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株式日記と経済展望
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ほぼ同じ立地条件である福島第一、第二原発が、地震被災後、なぜこれ
ほど差が出ているのか、米国GEオリジナルタイプであるということです。
2011年3月17日 木曜日
福島第二原発は、第一と同様の津波被害を起こしていますが、
第二は14日までに炉心冷却システムを回復させています。
福島第二原発の被災後の写真、津波を被っているがポンプは無事だった
◆東電福島原発事故:人間能力の限界を超える危機連鎖続く 新ベンチャー革命2011年3月16日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/23387717.html
1.東電福島原発老朽機、危機の連鎖止まらず
2011年3月16日朝、東電福島第一原発の定検で運休中の4号機建屋から再び火災が発生したとのこと。放射能レベルが高すぎて、現場に近づけないようです。使用済み燃料プールの循環冷却が行われておらず、水温が上がりすぎて、燃料がむきだしになったと予想されています。
まさに、第一原発は連日、危機の連鎖で対応不能となっています。一方、第二原発は、自衛隊の協力もあって、危機を脱しているようです、
ほぼ同じ立地条件である福島第一、第二原発が、地震被災後、なぜこれほど差が出ているのか、非常に疑問です。第二原発の方が、第一より、10年後に建設されており、設備も技術も耐震設計もすべて、第二の方が第一より好条件であるのは確かです。
第一原発の危機が続く根本原因は、地震外力被害よりも、周辺設備の津波冠水による機器故障です。非常用電源設備故障と非常用発電機の重油燃料タンクの破壊です。この意味で、第一原発の危機は、盲点を突かれたような恰好となっています。
一方、第二も第一と同様の津波被害を起こしていますが、第二は14日までに炉心冷却システムを回復させています。また第一の5号機、6号機は話題にされていません。
この事実から、第二にあって第一(とくに1号機から4号機)にない、なんらかの設備的差異があるようです。つまり1号機から4号機には、他機に比して、なんらかの安全対策上の不備があることを窺わせます。
2.東電原発BWRのマークTとマークUの比較
東電のHP(注1、注2)によれば、BWR(沸騰水型原子炉)にはマークT、マークU、そしてマークU改良の3タイプがあります。今、危機に瀕している第一原発1号機、2号機、3号機、4号機はいずれもマークTという旧式です。この旧式原発マークTの特徴は、米国GEオリジナルタイプであるということです。マークTは、GEの設計図に沿って、GEの指導の下で東芝、日立が建設したものです。
一方、マークU以降の原発は、東芝、日立中心で大幅改良された日本型タイプであると思われます。図面上からもマークTとマークUは大きく異なります。ということは、危機に瀕したマークT(1号機〜4号機)は危機に瀕するだけの技術上のなんらかの不備があるのではないでしょうか。
さて、福島第一原発の航空写真によれば、5号機と6号機は1〜4号機の敷地とは独立しており、数100mの間隔があります。5号機はマークTですが、6号機はマークUです。この5号機、6号機は技術リーダーシップがGEから東芝に移行している過渡期の原発と思われます。そして、マークUは、東芝および日立主導の原発でしょう。
3.危機に瀕しているのは、GEオリジナルの老朽機のみ
上記の分析から、結局、危機に瀕しているのは、もっとも旧い同じ敷地内の1〜4号機(GEオリジナル)に絞られます、つまり同じ第一原発でも5号機、6号機(1号機〜4号機の建設後のフィードバックにより改良されているはず)は危機に瀕していません。
ちなみに、2007年7月16日、新潟中越地震に襲われた東電柏崎原発は設計地震外力の2〜3倍の地震を被災したのに致命的被害を受けていません。こちらは、福島第二よりさらに改良されています(モダナイゼーション)(注3)。
なお、本ブログでは東電柏崎原発の耐震強度についてすでに、評価しています(注4)。こちらは津波を受けていないため、本来の耐震強度信頼性が発揮され致命的災害に至りませんでした。その実績が高く評価され、東電原発建設の重電メーカー・東芝が原子力推進者である世界的寡頭勢力の代理人・ビル・ゲイツ(元マイクロソフト会長)から注目されたわけです(注5)。
4.新潟中越地震被災経験を福島第一老朽機交換に活かさすヒマがなかった?
