★阿修羅♪ > 原発・フッ素7 > 539.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
≪〔不都合な真実=計画停電の“本当の狙い”〕広瀬 隆 著『二酸化炭素温暖化説の崩壊』 第2章 より抜粋、他(第2回)≫
http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/539.html
投稿者 Roentgenium 日時 2011 年 3 月 22 日 05:11:46: qfdbU4Y/ODJJ.
 

(前回、1頁からの続き)


〔広瀬 隆 著『二酸化炭素温暖化説の崩壊』 第2章 都市化と原発の膨大な廃熱 より P.178−P.158〕


■原発がなければ停電するか?

【図63】は、2008年10月時点の発電所の定格出力、つまり日本全土の発電能力を示した図で、大部分が電力会社所有であることが分かる。見た通り、圧倒的に大きいのは火力発電である。この発電能力の変化(増加)を、1960年代から長期的に藤田祐幸氏が描いたのが【図64】である。火力、水力、原子力を毎年合計したものが棒グラフである。そこに走っている折れ線グラフが、その年の最大電力、つまり1年で最も暑い真夏の午後2〜3時頃に記録される電力消費の最大値(ピーク)である。誰が見ても、棒グラフの一番上の原子力がなくても、発電所はあり余っている。しかも2001年のピークが史上最大で、以後10年近くもこれを超えていない。原発がないと停電する、と考えることがそもそもナンセンスなのだ。

【図63】 2008年における日本全土の発電能力 ※資源エネルギー庁2008年10月時点のデータ画像がなかったので、数字だけ提示。

水力発電:合計4595万キロワット中、3459万キロワットが電力会社、856何キロワットが電源開発、280万キロワットがその他
火力発電:合計13978万キロワット中、12124万キロワットが電力会社、781万キロワットが電源開発、1073万キロワットがその他
原子力発電:4958万キロワット中、4958何キロワットが電力会社

2008年10月時点の定格出力。「原子力」には日本原子力発電株式会社分を含む。「その他」は卸電力、公営・特定電気事業者、特定規模電気事業者。資源エネルギー庁データより。

【図64】 発電施設の設備容量と最大電力の推移
http://www.exblog.jp/blog_logo.asp?slt=1&imgsrc=201103/13/26/f0126826_23352815.jpg

【図65】 2008年度の発電実績(設備利用率)
http://www.exblog.jp/blog_logo.asp?slt=1&imgsrc=201103/13/26/f0126826_23435287.jpg

≪≪では何故、電気の3分の1が電気だと宣伝され、原発がないと停電するかのような脅しが電力会社によって語られ、新聞とテレビがそれを引用するかと言えば、【図65】のように、原発だけは強引にフル回転して、発電量の比率を高める悪知恵を絞ってきたからである。この3枚のグラフを見ていると、実は面白いことに色々気付くはずである。火力と水力は、立派な発電所を持ちながら、大部分が休んでいるのだ。では何故、これほど無駄な火力発電所や水力発電所を持たなければならないのだろう。

注意しなければならないのは、この2008年度の原発の稼働率が60%という低い数字で、これでも動かせる原発を全てフル回転しての悲惨な現実だということである。原発はいつ止まるかわからない発電所なのである。その為予備に大量の火力と水力を持っていなければならないのだ。かつては原発がフル稼働して80%も使われていたが、その場合(図65中B)を考えても、休んでいる火力を動かせば、原発の発電分を楽々まかなえる。このように実際には不要ながら、原発必要論の口実にいま最も悪用されているのが、二酸化炭素温暖化という土台から崩壊した仮説だったのである。

ところが皮肉にも、原発がなくても世の中に何の影響もないことを実証したのが電力会社であった。電力会社の不正は後を絶たず、2002年に原発の重大欠陥を隠蔽(いんぺい)し、データを改竄するなど悪質極まりない行為が次々と発覚した東京電力は、2003年4月15日午前零時、首都圏に送電する福島・柏崎刈羽の原発17基が全て停止するという事態に追い込まれた。ここで真夏の電力危機が喧伝されたが、その後、全く停電は起こらなかった。

