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ベラルーシにおけるチェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺ガンの現状(国立甲状腺ガンセンター(ベラルーシ))
http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/697.html
投稿者 tk 日時 2011 年 3 月 25 日 00:15:11: fNs.vR2niMp1.
 

図2 小児甲状腺ガン患者の事故時の年齢分布

上の円グラフから分かるのは、放射性ヨウ素が甲状腺がんを引き起こす影響は年齢が小さければ小さいほど大きいということです。0歳〜4歳までの患者数は10歳から14歳までの患者数の30倍もあります。ざっと計算すると、年齢の二乗に反比例でしょうか。(12歳/2歳)**2=36倍。おそらく0才児であれば14歳の子どもの100倍は影響を受けると思われます。

しかも、子どもの時に被曝すると、その影響は一生つきまとってしまうと推測されているようです。「今後は,これまで小児甲状腺ガンとして現われてきた事故影響が,10代後半,さらには大人の甲状腺ガンへと移行するであろうと推測される」。この論文はたぶん1997頃のものですが、後の調査はあるのかどうか未発見です。

大人は、放射性ヨウ素を気にすることはないでしょう。しかし、小さい子どもに関しては放射性ヨウ素の摂取を大いに心配するべきです。

−−−

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Sgny-J.html

ベラルーシにおけるチェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺ガンの現状

菅谷 昭,ユーリ・E・デミチク,エフゲニー・P・デミチク

国立甲状腺ガンセンター(ベラルーシ)

はじめに

1996年4月,オーストリアのウィーンにおいてIAEA(国際原子力機関),WHO(世界保健機関),EU(欧州連合)の3者による合同国際会議,「チェルノブイリ事故から10年」が開催され,その時の総括として,現時点でこの事故と因果関係が明らかであると特定される健康障害は,小児の甲状腺ガンのみであると報告された1.一方,白血病やその他の疾病については,今後の経過をみないかぎり科学的に明確な結論をだすことはまだ時期尚早と述べている.

1990年以降,ベラルーシ,ウクライナ,ロシアのCIS3カ国における小児甲状腺ガンの著しい増加は共通の現象として確認されている.ちなみに,1995年末までに,この3ヶ国で約800名の小児が甲状腺ガンの治療を受け,そのうちの半数以上はベラルーシ共和国で発見され,外科治療が実施されている.さらにこの総括報告書には,1986年の事故当時15歳未満の小児から,科学的根拠の裏付けは乏しいものの,今後数1000人の甲状腺ガンの発生が予測されると記載されている.もしこれが事実であるとするならば,長期的かつ用意周到な対策を早急に立案し,その準備を講じておかないと,高度の汚染を被った国々では,近い将来,人類史上に類を見ない大きな禍根を残すことになりかねないであろう.

本稿では,ベラルーシ共和国における小児甲状腺ガンの実態に関する概略について述べる.チェルノブイリ事故後,甲状腺ガンが急激に増加をはじめると,ベラルーシ政府は,甲状腺ガン専門の診療・研究機関として,1990年保健省の管轄下に国立甲状腺ガンセンターを設立し,その責任者に,長年にわたりベラルーシにおける甲状腺疾患治療の第一人者として活躍してきた,ミンスク医科大学腫瘍学講座のデミチク教授を任命した.そして,ベラルーシ国内における小児甲状腺ガンの外科治療は,原則としてすべてセンターで実施されることが取り決められた.本稿の資料は,ベラルーシ国立甲状腺ガンセンターで手術を施行し,病理組織学的に甲状腺ガンと最終診断された症例に基づいて作成されたものである.

小児甲状腺ガンの現状

ベラルーシ全土における小児甲状腺ガンの患者数は表1に示す通りである.すなわち,事故前11年間(1975〜1985)ではわずか7名であった.しかし,事故後の11年間(1986〜1996)では508名と著明に増加し,それは事故前に比べ72倍にも達している.一方,成人についてみると,前者では1342名,後者では4006名と約3倍に増加している.しかしこの場合には,診断技術の向上や検診機会の増加といった「見せかけ」の要因を考えると,必ずしも事故による被曝にともなう増加とは言えず,今後のさらに詳しい追跡調査を継続する必要がある.

