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原発事故現場での健康問題 Brave50(勇敢なる50人)と言うような表現で福島第一原発の事故処理を行っている現場の人たちを海外メディアがたたえていると言う。高い放射線といつ次の事故が起こるか分からない現場で懸命に事故対応をされている方たちの大変さには頭を下げるばかりだ。しかし、ただ単に感謝を示したり、ほめたたえたりしたりするだけで問題が終わるわけではない。 ビル火災が起こった時、それを消すために勇敢に戦う消防士の方たちをほめたたえるのは当然のことだ。しかし、だからと言って、ビル火災が起こった理由や再び起こらないように新たな対策をしなくていいと言うわけではない。つまり、今回の原発事故がどういう経過で起こり、何が決定的な要因だったかを調査して公開する必要がある。 そして、もう一つ大きな問題が、現場で作業されている人たちの健康問題だ。消防士の方が火災に巻き込まれるのとは異なった危険性が原発現場にはある。それは放射線障害だ。何が異なるかと言ったら、放射線が目に見えず、たとえかなりの放射線を浴びてもそれが分からず、ましてや、放射能を帯びたチリなどを呼吸で吸い込んでも全く自覚症状がないことだ。一応規則では、放射線量を測るバッチのようなものを体に着けて、一定限度を超えたら作業現場から離れることになっている。また、内部被ばくを避けるためにガスマスクもつけているはずだ。しかし、今まで、通常の原発点検でさえ、そういった規則が守らなかったと言う話はいっぱいある。今回のように一刻も早い事故対応が求められる時、こういう規則が守られている保証は非常に少ない。作業を進めるために、制限時間を過ぎて現場にとどまったり、あまり間隔をあけずに繰り返し作業したり、または、動作に邪魔だからと言ってガスマスクを外したり、ほぼ確実にこういう状況になっているはずだ。そうでなければ、現場作業のシフトの状況や作業人員の数、そして何よりも現場の写真が公開されているハウだからだ。 放射線障害は非常にひどい場合でも一週間後ぐらいにしか症状が現れない。多くの場合は、半年とか数年後、または、10年後という時間を置いた後だ。非常に強い放射線を浴びた場合、一週間ほどで亡くなってしまうと言う。そうでない場合は、癌と言う形で症状が現れる。白血病であったり、腎臓がん、肺がんなどという形で、数年後に症状が現れる。たとえ手術が成功しても、多くの場合、体全体の細胞の遺伝子が障害を受けているから、その後も癌が続発して健康に戻ることはない。仮にガスマスクを外して作業にあたっていたなら、今の福島原発はかなり高濃度で高い放射能を持ったチリが広がっているはずで、ほぼ確実に肺がん化するだろう。 たった今、NHKで消防隊の記者会見のニュースがあった。最高で27ミリシーベルトの放射線を浴びられた方がいたと言う。これはかなり高い線量だ。今後、かなり健康に気を付けないと、5年とか10年後、または20年後に癌の発症に至る可能性がある。 だから、高い放射線を浴びた時、健康に問題ないと医師から診断を受けたと言うのは、実を言うと、単に、癌化する可能性が少ないですよという診断があったと言うだけの話なのだ。浴びた線量が一定量以下だから、癌化する可能性は、今後何年で何パーセント以下ですから大丈夫です、というような話なのだ。しかも、この何パーセントという数字は患者には明かされないのが普通だ。だから、極論すれば、まあ数か月から数年健康ですよ、その後は知りませんと言われているわけだ。 なお、線量バッチなどを使っていないと、どの程度の線量を浴びたかを後で測ることは通常できない。同様に、ガスマスクを外してしまえば、どの程度の放射性物質を取り込んでしまったかを調べることは普通できない。だから、医師が診断をしようにも、何も手がかりがないから、単にその時の健康状態を見るだけだ。風邪気味なら風邪気味、メタボならメタボと言うことしかできない。なお、かなり費用をかければ、体の細胞を採取して、その遺伝子の壊れ具合を今の技術なら調べることが出来る。 除染とは別のことなので注意していただきたい。除染とは、衣服や皮ふに付いた放射性物質を取り除くことであり、除染をしたからと言って、浴びた放射能の影響が無くなるわけではない。放射能を浴びた段階で遺伝子は壊されている。 日本のような地震国にとって、原発は決していい選択ではない。まず、地震が頻発して危険であり、安全対策のコストもかかるからだ。次に、原発に頼らなくても、もっと安全で安価な発電方法である地熱があるからだ。より安全・安価な発電方法があるにもかかわらず、高価でかつ危険であり、多くの犠牲者を出さずにはおかない原発をやり続けるなら、現場作業に管理職、及び、管理職候補で採用した正社員を交代で当てるべきだ。今の状態は、国家ぐるみで安全を偽装し、多くの人々を犠牲にして、かつ、国民全体を大きな危険にさらしてい、それでいて、経済的になんら有利な点もないことをやっているだけだ。浜岡原発は福島原発よりも危険であり、このままの状況が続くなら、今以上の危機を招くだろう。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<426>>
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