〔資料〕東京電力原発トラブル隠し事件(今回問題になっている福島原発及び柏崎刈羽原発) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AB%E9%9A%A0%E3%81%97%E4%BA%8B%E4%BB%B6

〔資料〕日本の原子力発電の概要 主契約者、他データ(2010年5月現在) ※福島原発はGEの設計図を元に増産
http://www.jaif.or.jp/ja/joho/presskit2010-10-18.pdf

〔資料〕事故原発は“欠陥品”?設計担当ら35年ぶり仰天告白 - ZAKZAK 2011年3月18日
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110318/dms1103181534014-n1.htm

更に2007年7月16日に新潟県中越沖地震が起こると、僅かマグニチュード6.8という中地震で無様にも内部が大崩壊し、土台が揺らいで巨大な変圧器が火災を起こすと、大事故寸前まで突っ走り、「世界最大の原子力発電所」柏崎刈羽原発7基の原発が全てストップしてしまった。その後、東京電力は全く停電を起こしていない。中部電力の浜岡原発は、最新鋭の5号機が2008年度まで4年平均のフル稼働率が僅か61%のところへ、2009年8月11日にマグニチュード6.5のごく小さな駿河湾地震が起こると、お盆の帰省時に東名高速道路の崩壊と共に、原子炉が想定を超える大揺れに見舞われ、真っ青になって停止したまま動かなくなった。名古屋を中心とする中部経済圏では、その後、全く停電を起こしていない。日本全土が送電線の電力網で結ばれている現在、落雷のような突発事故がない限り、停電など起こるはずがないのである。

【図66】 急落する原発の設備利用率 ※本書と同じデータ画像がなかったので、別のものに差し替えています。
http://pds.exblog.jp/pds/1/200912/28/63/b0165963_04037100.gif

〔図66註;経済産業省の2008年公表値。2003年(平成15年):相次ぐ電力会社の不正露顕によって東京電力全17基停止⇒原発の設備利用率は59.7%まで落下。2007年(平成19年):新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発全基停止⇒原発の設備利用率は60.7%だった〕

こうして全土で不正発覚と事故続き・地震による停止が続発の原発は、【図66】のように設備利用率、つまり運転の稼働率がぐんぐん悪化して、電力供給に対して、最も信頼出来ない発電所として悪名高い存在になった。動かせる原発をフルに運転しても、今や電気の4分の1をまかなうのに精一杯なのである。

そもそも地震大国・日本で、地震の活動期に入った今、原子力発電所に大事故があった場合に、電力を大きな発電所に集中的に依存していては、日本人の生活と、企業の活動を、これからも保証出来るはずがない。また100兆円を優に超える原発大事故の損害額を、政府も経済界も保証出来ないことが分かっているのに、何故このように危ないものに国の運命を預けるのか、それが理解に苦しむところである。電力会社と、政治家と、マスメディアは、原子力を愛しているのであって、日本を愛していない。彼らがまともな人間だと言いたいならば、不安のない電力の安定供給の為に、原発から脱却するよう、目覚めるべきである。発電法は、他にいくらでもある。

つまり電力を供給する発電所や発電設備は、出来るだけ分散し、安全で小型なものにする時代に向かうべきだ。電力会社の経営上の都合を優先させて組み立てられてきた戦後の官僚的な電力供給システムは、国民生活と産業活動を優先するものに変えなければならない。その為に必要なのは、電力会社が独占してきた電力の完全自由化である。電力会社が発電機を発明したのではなく、ファラデーが発明したのである。そこで法律が改正されて、僅かずつ電力自由化が進められてきたが、送電線を握っている電力会社が自分の利権を奪われないように、他の企業による発電を如何に少なくさせるかという知恵を働かせて、他のエネルギーの普及を妨害している為、完全自由化が進まないのである。≫≫

しかしもし、電力の完全自由化が行われても、他の企業による発電法が社会に対して優れていなければ、たとえ原発ではなくとも、それでは自由化の意味がない。二酸化炭素温暖化論を退治した私達は、ここに大きな希望があるので、これからその理想的な技術の可能性を論じてみたい。