* 表1 ベラルーシにおけるチェルノブイリ事故前と事故後の甲状腺ガン数・・略

甲状腺ガンセンターに紹介されてきた小児甲状腺ガン患者508名の出身地(州)を分類すると,ウクライナと接する高汚染州であるゴメリ州(268名:52.8%)およびブレスト州(122名:24.0%)からの小児が圧倒的多数を占めるという明らかな地理的特異性を示している(図1).

* 図1 ベラルーシにおける小児甲状腺ガンの地域分布(1986〜1996年:508件)・・略

また,小児甲状腺ガン患者508名の誕生日を,チェルノブイリ事故を中心に3群に分類すると,事故前誕生例は497名(97.8%),事故当時誕生例は6名(1.2%),事故後誕生例は5名(1.0%)と,ほぼすべての小児が事故前に生まれていることが明らかとなった.さらに,1995年までの患者420名を基に,子供たち(手術時に15歳未満)の事故当時の年齢分布をみると,0〜4歳が66.2%,5〜9歳が31.4%,10〜14歳が2.4%と,半数以上の患者が乳幼児期に区分される極めて若年齢の小児であった(表2,図2).ただし,事故後に生まれた4名は除外してある.

* 表2 小児甲状腺ガン患者の事故当時の年齢分布(1986〜1995)・・略

* 図2 小児甲状腺ガン患者の事故時の年齢分布・・上図

次に,ベラルーシ共和国における小児甲状腺ガンの発生頻度についてみると,事故前は小児10万人あたり年間0.1件と,世界のそれとほぼ類似の値を示していた.しかし,90年1.2件,92年2.8件,94年3.5件,95年4.0件,96年3.8件と明らかに上昇していることが判明した.そこで,これらの年度別発生頻度を,高汚染州であるゴメリ州に限定してみると,90年3.6件,91年11.3件,95年13.4件,96年12.0件と,91年以降は世界的平均の100倍以上にも達している.またブレスト州でも,96年は7.3件であった.これは極めて異常な事態と言わざるを得ない.一方,非常に軽度の汚染州であるビテプスク州では93年以降0件のままである.

ここに示した幾つかの臨床科学的データは,ベラルーシ共和国で急増する小児甲状腺ガンが,チェルノブイリ原発事故による放射能汚染によって誘発された可能性を強く示唆している2.なかでも,事故によって大量に放出された,ヨウ素131(半減期8日)などの放射性ヨウ素による甲状腺の被曝が最大の要因であろう.甲状腺では,ヨウ素を原料として甲状腺ホルモンの合成が行われるため,体内に摂取された放射性ヨウ素のほとんどすべては甲状腺に集まる.甲状腺に取り込まれた放射性ヨウ素による,局所的で集中的な事故当時の内部被曝の結果が,現在甲状腺ガンとなって現われていると考えるのが最も論理的である3,4.事故後に生まれ,ヨウ素被曝を受けていない子供たちに甲状腺ガンがほとんど認められていないことも,強力にこのことを裏付けている.しかし,発ガンのメカニズムに関する直接的な証明は現時点では極めて困難であり,またガン発生と被曝量との関連性についても今なお明確な結論が得られておらず,今後も詳細な基礎的検討が継続されるべきであろう.

ここで,最近の甲状腺ガン症例数の推移をみると,1995年に当ガンセンターで外科治療を受けた小児(15歳未満)は91例であり,96年は84例,97年は5月末までに27例と,漸次その数が減少する傾向にある.一方,93年頃より,15歳を超えた青年層の甲状腺ガン患者が増加してきている.具体的な数字を示すと,90年4例,91,92年はいずれも1例,しかし,93年になると25例,94年21例,95年25例,96年は10月末までに26例に手術が施行されている.つまり,事故当時に子供であった人々の年齢増加とともに,甲状腺ガン患者の年齢も上昇する傾向が認められている.また,これら10代後半の患者においても,小児の場合と同様に,明らかな地理的特徴,すなわち,高汚染州であるゴメリ州とブレスト州出身の患者が全体の70%を占めていることが明らかとなった.

