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「最悪シナリオ」はどこまで最悪か ~楽観はできないがチェルノブイリ級の破滅的事象はない見込み~
http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/563.html
投稿者 2009革命はあったのか 日時 2011 年 3 月 22 日 14:44:28: i0/ZvVcj.l7LE
 

専門家以外(私自身も専門家ではない)は論拠の正しさは理解できないでしょうが、少し安心できる内容なので投稿しました。

http://www.isep.or.jp/images/press/script110320.pdfVer.0
2011年3月20日
「最悪シナリオ」はどこまで最悪か
~楽観はできないがチェルノブイリ級の破滅的事象はない見込み~
環境エネルギー政策研究所
所長
飯田哲也
本レポートは、原子核物理の視点から、考えられうる最悪のシナリオを検討することによって、最悪事象にお
けるさまざまな備えを考える上での参考材料を提示することを目的とした。筆者と北村晴彦東北大学名誉教授
との私信をベースに、他の参考文献を考慮して定性評価したもので、すべての文責は筆者に帰する。なお、本
レポートはあくまで定性的な推論をまとめたものに過ぎず、被曝予防や退避・避難等については、政府や自治
体等の信頼できる勧告などを参考に、自己判断で対処していただきたい。
【要旨】
・ 2011年3月11日に発生した東京電力福島第1原子力発電所の事故が、この先に辿りうる
最悪シナリオを検討したところ、再臨界と水蒸気爆発の可能性は否定できないが、核爆
発やチェルノブイリ事故のような破滅的事象は、おそらく起こらないと判断できる。
・ したがって、首都圏や仙台などの大都市の避難勧告のような事態は、おそらく避けるこ
とができるものと判断できる。
・ ただし、最悪シナリオで放出される放射能は、これまで一時的に放出された放射能より
も桁違いに多い可能性があるため、状況の推移によっては、現状の避難範囲(避難20km、
屋内退避30km)の再検討やヨウ素剤の配布計画、広範な地域で被曝を最小限に抑えるた
めのマニュアルの周知徹底などが必要と考える。
【はじめに】
・ 2011年3月20日20時現在、東京電力福島第1原子力発電所の深刻な事故は、未だに終息
の見通しが立っていない。低いレベルとはいえ、福島だけでなく首都圏各地など遠方で
も放射能が観測されている。
・ この深刻な原発事故が、今後、どのような最悪の事態になりうるかについては、首都圏
壊滅のような巨大原発被害を予想する専門家もいれば、まったく楽観的な見通しを述べ
る専門家もおり、世論は混乱している。米国政府(米原子力規制委員会NRC)では、一定
の仮定のもとで試算された被曝シナリオ[1]1を評価するなどの対応を取っているが、日
本政府は未公開(未検討?)である。
・ しかしながら、最悪シナリオを検討しておくことは、国にとっても自治体にとっても事
業者にとっても、そして私たち一人ひとりにとっても、さまざまな「備え」をする上で
有効と考える。
・ そうした折り、北村名誉教授より紹介のあった藤林徹(元東芝原子炉設計部長)の見解
[2]2をきっかけに、筆者と北村名誉教授との間で「再臨界は起きうるか」「東京での被
曝の可能性」の2点について議論した結果、一定のコンセンサスに達したので、ここに
北村名誉教授の了解を得て、議論の経過を公開するとともに、北村名誉教授の判断を踏
まえた筆者の見解を述べることとした。
【議論の経過】
・ 藤林徹氏の主張を同氏のブログから引用すると、以下の二つ。
 「(再臨界)には核反応を起こす中性子を生み出す水が必要ですし、また中性子を吸収
するホウ素が使われているようなので、再臨界の心配はない」
 東京の被曝について「発電所の発生点で1時間あたり100ミリシーベルトであった放射性
物質が東京方向の風に乗って流れたとすると、1キロ離れていれば1ミリシーベルト、10
キロ離れれば0.01ミリシーベルト(10マイクロシーベルト)と低下します。東京は福島
から100キロ以上離れていますから、さらに0.0001ミリシーベルト(0.1マイクロシーベ
ルト)以下」
・ これに対して、北村名誉教授に送った筆者の反論は、以下のとおり。
 再臨界がないとの主張に対して
水がない(←部分的に残っているし、注水もしている)、ホウ素がある(←万能で
はない)ので、再臨界にならないとの見解ですが、甘すぎませんか?
下に核燃料
が溶け落ちて、塊になったときの高速中性子での反応の可能性や、水が適度な減速
材・反射材の役割を果たす可能性もゼロとは思えないのですが。
 東京で被曝の心配がないとの主張に対して
1 http://www.nrc.gov/reading-rm/doc-collections/news/2011/11-050_Attchmt.pdf
和訳は
http://www.es-inc.jp/lib/archives/110320_133304.html
2 藤林徹「福島原発に関する見解と東京の安全性について
2011/3/17」
https://sites.google.com/site/reportfujibayashi/
 発電所で100mSV/時の想定だが、水蒸気爆発や再臨界→水蒸気爆発といったシナ
リオで内容物が放出された場合は、桁違いに大きな放出量となる。
 藤林徹氏の「100mSV/時(100m地点?)→1mSV/時(1km地点)→0.01mSV/時
(10km地点)→0.0001mSv/時(100km)」という数字は、単純な距離2乗則で減衰して
いますが、問題は放射線ではなく、放射能雲ですから、甘すぎる評価といわざるを
えません。ちなみに、チェルノブイリの被害範囲ははるかに広域です[3]3。
・ 筆者の(藤林徹氏への)反論に対する、北村名誉教授の回答は、以下のとおり
 前段の再臨界可能性に関しても,小生は若干厳しい見方をしておきたいと思います.
話が錯綜するので箇条書きにします.「最悪の可能性」というと『どこまでがあり
うることなのか?』という議論が避けられません.「悪い方のシナリオ」と言い換
えさせていただきます.
@ まず,燃料貯蔵プールについてです.プールの中には今のところ海水と一緒にホ
ウ素が投入されたとは聞いていません.設計段階からホウ素入りの仕切りが入っ
ている燃料プール設計もありますが,福島第一発電所は違うように思います.い
ずれにしてもホウ素はないと考えておいた方が,燃料プールの安全性を評価する
上では合理的でしょう.
A 燃料プールが再臨界になる可能性については,簡単な計算評価をすれば一応可能
と思います.大学が機能停止していて小生の手元には物理定数や核反応断面積の
データがないので今は計算できません.手順としては,燃料集合体中のウラニウ
ム総量(重量,体積)を導出する.それが燃料プール底面に一様に広がって横た
わったとして,タテヨコは10m×12mでしたかね.堆積した厚さを計算すると,多
分形状的に臨界になりにくいと思います.
通常炉心部分を構成している直径4m,高さ4mの円筒形が臨界になりやすい形状
だとするとプールの底に沈んで広がった溶融燃料は,臨界になりにくい(体系外
への漏れが大きい)形状になるのではないかと思うのです.
でもまぁ仮に臨界になったとしたら,Dへ.(現実には燃料の関してはDの記
述がより正しく,ここAでの想定は計算上の仮定です)
B 原子炉の炉心内の燃料(正確には燃料被覆管)が大部分溶けて燃料が圧力容器底
部に集まった場合は,燃料プールの場合より相対的に臨界になりやすいかも知れ
3
今中哲二(京都大学原子炉実験所)「チェルノブイリ原発事故:何がおきたのか」
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/kek07-1.pdf
ません.この計算も定数データがないと困難ですので,以下,仮に再臨界になっ
たと想定します.
C その再臨界現象を定性的に考察しましょう.圧力容器の底部を想定します.詳細
に言うと燃料がどろどろに溶けて流れながら集まってくるのではなく,燃料被覆
管という部分が破損することによって燃料ペレット(小さな円柱状の核燃料)が
下部に落っこちてきて集積するように思います.なぜなら被覆管が溶融する温度
は,ウラニウム燃料が溶ける温度より大幅に低いからです.集まった燃料ペレッ
トの量がある限度(臨界質量)を超えたときに再臨界状態が出現します.ただし
このシナリオでは,ホウ素の投入量が大きければそれだけ臨界状態が生じにくく
なります.
D その時何が起こるか?これも色々なシナリオがありえます.しかしはっきり指摘
してきおくべきことは,その状態をチェルノブイリ事故と類似のものとみなすと
大きな誤解が生じることです.チェルノブイリの場合は,飯田さんが引用されて
いる資料にも記されているように「出力上昇率高」(炉周期20秒以下)とか,冷
却水が全部なくなったときの反応度添加は+5βであり、フィードバックのドッ
プラー効果は‐4βという状況です.反応度印加量が即発臨界を大幅に超えてい
て,かつ反応度印加速度も大であるという,再臨界では到底ありえない状況が生
じています.つまり出力の爆発的上昇に続いて,/炉心部が丸ごと中央ホール空
間に浮かび上がり空中で核暴走にともなう爆発が発生した/というような極め
て激しい現象が起こっています【この部分,専門語の説明をしていると長くなる
ので,とりあえず飯田さん向けの書き方ということで読者の皆様ご了解ください.
最後で要約補足します.】
E これに対して,圧力容器下部の再臨界が起こった場合には,そのような爆発的事
態は起こりえません.(再度臨界になる⇒核的出力が急上昇する⇒反応度フィー
ドバックがかかるがある程度までは出力上昇が続く⇒どこかのレベルで出力が
ほぼ安定する⇒燃料温度が上昇し燃料溶融が起こる⇒出力と温度がさらに上昇
する⇒溶融した燃料の体積膨張が起こり反応度フィードバックがかかる⇒臨界
状態が解消し出力が少し低下する⇒また臨界になる)のような形で事象が推移す
るでしょう.もちろん極めて乱暴な推測にすぎません.しかし,即発臨界や爆発
的な事象は起こらないということは言えると思います.圧力容器の中で臨界現象
が起こることは,望ましくはないが圧力容器内に燃料が閉じ込められていれば事
態の深刻さはチェルノブイリとは比較にならないほど小さいといっていいでし
ょう.
F この後,圧力容器の底部が破損して溶融した燃料が漏れ出るというシナリオにな
ります.しかしその後にもなお今度は格納容器内で臨界が継続する事態は空間的
な広がりから言ってとても考えにくいと思います.この段階以降でさらに臨界状
態が継続し格納容器や建物底部を突き破るというチャイナシンドローム(これも
説明略.すみません)のような事態は考える必要はないでしょう.そして不完全
ながら格納容器が機能していれば,放射性物質の直接的大規模放出は回避できま
す.「悪い方のシナリオ」としてはこの段階まで推測しておけばいいのではない
でしょうか?
 わかりにくいと感じられたMLメンバーの方々には申し訳ありません.以下,考察の
結果を簡潔に要約します.
 判断1:燃料プールで燃料が溶融し,そこで原子炉臨界状態が出現するという
再臨界現象はおそらくは起こらない.(なおホウ素投入はないと仮定している)
 判断2:再臨界状態が起こる可能性は圧力容器内部の方が相対的に高い.(こ
ちらの場合もホウ素投入の効果はある.しかし再臨界を抑止できると保障する
ことまでは困難)
 判断3:再臨界は望ましくないことは当然であるが,実害はチェルノブイリ事
故とは比較にならないくらい小さい.爆発的事象は起こらない.再臨界による
中性子放出量の増加は圧力容器,格納容器,遮蔽壁が存在しているので中性子
線による住民への悪影響は生じない.
 判断4:以上を要するに,苫米地英人さんのHP[4]4で引用されている/1つの
原子炉がメルトダウンしても、被害が出るのは50キロ圏内。2つ以上の原子炉
がメルトダウンしても、被害はあまり変わらない。現在の20キロ圏内の避難勧
告は、妥当な判断。/という記述は理にかなっていると考えます.
 なおチェルノブイリ事故相当のシナリオにならないと考えれば,藤本さんが今懸念
されている,地下水汚染や食物を通じての内部被ばくの可能性も小さいと思います.
・ 北村名誉教授の回答は、実質的に「最悪シナリオ」を説明したものとなっており、再臨
界シナリオについて筆者はこの説明に納得した。
4 苫米地英人「ドクター苫米地ブログ」 http://www.tomabechi.jp/archives/51238831.html
・ ただし「判断4」については、北村名誉教授が引用されている苫米地英人氏の主張が英
国Hilary
Walker氏らのレポート[5]5を踏まえたものであるが、そのレポート自体が必ず
しも根拠のある評価ではないと判断されるため、筆者は同意していない。
・ 他の参考資料
 サイエンス誌18
MARCH
2011「最悪ケース:もし福島原発の水が失われたら」[6]6
(The
Worst
Case:
What
If
the
Water
Ran
Dry
in
the
Japanese
Reactors?)
この記事では炉心と燃料プールについて再臨界や水蒸気爆発などの最悪シナリ
オの可能性を認めつつ、その可能性は低いだろうと締めている。
 カリフォルニア大学のモンリオール教授(B.
Monreal)”
How
Bad
is
the
Reactor
Meltdown
in
Japan?”(福島原発の放射能を理解する)[7]7
結論は、個人的な印象と断りつつ、「最悪の場合でも影響は局所に留まり、
早期避難とヨウ素が体内に取り込まれないようにすることで軽減可能」
【暫定的なまとめ】
・ 使用済み核燃料プールで燃料が溶融し,そこで原子炉臨界状態が出現するという再臨界
現象はおそらくは起こらないであろう(ホウ素投入はないと安全側に仮定しても)。
・ 再臨界状態が起こるとすれば、その可能性は圧力容器内部の方が相対的に高い。ホウ素
投入の効果はあるが、再臨界を抑止できると保障することはできない
・ 仮に再臨界が起きても、核爆発のように連鎖的・爆発的に広がるのではなく、せいぜい
スパイク(瞬間的な臨界超過状態)を何度か繰り返す程度ではないか。
・ その場合、周辺の放射線量(中性子、ガンマ線)は東海村JCO臨界事故のように瞬間的に
高くはなっても、核爆発のように甚大な爆発被害が広がることはありそうもない。
・ 再臨界の有無に拘わらず、使用済み核燃料プールでの燃料溶融や圧力容器・格納容器に
おける水蒸気爆発によって、これまでのベント(意図的な圧力開放)をはるかに超える放
射能(核分裂生成物)の外部放出の可能性は否定できない。
・ ただし、圧力容器・格納容器の大爆発ではなく、構造上の弱い箇所の破損による瞬時放
出に留まると推定される。そのため、黒鉛火災が何日も続いて放射能を大量放出したチ
5 http://www.telljp.com/index.php?/en/news_article/bccj_members_update_on_japans_nuclear_power_station_situation/
6 http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2011/03/the-worst-case-what-if-the-water.html?rss=1
7 オリジナル http://online.itp.ucsb.edu/online/plecture/bmonreal11/oh/31.html
日本人研究者有志による和
訳は
http://ribf.riken.jp/~koji/jishin/zhen_zai.html
ェルノブイリ事故とは異なり、瞬時的な放出に留まると推定されるため、深刻な汚染地
帯はチェルノブイリ事故よりも限定的に留まるものと推定される。
・ したがって、首都圏や仙台などの大都市の避難勧告のような事態は、おそらく避けるこ
とができるものと判断できるのではないか。
・ ただし、最悪シナリオが生じた場合に放出される放射能は、これまで一時的に放出され
た放射能よりも桁違いに多い可能性があるため、状況の推移によっては、現状の避難範
囲(避難20km、屋内退避30km)の再検討やヨウ素剤の配布計画、広範な地域で被曝を最
小限に抑えるためのマニュアルの周知徹底などが必要と考える。  

