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「しんぶん赤旗」 2012年1月8日(日)
福島原発事故10カ月/政府・電力会社 再稼働へ動き急/「許すな」の声 全国から
東京電力福島第1原発事故から10カ月になろうとしています。原子炉内の状況さえ、いまだにわからないままで、事故原因の究明も終わっていません。事故は原発の危険性を深刻な形で明らかにし、定期点検などで停止した各地の原発は国民の不安と批判の声の高まりで動かすことができないでいます。しかし、政府と電力会社などは、再稼働に向けた動きを強めています。
現在、定期検査中などで停止中の原発は全国54基のうち約9割に上り、動いているのは6基です。定期検査が最も遅い北海道電力泊原発3号機が4月に定期検査に入ると、すべての原発が停止します。
政府は昨年12月、野田首相が「事故は収束に至った」などと宣言。同時に、原発の再稼働を前提にしたストレステスト(耐性試験)について「粛々とやっていく」と述べ、「政府が前面に立って」原発の再稼働に取り組むと表明しました。
電力各社も再稼働へ向けて、電力不足などのキャンペーンをいっそう強めています。ストレステストについても、電力各社は「安全対策で原発の安全性が向上した」などという結果を経済産業省原子力安全・保安院に提出。年末までに11基分が提出されました。
原発に対する住民・国民の不安、「安全神話」をふりまき、その後も「やらせメール」事件などを起こしている政府や電力会社への怒りと不信も強まっています。「再稼働許すな」「原発ゼロ」を求める各地の幅広い運動も広がっています。再稼働をめぐる問題はいよいよ重要な局面です。
これから大きな攻防 原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員、 原発問題福島県民連絡会副代表
伊東達也さん
福島第1原発事故の後、福島から原発をなくすというのは、住民だけでなく自治体の要求にもなっています。大きな変化です。
各地の原発でストレステスト(耐性試験)の結果が提出されていますが、政府がそれを認めるのは目に見えています。これで再稼働を許すわけにはいきません。福島第1の過酷事故の原因はいまだ究明されていません。福島第1や女川原発では、想定を上回る揺れが観測されました。改正された耐震設計指針に基づく再評価とはなんだったのかということになります。現実の前に否定された指針をつくり直す必要があります。それらの問題を解決しないままのストレステストは筋違いです。
これから再稼働を許さない大きな攻防になります。講師などに呼ばれて鹿児島、新潟、宮城、北海道、茨城、青森など原発立地県をはじめ全国各地に行っていますが、各地で大きな新しい運動の胎動を感じています。また、全国的にも、労組や女性団体、環境団体などが、まさに自らの問題として立ち上がったという実感を得ています。
原発推進の勢力のほうもいっしょになって、再稼働へ力を結集してくるでしょう。私たちも一人一人の力を合わせて大きな力としていくことが必要です。
過酷事故で何が起こっているのかを知らせ、若い人たちや福島でも画期的な働きをしている母親たちの運動、そういった国民的運動の力になりたい。
(*伊東達也氏の写真画像はgataroによる)
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【関連記事】
福島第一原発事故、生かされなかった警告(TBS Newsi)
http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/shinsai2011/tbs_newseye4689549.html
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再稼働ノー 原発ゼロへ/立地県で広がる運動(「しんぶん赤旗」 2012.01.08 3面)
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