記事二つ:原発上空飛行禁止の意味(二つの隠ぺい)ベストシナリオでも数年間は避難が必要?!
http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/499.html
投稿者 taked4700 日時 2011 年 3 月 21 日 08:18:17: 9XFNe/BiX575U
原発上空飛行禁止の意味(二つの隠ぺい)
国交省は3月15日、福島第一原発を中心に半径30kmの上空飛行禁止を決めた。高度に関わらず飛行禁止にしたのは国内で初めてであり、世界で例があるかどうか、自分には分からない。しかし、もし、これが、「航空機は、外気を取り入れて機内の気圧を保つ。このため、放射性物質が浮遊している上空の飛行により、乗客乗員が被ばくする恐れがある」ということなら、この理由付けには疑いを抱かざるを得ない。
地表近くを流れる場合よりも上空は格段に拡散しやすい。旅客飛行機は普通10000mとか20000mを飛ぶ。空域によっては、もっと低い場合も高い場合もあるようだが、数百メートルではない。だから、そもそも、普通ならあまり濃度が高くないはずで、飛行禁止にする必要がない。
福島第一原発を中心に半径30kmだから、最大飛行距離は普通は60kmだろう。これは新幹線で行ったとしても10分ほどだ。飛行機なら数分でこの範囲を通り抜けてしまう。この間、高度を変えたりして、外気の取り込みが必要だったとしても飛行機の中の空気が丸々入れ替わるわけではない。そもそも、飛行機の中は気圧が高めに設定されていて、基本的に外気と入れ替えは行えない。車の窓を開けて置けば自然に外気と車内の空気は入れ替わるが、飛行機は外圧と内圧が異なるのでそういうことはできない。だから、もし、放射性のチリなどが大気中にあるのなら、その空間を通る時だけ、大気の取り込みを止めればいいのだ。多分、よほど気圧が変動しない限り、常時外気の取り込みをする必要なない。つまり、半径30kmを飛行禁止にするよりも、単に飛行機に注意を促して、この範囲を飛行するときは外気の取り込みを止めるようにすればいいのだ。仮にこの空域で外気を取り込んでしまっても、高度10000m以上なら相当濃度は薄くなっていて、しかも、飛行機から降りてしまえば、もう関係なくなる。更に、このエリアは札幌から羽田へ向かう航空路にほぼ重なる。30kmの幅で、この航路の幅がこの地域だけで狭くなるのは、それだけで危険性がある。
では、なぜ、原発上空を高度に関わりなく飛行禁止にしたのか?多分、理由は二つある。一つは上空からの写真撮影を避けるためだ。原発の現場写真はほとんど公開されていない。公開されたのは、衛星からの写真と消防関係者が消防車内部から撮影したもの、そしてヘリコプターで水をかけるときにヘリコプター内部から上空からの映像を撮影したものだ。11日の事故当初から現場で作業されてきた方たちが取っているはずの現場写真は一切公開されていないし、原発の建物内部の地震後の写真も一切公開されていない。また、作業員の方たちの記者会見も全くされていない。本来、放射線の強い現場では、1時間も作業すれば一年分の許容量を浴びてしまうので、その後一年間は作業できない。だから、普通なら既に数百人規模で現場から帰ってきている方たちがいるはずなのだ。つまり、現場の状況・事故の実相が隠ぺいされている。
もう一つの理由は、原子炉建屋上部から放出されている放射性物質の量があまりに大きく、それを隠ぺいするためだ。震災復興の援助のため米軍の空母が福島沖へ来たが、すぐに原発の風下を避ける位置に移動した。ヘリコプターで原発に水をかけるとき、原子炉建屋の上空でホバリングできず、移動しながら水を撒いたため水が霧状に広がりほとんど原子炉建屋にかからなかった。原子炉建屋の上空数十メートルに一分間もホバリングできないほど強力な放射線が出ているのだ。使用済み燃料保管プールに入っている燃料が水位が下がったため空気中に露出。そこで燃料棒のジルコニウム被覆が空気中の水蒸気と反応し、水素を作り出す。同時に燃料棒自体も劣化し、放射性ヨウ素などを放出する。