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コメント
 
01. 2011年3月22日 15:17:16: pYZT0dbqfM
MOXは完全にスルーだな。

02. 2011年3月22日 15:53:49: q0S9ENA9K2
一番上のリンク先で
オリジナルを読もうとしたら「ファイルが見つかりません」となりました。

で、ググりました。

PDF
http://www.isep.or.jp/images/press/script110320.pdf

「3/20の飯田哲也さんのレポート〜楽観はできないがチェルノブイリ級の破壊的事象はない見込み〜」
http://staff.energy-shift.org/2011/03/602#
には同じPDFへのリンクがあり、要旨も載っています。

北村という教授が「再臨界の可能性がまずない」ことを論拠に「大丈夫だ」と言っているのに対して、それ以外の可能性も考慮している飯田哲也さんの論はかなり信頼できるように思います。


03. 2011年3月22日 16:01:24: cqRnZH2CUM
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5694
福島原発事故を技術的側面から整理する(前篇)破壊された核分裂炉「緊急冷却」のメカニズム
2011.03.22(Tue)  両角 岳彦 技術立国・日本論
今回の東北地方太平洋沖地震と津波によって引き起こされた事象の中でも、東京電力福島第一原子力発電所の壊滅は、様々な意味で社会に大きな影響を与えるものとなっている。
 その事象の内容と、社会への影響について、今分かっている範囲で説明を試みようと思うのだが、まず、こうした核分裂炉とその周辺設備の事故、そして「放射線被曝」について、原発事故の発生直後からインターネットの上だけでも研究者や専門家による一般の人々に向けた事象の分析や解説が様々に展開されていることをお伝えしておきたい。
 ここで一度落ち着いて、以下に紹介するウェブサイトで語られていること、そしてそこからさらに展開してゆくリンクの先を覗いてみることをお勧めしたい。
ネット上で入手できる「正しい」情報
 まずは東京大学大学院理学系研究科教授の早野龍五さんが、3月13日からツイッター上で一般の方々とやりとりしていた「Q&A」をまとめたものが、「サイエンス・メディア・センター」のサイトに「原発に関するQ&Aまとめ」として掲載されている。これを読むだけでも、ものごとがずいぶんクリアになると思う。
 人体に対する放射線の影響と、今回のような放射性物質飛散事故への対応については、東京大学医学部付属病院放射線科の中川恵一准教授のチームが、これもツイッター上で交わされたQ&Aをまとめたものを「福島原発における放射線被ばくの解説」として公開している。
 さらに早野教授自身のツイッターには、彼のネットワークから様々な情報が集まってきている。
 例えば「放射能は自分の所にも拡がってきているか?」という不安については、東京電力他当事者が発表し続けているものだけでなく、文部科学省など他の機関が刻々と公表しているデータへのリンクを整理したものが、「放射線モニターデータのまとめページ」として公開されている。
 もちろん、東京電力や原子力安全・保安院のウェブサイトで刻々の計測値は公表されるのだが、基本的には数字の羅列なので傾向を読み取るのは難しい。そこで文部科学省のウェブサイトに行くと、トップページに「全国の放射線モニタリング状況」が表示され、そこから各県の放射能濃度が時間経過とともにどう推移しているかのグラフにリンクしている。上記「まとめページ」から「全国の放射能濃度一覧」へ飛んでも、各都道府県別に日々どう変化しているかのグラフを見ることができる。
 さらに福島第一原発の敷地内の放射線モニタリングデータについても、早野教授のツイッターに知人や教え子の方が整理したグラフがいくつか紹介されている。
 そしてもう少しだけ専門的な「基礎知識」が知りたいという方は、カリフォルニア大学のベン・モンリオール教授が急遽まとめた解説(プレゼンテーションスライド)を日本語訳したものが「福島原発の放射能を理解する」として公開されている。断片しか伝えない、伝わらないメガメディアのニュースや、風説に振り回されたくない向きには一読をお勧めしておく。
 まったくの私事だが、早野教授とは小学校以来の友人であって、上記の情報をこの記事に転載するに当たって久々に連絡を取った。短いメールの往還だけだが。お互い、子供の頃から得意とした分野で生きている。何よりである。
福島第一原発は「沸騰水型」
 さて、ここからは東京電力福島第一原子力発電所が地震と津波に襲われてから起きている事象を、今、分かっている要素から私なりに再構成してみようと思う。
 まず基本的な確認。この原発に設置されているのは、「核分裂炉」が発生する熱を利用して水蒸気を作り、これでタービン(羽根車)を回して発電機を動かすシステムである。
 その「核分裂熱〜水蒸気〜タービン駆動」の仕組みは大きく分けて2種類がある。
 今回の6基はすべて「沸騰水型」(BWR:Boiling Water Reactor)。つまり、核燃料と水を収めた圧力容器の中で、核分裂の熱で水を沸騰させてしまう。ヤカンの中で水が沸騰すると次々に泡(ボイド)が出 て、その蒸気の圧力がフタを押し上げるが、それと同じように圧力容器の上部に溜まる水蒸気を管でタービンに導く機構である。
 つまり、容器の中の水は上部が水蒸気、その下は液体と、異なる相になっている。圧力容器はその中でおよそ70気圧の水蒸気が発生するのを閉じ込め、タービンに送り込む。この圧力下では水は280度ぐらいで沸騰する。
 東京電力のウェブサイトの「原子力発電のしくみ」に載っている概念図が、今回の状況を理解するのには分かりやすい。
 もう1つの「加圧水型」(PWR:Pressurized Water Reactor)は、圧力が高くなると水の沸点が高くなるのを利用して、圧力容器の中は完全に水(液体)で満たして150気圧を超える圧力をかけ、300 度以上の温度になった水を容器の外に導いて、別の回路の水を温めてそちらを沸騰させて作った水蒸気でタービンを回す。
 その分だけ、炉からタービンに至る配管類は複雑になるが、今回のような状況だと圧力容器が破損しなければ「燃料棒が完全に水に浸かっていない」状態は起こりにくいとは考えられる。
 しかし、かつて人為的ミスの連鎖から炉内の水を失って炉心溶融の危機に陥ったアメリカのスリーマイル島原発は加圧水型である。
 このPWRを使った原子力発電所の構成概念図については、関西電力の「原子力発電所のしくみ」を参照していただきたい。特に「詳細を見る」で開くPDFファイルが分かりやすい。
 ちなみに現在、日本では東京電力、中部電力などがBWRを使っている。関西電力は美浜1号機以来ずっとPWRを使い、四国電力、九州電力、北海道 電力もPWRのみ、という状況である。国内で稼働中の商業発電用核分裂炉は54基あり、そのうちBWRが30基(うち4基は改良新世代型)、PWRが24 基となっている。
核分裂の連鎖反応を止めても「崩壊熱」の放出は続く
 今回、地震が起きた段階で、まず福島第一で1〜3号機の3基(4〜6号機は定期点検で停止中)、同第二で4基、東海第二で1基、女川で3基の原子炉〜発電システムが停止した。これは地震の時に自動的に行われる標準的な手順だ。
 東京電力のウェブサイトの(原子力発電の)「地震対策」のページによると、この自動停止は、震度5強以上が検出された時に(正確には「原子炉建屋基部」で「水平方向135ガル、垂直方向100ガルの揺れ」)行われるという。
 この「核分裂炉の停止」は、その炉心に格子状に配列して立て並べられている「燃料棒(核燃料を詰めて棒状にしたもの)」の格子の間に「制御棒」を全挿入することから始まる。これで核分裂の連鎖反応を止めるのだ。
 制御棒の中には「ホウ素」など中性子を捕獲する(動きを止める)物質が詰め込まれていて、核分裂によって飛び出した中性子が「ウラン235」などに当たってまた核分裂を起こす、という連鎖反応を止める。
 それを燃料棒の束の中にどこまで挿入するかで、核分裂炉の出力(熱発生量)をコントロールするので「制御棒」というのだが、緊急停止(スクラム)の時には、これを燃料棒と完全にオーバーラップするところまで挿入する。これで、核分裂の連鎖反応は止まる。
 しかし、燃料棒はまだまだ熱い。そして、その中にはそれまでに生じていた様々な核分裂生成物があり、それがまた分裂して別の物質に変化する。その時に熱が放出される。これが「崩壊熱」だ。
 だから、制御棒を全挿入して核分裂炉を「停止」させたと言っても、電気のスイッチを切ったように全てが「オフ」になるわけではない。
 何よりも大量の熱を放出させるために「冷却」する必要がある。沸騰水型の炉では炉心を包んでいる「圧力容器」の中を水で満たすと同時に、その外側を包む格納容器の上から大量の水をスプレーして圧力容器を外から冷やす、といった「非常用炉心冷却装置」を備えている。
 そのシステムのほとんどを動かすのにも電力が要る。そのために、内外の電力供給を失った時のためにディーゼルエンジンで駆動する非常用発電機がある。福島第一原発の場合は、6基の核分裂炉・発電システムに対して13基がそれぞれの建屋に接近して配置されていた。
すべての電源を失い「ステーション・ブラックアウト」に
 しかし、そこに津波が襲う。
 映像によると、防波堤を簡単に乗り越えてゆくほどの津波で、その瞬間に持ち上がった波は黒く濁って見える。海底の砂や泥、様々なゴミなどが大量に混じっていたためだと思われる。
 エンジンがその中に浸かったとすれば、津波が引いた後であっても、始動すれば吸入する空気に海水やら泥やらが大量に混入するから、シリンダーの中で燃焼が続かずに止まってしまう。そうなってしまったら再始動にはエンジンを分解整備する必要がある。
 しかし、5、6号機の非常電源を供給するディーゼル発電機が1基、3月18日になって動き始めているから、津波被害の少ないユニットで本体まわり だけ整備すれば始動できたのだろう。さらにディーゼル燃料の重油(軽油?)タンクも損傷した、流された、といった報道も一部にあったが、こちらは確認でき ていない。
いずれにしても、原子炉の冷却も含めて発電所全体のシステムを動かす電力が供給されない「ステーション・ブラックアウト」に陥った。
 それでもまだ、電力供給を喪失した時に水蒸気を使って専用タービンを回し、冷却水を送り込む原子炉隔離時冷却システム(RCIC)というものがあって、今回も2号機、3号機では作動したのだが、12日午後8時の報道発表では、それも停まったと書かれている。
 こうして全ての電源を失ったことで、制御棒の挿入、連鎖反応の停止の後に本来ならすぐに作動するはずの圧力容器の冷却、つまり内外からの大量散水ができなくなった。炉心炉を冷却する水を循環させる系統もあるのだが、それも働かない。
沸騰する冷却水、下がる「圧力容器」の水位
 燃料棒はまだ高温で、熱を発生し続けている。冷却水は加熱されて沸騰が続き、水位が下がる。本来なら約4メートルの長さすべてが水の中に浸っていなければならない燃料棒が高温の水蒸気の中に露出してしまう。
 何とか水を補給して、水位を上げなければならない。本来の循環系統とは別の配管系とポンプをつなぐなどして水を送り込もうとするのだが、なかなか水量が増えない。
 大量の水蒸気(湯気のようなものではなく高温のガス)が発生しているのだが、それを圧力容器の外に導く管路は非常停止の最初に閉鎖されていて、逃げ場がない。だから圧力容器の中の圧力が上がる。その圧力以上の力をかけて水を「押し込まないと」入ってゆかない。
 高温の燃料棒の露出した表面に触れた水はその場で気化(蒸発)して、水蒸気に変わってしまう(その瞬間に熱を奪う効果はある)。そのため、一気に燃料棒全体を覆うような水量を送り込まないと水位は上がらず、圧力容器の圧力が押し上げられる。