■誰が電力問題を起こしている最大消費者か

電力をどのように生み出し、使うのが、理想的なのだろうか。

第1の論点は、北海道・東北などの寒い地方を除いて、日本では真夏の午後に最大ピーク電力を記録するので、電力会社はその電力需要に応えなければならない現実がある。その為、最大電力量が発電所の増設に拍車をかける口実に利用され、原発にばかり力が注がれてきた。既に述べたように、真夏の暑い時に、クーラーをかけなければ涼しくなるのに、環境大臣が真夏にヒシャクで道路に水撒きしてニュースになるようでは、日本に救いはない〔今回転載していない内容については、本書で一読され確認いただくことをお薦めします〕。

≪≪日本は、経済崩壊した現在、発電所増設どころではない。産業界の需用電力が激減し、2008年度、2009年度と過去最大の電力消費落ち込みを記録したのである。省エネ家電の普及は優れた切り札だが、それに買い換えるのは、経済的に苦しい日本人にとって容易なことではない。20年間言い続けてきた言葉だが、無駄をしないに尽きる。コマーシャルで、「CO2を減らす」と宣伝している企業は、たとえそれが省エネ家電であっても、その製品を何の目的で開発したか正しく理解していないことになる。「消費量を減らす」と言うのが正しいのだ。≫≫そこで、その省エネルギーの話に移りたい。

第2の論点は、どのような発電法が優れているか、である。恐らく読者の大半は、30年前の私がそうだったように、太陽や風力の自然エネルギーの大普及が、自然環境にとって良いと思っているだろうが、それほど単純ではない。つまり叙情的な解決法を求めても、問題は解決しない。善意で自然エネルギーの利用に熱心な人達が理解しなければならないことがある。

現在のエネルギー問題を起こしているのは、主に真夏の日中に起こる、ほんの一時的な大量のピーク電力需要である。そしてこれは、【図67】で示されるように、殆どが企業や自治体、学校などの組織的な活動によるものであり、家庭の電力問題ではない。グラフで下に書かれているのが住宅用、つまり家庭の消費量である。家庭のピークは、家族が帰宅して揃った夕刻より後なので、真夏の日中のピーク電力需要には、罪がないのである。このグラフは民生用の電力消費パターンであり、この他に産業用がほぼ同じ規模で消費されるので、真夏のピーク時に、住宅用は全体の中で更に小さいことが分かる。

【図67】 夏における電力の消費者の分布
http://pds.exblog.jp/pds/1/201103/15/26/f0126826_7173434.jpg

≪≪従って、元々電気の使用量の少ない節約志向の人、或いは小さな地方や地域が、自分1人で胸を痛めてエネルギーの節約をしても、残念ながら問題は解決しない。我々貧乏人が節約しても、ちっとも貯金が増えないのと同じ原理で、テレビコマーシャルで誘導されるエコのような節約は、真夏に焼け石に水なのである。私のような人間が極稀に東京都心のビルに入ると、吹き抜けの巨大な建物が冷暖房されているのを見て、建築家の堕落は、ここまで来たかと愕然とする。手を洗う場所には、乾燥ドライヤーがある。何故ハンカチを使わないのだ。何処を見ても、無駄の塊だ。彼らビル建設者が無駄をなくさないのに、どうして貧乏人に節約しろと言うのか。≫≫

≪≪その結論として、都会や産業に向けて、普及度の可能性が高く、エネルギー効率が高い方法を求めてゆかなければならない。ところが電力の最大消費者であるその産業界は、本質的に自然エネルギーが嫌いである。確かに太陽や風の発電量は、天候次第で変化するので、安定した工場の操業が出来ないから、企業を責めることは出来ない。世間の視線を意識して「我が社も太陽や風を使っています」というエコスタイルをとりながら、実際はゼロに近いのだ。

