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原子炉圧力容器 注水前に十分検討を/元中央大学教授(核燃料化学) 舘野 淳さんの話
「しんぶん赤旗」 2011年3月24日 16面
スリーマイルでは
冷却機能を喪失したため温度が上昇して損傷した炉心を冷やそうと、大量の水を注ぎ込んだ例に、197
9年の米・スリーマイル島原発事故があります。
事故発生から3時間あまりと、それほど時間がたっておらず燃料棒が非常に熱くなっている段階で、露出した炉心に水を注ぐ再冠水という措置がとられました。数年後、原子炉を解体してわかったことですが、このとき大量に水素が発生していました。高温となった、燃料棒を覆っているジルコニウム合金が水と反応して水素が発生したのです。
福島第1原発の1〜3号機では、事故発生から時間がたっていて、これまで圧力容器に海水を注入し続けてきたので可能性は低いと思いますが、同じことが起こらないとは限りません。燃料棒がどれぐらい冷えているのかわかっていないからです。燃料棒の一部は露出しているということなので、熱いままであるとも考えられます。下がっていたとしても、少しでも高いところがあれば、水を注入することで水素が発生する恐れがあります。
壊れる可能性も
もし被覆管の温度が1200度を超えると、もろくなって、注水することで、ガラスのコップに熱湯を注
いだときのように、ばらばらに壊れてしまう可能性があります。このことは、圧力容器内に水を注入する緊急炉心冷却装置(ECCS)の安全審査項目の一つとなっています。
海水を注入していても、燃料棒の一部が露出しているということは、圧力容器内の圧力が高くてなかなか入っていかないのだと考えられます。その場合、水を入れるにはガスを放出しなければならず、環境を放射能で汚染することにつながります。
中央制御室の機能が回復し、圧力容器内がどうなっているか、いまよりもわかってくる可能性があります。それらのデータなども使って安全性を十分検討したうえで判断すべきだと思います。
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