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双葉町長手記 政府を痛烈批判 中間貯蔵施設計画 被害者に責任取らすのか
http://blogs.yahoo.co.jp/lunarainbow111111/2478931.html
2012年1月6日 東京新聞「こちら特報部」:Luna Rainbow 月虹 【資料編】
福島第一原発事故で全町民が避難した福島県双葉町の井戸川克隆町長(65)が、東京新聞に「原発事故を振り返って」と題した手記を寄せた。
汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設を同県双葉郡に建設する政府方針に、「被害者に責任をかぶせるのか」と激しく反発。
野田佳彦首相の「事故収束」宣言を「とんでもないこと」と強く批判する。
手記に込められた井戸川町長の怒りと嘆きの声を届ける。 (さいたま支局・増田紗苗)
◇事故直後
「3月11日午後2時46分、突然に地球が怒った。危うい原発を壊した」。
手記はこう、始まる。
「安全だと私たちにうそをついてきた『原子力ムラ』の正体を、世に知らしめることになった。それを地球が私たちに注意をしたんだと思う」
手記は、東日本大震災と原発事故が起きた2011年を締めくくり、新年に向けての思いを込めて、先月28日に書いた。
震災の直後、石原慎太郎東京都知事が「天罰だと思う」と発言した。
井戸川町長はこれを、「今は少し理解できる」と言う。
「私たちは、真面目に電力を首都圏に送ることを誇りに思っていた。それがなんとも切ない、罰当たりなことだった」という思いだという。
双葉町には福島第一原発の5号機と6号機が立地。
事故後、警戒区域になり、約7千人の町民は全国に避難した。
役場機能は埼玉県加須市の旧騎西高校校舎に移転している。
「世界最大の原発被害者になってしまったことは大変つらい。終わりの見えない旅。『避難指示』だけの言葉で故郷を離れている。(避難所を)慰問に来られた方が歌う『故郷』は、私たちにはとても耐えられない、悲しい歌になっていることが、皆さんには分かってもらえない」
◇「事故収束」宣言
井戸川町長は最近、事故直後に「地獄を見た」という現場の作業員らの便りを読んだ。
「ちり紙に遺書を書いたという方の話を聞いた時、涙が止まりませんでした。多くの方が死を覚悟されたのですね。政府はこのような方をどう思っているのか。本当に日本の恩人です」
一方で手記は事故の「収束」宣言を明確に否定する。
「恥ずかしいのは、いまだにうそをついている人たち。事故は終わっていません。今も、微妙なバランスの中で安定化させている」
以前、「修繕屋」をしていたという町長。
「ものを言わない相手に、五感と経験を駆使して対することは、一瞬の油断もできない。
膨大な部品の集まりを正常にし、安定化することは今の状態では無理」と事故収束の困難さを指摘。
「収束」宣伝を「とんでもないことと思う。私は認めるわけにいかない。現場にやる気を失わせてしまわないかと心配」と批判した。
「誰もが認める検査プロセスでなければ、信用は得られません」
中間貯蔵施設計画 被害者に責任取らすのか
◇中間貯蔵施設
細野豪志環境相は先月28日、福島県の佐藤雄平知事と双葉郡の8町村の首長に、除染で出る汚染土壌などの中間貯蔵施設を双葉郡内に設置したいとの意向を伝えた。
有力候補地は高線量地域である双葉町と大熊町といわれる。
なぜ、町内の中間貯蔵施設の建設に反対するのか。
町長は手記で「(放射性物質の)除去もできず住む希望も持てない一番ひどい地域とされる双葉と大熊が、事故の最大の被害者。ここに施設を造れということを、誰にも言われたくない。私たちは誰よりも早く帰りたい気持ちがあり、『放射能をどこかに持っていけ』と加害者に声を大にして言いたい」と訴える。
そして、「皆さんは『一番放射線が高い地域に』、と思うのでしょうか。でも、原因を作った者は誰か。どう責任を取るのか。誰が負担するのか。被害者に責任はあるのか。被害者に責任をかぶせることができるのか。被害者に『元の生活をするな』と言える人はいるのか。ここから議論したい」と事故の責任を問う。
「次世代を担う子どもたちにも聞かなければならない」と町長。
「"被害者不詳"のままで、立地を頼みに来ることを許すわけにはいきません。誰かが『私が責任者です』と名乗り出ても、どうにもならないくらいの規模の世界最大の事故です」。
原発を推進してきた人々を痛烈に批判する。
「私たちに『日本は世界一の技術で絶対安全』と言い続けてきた『原子力ムラ』の全員が加害者であると思っています。この人たちが罪を償うことなく、中間貯蔵施設で新たな職場を造ろうとしています」
年は改まったが、避難生活は続く。
避難先の旧高校校舎には門松が飾られたが、とても正月の気分になれない。
「正月をこのような方たち(加害者)は、家庭円満にわが家の畳の上で、幸せに過ごすのでしょうね。私たち避難民はできないのです。したくてもできないのです。わが家に帰れないのです。年賀状を喜んで見られないのです。こんな私たちに、中間貯蔵施設を造れという人は誰ですか」