2007年の新潟中越地震にて、東電は原発震災で大打撃を受けています。その復旧から立ち直ったのは2009年以降です。そのとき、東電経営者は、福島第一の老朽機対策検討の余裕がなかったのでしょう。2011年2月現在、柏崎原発で復旧しているのは、最新鋭のABWR7号機、6号機、そしてマークU1号機、マークU改良型5号機ですが、マークU改良型2、3、4号機はまだのようです。
東電は柏崎7基完全復旧後、福島老朽機対策を検討する予定だったかもしれませんが、地震は待ってくれませんでした。不幸にも、もっとも耐震信頼性の弱い福島第一の1〜4号機に、よりによって、新潟よりもっと大きい地震が襲ったのです。さらに、想定されない大津波にも襲われたのです。
しかしながら、想定されない地震と津波で原発が破壊されても、それは言い訳になりません。少なくとも、日本の太平洋沿岸立地のエネルギー・プラントはチリやスマトラ島の大地震・津波を想定して設計・建設すべきです。これが今回の地震被害の教訓です。
6.東京湾のエネルギー・プラント設計に大津波襲来は想定されていない
筆者はIHI時代、東京湾に多数、立地するLNG(液化天然ガス)タンクの設計を担当していましたが、原発同様、耐震設計は行われています。LNGタンクの場合、地震波長周期成分により発生するスロッシング(液面が踊る現象)対策と、地震による液体層状化攪乱で起きうるロールオーバー(液化ガスの大量急速気化膨張現象でタンク内圧急上昇)対策が大変です。
しかしながら、LNGタンク耐震設計に大津波襲来は想定されていません。タンク四周にはダイクという土手(タンク破壊でリークした貯蔵液を外部に出さないための土手)が設けられていますが、せいぜい3mの高さであり、10m規模の大津波は防げません。
東京湾を含む地震多発地域の臨海エネルギー・プラントは10m級の津波用スーパー堤防と堤防内排水設備が必須となります。
ところで、福島第一原発の使用済み核燃料貯蔵プールは地震によるスロッシング対策はなされているのでしょうか。上記、福島第一原発4号機(地震時、運転休止中だった)の火災の原因はプールの冷却水不足のようです。上記プール内に水があるのかないのか、監視カメラもついていないのでしょうか、それとも遠隔監視システムも破壊されたのでしょうか、あるいは単にその電源が使用不能なのでしょうか。被災現場は4号機火災に、まるで成り行きまかせのようです。
福島第一原発の現場関係者はあまりの危機連鎖に、もう思考停止の状態のようです。人間の能力の限界に来ているようです。
(私のコメント)
昨日の福島第一原発は、現場の放射線の値が大きくて近づけない状況にあるようだ。夕方自衛隊のヘリから放水しようとしましたが、放射線が強くて引き揚げてしまった。地上からの高圧放水車の放水も行なわれるのだろうか? 午前9時48分にヘリからの放水が行なわれたようですが、4回ほどで引き揚げたようです。警察の高圧放水車の放水はまだのようですが、現場の放射線の値はどうなっているのだろうか?
現場の放射線の値が大きくなっているのは、使用済みの核燃料がプールに保管されていますが、加熱されて水がなくなり、水素が発生して火災と爆発が起きて、屋根と壁を壊してしまったために放射線が直接出ているのだろう。水で冷やせば使用済み核燃料は安全になるのでしょうが、水がなくなり露出して過熱しているようだ。テレビの解説ではよく分からない。
テレビの解説者は、東大や京大の原子力の専門家ということでしたが、当初は使用済みの核燃料の危険性を何も指摘していなかった。各原子炉の内部には使用済み核燃料の保管プールがあるそうですが、その仕組みも解説されていなかった。なぜ最初から危険性を専門家たちは指摘できないのでしょうか? 現場の東京電力の社員はパニック状態になり、成り行きを見るしかなくなっている。
昨日から現場の放射線の値が発表されなくなりましたが、使用済み核燃料が露出してしまっているのだから放射線が直に外に出てしまっている。コンクリートの壁も一部損壊しているからだろう。テレビの解説では原子炉内部の隔壁容器の事ばかり言っていましたが、使用済み核燃料の方が屋根が吹き飛んで燃料棒が一部出ているのだろう。これでは現場に近づけない。
警察の放水車は4000リットルの水が入るそうですが、放水は出来るのだろうか? 最後の頼みは外部電力の復旧ですが、復旧できればポンプや制御機器が動けば事態は好転しますが、まだ分からない。だから電源が復旧するのを待つしかないのだろう。
新ベンチャー革命の筆者も、IHIのエンジニアだった人であり、LNGプラントの設計者だった人のようですが、東京湾岸の各種プラントの安全性にも疑問を指摘しています。原子力発電プラントのみならず各プラント工場の安全性は指摘しても、当事者は安全だというばかりで市原の石油プラントも火災事故で大爆発している。原因はよく分からない。
新ベンチャー革命でも指摘しているように、事故を起こしているのは福島第一原発の1号機から4号機までであり、5号機と6号機は何とか無事だったようだ。この違いはどこにあるのだろうか? 1号機から4号機はGE製の原子炉であり、安全対策にもともと問題点が指摘されていて、廃炉にすべきものだった。しかし東京電力は安全対策をしないまま10メートルを超える大津波がやってきた。
冒頭の写真は福島第二原発の写真ですが、津波で被害を受けましたが何とか機能は維持しています。これらのマークU型原子炉は日立と東芝が建設したものですが、システム全体が日本の地震対策など施されているのでしょう。だから福島第一原発は老朽化して廃止すべきものだったのです。40年以上も経っていれば配管も薄くなってしまって、どこから漏れ出すか分からない。
国会ではこのような原発の安全性に議論がなされてきたはずですが、安全だということで突っぱねられてしまっている。確かに最新型の原発は安全なのでしょうが、40年前の原子炉は明らかに危険だった。テレビの専門家の解説でも1号機から4号機まではGE製の設計で作られていることが指摘されていない。
2007年の柏崎原発の中越地震では設計値の3倍の地震でも壊れませんでしたが、それだけ耐震性が考慮されていたのでしょう。問題の根本原因は老朽化した原子炉を使い続けてきたことに問題があり、昨日も上げた老朽化原発は廃炉にすべきでしょう。福島第一原発と第二第二原発とではアメリカ製と国産の違いが明らかにあります。GEも以前から老朽化した原発は危険と言っていたようですが、東京電力はそれを無視して採算ばかりを重視したのでしょう。
自衛隊のヘリからの放水が僅かな期待ですが、やはり最後は自衛隊頼みだろう。警察の放水車の放水は11時を過ぎても行なわれていませんが、命がけの作業は警察官では無理であり、軍人でなければ命がけの作業が出来ない。経済産業省の保安院の高級官僚たちは、現場のことが分からず原子炉のことも知らない。ただ官僚というだけで霞ヶ関で優雅な生活をしているようだ。
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