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福島第1原発事故で東京に降り注いだ放射性物質のセシウム137は、最大となった降雨の21〜22日に、1960年代前半まで行われた大気圏内核実験で1年間に降った量の3倍近くに達したことが25日、分かった。
放射線医学総合研究所の市川龍資(いちかわ・りゅうし)元副所長(環境放射能)の資料と、文部科学省の発表データを比較した。市川さんは「今のレベルなら心配することはないが、これ以上(放射性物質が)外に出ないよう、早く原子炉を冷却し、沈静化させてほしい」と話している。
市川さんによると、米国、旧ソ連、英国が63年に部分的核実験禁止条約に調印するまで、米ソは盛んに核実験を繰り返した。63年に東京で確認されたフォールアウト(放射性降下物)のセシウム137は年間1平方キロメートル当たり52ミリキュリー。換算すると1平方キロメートル当たり1924メガベクレルになる。
文科省によると、今月18日以降、東京で降下物として検出したセシウム137は、24時間ごとの値で最大だった21日午前9時〜22日午前9時は5300メガベクレルで、63年の1年間の約2・8倍になった。降雨で降下物が多かったとみられ、翌日以降は400メガベクレル以下に減少した。
市川さんは「問題はどれだけ体に入ってくるかだ。長引くと農作物の濃度が高まりやすく、厄介だ」としている。
(2011年3月25日 共同通信)
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