 十分に冷却されない燃料棒の方にも問題が発生する。被覆管の「ジルコニウム合金」は高温の水蒸気にさらされると酸化(腐食)が起こる。
 水の分子(H2O)の中の酸素とジルコニウムが結合して脆くなるのだが、そこで残った水素が放出される。この水素ガスは最も軽い気体だから、水蒸気よりも上に溜まってゆく。
 厚さ17センチの鋼鉄で作られた頑丈な圧力容器でも、耐えられる圧力には限界がある。そこで、頂部にある排出弁からガス(水蒸気に水素が加わってくる)の一部を外に逃がす。つまり、圧力容器を覆っている格納容器の中に排出される。
 その格納容器の空間も、冷却されずに温度が上がっている。そこに水蒸気が排出される。これを、原子炉の下部を1周する形で水を張ってある「サプ レッション(圧力抑制)チャンバー」に導いて、水と触れ合わせることで冷やして液体に戻し、その分だけ圧力を下げるという方策も組み込まれている。だが、 そのためのポンプも電源が必要だ。
 3月15日朝、2号機で爆発音とともに格納容器内部の圧力が急に下がった。どこかが破れたのではないかと考えられているのが、この圧力抑制のための水プールのドーナツ状の部屋である。
 それも十分に働かず、格納容器内の圧力も上昇する。こちらは圧力容器のように常に70気圧もの内圧を受けるものではないが、それでも5気圧ほどを 上限に想定して設計されている。大量の水蒸気によってその設計圧力を超えそうになったので、ここでも頂部の排出弁を開かざるを得なくなった。
 本当なら、格納容器の中の気体を外に出したくはない。炉心で放射線を浴びた物質が混じっている。それが外の大気の中に出ていってしまうからだ。
 しかし、格納容器が壊れれば、それとは比較にならない量の放射性物質が外に出る。そこで「圧力を抜く」ぐらいの排出を決めたのである。ここでも電力を失っていて弁を開けるのに苦労しているが、結局、作業者が現場に行って動かしたようだ。
 建屋上部の空間、燃料棒交換などのための保守機器がある「箱」に、格納容器から水蒸気が放出された。燃料棒が露出して被覆管の酸化が始まっていた場合は、そこに水素ガスも混じり、軽いから建屋の天井近くに集まってゆく。そこに何かの火花が飛べば、爆発が起こる。
 1、3号機で起き、建屋上部を破壊した爆発は、この「水素ガスが空気と混じって燃焼、爆発する」現象だと考えられている。
プールに移されていた「使用済み燃料棒」もまだ熱い
 原子炉から引き抜いた「使用済み燃料棒」は、この建屋の上部、格納容器の上の空間に設けた「貯蔵プール」に収められ、まだ残る崩壊熱を除去し、放射線を遮蔽するために水の中に浸けられている。
 定期点検中だった4、5、6号機はここに使用済み燃料棒をそれぞれ1331本、946本、876本貯蔵していた。4号機のプールには新しい燃料も 204本。1、2、3号機でも使用済み/新品の燃料棒がそれぞれ292本/100本、587本/28本、514本/52本収められていた。
 この使用済み燃料棒を包む水も、循環させて熱を除去しないと温度が上がり、蒸発して水量が減る。その状態で燃料棒被覆管の酸化、水素の発生が起こる。これは貯蔵プールの空間に溜まり、やはり何かのきっかけで爆発する。4号機の壁を破った最初の爆発はここで起こっている。
 この「使用済み燃料貯蔵プール」への注水は、まだ熱い圧力容器の中への注水とは違って「押し込む」必要はない。まして建屋の外壁が壊れてむき出しになった状態では、外から放水した水もそのまま入る。
 だから、この問題が表面化して、機材が現地に到着した3月17日からはヘリコプターや消防車両による直接注水が始まったのだ。これで冷やしているのは、建屋上部の燃料棒保管プールと、その周辺、つまり格納容器の外側上面だけである。
 事象発生から5日が経過した3月16日頃からは、3号機と4号機の使用済み燃料保管プールの冷却の必要性が切迫し、放水作業が次々に試みられ、メディアの報道はそちらに集中した。
 しかし、ようやく発表されるようになった6機それぞれの状態を示す代表的な数値のデータは、1、2、3号機すべてが燃料棒の長さの3分の1〜2分の1が水から露出したままであることを示している。
 ただ、圧力容器内の圧力は低下しているので、崩壊熱がだいぶ下がって水蒸気の発生は収まってきたようだ。その一方で、圧力容器内が1〜3気圧程度しかないということは、水蒸気のほとんどは格納容器に出ているものと推測される。
炉心に詰め込まれた燃料棒はダメージを受けているはず
 話を炉心に戻そう。
 「燃料棒」は、核分裂物質である「ウラン235」(数字は原子量)を3〜4%含む二酸化ウランを圧縮成型して高温で焼き固め、セラミックスにした直径1センチほどの錠剤形の「ペレット」を、ジルコニウム合金の筒の中に詰めたもの。全長は約4メートルある。
 ジルコニウム合金が溶ける温度は摂氏約1850度ほどだと言われる。ペレットの方はもっと高く、摂氏2000〜2500度までは形を保つ。
 今回、1号機、3号機では圧力容器から排出された水素によると思われる爆発が起こっている。4号機(と3号機)では、使用済み燃料プールから水素 が発生した。燃料棒を被覆するジルコニウム合金が酸化する時に出る水素が、密閉されているとはいえ、建屋の外壁を吹き飛ばすほど多量に発生していた。とい うことは、温度は摂氏1000度かそれ以上に達した燃料棒が相当にあったと見ていい。
 原子炉の心臓部である圧力容器の中で、もしジルコニウム合金の被覆管(鞘)が壊れれば、ウランのペレットは炉心に出てしまう。それが溶けてしまうところまでゆくのが、すなわち俗に言う「メルトダウン」である。
 セラミックスのペレットが溶融するところまで温度が上がっていたという情報はまだないけれども、圧力容器の中は、何千本もの燃料棒がブロックごと に束ねられて整然と立ち並んでいるという状況ではもはやないことは、専門家でなくても想像できる。円筒の両側を半球でふさいだ形の圧力容器の底に、燃料ペ レットが散乱し積み重なっているのだろうか。
 少なくともこの状態から原子炉として再び稼働させることはできない。そのまま「封じ込める」以外にはない。つまり「廃炉」である。
 地震と津波に襲われた直後、自動的に緊急停止がかかり、しかし、ステーション・ブラックアウトに陥って緊急炉心冷却システムが作動しない。炉心の 温度が上がり、冷却水の水位が下がってゆく。この状況に直面した時、現場の関係者の心理は、やはり「何とか正常な状態のまま停止まで持ってゆきたい」とい う方向に向かうだろう。
 炉心で「1次冷却系」に使われるのは「不純物を含まない水」である。この純水は燃料棒を覆ってその熱を受け取り、沸騰して水蒸気となってタービンを回し、冷やされて液体に戻ってまた炉心に供給される。
 圧力容器や配管、タービンやポンプは基本的に金属製で、特に鋼が多く使われている。不純物が混じった水を使うと錆びや堆積物が生じるから、純水を使っているのである。
 一方、タービンを駆動した蒸気を冷却して液体の水に戻す部分など、日常的に保守点検、交換ができる所は海水でもいい。そこで、特に日本では発電所を海岸近くに建設している。
 しかし、原子力発電システムの心臓部に、冷却のための水が足りなくなったからといって海水を注入すると、発電所としての機能の復旧は困難になる。そこに踏み切ることは、すなわち廃炉を覚悟することを意味する。
「廃炉もやむなし」という決断の難しさ
 東京電力社内だけでなく、監督官庁である経済産業省、その中でこの状況に直接関わる立場にある原子力安全・保安院も、廃炉に至る可能性が高い海水注入に踏み切るかどうか、東京電力任せにはできないし、かといって即断もできない、というジレンマに陥っていたのではないか。
 そうこうする間に、1号機、3号機と続いて建屋上部が水素爆発で壊れ、定期点検で停まっていた4号機まで使用済み燃料棒が過熱・・・、とシリアスな状況が次々に出現する。
 1、2、3号機ともに圧力容器内の水位は極端に下がり、温度は上がり、水素も発生している。つまり、燃料棒がダメージを受けているのだから、核分 裂炉として再生できる可能性はみるみる落ちてゆく。ここに至って、海水であろうが何であろうが、水を大量に送り込み冷やす以外の選択肢はなくなった。原発事故で最悪の事態、大量の放射性物質が放出され拡散する事態だけは回避しなければならないのだ。
 格納容器のベント、さらに使用済み燃料貯蔵プール周辺での爆発、建屋破壊の度に、現地だけでなく周辺地域の大気中放射能レベルがピクンと跳ね上 がってはいる。しかし、離れた場所ではすぐに低下し、通常レベルよりも少し高い程度で推移しつつ徐々に減ってきていることは、上記の文部科学省が公開して いる時間経過に沿ったグラフにも表れている。
 最悪の原発事故と して記憶に残るチェルノブイリの場合、原子炉そのものの構造が全く違い、旧ソ連方式のものだった。中性子の減速材には黒鉛を用い、その中の管路を冷却水が 流れる。しかもそれらを収める構造物は、放射線遮断は考えられているものの、大きな圧力に耐えられるものではなかった。
 その中で核分裂の連鎖反応が抑えられなくなり、水蒸気の圧力が急激に高まって「フタ」を吹き飛ばした。そして、核燃料やその周囲で高濃度の放射能を帯びた黒鉛や水が空気中に直接飛散したのである。
 福島第一原発(とスリーマイル島原発)では、炉心の燃料棒が破損し一部が溶融したとしても、圧力容器の中にとどめられている。その意味ではチェルノブイリ事故とは比較にならない。
世界の専門家の知恵を結集する仕組みを作ろう
 それにしても、想定をはるかに超えた、つまり対応マニュアルもない危機的な状況に対して、どう対処するか。様々な機器やセンサーから制御室までの 回線は「生きて」いたとしても、そこに表示される数値はどんどん異常なレベルに入ってゆく。しかし、原子炉やその周辺で何が起こっているかを「見に行く」 ことはできない。
 つまり計器の表示しか情報源はないのだが、その計器も電力の喪失と原子炉まわりのセンサーや配線の故障や断線によって、完全な状態ではないはずだ。
 ポンプやバルブを動かすスイッチも機能しないだろう。その中で全体を見渡して全体像を描き、可能性を徹底的に考え、そこから対応策を立てるしかないのだ。それができるかどうかは「人」にかかってくる。
 スリーマイル島原発の炉心損傷事故の時も、同時に複数の警報が表示され、警報音が重なり合ったことで、何が最優先か、どこから手を打ってゆくか、現場の人々にとって判断が非常に難しくなったことが、事態を悪化させた要因の1つだと言われている。
 福島第一原発でも、まず状況の悪化が進む1号機を中心に対処している中で、3号機で水素爆発が起こる。定期点検中で炉心冷却を考える必要はなかっ た4号機では、使用済み燃料棒を保管している建屋上部のプールへの冷却水の循環が止まったことで、プールの水温が上昇。水が減り、まだ崩壊熱を出し続けて いる燃料棒の温度が上がる。
 こうした状況が並行して進行する。その全体を把握して、刻々と最前の手を打ってゆくにはどうしたらいいか。
 現場だけでは難しい。たぶん東京電力と設備面を担当している企業だけでも難しい。日本だけでなく、世界の専門家の知恵を集めることが望ましいはずだ。
 そのためには詳細な情報を刻々と公開する必要がある。また様々な分析や提案を「交通整理」しなければ、ますます混乱する。
 そうした仕組みをインターネットを駆使して用意することは、今日の社会であれば難しくはないはずだ。トラブルを起こしている4機の原子炉を安全な 状態に持ってゆくだけでは済まない。その後には廃炉する設備をいかに無害化するか、周辺の環境にできる限り影響を与えないように(それも考えられる限り長 い時間にわたって)隔離して保存する、というプロセスが待っているのだ。
 あるいは、最前線で放射線に曝されて作業を続けている人々の健康をどうケアするか。様々な問題を解決していかなければならないのだから、今からそのネットワークを作っても決して遅くはない。