そこで分かることは、暑い年にしばしば電力不足が騒々しく報道されるが、ピーク電力の価格を高くするように時間別の電力料金制度を設定すれば、企業はめざといので一斉に電力節約に走るから、ピーク電力のカットは簡単に出来る。しかもそのようなピーク電力は、暑い年でも年に2、3日、ほんの数時間しかないのだから、官公庁や大企業に節電を呼びかければ、たちまち下がる。ところが現在は、電力会社が電力の最大消費者である大企業向けの電力価格を低くして、あべこべに電力の消費を促しているのだから、「電気を節約しよう」と一般家庭向けにテレビコマーシャルで宣伝するのは、全く大嘘のコンコンチキである。元々電気を売って儲けたい電力会社が、電力消費を減らす気がないことは、常識なのである。≫≫

≪≪しかしこうした電力総論とは別に、電力会社は、何故原発に夢中になるか、というミステリーがある。これは判じ物のようなパズルを解いてゆくと分かることである。

電力会社は、利益を求める企業である。利益の計算は、「収支マイナス支出」である。そこで普通の企業は、支出を如何に減らそうかと血眼になって知恵を絞る。従って電力会社も、莫大な金を使う原発より、その4分の1の建設費で同じ電力を生み出せる天然ガスを利用したほうが、エネルギー効率も高くなって自然破壊が少なくなり、企業利益も出るのに、何故原発の建設に躍起になるのだろうと、みな不思議がっている。

停電が起こると社会が損失を受けるという理由から、電力会社は、公共事業と呼ばれて、国に利益を保証されて来た。つまり支出が大きくなればなるほど、利益を出す為には、収入を上げなければならないので、電気料金を引き上げてよいという、国から特別に優遇された会社として全国で地域独占企業となり、君臨してきた。彼らは、電気料金を高くする為に、支出を増やしたかったのである。

そこで、電力会社と地元の政治家が手を組んで、莫大な投資を必要とする原子力発電所の建設に熱中してきた。中でも酷いのは、全国で「危険物」として嫌われる原発を強引に建設しようと、発電所に入る金を周辺の市町村に補助金として配り、地元民を黙らせる為、1974年に田中角栄内閣が施行した電源開発促進税法である。電力会社が納税する形をとっているが、現在でも、数千億円という巨大な実質「消費税」が読者を含めて全ての消費者から電気料金として徴収されている。この大金が電力消費者⇒電力会社⇒国(原発官僚差配)⇒地方自治体(原発現地)へと電源三法交付金として流れている。

〔資料〕電源三法制度の概要 - 電気事業連合会「原子力・エネルギー図面集 2010」
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02020104/06.gif

〔資料〕原発推進組織の資金源としての電気料金、及び電気料金の仕組み(消費者に転嫁するシステム)について - 自然の摂理から環境を考える 2010年7月23日
http://blog.sizen-kankyo.net/blog/2010/07/000754.html

〔資料〕六ヶ所再処理工場の主な工程とその危険性 - 原子力資料情報室(CNIC)
http://cnic.jp/modules/rokkasho/index.php?content_id=7

〔資料〕六ヶ所再処理工場・使用済み燃料貯蔵プールにおける事故時の放射能放出に関する計算書 - 原子力資料情報室(CNIC)
http://cnic.jp/files/rk-sf_acc2006.pdf

〔資料〕高速増殖炉 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%80%9F%E5%A2%97%E6%AE%96%E7%82%89

〔資料〕高速増殖炉もんじゅ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%85

〔資料〕MOX・プルサーマルの基礎知識:プルサーマルに使われるプルトニウムはどこから来るのか? - 核情報 ※英仏
http://kakujoho.net/mox/mox.html#id13

〔資料〕諸外国における原子力発電開発の動向―最近の動き(2003年12月中旬〜2004年1月中旬) - JAIF
http://www.jaif.or.jp/ja/data/monthly/0094-ugoki.html

※核兵器から取り出したプルトニウムをMOX燃料化するのが主な狙いで、既に実用化している

〔資料〕核大国 フランス、そして日本 - 細野豪志ブログ 2007年5月6日
http://blog.goo.ne.jp/mhrgh2005/e/5145286532dbd6f02b42cd1885d4cb59

