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情報開示 最優先に スリーマイル経験者ら
2011年3月20日 朝刊 :東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011032002000049.html
三十二年前の教訓は生かされているか−。原発史上初めて大事故が発生した米スリーマイルアイランド(島)の原子力発電所。現段階で福島第一原発の事故は「レベル5(広範囲な影響を伴う事故)」と発表され、スリーマイル島と同じ数値だ。当時の恐ろしさを体験した地元住民は、第一原発の現状や日本政府、東京電力の対応に強い関心を寄せている。 (米ペンシルベニア州ミドルタウンで、岩田仲弘、写真も)
スリーマイル島から約十キロ北で暮らすマリー・ステイモスさん(67)は、今でも事故が起きた一九七九年三月二十八日朝のことが忘れられない。原発で働く夫が出勤のため自宅を出た途端、「何か金属の臭いがしないか」と尋ねてきた。
しかし、事故発生の警報が鳴り、住民に避難指示が出されたのは二日後だ。それも半径八キロ圏内に住む妊婦と就学前幼児の約五千人に限られていた。実際には放射能の恐怖が広がり半径約八十キロほどの約十四万人が避難したという。
ステイモスさん宅も圏外だったが、とにかく逃げた。数日後に戻って以降、自宅周辺の動植物に“突然変異”が起きた。巨大キュウリ、尻尾のないネコ、頭が二つの牛…。異変は年ごとに顕著になった。それでもほとんどの住民は田園や牧草地が広がる生まれ育った土地に帰ってきた。
「さまざまな調査により、原発周辺のがん発病と死亡率が他地域に比べ高いのは明らか。政府、事業者は因果関係を認めなかった」とステイモスさん。
「福島の事故を受け米政府は半径八十キロ圏内の在日米国人に避難勧告した。三十二年後に初めて正しい判断をした」と苦笑い。日本政府の避難指示が半径二十キロ圏内にとどまることは心配だ。
スリーマイル島原発を監視する民間団体代表エリック・エプスタインさん(51)は第一原発事故の一報を聞き“情報隠し”を懸念。
「事業者は制御可能と発表し、住民は何が起きているか分からず不安は増すばかり」。昔の事故が再現されているように感じた。
エプスタインさんは「政府や事業者の情報だけに頼ってはいられない」と、ステイモスさんらと独自に放射線測定のネットワークを構築。さらに人体への放射性物質の吸収を防ぐとされるヨウ化カリウムを一万錠備蓄。住民による「自己防衛」の重要性を訴える。
ただ事故を次世代に伝えるのは難しい。ヘレン・ホッカーさん(84)は八六年、四十歳の娘をがんで亡くした。原発の危険性への関心が薄れていくことを気に掛ける。「原発と隣り合わせに住んでいる意識を持ち続けてほしい」。ホッカーさんの切なる願いだ。
<スリーマイル島原発事故> 1979年3月、サスケハナ川中州の原発で起きた事故。福島第一原発に似た加圧水型軽水炉が故障、緊急炉心冷却装置を作業員が止めるミスも重なって炉心が空だき状態になり、半分ほどが溶けた。放射性物質を含む蒸気が大量に漏れたが、被ばく者数は不明だ。事故を起こした原子炉1基の放射能除去だけで10億ドル(現レートで約800億円)の費用がかかった。
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