今後は,これまで小児甲状腺ガンとして現われてきた事故影響が,10代後半,さらには大人の甲状腺ガンへと移行するであろうと推測される.

今後の問題点

若年齢の小児期に既に外科治療を受けた患者たちが,現在,思春期や青年期を迎えており,彼ら,ことに女の子たちは,間近に迫った結婚や妊娠,出産,そして生まれてくる子どもへの遺伝的影響などに大きな不安を募らせている.なかには,結婚や出産を回避しようとしている若年女子も見られている.

このようにチェルノブイリ事故による健康障害への影響は,今まさに始まったばかりである.今後,成長期にある小児のみならず彼らの親たちに対する臨床および社会心理学的ケアーの重要性がクローズアップされてくるものと考えられる.医療支援の取り組みの一環として,この方面からの教育的アプローチも考慮される必要があろう.

文献
ONE DECADE AFTER CHERNOBYL: Summing Up the Consequences of the Accident, Proceedings of an International Conference, Vienna, 8-12 April 1996, IAEA STI/PUB/1001.
Kazakov V.S., Demidchik E.P., Astakhova L.N. et.al., Thyroid Cancer after Chernobyl, Nature 359, 21-22, 1992.
Socalow E.L., Hashizume A., Nerishi S. et al., Thyroid Carcinoma in Man after Exposure to Ionizing Radiation, N.Engl.J.Med., 268, 406-410, 1963.
Maron H., Thomas S., Saenger E., et al., Ionizing Radiation and the Induction of Clinically Significant Disease in the Human Thyroid Gland, Am.J.Med., 63, 967-978, 1997  

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コメント
 
01. 2011年3月25日 00:38:37: Gt8HapteAM
ヨウ化カリウムの錠剤はどこに行ったのでしょうか?
イソジン飲ませてしまう事故が起きる前に、入手できるか明確にしてほしい。

02. tk 2011年3月25日 01:52:57: fNs.vR2niMp1. : 0wgoUdYBgQ
ヨウ化カリウム製剤は副作用があるので、医師の処方に従ったようが良いです。

また、一過性の放射性ヨウ素を含んだ大気の通過といった事故では《直前または直後に》服用すれば効きますが、環境中に残ってしまったヨウ素の場合には直前または直後に服用するというワケにはいきません。

ヨウ素製剤を気にするよりも汚染されていない水を入手する方が重要だと思います。

それに、ベラルーシの例は、摂取量が分からないので、どれくらいのベクレル数のときにどれくらい危険は分かりません。ベラルーシの最も影響を受けたゴメリ州167万人のうち0歳児が1/50とすると、3万人くらい。10年間の0歳〜4歳までの患者数は149人。そのすべてが0歳児だとして、20年でその倍だとしても、300人。300人/3万人=1%が発病したとしても残りの99%は発病しないことになる。ベラルーシでは、ひょっとしたら、放射性ヨウ素の危険に気がつかずに汚染が濃縮された牛乳を飲み続けたからかもしれない。それに比べたら、たぶん、もっと発病率は少ないでしょう。

もう飲んじゃったワケなので、祈るしかないですよ。祈りが通じる確率は99%以上あります。

−−−

原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について
http://www.nsc.go.jp/bousai/page3/houkoku02.pdf

放射性ヨウ素が吸入あるいは体内摂取される前24時間以内又は直後に、安定ヨウ素剤を服用することにより、放射性ヨウ素の甲状腺への集積の90%以上を抑制することができる(25,26,27,28,34)。また、すでに放射性ヨウ素が摂取された後であっても、8時間以内の服用であれば、約40%の抑制効果が期待できる。しかし、24時間以降であればその効果は約7%となることが報告されている。

また、この効果は、安定ヨウ素剤服用後、少なくとも1日は持続することが認められている。

・・・

・新生児にヨウ素を含む製剤を大量服用又は長期連用させると、甲状腺機能低下症を発症させることがある。

・妊婦にヨウ素を含む製剤を大量服用又は長期連用させると、胎盤を通して胎児の甲状腺にヨウ素が移行することにより、胎児の甲状腺機能低下症を発症させることがある。特に新生児及び妊娠後期の胎児における甲状腺機能低下症は一過性であっても、その後、知能の発達に影響を及ぼすことがある。