〔資料〕≪〔福島第1原発3号炉とMOX燃料〕Edwin S. Lyman博士の講演:日本の原子力発電所で重大事故が起きる可能性にMOX燃料の使用が与える影響 より抜粋、他≫
http://kyosukeyamashina.blog62.fc2.com/blog-entry-790.html#commenttop

加えて、プルトニウムを取り出すのだと言って始まった青森県六ヶ所村の再処理工場と、取り出したプルトニウムを増やすのだと言って始まった高速増殖炉もんじゅを合わせると、開発費と建設費、維持費で合計6兆円という大金を使って、どちらも目的を失い、完全に破綻、迷走したままの状態にある。

エネルギー分野の国家予算でも、2009年度に原子力だけが突出して4556億円が投入されている。これらの使い道は、100%絶望が保証されている再処理工場、高速増殖炉、高レベル放射性廃棄物の処分の研究などに向けられ、こうした大きな財布に集(たか)る原発の性格は全く改められていない。これだけの大金を優れた新エネルギーの補助金として投入すれば、たちまち、日本の全家庭に燃料電池や太陽光発電を普及させることが出来るのに、である。

何故その世論が生まれないかと言えば、ここまで列挙した国の予算が、原子力産業お抱えの御用学者と、テレビコマーシャルと新聞・雑誌広告によるメディアに流れて、実質上、口封じの金を貰っているからである。

では、いま電力会社は何を企んでいるか。

電力会社が最も恐れるのは、自由化の流れの中で、この集(たか)りの財源である原発の比率が下がることである。エネルギー源として原発最大の欠陥は、ウランの核分裂反応を安定させる必要がある為、電気出力を一定に保たないと大事故を起こす危険なプラントなので、運転し始めると、ずっと一定の発電量を保つところにある。ところが電気の消費量は、先程の【図67】のように、正午過ぎにぐーんと高くなり、深夜には大きく落ち込む。原発は、消費者の使う電気量のの上下動に従って発電量を調整出来ない。そこで、常に深夜の最低消費電力しか、発電出来ないという致命的な欠陥を持っている。

つまり、【図68】のようになることが、電力会社の恐怖なのである。正月とお盆になると工場も官公庁も店も一斉に休みになる。皆が家に集まってテレビを見ても、家庭の消費量はたかが知れているので、消費量全体は大きく落ちる。この深夜の最低消費電力をベースロードと呼ぶが、原発が受け持つベースロードを消費量が切ってしまうと、原子炉の運転を止めなければならないのである。そこで考え出したのが、深夜電力の価格を大幅に下げることと、オール電化の普及なのである〔Roentgenium:原発推進と電気自動車インフラは恐らくセットだろう。日立・日産グループの長州閥(旧満州国や小泉絡む)、東芝・トヨタの三井財閥(ロスチャイルド系)、三菱財閥(製薬含む、ロックフェラー系)〕。

【図68】 正月とお盆における電力消費パターン
http://www.exblog.jp/blog_logo.asp?slt=1&imgsrc=201103/14/26/f0126826_017732.jpg

例えば東京電力では、夜10時から翌朝8時までの夜間電力を、何と3分の1以下に下げる大幅な割引制度を導入して、余って困る原発の深夜電力を大量に使わせるようにした。その為、寝ている間に風呂を沸かす電気温水器やエコキュート、蓄熱式電気床暖房などの夜間蓄熱式機器を普及させ、一方で、IHクッキングなどで料理するオール電化住宅の普及に全力を注いで電力消費を促しておきながら、「節電」を呼びかける電力会社は、矛盾の塊である。こうして、建築家と組んで、オール電化住宅が大きく普及してきた。おっと、待ちなさい。オール電化住宅は、自然破壊の代表なのですよ。