04. taked4700 2011年3月22日 16:04:18: 9XFNe/BiX575U : Ps04y9rQPg
だから、もう一度10mを超えるほどの津波が来るとか、直下型の地震が来るとか、そういったリスクは常にある。また、浜岡原発が事故ると言う可能性も高い。

原発とはそういうもので、安全なのは、想定範囲内でのことだ。想定範囲内で技術を作ったのであり、自然は、そういった想定範囲内でいつも振る舞うわけではない。

日本のような火山国、地震国では、もともと無理だったのだ。一刻も早く全国的に廃止するしかない。

想定した範囲で安全だと言うのは、当然のことで、そういった議論は単に安全だとお経を唱えているだけだ。


05. 2011年3月22日 16:07:18: cqRnZH2CUM
海外での受け止め方だが、中国の動向を心配しているのが面白い
確かに、次に大きな事故が起こるとすれば、台湾・中国の可能性が高いが
テロのリスクも入れれば、それ以外にも危ない原発は世界中にある


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5695
日本の原子力産業:露呈したリスク
2011.03.22(Tue)  (英エコノミスト誌 2011年3月19日号)

福島第一原子力発電所の事故は、日本にとって、そして世界にとって何を意味しているのか。
原子炉だけでなく使用済み核燃料プールも脅威、仏専門機関

東日本大震災とその後の津波で大きな損傷を受けた福島第1原発の衛星写真〔AFPBB News〕

東京からサンフランシスコに至るまで、瓦礫と化した住宅の火の元から上がる炎は、常に地震の脅威の1つだ。日本では、火事は「江戸の花」と言われてきた。

 しかし、地震の被害を受けた福島第一原子力発電所から散発的に吹き出す炎ほど空恐ろしいものはこれまでなかった。

 このぞっとするような光景が、世界中で進められている原子力利用の努力を止めることはないだろう。しかし、原子力利用の形を根底から変える可能性はある。

 日本では、原子力発電が総発電量の約3分の1を占める。日本で地震によって一時的に機能を失った原発は、福島第一原発が初めてではない。しかし、冷却に常に水を必要とする原子力発電の技術自体が停止の原因となったのは、今回が初めてだ。

 水を得られる場所という条件から、原発の立地は多くの場合、海岸沿いになる。そして今回の場合、それはまさにそこが津波の進路にあたるということを意味していた。
スリーマイル島の原発事故を上回るレベル

 福島第一原発の壊滅的な事故が及ぼす直接的影響は、まだはっきりしない。1979年に米国のスリーマイル島で起きた事故はあわや大惨事を招くところだったが、比較的早期に事態を掌握できた。今回の事故はスリーマイル島の事故よりひどいものの、1986年にウクライナのチェルノブイリで起きた事故ほど深刻な状況になる可能性は極めて低い。

 チェルノブイリの事故では放射能の雲が欧州全土に達した。犠牲者の数はいまだはっきりしないが、恐らく数千人と見られる。

 東京電力が運用する福島第一原発の原子炉は完成から40年経っており、今回、設計時に想定することが求められたあらゆる状況を上回る災害に直面し、適切に自動停止した。同じ海岸沿いにある福島第二原発の原子炉のように、ほぼ無傷に近い形で切り抜けられる可能性もあった。ところが福島第一原発では、様々な不具合が生じた。 


原子炉は設計技術者が「多重防護」と呼ぶ仕組みで守られている。防護のいくつかは単純な防護壁だ。

 まず、燃料棒を構成する核燃料は、硬質合金製の被覆管で覆われている。燃料棒が複数集まった炉心とそれを覆う水を鋼鉄製の圧力容器が格納し、圧力容器の周囲をさらに大きな鋼鉄製の格納容器が覆う。その外側には、格納容器を収める、鋼鉄とコンクリートで作られたもう1つの格納構造物(建屋)がある。

 物理的な防護だけでなく、行動による防御もある。地震が発生した時、最初に取るべき行動は緊急停止だ。圧力容器内に収められた原子炉の下部にある制御棒を炉心に差し込むと、原子炉は緊急停止する。

 原子炉のエネルギーは大部分が連鎖反応によって生み出されており、中性子がそれを仲介しているが、制御棒はこの中性子を吸収し、連鎖反応を止める。

 ただし、その後しばらくは、ほかの反応が続く。福島第一原発のような方式の原子炉の場合、緊急停止直後は、相当な大きさのジェットエンジンを全開で噴射しているのと同程度の熱が小さな容器に密閉されている状態になる。冷却する方法がなければ、内部は相当の温度まで上昇する恐れがある。
失われた冷却機能
福島第1原発 4号機への放水実施 3号機には未明まで連続放水

陸上自衛隊の消防車が福島第一原発3号機に放水する様子を伝えるテレビニュースを見るジャーナリスト〔AFPBB News〕

 津波に襲われた福島第一原発は、冷却機能を失った。発電機は停止し、電子制御装置も冠水した。他所からバッテリーや発電機を調達し、冷却システムを動かそうとしたが、うまくいかなかった。そして、最終的には予備電力もすべて使い果たされた。

 福島第一原発は沸騰水型原子炉を採用している。この仕組みは基本的に電気ケトルと同じで、原子炉は底にある発熱体の部分に相当する。

 ケトルの電源をオフにできず、放射性の蒸気でケトルの注ぎ口が破損したなら、内部の状況は悪化していく。水量は減少し、最終的には底にある炉心が露出する。


 こうなると温度上昇のスピードはどんどん速まり、炉心の一部が溶け始め、水蒸気と反応する。一方で、蒸気の量はどんどん増加し、その圧力は爆発を起こしかねないレベルに達する恐れがある。福島第一原発の原子炉のうち3つで、程度の差はあれ、こうした現象が起きたと思われる。

 まず1号機、次に3号機で、複数の放射性元素に汚染された水蒸気が圧力容器から排出され、建屋内に漏れ出した。そこで、水蒸気に含まれた水素が火花に触れて爆発し、建屋の屋根を吹き飛ばした。ただし、この時点では、格納容器に損傷はない模様だった。

 1号機では、容器内の水蒸気の圧力が下がらないため、容器を海水で満たして熱を吸収するという思い切った決断が下された。注入された海水には、制御棒では抑えきれない中性子を吸収するためにホウ酸が添加された。

 3号機の圧力容器にも同じ対策が講じられ、その後、2号機にも同様の措置が取られた。ところが、東電の報告によると、どこかの時点で2号機内の水がすべて蒸発し、15日朝には恐らくそれと関連すると思われる爆発が起きて、格納容器の底にあるドーナツ状の構造物(圧力抑制室、サプレッションプール)が損傷した。
次第に悪化する状況
福島原発、放射能汚染のシナリオ

福島県郡山市で放射線のチェックを受けるビジネスマン〔AFPBB News〕

 そのため15日時点では、2号機が最大の脅威となった。その後、3号機でも格納容器に損傷が報告された。

 この段階に入った頃から、発電所施設の状況の悪化が拡大し始めた。まず15日、そして16日に再び、4号機の建物で火災が発生した。

 地震の発生時、4号機は保守作業のため休止中で安全な状態にあった。しかし、他の原子炉と同じく、建物内にはプールに保管された使用済み核燃料がある。これも水没させ、水を循環させて冷やしておかなければならない。

 4号機と3号機では、使用済み核燃料が外気に露出している恐れがあった。4号機での火災の後、施設内の放射線レベルが急上昇した。この時点で、施設外でのレベルもかなり高かった。

 ある時点では、発電所の正門前に防護服なしで立っていた場合、原子力関連の仕事に就く人の許容量とされる放射線量1年分をほんの数時間で浴びる計算になるほどだった。


 遠くまで拡散している放射性物質の量に関する情報は混乱しており、それだけでパニックを招きかねない状況に陥った。

 米国が、放射線レベルは極めて高く、事態の収拾に向けた作業を大きく妨げる恐れがあると見ているとコメントすると、状況はさらに悪化した。

 17 日にはヘリコプター、さらには放水車が出動し、使用済み核燃料の貯蔵プールに水を補給することになった。さらに、重機を用いた新しいアクセス路の確保が始まったほか、外部電力網から安定的に電力を供給するための取り組みも強化された。
連鎖反応

