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ビジネス知識源 by 吉田繁治
http://archive.mag2.com/0000048497/20110316210231000.html
3.プルトニウムの毒性の、基本性格を知っておくために
以下は、明日への不安からくるパニックに陥らないため、毒性がも
っとも強いとされるプルトニウムについて調べたことを、敢えて書
きます。何が毒なのか?です。不安を煽(あお)るのではない。知
ることが、無用な不安も抑制すると考えるからです。
(注)使用済み燃料も、量は少ないとは言えプル・サーマルで再生
利用ができるくらいのプルトニウムを含みます。
プルトニウムには「化学毒性」と「放射毒性」があります。化学毒
性は、他の重金属並みで、強くはない。1gで、即刻の致死量にな
る青酸カリ(化学毒性が強い)とは、身体への影響具合が違います。
問題は、放射性の毒性です。
(当方が実験をし、臨床で確かめたわけではないので、全部「され
ています」と書くべきですが、文の調子のため、以上のような表現
法をとっています)
物質としては、「溶けやすい塩類にして飲み込んでも、胃腸の内容
物と固まりやすいので、器官系に吸収されることはほとんどない」
とされ(電力会社からの情報)、便として排出されます。
しかし、飲んでも大丈夫かと言えば、そうではない。
体内に留まる期間に、放射性の重障害を引き起こします。
【1.急性】
(1)食品等に付着した500ミリグラム(0.5グラム)を万一飲めば、
消化器系が「急性被曝」を起こし、数日から数週間後内に、生命が
危険になる。(注)ごく微量でも傷に付着すると排出されず、長期
間体内に留まります。
(2)100ミリグラム(0.1グラム)を、大気から吸うと肺浮腫を起こ
し、1日から10日のうちに危険になる。
(3)20ミリグラム(0.02グラム)を、微細粉末として大気から吸
うと繊維腫を起し、約1ヶ月以内に死亡する。肺には長く留まるた
めです。
【2.慢性】
上記より少ない場合は、「慢性がん腫」の影響があります。肺に付
着したものが、リンパ節と、肺から酸素を運ぶ血液を通じ、骨と肝
臓に沈着するためです。これが排出されにくく、体内での放射性の
半減期が長い。骨で20年、肝臓で50年とされます。
一般化すれば、
・1マイクログラム(100万分1グラム)の沈着で、がんになるリス
クが1%増え(危険はほとんどない)、
・10マイクログラムで、20〜30%のリスクが上昇し、
・100マイクログラム(1万分の1グラム:0.1ミリグラム)で、肺
がんの発生率が大きく高まります。
毒性が強いと言われる理由は、臓器から排出されにくいという性質
からです。放射性の毒そのものは、他の核物質やラジウム等と同程
度とされます。それらの物質の、放射度のレベルが、シーベルトで
計られます。
累積で600ミリシーベルトの量を短時間で被曝すれば、造血作用が
低下し、身体を外敵から守る機能をもつ白血球が減って、白血病を
起こすことが多い。(注)前稿で、「白血球が増え」と書きました
が、誤りです。増えるのは白血病細胞(芽球または腫瘍細胞)で、
これが骨髄を圧迫し、骨髄部の血液造成機能を低下させる。
100ミリシーベルト/1時間の区域では、被曝の害はないとされます
が、当然、何度も被曝し200ミリ、300ミリと累積量が高まれば危険
になります。
【3.飛散の性質】
[飛散性]
プルトニウムの微細粉末は、鉛の約2倍の比重の、重金属です。
圧力容器の爆発か、核爆発でない限り、はるか遠く(100キロ圏)
には飛散しない。とても重い「杉花粉」をイメージしたらいいでし
ょう。
ただし飛散区域は、不規則で予測が難しい大気の流れと気流の強さ
によります。このため、一概には到達距離が言えない。
[放射性]
放射性物質が放つ放射線(=強い透過性のある電磁場や粒子線)そ
のものは、距離の2乗に反比例し指数関数で弱くなります。
【4.距離と放射能】
重大事故を起こした原発から10キロ圏が、強い100ミリシーベルト
/時とすれば、20キロ圏は1/4の25ミリ、30キロ圏は1/9の11ミリ
シーベルトに減ります。100キロ圏は1万分の1の、10マイクロ・
シーベルトです。この程度なら、全く問題にはならない。以上が放
射の性質です。
放射線を出す能力が放射能(=能力)です。日常語で「放射能が降
る」というのは、放射性をもつ物質が大気に乗って飛散する微粒子
になって、落ちてくることです。
[5.問題]
日本の春によく降る黄砂のように、微細な粉末になった核物質が風
に乗って、広く飛散すると、はるかに遠くても、広範な落下地域が
問題になります。
[6.経験例]
4号炉の圧力容器が爆発したチェルノブイリ(評価で危険度7と最
大)では、方向によっては100Km圏以上にも、微量ですが飛んでい
ます。(注)福島原発は、今はまだスリーマイル並みの5でしょう。
今までの経過を見れば、チェルノブイリ(1986年:ソ連での最大事
故)並みになる可能性も、ゼロとは否定できないと判断しています。
[7.放射性物質の量]
チェルノブイリでは、4号炉の圧力容器の爆発で、「ヒロシマ」の
400〜500発分に相当する放射性物質(IAEA調べ)が、飛散したとさ
れています。
[8.原子炉]
原発では圧力容器内の核燃料が多いためです。このとき放射性物質
は、炉内の核燃料のうち10トンが粉末になって、広く飛散しました
(チェルノブイリ関係の情報はWIKI Pediaが出典)。
約100トン(福島3号機:推計)のMOX型核燃料を閉じ込め、制御し
てゆっくりと核分裂を起こさせ、水を高圧蒸気にしてタービンを回
し発電するのが原発です。
チェルノブイリの原因と展開は、詳細に書くスペースがありません。
知りたい方は、ウィキペディアを参照してください。
(注)ソ連での、ミスがミスを呼んだ事故対応に比較すれば、今回
の東電は、手段が限られた限界状況でよくやっています。ただし、
記者会見で混乱を見せる広報(危機管理またはその後の事故管理で
重要)は、褒められない。
【9.個人の対策】
汚染物物質の防止は、微細な埃を、防ぐ方法と同じです。政府が言
う汚染地域に近いところでは・・・
(1)肌を外気に触れない。部屋は締め切って、外気を入れない。
(2)石鹸で丁寧に全身を洗い、風呂ではなくシャワーで、ついて
いるかもしれない放射性物質を洗い流す。うがいをする。
(3)肺に入らないように、室内でも、インフルエンザ防止のよう
なマスクをする。多くの家庭にストックがあるでしょう。放射性物
質を、口や鼻から肺に入れないことが肝心です。
●以上が、予防的であっても、必要になった区域では、100%緊急
に政府から指示があります。この点、日本の政府とTVを、十分信用
していい。
官房長官も、今はもう「***だから大丈夫」という発表は、次第
にしなくなっています。分からないことはあっても、あるいは情報
提供による指示が1時間遅れても、意図して避難必要範囲を隠すこ
とはないでしょう。普通の人の対処法は、避難しかないからです。
なおこうした対処法は、TVでも適切に情報提供されています。
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