更に、福島第一原発の1号炉から3号炉までは原子炉へ海水を注入している。このことが何を意味するのか、よく分からない。冷却のために海水を注入するのだから、どこかから高温になった海水が出てこなければいけない。制御棒が入っているから核分裂は抑制されているが、それでもかなり大量の熱を発生する。だから、普通に考えればかなりの高温になって出てきているはずだ。注入する海水量も、そして高温になっでてくる量も時間当たり何トンには少なくともなるはずだ。しかし、一切、これらに関する報道はないようだ。原子炉内のまだ燃焼が進んでいない放射性の高い燃料棒の側を通るのだから、水分子の酸素原子や水素原子、そして海水中の塩分が放射化され、かなりの放射能を持つ。また、燃料棒の被覆が劣化しているから、ヨウ素やセシウム、ストロンチウムなどが放射化された状態で海水に混じるはずだ。多分二つの可能性があって、一つは液状のまま出てきて、それが海へ排出されているということ。もう一つは原子炉内で水蒸気になり、どこかの弁を通して大気中へ水蒸気のまま排出されていることだ。もし後者なら、この分の放射性物質の量は保管プールから大気中へ出る放射性物質よりも格段に多いはずで、もし風向きが変わったら、関東地方から東北地方をかなり汚染することになるはずだ。3月20日の夜9時からのNHKの番組で、現場で作業をされていた方が、地震直後1号炉で白煙を見たと言う。事故直後だから、燃料プールからの白煙ではないはずだ。原子炉本体からの高温の水蒸気が漏れた可能性が最も強く、もしそうなら、大気中へかなり多量に放射性物質が排出されていることになる。ただ、この仮説にも説明がつかない点がある。つまり、高温の水蒸気が大気中で冷やされて白煙になるはずなのに、そういった大量の白煙が見られていないようなのだ。1号炉から3号炉までは常時海水を注入しているはずで、それが水蒸気になって排出されているなら、常時、白煙がこれらの原子炉の周りで見えなければならない。
現在、西風が吹いているから、原子炉建屋の上部からでた水蒸気を含む空気は温度が高いこともあり、西風に乗って海の上空へ拡散していく。だからこそ関東地方や東北地方の各県であまり高い放射線量が計測されないのだ。しかし、西風が卓越している現在でさえ、高度により気流は向きを変え、陸地側へ向かうものもある。それに流されて放射性ヨウ素が茨城県などの農地へ降下し、今回ホウレンソウで検知されたのだ。
今後季節が移り、西風ではなくて東風が吹くにしたがって、関東地方・東北地方各地で検出される放射線の強さはどんどんと上がるはずだ。または、そういった情報を公開しないで、隠ぺいするか、または、ウソの情報が流されるのかもしれない。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201103/2011031500674
半径30キロを飛行禁止=福島第1原発の上空−国交省
国土交通省は15日、福島第1原発を中心とする半径30キロの上空について、高度にかかわらず飛行禁止区域に設定した。無期限の措置。高度を制限せず飛行を禁じるのは初めて。
航空機は、外気を取り入れて機内の気圧を保つ。このため、放射性物質が浮遊している上空の飛行により、乗客乗員が被ばくする恐れがある。(2011/03/15-20:24)
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<428>>
ベストシナリオでも数年間は避難が必要?!