 日本人が今後、これまでの原子力依存について再考するのは間違いない。現在、日本全国には55基の原子炉があり、多くが福島第一原発に似た設計だ。ここ数年、太陽エネルギーに巨費を投じてきたにもかかわらず、現実的に原子力の代替となるエネルギーと言えば、輸入資源の天然ガスと環境を汚染する石炭くらいしかない。

 短期的には、原子力による発電能力のかなりの部分を停止し、天然ガスの輸入を増やさざるを得ないだろう。長期的にも、原子力発電を大幅に減らせば、その分、天然ガスと恐らく石炭が必要になる。

 では、日本以外の国々はどうだろうか? 原子力推進派は、各国が炭素排出量削減に向けて努力する中で、原子力ルネサンスに期待してきた。先進国で毎年25基ほどの原発が建設着工されていた1970年代のようなブームが再来するとの声もあった。しかし、そんな話ももうなくなる。

 間違いなく、世論は急激に冷ややかになるだろう。欧米の老朽化した原子炉の安全性向上には時代に合わせた改修が不可欠だが、少なくともこれを実施するだけの政治的意思や予算を見いだすのは難しくなるはずだ。

 福島第一原発の衝撃的な映像と、危機的な不運に襲われた感覚は、たとえ最終的に健康被害がほとんどなかったことが分かったとしても、決して忘れられることはないだろう。


 ドイツ政府は2010年秋、原発の稼働年数延長で合意に達していたが、福島第一原発の事故を受け、議論を呼んでいたこの計画を3カ月凍結すると宣言した。これによりドイツで最も古い原子炉7基が稼働を停止し、電力網から永久に切り離される可能性が高くなった。

 米国でも、新たな原発の建設に向けてわずかながら盛り上がっていた機運が立ち消えになってしまうかもしれない。

 仮にほかに何も問題がなく、福島第一原発の最終的な結果がそれほど悪くなければ、原子力産業はこの危機を乗り越えられるかもしれない。

 実際、新型の原子炉は従来型の原子炉よりはるかに安全とされており、これにはある程度の根拠もある。しかも、ほとんどの国は、地震活動のない地域に原発を建設できるという、日本には望めない利点がある。
安全性は高いが、コストも高い新型原子炉

 米国の沸騰水型原子炉をはじめとする欧米の旧型原子炉もきちんと改修されており、同様の方式を用いている福島第一原発の原子炉が危機に瀕する原因となった、電源系統の全断といった事態は避けられると考えられている。
イタリア、仏との原子力協力協定に調印 原発回帰へ

写真は2009年に撮影されたフランス西部フラマンビルの第3世代原子炉、欧州加圧水型炉(EPR)の建設風景〔AFPBB News〕

 しかし、ほかにも問題がある。新型の原子炉は古い原子炉よりはるかに安全かもしれないが、はるかに高くつくのだ。

 実際に建設された例がほとんどないため、どれくらい費用がかさむかは定かではない。米国では原発建設に巨額の融資保証が設定されたが、実際の発注はまだ1件もない。

 西欧では2カ所で建設中だが、両者とも予算を超過している。安全性に関する認可を得るのに多大な労力を要するため、投資家は苛立っている。

 一方、天然ガスは埋蔵量が十分で、はるかに安く、環境への負荷も比較的小さい。


 それでも、世界がこぞって原子力に背を向けるとは限らない。スリーマイル島の事故の後、米国では原発の建設が中止されたが、フランス、そして特筆すべきことに日本では、建設は続けられた。58基の原子炉を抱えるフランスは、日本での惨事を自国の原子力産業への逆風とは捉えず、むしろチャンスと考えているようだ。

 ニコラ・サルコジ大統領は14日、フランス製の原子炉は高価なため国際入札に負けてきたが、「ほかより高価なのはほかより安全なためだ」と述べ、自国の原子力産業を褒め称えた。

 しかし、原子力発電が最も急速に拡大し、その動きが妨げられる可能性が最も低い地域は、日本を除くアジア地域だ。現在世界で建設されている原発62基のうち、実に3分の2がアジアにある。ロシアはさらに10基の建設を計画している。
中国が原子力大国になったら・・・
ロシア、世界中で原子力発電所の建設事業を強化

(写真は2000年に撮影された江蘇省・田湾原子力発電所の建設風景)〔AFPBB News〕

 一方、原子力発電の導入から間もない国の中で最も重要な存在は中国で、既に13基の原子炉が稼働しており、27基の建設を進めている。今回の事故を受け中国政府は原発の発注を一時停止し、見直しを行うと発表した。

 しかし、指導部は石炭からの脱却が必要であることを認識している。中国での石炭の使用が1年間にもたらす健康被害は、原子力産業がもたらすあらゆる被害を圧倒しているからだ。

 また、安価で汎用性の高い原発を造れる国があるとしたら、恐らく、中国をおいてほかにないだろう。

 もし欧米諸国が原子力に背を向け、中国がどんどん建設を続ければ、不幸な結果を招く可能性がある。原発には信用でき、透明性のある規制、運用者と規制者の明確な区別、しっかり強制される建築基準が必要だ。福島第一原発はこれらの一部を欠いていた。中国はどれも提供できない。
© 2011 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。


06. taked4700 2011年3月22日 16:11:31: 9XFNe/BiX575U : Ps04y9rQPg
04の続き。

例えば、富士山が大噴火して、サッカーボール大の噴石が浜岡原発に降りかかるかも知れない。それが何日も続けば、いかに丈夫に作ってあっても、原子炉自体が物理的に破壊されるだろう。

これは決してありえないことではない。あり得ないことというのは、浜岡原発の地下からモスラやゴジラが出現して、原子炉を破壊すると言うようなことだ。

津波で街が全体として流されても、何年かかければ必ず再建できる。しかし、放射能で土壌汚染されれば、その土地はほぼ永久に使えない。

原子力技術とはそれだけ危険性のあるもので、それを安全だと言うのは、あまりにも無責任だ。


07. 2011年3月22日 16:30:33: cqRnZH2CUM
>富士山が大噴火して、サッカーボール大の噴石が浜岡原発に降りかかる

サッカーボール大の噴石が、これだけ離れた距離に雨あられと降ることは起こらない
(飛行機が直撃する確率並みだろう)
しかし未知の断層による震度7レベルの直下型地震や、東海地震での想定よりも巨大な15mクラスの津波が襲ったら、まずいから対策が必要だな


08. 2011年3月22日 16:32:16: cqRnZH2CUM
http://www.stop-hamaoka.com/kaisetsu-2.html
東海地震と浜岡原発

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近づく東海地震
浜岡原発の位置 浜岡原発は東海地震に耐えられるか
近づく東海地震

  東海地震は、発生時期がもっともよく予測されている地震です。前回の東海地震は、およそ150年前で、地震を起こすエネルギーがたまっています。(図7)

  いま東海地震が起これば、兵庫県南部地震の15倍の規模の地震になります。発生が遅れれば遅れるほど、地震の規模は大きくなります。

図7

  静岡県内陸〜紀伊半島沖〜四国沖にかけて、フィリピン海プレートが、毎年4cmの速さで、日本列島の下へ沈みこんでいます。そのため100〜150年ごとにプレート境界型巨大地震が起っています。

  静岡県〜御前崎沖を震源域とする、巨大地震を東海地震といいます。
  伊勢湾〜三重県沖を震源域とする、巨大地震を東南海地震といいます。

  1854年に、東海・東南海地震が合体して起こりました。これを、安政東海地震といいます。
  1944年に、東南海地震が単独で起こりました。これを、昭和東南海地震といいいます。しかし、「昭和東海地震」は起こりませんでした。

  前回の安政東海地震から2004年現在で150年たちました。前々回の宝永東海地震から前回の安政東海地震まで147年でした。地震を起こすエネルギーがたまっています。

  ただし、「東海地震は単独で起こる」という考えと、「東南海地震と一体でないと起こらない」という考えがあります。もし、東海地震が単独で起これば、“いま”がその発生時期です。そのエネルギーは、兵庫県南部地震の15倍になります。

  もし、東南海地震と一体に起これば、21世紀半ば〜後半に発生します。その場合のエネルギーは、単独で起こった場合の数倍になります。


※2001年9月27日に発表された、政府の地震調査研究推進本部の見積もりでは、現在から30年以内に東南海地震が発生する確率は40〜50%。
地震調査研究推進本部南海トラフの地震の長期評価について
三重県の芦浜や海山町も震源域に入っています。
想定南海地震及び想定東南海地震の震源域

 

 
浜岡原発の位置

  浜岡原発は、想定される東海地震の震源域の直上にあります。(図8)

図8

  
  地震の震源は面積をもった断層面です。東海地震では60km×115kmの岩盤全体が破壊されて、ずれ動きます。そのショックが大地震になります。

図9
図10

  図9は、静岡県による、東海地震の震度予測です。浜岡原発の位置を書き加えてあります。その下の小さい図10は、兵庫県南部地震の神戸の震度です。どちらも、震度7(建物の30%以上が倒壊)を赤色で示しています。どちらの地図も、同じ縮尺です。

  東海地震の規模の大きさがわかるでしょう。

※図8と図9は1976年の石橋克彦さんの震源モデルによります。静岡県は、長い間、石橋モデルにより被害想定をおこなってきました。
その後の阪神淡路大震災の経験を取り入れ被害想定を上方修正し2001年5月に発表しました。
静岡県第三次地震被害想定

一方、東海地震の直前予知をめざした20年以上のデータの蓄積からプレート境界の形が以前より分かってきました。
そこで2001年に国の中央防災会議に16名の研究者による調査会が設置され、12月までに見直し結果が発表されました。
震源断層面は30%拡大し、震度6弱を含む範囲は、茅ヶ崎〜諏訪〜名古屋まで広がりました。(図10-2)

図10-2

図11

  浜岡の地下には、南東側から北西側に、フィリピン海プレートが年間およそ4cmの速度で沈み込んでいます。そのため浜岡の岩盤は少しずつ引きずりこまれていきます。(図11)

  図のように浜岡は、20km内陸の掛川とくらべると、毎年5mmづつ傾き下がっています。それとともに岩盤中には年々ひずみがたまっていきます。そして、限界に達したときに一瞬に岩盤が破壊されてずれ動きます。

  このとき、いままでの沈降分のほとんどは数10秒間に隆起します。その隆起量は1mていどになると予想されています。
浜岡原発は東海地震に耐えられるか

  太平洋のプレートが日本列島の下へ沈み込んでいると考えられるようになったのは、わずかに30年前のことです。地球のことは、まだほとんど分かっていません。

  問題は、大地震の震源域であり、その時期が近いと分かっても、引き返す勇気を持てないことです。
1976年

東海地震説(石橋モデル)が提唱された
1976年

浜岡原発1号炉(54万kw)が運転開始
1978年

大規模地震対策特別措置法が制定された
1978年

浜岡原発2号炉(84万kw)が運転開始
1979年

東海地域の6県170市町村が地震防災対策特別強化地域に指定
1979年

アメリカ・スリーマイル島原発でメルトダウン事故
1986年

旧ソ連・チェルノヴィリ原発で大火災事故
1987年

浜岡原発3号炉(110万kw)が運転開始
1988年

浜岡原発1号機で原子炉圧力容器配管溶接部から水漏れ
1993年

浜岡原発4号炉(114万kw)が運転開始
1995年

兵庫県南部地震
2001年

静岡県第三次被害想定(5月)
2001年

1号炉原子炉底から水漏れ始まる(夏から・発見は11月)
2001年

東海地震震源域見直し(8月)
2001年

1号炉配管爆発事故・同じ構造の2・3号機も停止
2002年

3号機運転再開(2月7日)、1・2号機は停止中
1.原発の重要な建物は、建築基準法の3倍の強度で作ってあるという
  が・・・

   通常の耐震基準は、建物が壊れても人命に被害が及ばないことを目標にしています。
   しかし原子力発電所では、放射能が漏れ出すことは許されません。
2.「活断層の上に建てない。周辺の活断層を調査している」としている
  が・・・

