汚染の領域が変化すると思われるからです。

・・・・・・

第2番目はテレビでも報道しているように福島原発のところにある「放射能が極めて高い水」のことです。


このことについて、原子力保安院等は「びっくりした。どこから来たかを調査する」と言ってますけども、予測できることで、すでにわたくしのブログでは、織り込み済みで計算方法を書いています。


1週間程前から原子炉には継続的に水が注入されました。その一部は空気中に水蒸気となって飛散し、それが継続的な空間の汚染源になっています。

原子炉建屋の床にたまった水は、原子炉、格納容器、貯蔵プール等を通って下に落ちていますから、相当濃い放射性物質を含むと考えられます。


テレビでは、通常の原発中の水の1000万倍と言っていましたが、それぐらいは当然考えられます。特にびっくりする値ではありません。


わたくしは「原子炉が沈静化したので、福島原発から漏れる放射線は今後は2倍程度の範囲に収まるだろう」と言っているのがこのことです。

ただ少し気がかりなのが2号機の下で測定した水の中に含まれている放射性物質の一部が核分裂が継続した場合に存在するものを含むからです。

これが、地震前のものなのか停止後のものなのかが問題ですので、今後も注意していきたいと思います。


いずれにしても、現在、原発にちかいところで放射線があまり減らないのは、半減期で減る分だけ新たに福島原発から流れてくるからです。


これがどのくらいで収まるかということですが、現在の状態ですと4月中旬ぐらいには収まるというふうに考えています。


そうすると、その後は10分の1まで減少しますから、先ほどの計算でおおよその被ばく量が計算できるということになります。


・・・・・・・・・


福島県沖の海も汚染されていますが、これも当然のことです。保安院は「測定したら汚染がわかった」と言っていますが、福島原発から空に上がった放射性物質は西方に流されて太平洋に行っているわけですから、当然その下の海は汚れます。


また、冷却のために海水を大量に原子炉建屋内に入れたわけですから、その水が海に戻れば、これも当然放射性物質を伴います。


また保安院はどういう根拠があるかわかりませんが、「汚染された海から取れた魚も大丈夫だ」と言っています。そんなことは現在の段階でわかる人は1人もいないと思ます。

放射性物質で汚染された海で取れる魚は、原則として汚染されています。汚染されている魚を食べていいかどうかはその魚の放射性物質の濃度によりますから、その値がない内に安全だということは、なんと言うことでしょう。


・・・・・・


また、同じように福島県の作付けの問題で「土壌が汚染されているかどうかを調べる」というテレビを報道がありましたが、土壌はもちろん汚染されています。


空間に放射性物質がなければ、放射線は観測されませんから、福島で放射線が観測されるということは、すでに空気中に放射性物質が存在するということになります。


放射性物質が存在すれば、それをが地面に落ちますから、土壌が汚染されます。すでに間違いなく福島県の土壌は汚染されています。

どんなに怖い事実でも事実を真正面から見る勇気がこのようなときには大切です


・・・・・・・・・


毎日家にいたり、ペットボトルの水を使ったり、大変な毎日が続いていると思いますが、放射線量は最初の1ヶ月が高いのでここを何とか凌いでもらいたいとわたくしは希望しています。

マスクや浄水器、室内の空気清浄機等は効果が万全ではありませんが、若干の意味はありますので使ってください。また布団や洗濯物をできるだけ外に起こさないことも大切です。


放射性物質はいろいろな形(細かい粒子など)をしていますし、水で溶けるものや、溶けないものもあるし、拭いたら取れるものや、取れないものがありますが、ここ1ヶ月だけは少し我慢をして、できるだけあれもこれも やっておいた方がよいと思います。


・・・・・・・・・


避難も長期になってお仕事も始まったり、新学期が始まったりする人はとても迷うことではないかと思います。


放射線は浴びた影響は「累積(合計)」が問題ですから、1週間か2週間だけやや高い放射線のところにいても、その後、低いところに移れば回復するという傾向もあります。


現実の生活の中でできる事とできないことがありますが、何とか工夫していただければと思います。


その点では原子力安全委員会が継続的に「SPEEDI」を使って現実に風の向きで変わる放射性物質の状態を公開してくれることを強く望んでいます。


(平成23年3月27日 午後6時 執筆)


 

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コメント
 
01. 2011年3月27日 21:45:26: WglS7bDCtg
話が長いほど無能なんだよ

02. 2011年3月27日 22:01:21: 88XU8mEDX6
>福島原発から空に上がった放射性物質は西方に流されて太平洋に行っているわけですから・・・

西も東もわからなくなっているようですなぁ・・・


03. 2011年3月27日 22:04:16: HnIKKNocaE
具体的にわかりやすく言ってくれるので助かりますね

04. 2011年3月28日 00:38:55: BR95oqsmCk
>「原子炉が沈静化したので、福島原発から漏れる放射線は今後は2倍程度の範囲に収まるだろう」と言っているのがこのことです。

被爆等の説明は至極納得出来るが、「沈静化」したとの判断が疑問。
余りにも楽観にすぎないのでは?



05. 2011年3月29日 09:26:53: nD4Sk8Yc0o
武田さんの情報はとても役にたちます。これからもよろしく。

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