http://www.asyura2.com/11/genpatu7/msg/303.html
Tweet |
使用済み燃料保管プールを巡る誤解があるようだ。 マスコミ報道を見ていると、使用済み燃料保管プールは福島第一原発3・4号炉にしかついていず、同1・2号炉にはそもそもプールが付いていないとか、何も保管されていないと言う誤解というか、思い込みがあるように感じる。 しかし、日本の原子炉の99%には燃料保管プールが付いていて、しかも、原則的にその全てのプールにかなりの程度使用済み核燃料がたまっているはずだ。原則的という言葉を使ったのは、例えばプールの改装工事中などの例外があるからだ。そういったことがない限り、ほぼ例外なく、燃料保管プールが付いていてそこはかなりの程度の使用済み燃料で埋まっている。 だから、今回問題になっている福島第一、第二の合計10基の原子炉については、全て使用済み核燃料保管プールが付属していて、どれにもかなりの量の燃料がたまっている。3号炉は比較的燃焼度の低い燃料が多くたまっているので、その意味で危険性が高いが、他の燃料保管プールにしても、危険である点に変わりはない。 使用済み核燃料の問題は幾つかある。 1.ウラン燃料を燃やした結果、キセノンや放射性ヨウ素など、環境中に拡散しやすい気体状の放射性物質が燃料棒の中にたまっている。これが、燃料棒の破壊によって大気中へ拡散される。 2.燃え残りの放射性ウランや、新たに生成された放射性プルトニウムがあり、これらは半減期が大変に長い。何万年、何億年というスケールであり、これらが、やはり燃料棒が破壊されることで環境中へ漏れてしまい、土壌汚染や地下水汚染を起こす。 3.こちらはあくまで可能性の問題だが、高濃度のウランなどが液体状でたまった場合は、加速度的な核反応が起こり、爆発する。多分、この可能性はかなり低い。しかし、かなり過熱しているところへ水がかかり、水蒸気爆発のようなものを起こす可能性はかなり高い。 4.どちらにしても、原子炉周辺は長期間、多分少なく見ても百年単位で、居住不能になる。つまり、核物質の閉じ込めがどの程度うまく行くかが、関東地方や東北地方がどの程度存続できるかを決めることになる。 共同保管プールという話があり、原発によっては、敷地内にそこにある複数の原子炉の使用済み燃料をまとめて保管するプールを作っているのかもしれない。ただ、具体的にそういった例があるのかどうか、自分は知らないし、検索してみても、出てはこないように思う。なお、数年の内に、再処理用の燃料を六ヶ所村の再処理施設へ送るために中間的に貯蔵する施設が六ヶ所村の近くのむつ市にできるそうだ。 日本全体で約50基の原子炉があり、そこから一年で計900トンから1000トンもの使用済み燃料が出る。既に1万トンを超えた使用済み核燃料が全国の原発にはたまっている。だから、上で述べた問題は、全国どこでも起こり得る。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<413>>
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素7掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。