   地下の岩盤で断層が生じたり、過去に生じた断層面が再び動くとき、そのショックが
   地震になります。
   1995年の兵庫県南部地震のとき活動した断層の大きさは、15km×45km。
   けれども、神戸では、そのずれは、地表に達していません。
   今回の地震を起こした断層は、神戸では見えないのです。(図12)

図12

   地表に見えている活断層は、地震をおこすかもしれない断層群の一部にしかすぎま
   せん。近くに活断層があらわれているような場所では、私たちが見つけることができ
   ない断層が地下にある可能性が高いわけです。

図13

   浜岡原発から3〜7kmのところには、活断層が姿をあらわしています。(図13)
   浜岡原発は、御前崎が隆起していく折れ目にあります。
   原発のすぐ近くに、地表からは見えない活断層がないという保証はありません。

   2001年鳥取県西部地震は、マグニチュード7.3の浅い地震ですが、活断層が知られて
   いなかった場所で発生しました。
3.「最大の地震に耐える設計」としているが・・・

   1号機と2号機の耐震設計は、地震の揺れ(加速度)を最大450ガルまで想定しています。

   3号機と4号機は、最重要機器は600ガル、非常用炉心冷却装置などは450ガル
   を想定しています。

   その理由として、1854年の安政東海地震の揺れが450ガルだったとし、また、マグニ
   チュード8.5の地震が限界地震で、それによる最大の揺れは600ガルとしています。
   (図14、図15)

図14
図15

   しかし、神戸では800ガル以上の揺れを記録しています。
   1995年の兵庫県南部地震のとき神戸海洋気象台では、南北方向818ガル、東西方向
   617ガル、上下方向332ガルを記録。(図16)
   他に、数カ所で600ガル以上を記録しています。
   1994年ノースリッジ地震のときシルマーでは、約900ガルを記録しています。(図17)

図16図17

   原発の設計は、3〜4号機の最重要機器でも、神戸なみの揺れを想定していません。
   非常用炉心冷却装置は、神戸の揺れの半分ていどしか想定していません。
   東海地震説より前に建設され、老朽化しつつある1〜2号機では、最重要機器でも、
   神戸の揺れ(加速度)の半分ていどしか想定していません。

   また、
   過去1万年以内に(地表部分が)活動した活断層による地震が
   「将来起こりうる地震」、
   過去5万年以内に(地表部分が)活動した活断層による地震が
   「およそ現実的でない地震」、
   というのは誤りです。

   1945年の三河地震を起こした深溝(ふこうず)断層の一部は、10万年ぶりに
   (地表部分が)活動しました。
4.「堅い岩盤の上に直接建設」としているが・・・

   「固い岩盤」と聞くと、普通の人は「固い石」を思い浮かべるでしょう。
   ところが、原発の地盤は相良〜掛川層群比木層という400万年前の砂と泥の地層です。
   工学的には「軟岩」に分類されます。
   「固い石」でイメージされる地層は、南アルプスへ行かないと露出しません。

図18

   原発の揺れの計算に使われた震源モデルは、自然の姿をおおまかに理解
   するための単純化したモデルです。
   けれども、じっさいの東海地震は、何枚もの震源断層が時間差を置いて
   動くと考えられています。
   震源断層面の真上にある浜岡では、地震波はいろいろな方向から同時に
   やってきます。それらは複雑に増幅しあうかもしれません。
   震源モデルからの揺れの予測は平均値です。絶対に壊れてはならない原発の想定は、
   最大値で行うべきです。

   東海地震説の提唱者である石橋克彦神戸大学教授は
   「浜岡での地震動の時刻歴や持続時間は、兵庫県南部地震の震度7の地点よりも複雑で、長時間で、はるかに激しいはずである。」
   と述べています。(『科学』1997・10月号)

   固い岩盤から軟岩へ入るところで地震波は増幅されます。
   軟岩から柔らかい沖積層へ入るところで再び地震波は増幅されます。
   地下の構造によって地震波は増幅・反射・屈折・干渉を起こします。
   地下の深いところの構造はほとんど分かっていない。
   神戸では、六甲から大阪湾の底へ続く固い岩盤の形から、場所によって
   地震波が大きく増幅されたと考えられています。

   また、神戸では強い揺れは10秒間ぐらいでしたが、東海地震の浜岡では2分と
   ほど続く考えられます。
5.「重要機器については模型を作って大型振動台で実験した上、コンピュータで耐震解析している」としているが・・・

図19

   3〜4号機では、基準地震動の1.5倍までの振動を与える模型実験をしたそうです。
   1.5倍というのは、施工の誤差や老朽化を見こした安全係数です。
   それを理由に1.5倍の揺れまで耐えられるとするのは誤りです。

   また、それぞれの機器は振動に耐えたとしても、機器ごとに揺れ方はちがってきます。
   連結部にはげしい力がかかることが考えられます。
   原子炉と配管の溶接部が破断したりすれば、恐ろしい冷却水喪失事故になります。
   複雑巨大なシステムが、計算どおりに揺れてくれるでしょうか?

   おまけに、1号炉と2号炉は、450ガルで設計され、老朽化も進んでいます。
   運転開始から20年以上たち、中性子を浴びて、原子炉本体も弱くなっています。
   1988年、浜岡1号炉で、原子炉本体に配管が溶接されている部分が、
   応力腐食割れを起こしました。
   廃炉まで、まったく交換する必要が考えられていなかった部品です。
   完璧な施工もありえません。

   2001年11月、再び1号炉で、原子炉の底からの水漏れが見つかりました。

   それぞれの建物や機器は振動するとき、固有の波長をもっています。
   強固な原子炉建屋は細かく振動(周期0.2〜0.5秒)するそうです。
   配管は、長さや太さによってちがうが、多分ゆっくりと振動するでしょう。
   非常用炉心冷却装置の低圧注水タンクなどは、非常にゆっくりと振動
   するのではないでしょうか。
   機器の固有の波長と地震動の波長が合うと、増幅されて大きな力が加わります。

   神戸では、物が跳ね上がったことが体験されています。
   上下方向に重力以上の力が加わると、その物は放り上げられます。
   重力加速度(980ガル)を超える力がかかったことはまちがいありません。

図20

   図は、コンピータ・シミュレーションですが、神戸では短い振動周期(0.15〜1.2 秒)の構
   造物に、重力を超える力が加わり、最大では重力の2倍を超える極めて大きな力がか
   かった、という計算結果になっています。
6.被害地震のたびに「発見」される「想定外の揺れ」

図21

   1994年1月17日早朝、ロス・アンゼルス郊外で起こったノースリッジ地震では、高速道
   路が落下しました。直後に「日本の高速道路は基準がちがうので安全」という宣言が
   出されました。
   1995年1月17日早朝、ちょうどぴったり1年後、神戸でも、高速道路や新幹線の
   高架が落下しました。「考えられない揺れ」だったそうです。

   じつは、ノースリッジ地震でも、神戸と同じ800ガル以上の揺れが記録されています。
   (図17)
   1984年の長野県西部地震でも、跳び石現象の跡が見つかり、重力加速度を
   超える力がかかったと推定されていました。過去の地震でも、同じような揺れが
   あったでしょう。ただ、人間が測定できなかっただけです。

   1964年の新潟地震では、液状化が起こり、アパートが転倒しました。
   1968年の十勝沖地震では、垂直方向の力で、鉄筋コンクリートの柱が壊れ、
   大学校舎の1階がつぶれました。
   1983年の日本海中部地震では、長周期振動という揺れ方があることが分かりました。
   1995年のノースリッジ地震、1996年兵庫県南部地震では、重力加速度なみの
   地震動が観測されました。

   東海地震では、どんな「考えられなかった」揺れが「発見」されるのでしょうか?
 