03. 2011年3月25日 02:22:40: 4HjBRnsCvU
放射性ヨードの摂取による、内部被曝と、それへの対処について、日本核医学学会の説明文より抜粋。

2.チェルノブイリでの事故後に東欧諸国で小児を中心とした甲状腺癌の増加が見られましたが、その主な原因はミルク等に含まれていた放射性ヨウ素による体内からの被ばく(内部被ばく)であったことが分かっています。たしかにチェルノブイリ事故では、大規模な被ばく発生後4日目に、ポーランドが国を挙げて安定ヨウ素剤を全ポーランドの小児の90%に一回だけ配布いたしました。そうしなかった隣国のウクライナやベラルーシでは小児の甲状腺癌が増加したのに対して、結果的にポーランドでは甲状腺癌増加は認められませんでした。しかし、1)内陸国のウクライナやベラルーシは食物や土壌中のヨードが少なく、もともと国民的にヨード欠乏状態であったのに対し、ポーランドは海沿いの国でさほどヨード欠乏状態ではなく、2)ポーランドは国内での牛乳を禁止して、すべて輸入粉ミルクに変えたという処置も行っています。これらの多くの処置がかみ合い、結果としてポーランドでは甲状腺癌の増加がなかったのであって、必ずしも一回だけの安定ヨウ素剤の投与が効果を現したわけではないと考えられています。

3.食物中、土壌中のヨウ素量の多い日本では、通常の食生活を行うことで十分にヨウ素を摂取できており、自然と甲状腺は安定ヨウ素で満たされています。ごく少量の放射性ヨウ素が簡単に健康に影響するほど吸収されることはありません。むやみに安定ヨウ素剤を服用する必要はありません。また、ヨウ素の入ったうがい剤や消毒剤を飲むことは危険です。乳児の場合には成長障害を引き起こす危険もあります。また、アレルギーなどで命の危険を来す場合もあります。

4.牛乳やその他の食物に含まれる放射性ヨウ素の濃度が上がるには、長期間に多量の放射性ヨウ素が土壌に広まり、これを吸収した植物やそれを食べた牛などが身体の中で濃縮していき、これを人間が食べることで起こりますので、現在の状況ではすぐに危険性があるものではありません。


04. inyesta 2011年3月25日 09:15:48: scKLzVrHZlskg : GUAxONWKxg
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/nuclear_fuel/?1301009902
>長瀧重信・長崎大名誉教授(被曝医療)は「チェルノブイリ原発事故後でも小児甲状腺がん以外の健康障害は認められず、すぐに健康を害するとは考えにくい。高い汚染が見つかった地域では、データをもとに住民と十分に話し合って対応を考えてほしい」と話している。


「小児甲状腺がん以外の健康障害は認められず」って・・・

もう、責任逃れのキャンペーンが始まっています。

こういう発言をしている教授と大学の一覧を作成するべきです。

ここまで露骨にやられると、寒気がする。

殺されます


05. 2011年3月25日 10:17:31: tBqNZ3ijRA
旧共産圏で起きた事故なので強制移住後、被害出た方の集計があいまいになっております。日本のご用学者はわざとこれを隠蔽しております。

06. 2011年3月27日 13:44:13: IAmpYJGiCI
あまり報道されてないのですが、東京都が計測データを公表していることを知りました。
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/whats-new/measurement.html

ヨウ素131に関して言うと、15日10時に241Bq/m3と異常な値が出ており、その前後も高くなっています。
その数時間乳児、小児が外にいたという事を想像すると、その短期間でも甲状腺ガンになる確率が高くなると推測すると、チェルノブイリの患者数を軽く上回るかもしれません。


07. 2011年5月14日 05:56:35: CeGNG7dbM2
少しくらいの副作用で大騒ぎするな、甲状腺癌は、再発と転移が凄いぞしかも
痛い苦しい、ならばヨウドチンキでもうがい薬でもドンドン飲め死にわしない。

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