福島第一原発事故が過酷事故化しないで収まった場合、どの程度の避難が最低限必要だろうか?過酷事故にならないとは、原子炉や使用済み核燃料プールにある核燃料が大規模に環境中に漏れ出ないということだ。
現状のように、建屋の屋上から放射性ヨウ素などが出ているだけでもかなりの範囲で避難が必要だ。現在は西風が吹いていて、ほとんどの放射性物質は海へ向かって流れていく。それでも、高度によっては陸側に広がる風が吹いていて、茨城県のホウレンソウを軽微に汚染する程度の放射性ヨウ素が大地へ降下する。東風が吹くようになれば、今とは比べ物にならないほどの放射線が福島県下だけでなく、宮城、茨城、群馬、山形などで観測されるようになるはずだ。多分、埼玉や東京などでも避難が必要なほどの放射線が観測されるだろう。
なお、放射性物質はヨウ素やセシウムだけではなく、ウラン、プルトニウム、ストロンチウムなどいろいろあり、全て原子炉の中から放出される可能性がある。
正常化するためのステップは大きく次の三つに分かれる。
まず、冷却系を動かし、大規模にメルトダウンが始まったり、原子炉内の圧量が高くなって原子炉格納容器などが壊れることを防止する。次に、原子炉内や保管プールにある燃料棒を取り出して、何処か安全な場所へ移す。その後、瓦礫になった原発施設を埋却するなりして処分する。
では、それぞれの手順を分かる範囲でなるべく詳しく見てみよう。
(1)冷却系の復活:
1.各原子炉の配電盤へ外部電力がつながる。現状では1号炉と2号炉については既に確保されている。難しいのは3号炉と4号炉だろう。
2.塩水に使った各種機器がショートなどをしないか点検。原子炉建屋もタービン建屋もかなり強い放射線を出すようになっているはずで、現場に入ること自体が困難。
3.塩水に浸かって動かなくなったとされる循環ポンプを修理、又は取り替える。
4.消防車で海水注入をしているのをやめて、本来の冷却系に切り替える。
5.使用済み核燃料プールの減った水を補給し、適度なレベルで給水を止め、冷却系統を動かす。こちらも、モニター系統が動いていないはずで、給水のためのポンプの復活が必要。
(2)燃料棒の取り出し:
1.燃料棒の取り出しは、原子炉のふたを開け、原子炉上部についているクレーンで燃料棒を吊り下げて移動させる。保管プールについても同様だ。
2.だからまずクレーンが正常に動くことが必要だが、水素爆発によってクレーンが付いていた原子炉建屋上部は既に破壊されている。まず、これらの瓦礫を除き、クレーンを修理する必要がある。
3.瓦礫は原子炉建屋内外にあるので、これらを除去し、燃料棒の運び出しがスムースに行くようにする必要がある。
4.燃料棒は既にかなり被覆が傷んでいるので、原子炉のふたを開けた時に放射性物質が多量に飛び散る恐れがある。また、外部へ運び出す際にも飛散の可能性があるので、これを防止する手立てを考える。
5.取り出した燃料は使用中の燃料と使用済みの燃料があるので、放射線量や発熱量が異なり、それぞれに適した保管方法と保管場所を確保する。多分、最初は福島第一原発内の共同保管プールへ移すことになりそう。ただ、そこがそれだけの容量の余裕があるかどうか不明。そうでない場合は、他の原発の保管プールへ移すか、六ヶ所村方面へ移動することになる。この場合は長距離移動になるので、それなりにまた難しい問題が出てくる。最終的には再処理するが再処理施設はまだ稼働していない。
(3)原発施設の埋却:
1.現状では、細かいチリがかなりあるはずで、まずこれらが風で飛散しないように何らかの形で処分する。普通は掃除機などで集めるのだろうが、多分困難。大量の水を使って海へ流すことになりそう。
2.建屋内部の原子炉や配管の除染をする。具体的には壁や配管内部についた細かいチリなどを取り去る。
3.建屋内部の設備を分解運びだし。
4.建屋のコンクリート部分を取り壊して敷地内へ埋却する。 大前研一氏によると、大きなテントで原発全体を覆い、放射性物質の拡散を防止すると言う案があるそうだ。テントは3か月ほどで完成できると言う。ただ、こうすると、テント内へ放射性物質がこもってしまいかなりの濃度になる。現場で作業することがより困難になるわけで、放射線物質の原子炉建屋上部からの吐き出しが止まらないとこれも実施できないはずだ。
少なくとも現在の避難範囲半径20kmとか30kmが解除されるには冷却機能の復活により、放射性物質の吐き出しが止まる必要がある。もしこれが4月中にできなければ、風向きが変わってしまい、東北から関東一円の避難が必要になる。
全ての原子炉で対応が難しいが、特に3号炉と4号炉は大変だ。3号炉はプルサーマル燃料が使われていて、放射線量が格段に高い。4号炉は使用中の燃料が全て保管プールに入っている。
素人考えだが、上に述べたような各段階の作業が順調に進むとはなかなか思えない。冷却機能がうまく復活しなければ、大量の放射性物質の吐き出しが起こり、東北から関東一円が居住不可能になる。それだけ迅速かつ慎重な作業が必要になるわけで、現場での作業は大変だ。
具体的に数か月とか数年という期間の見積もりはできない。ただ、何よりも大規模な飛散が起こらない慎重さが必要で、それには長期間の避難も仕方ないのではないだろうか?
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<429>>
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