もっと詳しくはこのURLをご参照ください。
http://www.osk.janis.or.jp/~kazkawa/nuclear00.html
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09. 2011年3月22日 17:12:07: cqRnZH2CUM
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5640
日本を見限る日本人、大量のパスポート申請 地震と津波のせいなのか、福島第一の原発事故
2011.03.19(Sat)  川嶋 諭
経済産業省の原子力安全・保安院は東京電力福島第一原子力発電所の1〜3号機の事故に対して、事故の評価を1979年に米国のスリーマイル島の原発で発生した事故と同じ「レベル5」に引き上げた。
「自然の脅威によるものとはいえ」に、強い疑問
 これに対し、東電の清水正孝社長は3月19日未明、次のようなコメントを発表して福島県民および日本国民に謝罪した。
 「極めて重く受け止めています。発電所の周辺地域の皆様や県民、社会の皆様に大変なご心配とご迷惑をおかけして、心より深くおわびします」
 「大規模な地震に伴う津波という自然の脅威によるものとはいえ、このような事態に至ったことは痛恨の極みで、今後も政府や各省庁、自治体の支援と協力を仰ぎながら、事態の収束に向けて全力を挙げて取り組んでいきます」
 ちょっと、おかしくないだろうか。ちょっとではない。信じられないほどおかしい。そもそもテレビや新聞のニュースでは「予測を超える自然災害だから仕方がない」というようなコメントが様々な専門家やキャスターから発せられている。
 予測を超えるとは何なのか。どれだけの震度や津波を予測していたのか。過去の震災事例を徹底的に調べ上げている作家の広瀬隆氏によると、この程度の揺れや津波は予測されていなければおかしいという。
福島を襲った津波はこれまでに例がないことではない
 「揺れに関しては直下型の地震ではないので、阪神・淡路大地震の時に比べて揺れは深刻な影響を与えなかったと考えられます。また、津波に関しては2004年に発生したスマトラ沖地震と同じような規模だと考えられます」
 安心・安全が絶対の生命線である原子力発電所である。世界で過去に事例があるような地震に対して十分な対策が施されていなかったというのは、どういうことなのか。
 これが火力発電所ならば、発電所が流され発電不能に陥るだけで済む。しかし原発はいったん大規模な事故を起こせば、何百年にもわたって深刻な影響を及ぼす。
 1基の大事故が日本列島全体を少なからず放射能汚染し、国民の生活を困難にする。だからこそ安全には絶対をもって対処しなければならないはずだ。
東電の社長コメントには、そうした危機感と緊張感が感じられない。もちろん、政府にも全く危機感と緊張感が見えない。ただ慌てているだけである。
東海沖でも地震発生、東海地方の原発は安全か?
 先日、茨城県から青森県沖ではなく、東海地域でもけっこう大きな地震が発生した。地震学者は「東日本大震災は東海地震には影響しない」と言うが、影響しなくても地震はいつ発生してもおかしくない。
 なぜ、菅直人首相は、日本で稼働している原発の全部をいったん止めて、安全対策の再検討を指示しないのか。全部止めてしまっては国民生活に影響が大きすぎるというなら、最も地震の可能性が低く設計上も安全度が高い原発をピックアップする作業くらいは指示すべきだ。
 万が一、新たな大地震が日本列島のどこかで発生して同じような原発事故が発生したら日本は終わる。なぜか、政府もそしてマスコミも原発事故に対して甘すぎる。
 事故が発生したあとも、日本のマスコミは政府の発表をただ垂れ流すだけ。それでは権力をチェックするマスコミの意味はない。
 またいわゆる御用学者と言われるような原子力学者に政府の発表を追認させるようなコメントを述べさせるに至っては、日本のマスコミは政府の広報部門だとしか思えなくなる。
右往左往するだけの日本のマスメディア
 そうした日本の体質を厳しく批判しているのが元朝日新聞の記者、烏賀陽弘道(うがや・ひろみち)氏のこの記事である「頼れるどころか、もはや有害な日本の震災報道」。
 「これだけ毎日、新聞を綿密に読み、ニュース(テレビ、インターネット両方)にかじりついているのは、1995年(1月に阪神・淡路大震災。3月からオウム真理教事件)以来16年ぶりだ。その間、日本の報道は成長がないどころか劣化が隠しようもない」
 この記事の趣旨は、日本の報道は、安全だという政府の発表を垂れ流すだけだと思ったら、3月15日付の朝日新聞の夕刊1面で竹内敬二編集委員が「事故はチェルノブイリ並み」だと突然、国民の不安を煽る記事に豹変したというもの。
 政府が繰り返すように安全なのか、豹変した朝日新聞が言うように日本はチェルノブイリ原発事故並みに危険なのか、烏賀陽さんは「日本の読者を混乱させるだけだ」と言う。
 そして、米国政府の見解やオーストラリア政府の見解をネットで調べ、万が一チェルノブイリ原発事故並みになっても放射能汚染物質が降るのはせいぜい半径30キロ以内ということを知り安心する。
戦時並みのクライシスに有害なだけの報道
 そして、こう結論づける。
 「ここに、日本の記者クラブ系メディアが抱える宿痾の腐臭がまた漂ってくる。彼らはあまりに『日本政府発の情報偏重』であり『国内情報偏重』である。外国の政府公式情報ですらチェルノブイリはありえないと断定しているのに、視界から落ちてしまう」
 「日本政府や東電の発表を押しのけて、外国政府の見解が1面トップでもいいではないか。自分で判断できず、公式情報に頼る手法でも、それくらいはできる。なぜそれほど日本政府情報を世界の公式情報の中でも偏重するのか」
 「この生死がかかったクライシスに、何という劣悪な報道だろう。平時ならミスリードでしたね、とへらへら笑って許しているかもしれないが、これは戦争並みのクライシスなのだ。生死がかかっているのだ。この愚劣な報道は有害ですらある」
 「もう一度言う。クライシスに市民のために役立たない報道など、何の存在価値があるのだ」
冷却と電力回復に必死の東電
 烏賀陽さんのこの記事は、3月18日の1日だけでJBpressが始まって以来、最も読まれた記事になった。それも圧倒的だ。恐らく第2次世界大戦後最大の危機に直面して、国民の多くが大メディアに対して不信感を抱いていることの証左だろう。
 正確を期するために、15日の朝日新聞夕刊に載った竹内敬二編集委員が書いた記事の出だしの一節を転載しておこう。
 「信じられないが、最悪事態に備えなければならない。放射性物質の大量放出事故は1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故しかない。大量放出はまだ起きていないが、この事故と比べられることになる」
 さて、現在、政府は自衛隊や消防を動員して放水活動に取り組み、原子炉や使用済み核燃料の冷却に務めている。一方で東電は東北電力の高圧線から電力を取り込み、福島第一原発の電源回復に全力を挙げている。
しかし1つ確かなことは、これらが成功したとしても、既に大量の放射能を放出している福島第一原発は元の姿には戻らないということだ。
東京のパスポートセンターは申請に6時間待ち
 爆発で吹き飛び強い放射能に汚染された瓦礫や原子炉などを取り除かない限り、これからほぼ永遠に原子炉の近くからは強烈な放射線が放出され続ける。一過性でない原子力の怖さがここにある。
 3月18日、東京・有楽町の交通会館にあるパスポートセンターには申請者が殺到、6時間待ちになったという。日本から退去しようとしているのは外国人だけではなく、日本人までが海外に避難しようとしているようだ。
 パニックを起こすのはいかがなものかとは思うが、情報を正しく伝えない政府や東電の責任は重い。そして、安全性に対する認識の甘さには怒りを覚える。そもそも海外では、今回事故を起こした福島第一原発の原子炉に構造的な問題があったことが指摘されている。
 福島第一原発の原子炉は米ゼネラル・エレクトリック(GE)製で、それらには設計上の欠陥があるにもかかわらず製品化したとして、GEの元技術者が35年前に辞めていたというのである。
 その技術者たちは米国のテレビや新聞のインタビューに答えて、次のように語っている。
福島のGE製原発は欠陥商品だった?
 「福島第一原発で使われているGE製のマークI型原子炉は、大規模事故による負担に耐えうるよう設計されていなかった。その分析が終了するまで一部の原子力発電所は閉鎖されるべきだと思っていたが、GEや公共事業各社はそれに応じる気がなく、そのため私はGEを退職した」
 GEのジェフリー・イメルト最高経営責任者(CEO)は、このことについて直接コメントはしていないようだが、福島第一原発の事故には非常な関心を示しているという。
 日本のGE関係者によると、「イメルトは今回の事故を大変悼み、日本には最大限の援助をしたいと言っている。メールその他から伝わってくる関心の高さは尋常ではない」という。
 今回の事故がGEの設計ミスによるものではないにしろ、35年前の事実がいま明らかになってきたというのは、極めて重要な点だろう。
 東電はその事実を当然知っていたはずだし、やはり問題は、この3月で福島第一原発の1号機は建設されてから40年が経ち、米国の基準では廃炉されなければならなかったことだ。
40年前の技術に危険なプルトニウムを使う
 それにもかかわらず2010年に東電は、福島第一原発を20年延長して60年運転すると決め、さらに技術的課題の多いプルサーマル(使用済み核燃料から出るプルトニウムをウランに混ぜた混合燃料のMOXを使った運転)まで実施し始めた。
 プルトニウムはテロリストが手に入れれば簡単に原子爆弾を作れてしまうと言われるほど危険性の高い放射性物質である。津波以前に東電の安全基準を疑いたくなる。まあ、冒頭に記した社長のコメントがそれを如実に表しているのだろう。
 さて、福島第一原発の現場では、必死の作業が繰り広げられている。本当にそれこそ死と隣り合わせの作業である。
 失敗すれば、福島はチェルノブイリと同じか、あるいは原子炉の数が多いためにそれ以上の放射能汚染を招く危険性も指摘されている。
 そうなるとすぐ近くの福島第二原発にも人が近づけなくなり、こちらの事故を誘発する恐れも出てくる。現場で作業されている自衛官や消防隊員の努力には、最大限の敬意をお送りしたい。あなたたちに日本はかかっている。
死を覚悟して放水に取り組む自衛官
 3月18日昼。福島第一原発への放水活動を担う自衛官の代表として、ある自衛官から特別寄稿が届いた。「福島第一原発:報道をはるかに超える放射能」である。
 本名を明かせば処罰は免れないので偽名にしてあるが、その叫びは悲痛だ。
 「放射線量は明言されていませんが、先ほど述べたように相当高い放射線量の中で、原子炉建屋から10メートルという至近距離から放水しました。この大型消防車も通常車両ですので、放射線対策は講じられていません。まさに、自衛官は命がけで前線に出たのです」
 この自衛官によると、現地の放射線量は東電や政府が発表しているものよりも相当高いレベルにあるという。その中を10メートルの至近距離まで近づかなければならないのは、まさに死を賭した活動と言わなければならない。
 この言葉を読んで、恐らく多くの読者は日露戦争の旅順攻略を思い浮かべたのではなかろうか。司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』におけるクライマックスの1つ、大日本帝国陸軍大将、乃木希典が指揮を執った戦いである。
なぜ日露戦争で旅順の要塞攻略が成功できたか
 難攻不落と言われたロシア軍の旅順要塞の前に、日本軍はただただ屍の山を築くだけ。司馬遼太郎の小説では、乃木の無策に業を煮やした陸軍大将の児玉源太郎が、乃木のいる指令所を大砲の弾が飛んでこない後方から前線に移したことになっている。
 その緊張感と陣頭指揮が、旅順にぽっかりあいていた203高地を見つけ、そこを占領することで旅順要塞を攻略することに成功する。
 もし、福島第一原発の冷却が一刻の猶予もなく、それが成功しなければ日本の未来がないとすれば、指揮官が何をしなければならないのか。東京のど真ん中、首相官邸や市ヶ谷の防衛省にいる場合ではない。
 原発の記事については海外から寄稿された記事も読者の関心が高かった。「福島に注がれるロシアの熱い眼差し」「フランスから見た原発事故、日本の無知に唖然」などだ。
 これらを読むと、欧州人の原子力に対する警戒心の高さがよく伝わってくる。とりわけチェルノブイリを経験しているロシアはとりわけ強いようだ。それは逆に日本人の警戒心の薄さを浮き彫りにしている。
世界のエネルギー供給に暗い影
 それだけ日本の技術が高く安全だということなのだろうが、今回の事故でその信頼は一気に揺らいだ。福島第一原発がどのような収束を示すかまだ全く分からないが、世界中の原子力発電に対する関心は急速に高まった。
 そのことを伝える記事が英フィナンシャル・タイムズ紙のこれ「長期凍結に直面する原子力産業」である。欧米から中国、インドに至るまで高い関心を示しているという。
 そして、こう締めくくる。「化石燃料に対する世界の依存を抑えることは、かねて難しかった。福島原発の苦闘は、それをさらに難しくするだろう」
 化石燃料の高騰が世界経済に与える影響が深刻になり始めた矢先に起きた福島での原発事故。これで世界のエネルギー需給関係は極めてタイトになりそうだ。その意味でも、東電の甘い安全管理は大きな問題を投げかけた。
 さて、今週前半では、震災後の日本人の行儀の良さが世界の人を驚かせた。それらに関する記事が大変に読まれているが、それは明日、ご紹介したい。

10. 2011年3月22日 18:02:54: fZLx20euWI

東日本巨大地震:国際社会が日本の問題解決能力に不信感

IAEA「日本だけの問題ではない」

各国が専門家を派遣、ホウ酸支援


 国際社会が、福島第一原子力発電所で相次ぎ発生した爆発事故をめぐり日本の問題解決能力に不信感を表明し、共同で解決しようという動きを見せている。


 国際原子力機関(IAEA)の天野之彌事務局長は18日、菅直人首相と会い「国際社会では、日本政府が(原発事故に対し)より詳細かつ多くの情報を公開しなければならないという意見が多い」と述べ、透明な情報公開を求めた。さらに天野事務局長は「われわれは今回の事故を極めて深刻なものと見ている。日本だけで対処できる事案ではなく、全世界が日本政府や被災地の人たちと共に協力しなければならない」と語った。


 これは、日本が原発事故に対する情報をきちんと公開していないことに対する懸念であると共に、日本の問題解決能力に疑問を呈したとも解釈できる。天野事務総長と共に日本を訪れたIAEAの原子力専門家4人は、東京と福島の原発周辺の大気に含まれる放射性物質を調査する予定だ。


 IAEAのほかにも、世界各国が専門家を派遣し、放射線被ばくを予防する物資を送って支援を行っている。これは、援助という枠組みを越え、原発事故を共同の問題と認識し、共に解決するという意志の現れと解釈される。米紙ニューヨーク・タイムズは「日本は原子炉内の温度でさえ独自に計測できずにいる」と指摘した。


 米国防総省は18日、生化学・生物・放射能・原子核分野の専門家9人からなる専門家チームを急きょ日本に派遣した。また、これとは別に450人からなる「放射性物質被害管理チーム」を結成し、日本に派遣する準備を終えた段階だ。そのほかにも米国は、原発の状態を把握するため、グアム島の米軍基地から無人偵察機「グローバルホーク」を動員するなど、先端装備も支援している。


 フランスは、放射性物質の拡散を防ぐ装備を集中的に支援している。フランス外務省は、フランス電力公社(EDF)と原発建設を手掛けるアレバ社が、計100トンのホウ酸を日本に送ると発表した。ホウ酸は、核分裂を引き起こす中性子を吸収する性質がある。これに加えフランスは、防護服1万着、防護用手袋2万組、特殊マスク3万個も提供すると発表した。