◇人間の除染
放射性物質汚染対処特別措置法が今月、全面施行。
除染作業が本格化する。
しかし、町長は「除染は簡単ではない」と言う。
「事故前の発電所内では閉鎖空間で放射能を取り除き、計測し安全を確認してから作業していた。しかも、除染水は厳重に管理されていた」と指摘。
双葉町では「除染はしなければならないが、技術的に確立されていないので、まだ行わない」とする。
除染作業は国の責任で進めるというが、「除染作業に従事する町民がさらに被ばくすることを恐れている。町民が大手企業の下請けで使い捨てにされることは許しません。町民の皆さんが早く帰りたいと願う気持ちは理解できますが、これ以上被ばくさせるわけにはいかない」と訴えた。
「私たちは昨年3月11日から被ばくを繰り返している。これほどの被ばく者を出し続けて、世界から原子力輸出国として認証されるのか疑問です。国家の恥だと思っています」
町長は「地域の自然と同様、人間そのものを除染しなければ」と書く。
「(がんを)発症するかしないかの議論で、罪隠しにはならない。自然界以外の被ばくのすべては要求しない迷惑なものを浴びせられていることになる。専門家と称する多くの方たちの安全基準はまったく意味がない」としてこう結んでいる。
「被ばくについて安全と言った人たちに、賠償を求めなければなりません。皆さん、団結しましょう」
デスクメモ
除染を進めるために中間貯蔵施設が必要なことは、井戸川町長も理解している。
立地に反対するのは、責任をあいまいにしたまま押し付けようとする国の「恥知らず」な態度に強い反感を覚えるからだろう。
原発に何もかも奪われてしまった者の悲痛な叫び。
帰還のめどはまったく立っていないのだ。 (国)
◇
恥ずかしいのは、いまだにうそをついている人たちだ
http://www.amakiblog.com/archives/2012/01/07/
2012年01月07日 天木直人のブログ
「恥ずかしいのは、いまだにうそをついている人たち。事故は
終わってはいません」
これはきのう(1月6日)の東京新聞「こちら特報部」で紹介
されている福島県双葉町の井戸川克隆町長(65)の言葉である。
その「こちら特報部」は井戸川町長の言葉の数々を読者に
教えてくれている。
「(野田首相の『収束宣言』を)現場を知る者としてとんでも
ないことと思う。私は認めるわけにはいかない。」
「(放射性物質の)除去もできず住む希望も持てない一番ひどい
地域とされる双葉と大熊が事故の最大の被害者。ここに(核廃棄物
の中間貯蔵)施設を造れということを、誰にも言われたくない。
『放射能をどこかに持っていけ』と、加害者に声を大にして言い
たい」
「私たちに『日本は世界一の技術で絶対安全』と言い続けてきた
『原子力ムラ』の全員が加害者であると思っています。この人たち
が罪を償うこともなく、中間貯蔵施設で新たな職場を造ろうとして
いる」
「正月をこのような方たち(加害者)は、家族円満に我が家の畳の
上で幸せに過ごすのでしょうね。私たち避難民はできないのです。
したくてもできないのです。わが家に帰れないのです。年賀状を
喜んで見られないのです。」
「私たちは昨年3月11日から被ばくを繰り返している。これほど
の被ばく者を出し続けていて、世界から原子力輸出国として認証
されるのか疑問です。国家の恥だと思っています」
「地域の自然と同様、人間そのものを除染しなければ・・・
被ばくについて安全と言った人たちに、賠償を求めなければなり
ません」
そして極めつけはなんといっても冒頭の言葉だ。
もう一度繰り返す。
「恥ずかしいのは、未だにうそをついている人たち。事故は
終わっていません。」
菅、野田首相や枝野経済産業大臣、細野原発担当大臣らは原発
に何もかも奪われてしまった者たちのこの悲痛な叫び声を何と聞く。
それらの言葉は原発事故の対応を誤った東電や国の責任を糾弾
するこの上ない糾弾の言葉だ。
そしてそれはとりも直さず国民を軽視するこの国の政治やそれに
加担する官僚、財界、有識者、メディアに対する糾弾でもある。
地方の首長がこの井戸川町長のように立ち上がれば日本は変わる。
いくら解散・総選挙を繰り返しても、どのような政界再編や新党乱立
が起きても、この国の政治家たちには国民を救うことは出来ないだろう。
国民は恵まれた者と切り捨てられる者たちにますます二分化していく。
ならば権力の外に置かれている国民は立ち上がるしかない。
彼らもまた等しくすべてを要求できる国民だ。
税金と権限の一部を俺たちによこせと叫んで地方から立ち上がる
しかない。
そしてそれは世界でいま、同時多発的に起ころうとしていることである。
日本人だけが取り残されるわけにはいかないのだ。
井戸川町長に呼応する首長がどんどんと出てくる事を期待する。
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