家庭のオール電化は、エネルギー効率と地球の資源活用の面から見て、最も不合理な手段である。発電所で熱エネルギーを出して蒸気を作り、発電機を回転させる運動エネルギーに変換し、これを電気エネルギーに変換する。原発では更に送電ロスが加わって、逆立ちしても最高30%しかエネルギーを利用出来ない。しかも、家庭の暖房器具や温水器や台所調理の煮炊きで、またしても電気エネルギーを熱エネルギーに戻さなければならない。エネルギーというのは、こうして変換するたびに、無駄な熱が空気中に出される原理があることを、学校で習わなかったですか。

電気ストーブと石油ストーブとどちらがエネルギー資源の節約になるか。灯油ストーブの2〜3倍もの資源を発電所で浪費し、熱量ロスが多いのが、電気ストーブである。都市ガスやプロパンガスによるガスコンロ、風呂の湯沸し、灯油やガス・ストーブ、薪ストーブなどによる直接加熱であれば、資源エネルギーの熱を、そのまま100%フルに利用出来るので、エネルギー効率が高い。特にストーブは、輻射熱(ふくしゃねつ)の効果があるので、室内全体を暖めるエアコン方式より優れている。電気器具メーカーは、日本の産業をリードしてきた大手企業なので、頻繁にテレビコマーシャルに登場するが、ストーブメーカーのコマーシャルは余り見たことがない。この資金力の差によって、皆が欺かれてきただけだ。IHクッキングで料理する本物のシェフなどいないのに。

〔資料〕ペレットストーブ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%96

〔資料〕株式会社さいかい産業|ペレットストーブの製造販売 ※シンプルで余計な機能が付いていないのが良い
http://www.saikai-sangyo.com/

〔資料〕環境面から見たオール電化問題に関する提言(中間報告) - 地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA) 2006年11月
http://casaletter.web.fc2.com/teigen/paper/061107all_denka_chukan.pdf

2009年にエネルギー・資源学会で広島大学の村川三郎名誉教授達が発表した調査結果によれば、電力会社が普及させてきたヒートポンプを使う給湯機「エコキュート」は、実際に使われている9割近い家庭が省エネ設定をしない為、従来型のガス給湯器と比べて省エネ効果ゼロかむしろエネルギー消費量が増えることが明らかになり、国土交通省もそれを認めた。

この章の初めに述べたように、気温上昇率が高いのは、夏より冬である〔今回転載していない内容については、本書で一読され確認いただくことをお薦めします〕。その事実から分かるように、特に、家庭で使うエネルギーの大部分は、暖房と給湯による熱エネルギーが6割以上を占めている。熱を使うのに、電気から熱エネルギーを得ようとするのは、変換・変換・変換の為、最も不合理な使い方なのである。正しい電気の使い道は、電気でなければならない電灯(照明)と、パソコン、テレビなどのエレクトロニクス機器と、モーターを使う電気掃除機、洗濯機などの電動器具である。

オール電化は、発電所を猛烈に稼動させる最悪の地球過熱システムである。≫≫


(後日、3頁へ続く)  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2011年3月22日 19:03:42: xtlWVCU5v6
ネットゲリラさん:海江田経産相は東電にハメられた
://shadow-city.blogzine.jp/net/2011/03/post_952a.html#more

原発利権が絡んでいるのでしょう。


02. 2011年3月22日 20:20:38: gf7OQcxcqA
的確で科学的論評は証明する
大は情緒的で小なる我々は論理的で併呑は無く
渋谷の灯りは我々を照らす訳で無く性悪な選択は
冷静な人々の認識を変え、抽象から実像を視付け
そして本質に迫るだろう
我々は覚えている停電の無かった5日間を
大からの情緒的かつ非論理から逃れ
真実をつかむ


03. 2011年3月22日 22:19:07: gf7OQcxcqA
すいません
連続した5日間でした
事実と真実の違いは
ご存知ですね

04. 2011年12月04日 20:11:27: V0DKlT43oY
レポートのために原発の話調べてるけど
事実が酷過ぎるよ

もうやだこの国


  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
 重複コメントは全部削除と投稿禁止設定  ずるいアクセスアップ手法は全削除と投稿禁止設定 削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告」をお願いします。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 原発・フッ素7掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 原発・フッ素7掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