孫振碩(ソン・ジンソク)記者

キム・ヒョンジン記者


【ニュース特集】東日本巨大地震

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

http://www.chosunonline.com/news/20110319000013


11. 2011年3月22日 18:05:24: fZLx20euWI
                           2011年3月20日発行
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JMM [Japan Mail Media]               No.627 Saturday Edition-2
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                       http://ryumurakami.jmm.co.jp/
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                          supported by ASAHIネット
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▼INDEX▼

  ■ 『from 911/USAレポート』第504回

    「リビア空爆と原発事故の関係をどう理解したら良いのか?」

    ■ 冷泉彰彦:作家(米国ニュージャージー州在住)


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 ■ 『from 911/USAレポート』               第504回
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「リビア空爆と原発事故の関係をどう理解したら良いのか?」

 3月19日米国東部時間午後にフランス、英国、米国の三カ国は、リビアのカダフ
ィ政権に対して、戦闘機とトマホークなどの巡航ミサイル約110発による空爆を開
始しました。日本は、去る3月11日に発生した東日本大震災と東電福島第一発電所
の事故という危機がまだまだ続いていますが、今回の空爆に関しては世界の政治経済
にとって大きな問題ですので、この時点で要点を整理しておくことにします。

 今回の空爆ですが、次のような経緯を取りました。まず2月中旬からのリビア反政
府運動の高揚ということがあり、国軍や外交官を含む多くの人間がカダフィ政権に離
反したのに続いて、東部の油田地帯であり第二の首都と言って良いベンガジを反政府
側が制圧、程なくして首都トリポリ以外の国土のほとんどを制圧しました。ですが、
カダフィ政権側はこれに全く屈することなく、残った兵力を使用して反攻に出ていま
す。

 具体的にカダフィは2月22日以降、航空兵力を利用した反政府側市街地への空爆、
油田設備への空爆を開始しつつ、一般市民と石油産業を人質に取る構えを見せ、同時
に陸上兵力を使ってジワジワと勢力の反転を図っています。反政府勢力は、リーダー
の不在、装備の劣勢ということもあって、これに対抗できていないのです。

 これに対して、オバマ政権はリビア全域に「NFZ(ノー・フライ・ゾーン=飛行
禁止区域)」の設定を検討しました。ですが、これは当初は二つのグループから反対
を受けました。一つは中ロの2カ国です。米国の覇権につながる問題には、とりあえ
ずブレーキをかけるというのがこの2カ国の「デフォルト」姿勢であるわけで、それ
以上でも以下でもないと思いますが、拒否権を持つ2カ国の反対で国連安保理の決議
は難航しました。

 もう一つは、他でもない国内のそれも軍部の反対です。反対の理由は、巨額の財政
赤字を抱えるアメリカとしては「軍事費を聖域化せず」という大規模な歳出カットを
行っており、それを前提とすると「今リビアとの戦争は不可能」という姿勢です。ゲ
イツ国防長官はそうした前提に基づいてNFZの設定にも消極的でした。

 では、どうして今回はそうした抵抗があるにも関わらず、空爆という事態に至った
のでしょうか、その背景には日本の東日本大震災と福島第一の事故があると思います。
といっても、日本の責任で戦争が始まったのではありません。基本的には次のような
四つの要素があると思います。

 まず日本の原発事故を契機とした反原発の世論の高揚により、世界的なエネルギー
問題の総見直しが始まっているのは事実ですが、その渦中においても尚、カダフィ政
権は「反政府派の徹底弾圧」を叫び、「大油田ベンガジの空爆も辞さない」という姿
勢を改めるどころか、攻勢を強めているという問題があります。

 これを受けて、3月17日の国連安保理ではリビアへの「NFZ」設定が中ロを含
む10カ国の全会一致で採択されています。これはエネルギー危機の中で油田を人質
に、というカダフィの姿勢を見て、万が一実際に油田爆撃があった場合に、このまま
では原油価格の急騰は避けられないという危機感の現れだと思います。ロシアは石油
輸出国で実は原油高騰にはメリットもあるのですが、大統領選を控えた中で「国際社
会への道義的な貢献」を見せる必要があったと見るべきでしょう。スーザン・ライス
米国連大使の根回しも相当なものだったようです。

 問題はこの「NFZ」です。どうして2月の時点ではペンタゴンは消極的だったの
かというと、「リビア上空は飛行禁止」という宣言は「制空権」を取らないと「全く
の空疎な文言」になってしまうからです。そして制空権を取るというのは、相手の航
空兵力を打倒するか、あるいはジッと構えておいて「違反したら即撃墜」とすること
になるわけで、即戦争を意味するからです。

 では、どうやってこの「NFZ実施イコール即戦争」という抵抗感を乗り越えたの
かというと、三つ目の要素になりますが、米国が正面に立つのではなくフランス、英
国、そして有志連合としてアメリカという形で、米国が全面的に責任とコストを負う
のでは「ない」スキームができたからです。フランスのサルコジ大統領は、来年20
12年に二期目の選挙を控えています。ここで国際社会における存在感を見せるとい
うことは政治的に十分なメリットがあるわけです。

 オバマとしても、議会や共和党から「財政再建はどうした?」と言われてもフラン
スが先頭に立ったのを黙って見過ごすわけにはいかないわけで、国民に理解を訴える
演説を行って有志連合に加わっています。その方法ですが、「宣言して様子をみる」
曖昧な姿勢、あるいは「航空兵力を打倒する」といった乱暴な手法ではなく、「カダ
フィ側のレーダー施設やミサイル施設、滑走路など航空インフラの破壊」という教科
書通りの手法が取られました。

 フランスを先頭に立たせた背景には、もう一つ「アメリカがアラブでの戦闘の先頭
に立たない」方が得策という計算があります。アラブで何かに関与すれば、アルカイ
ダ的なグループが怒ってテロ活動を活発化するのが怖いということ、あるいはその危
険を増大させたとして国内保守派から攻撃されることなど、政治的な理由が大きいと
思います。英国のキャメロン政権も、ブレア政権の「ブッシュの戦争」へのコミット
に反対する世論に乗った政権ですから、アメリカ主導よりフランス主導のほうが同調
しやすいということもあります。

 ちなみに、この件ではヒラリー・クリント国務長官が相当に周到な工作をしたよう
です。攻撃開始時点で彼女はまだパリにいました。そして実際の攻撃も、戦闘機は仏
軍と英軍のみ、米国は英国と一緒に艦船から発射の巡航ミサイル攻撃を担当するとい
う布陣をとっています。水面下で周到な準備がされていたのだと思いますが、恐らく
は相当な効果があったのではないかと思われます。以降は、陸上戦闘に移行するので
はなく、この空爆の効果を見極めつつ、カダフィ政権の自壊を待つことになるのでは
と思います。

 というわけで、現時点では「国民と石油を人質に取った凶悪犯の武器だけを破壊に
成功」という理解が基本だと思います。当面はボールはカダフィの方に投げられた形
です。ですから、震災の復興にあたり、東日本に展開している米軍に対して「新たに
戦争を始めた血塗られた軍隊」というイメージを持つことも、震災で人命の尊さが改
めて問題になっている一方で、壮大な人殺しが始まったという印象を持つことは、現
時点では必要のないことだと思います。

 では、善玉の仏英米軍がこのまま悪漢カダフィを追い詰めるのを安心して見ていて
良いのでしょうか? そう簡単ではありません。一つは、カダフィは本当に何でもや
る危険があるということです。つまり仏英米軍に「地上戦闘の覚悟なし」と見透かし
て、地上で残虐なことをやるという危険です。その場合については、全く予断を許し
ません。一方で、カダフィ側では国連決議を受け入れて停戦に応じようとした矢先の
攻撃だと主張、舌戦の方も複雑化しています。

 もう一つは、「民衆革命」の問題はリビアだけではないという点です。現時点で親
米政権のバーレーンとイエメンが「流血の弾圧」を続けており、リビアとは別の展開
となっています。別というのは、特にイエメンの場合は政権側が「親米・反アルカイ
ダ」であることが批判の理由であり、アメリカとして革命側を100%支持できない
こと、バーレーンも万が一湾岸ドミノなどが発生してサウジが動揺すると大変なこと
になるからです。

 ですからオバマとしてはエジプトやリビアの「善なる民衆革命」を支持しつつ、後
は沈静化をというやや虫のいいことを考えているわけで予断を許しません。一方で、
ここのところ人気凋落の甚だしいペイリンは、イスラエルを訪問してネタニヤフ首相
と会談して、米国とイスラエルの結束をアピール、暗に「オバマの民衆革命支持は米
国益に反する」というメッセージを出しているのです。

 そのような複雑な連立方程式の中での今回の空爆ですが、大きな背景はやはり「福
島原発の事故によるエネルギー論争の中で油田爆撃を匂わせたカダフィ」を国際社会
が許さなかったということだと思います。その点では、日本の情勢は世界情勢と密接
に関連していることは否定できません。

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冷泉彰彦(れいぜい・あきひこ)
作家。ニュージャージー州在住。1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大
学大学院(修士)卒。著書に『9・11 あの日からアメリカ人の心はどう変わった
か』『「関係の空気」「場の空気」』『民主党のアメリカ 共和党のアメリカ』など
がある。最新刊『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』(阪急コミュニケーショ
ンズ)( http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484102145/jmm05-22 )
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●編集部より 引用する場合は出典の明記をお願いします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
JMM [Japan Mail Media]               No.627 Saturday Edition-2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行】  有限会社 村上龍事務所
【編集】  村上龍
【発行部数】128,653部
【WEB】   ( http://ryumurakami.jmm.co.jp/ )
----------------------------------------------------------------------------


12. ちょびはげ 2011年3月22日 18:17:05: RjzjQrEHFUNHw : Y5uPg8QsPM
F1には坂下ダムから専用の導水菅が引き込まれています。
この情報を隠蔽したグループがあるようです。導水菅 坂下ダムのキーワード
で検索してみればすぐわかります。bing飲ーのみ不可能ですけど、グーグルなど
その他ではすぐ検索できます。何としても、日本人に原子炉の塩付け実験をさせよ
うとする、グループがあるようにおもわれます。日本を壊したい輩です。

13. 2011年3月23日 00:46:27: oWbillhalg
北村名誉教授は、メルトダウンによる圧力容器底に高温の燃料が落ちたとき、容器の底に水が残っていたら水蒸気爆発が発生して圧力容器が破壊され大量の核物質が放出されるという事態をまったく考慮してないが、北村教授は圧力容器の底に水などあり得ず水蒸気爆発など絶対に起こらないとでもいうのか?

北村論はこの記事の範囲で見る限り、臨界の有無や規模によるシナリオだけしか視点が無く、メルトダウン時の水蒸気爆発などあらゆる事態を想定してるとは思えない。その点の見解が無い限り北村論で安心は出来ない。


14. 2011年3月23日 07:15:07: TMSrExEL7E
 今回の福島原発事故のもっとも肝腎な点は、制御システム、監視システム等のすべてが破壊されていること。
 冷却制御操作が装置内部で実際は何をしているか全く把握できないこと、冷却剤が循環使用でなく全量垂れ流しであることである。チェルノブイリ・スリーマイル原発事故と全く異なるのがこの二点である。

15. taked4700 2011年3月23日 13:41:35: 9XFNe/BiX575U : tXtQPMPaqA
13さん、

北村教授はあくまで学者。技術者でもないし、現場を見て発言しているのでもない。

現場を見れば、使用済み核燃料保管プールに使用中燃料が入っている4号炉、プルサーマル燃料が原子炉に入っている3号炉が危ないのはすぐに分かる。これらのことを取り上げていない論議はみんな単なる観念論。読む価値がそもそもない。なお、他の原子炉も危ないのは同じ。ほかの使用済み核燃料保管プールも危ない。


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