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原発安全神話?(1) つなみ  武田邦彦 
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投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 1 月 06 日 08:14:18: igsppGRN/E9PQ
 

原発安全神話?(1) つなみ
http://takedanet.com/2012/01/post_4c7f.html
平成24年1月5日 武田邦彦(中部大学)


「電気が欲しいから危険でも原発をやりたい」というのが政府、自治体、原子力関係者ですが、子供たちの日本、これからの日本の土地を大切にするために、私たちも「事実」をよく知って主導権をとれるようになっておかないと、子供たちを守ることはできません。

私は「安全な原発なら、そこで初めて原発を進めるかどうかを考えることになるけれど、危険な原発なら論外」という立場です。その意味では、私はどちらかというと「反原発」ではなく「反被曝」です。

今回から「誰でも判る原発の安全性」ということを目指して、少しずつ書いていきたいと思っています。まずは事故の起こった福島原発の状態から始めたいと思います。

・・・・・・・・・

福島原発は「つなみで破壊されて爆発した」とされています。政府も専門家もマスコミもそのように言っていて、だから「防潮堤を高くすれば安全」としていますが、それは錯覚です。

http://takedanet.blogzine.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2012/01/05/bandicam_20120105_101440868.jpg

まず、福島原発の事故前の写真を見てください。「説明や言葉」ではなく、「事実」をゆっくりと自分が理解できる早さで納得することが大切だからです。

手前側が海(太平洋)で、陸には2つの長い建物(発電機が入っている)と、その奥に4つの箱形の建物(原子炉が入っている。白い色)があります。4つのうち、一番奥の建物は少し小さいのですが、これがかなり昔に建てた1号機です。そして煙突が3本見えます。

これが事故を起こした福島原発の肝心なところの「全部」ですが、つなみを防ぐ防潮堤はどこにあるのでしょうか? 「防潮堤でつなみを防ぐ」というのですから、原子炉が入っている4つの四角い建物より高い防潮堤があるように思いますが、実は防潮堤というのは海側にある細い堤防のことなのです。

えっ!と驚かれる人がいます。「防潮堤って、こんなに低いの?!」というワケです。でも、それで驚いてはいけません。さらに奇妙なことがあるのです。

http://takedanet.blogzine.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2012/01/05/bandicam_20120105_102000811.jpg

この写真は事故がおこった後のものです。今度は海側の正面から見ていますが、手前が海で、写真の一番上(奥側)がもともと4つの白い箱形のたてものがあったのですが、爆発したので、右から2つめの建物だけが残っていて、残りの3ヶ(1号機、3号機、4号機のたてもの)はすっかり壊れて骨組みのようなものが見えるだけです。

そして中央部に見える2つの長い建物は無事で、元の場所にしっかり立っていますし、このぐらいの大きさで写真を見る限りでは、大きな破壊も受けていません。また長い建物の前にある円筒形の4つのタンクも、ほぼそのまま残っています。

・・・・・・・・・

さて、この2枚の写真(事故前、事故後)をじっくり見て、つなみが襲ってきた瞬間を想像してみましょう。沖の方からやってきた津波はまず防潮堤にぶつかり、そこでいったん高い水しぶきをあげ、防潮堤を乗り越えて手前の長い建物にぶつかりました。その時には津波の勢いはそれほどでもなく、建物は破壊されませんでした。またこの建物は背が高いので津波は建物を超えなかったのです。

2つの長い建物は間にわずかな隙間がありますが、その向こうには原発のたてものはなく、4つの原発の建物には「つなみ」は襲っていないのです?!

写真を見せずに言葉で「津波が建物を襲って、建物が破壊した」というと、誰もが「建物に直接、津波が来て壊れた」と思いますが、この写真を見て判るように実は「つなみ」というものは原子炉の建物には来なかったのです。

・・・・・・・・・

2つの長い建物にぶつかった津波は、そこでいったん止まったのですが、次に建物を迂回してチョロチョロと原子炉のたてものの方に回り込みました。それはすでに「つなみ」というようなものではなく「水位」が上がって建物が「静かに水に浸かった」という状態だったと考えられます。

http://takedanet.blogzine.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2012/01/05/photo.jpg

3番目の写真を見てみましょう。この写真は陸側から福島原発を見たもので、写真の海側にカニの手のように伸びているのが防潮堤で、写真の左が「北防潮堤」、カニの手の右が「南防潮堤」です。だから、もしこの防潮堤を数10メートルにしても、写真の左端の海岸線はなにも防御するものがないので、津波で高くなった海水面はそこから海水が悠々と進入するのは間違いないからです。

・・・・・・・・・

「福島はつなみでやられた。だから「想定外」である。防潮堤は5.7メートルだったが津波は15メートルだった」という「言葉の説明」だけで、多くの人は満足していまいした。

そして、テレビや新聞がさっぱり写真や津波が原発を襲った様子を報道しないし、専門家は写真を見せて解説しないので、「つなみが原因では無く、単なる浸水だった」、「浸水を防ぐ設計がされていなかった」、「多重防御と言っていたが、実は一つも防御が無かったようなものだった」ということの議論が起こらなかったのです。

「防潮堤を高くすれば原発は安全になる」という「解決策」は実にばからしく感じられます。でも、このことが国会でも堂々と説明され、議員はすっかり満足しているようでした。また九州の玄海原発の再開問題でも「津波さえ防ぐことができれば良い」ということで納得している人もおられます。

「事実を確認せず、科学的なつじつまも考えずに、言葉の説明だけですっかり納得してしまう」というのは、今から40年ほど前から日本社会に流行している特殊な精神状態のように思います。それはあるいは「大人としての責任感がない」のかもしれませんし、また日本社会が集団的な精神病的状態にあるのかも知れません。

なぜ、「いい大人」がこんなに単純な矛盾に疑問を持たないのか、それについてはおいおい検討をしていくこととして、原発の再開問題では常にこのことに気を配らないと日本の子供や日本の土地を守ることはできないでしょう。

(なお、原発関係の写真などは被曝する人の健康に関することになるので、創造的作品ではなく事実そのもののものは一部、お断りをせずに使用させていただいています。)

 

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コメント
 
01. 2012年1月06日 09:22:52 : Hm94fDDuOc
「安全な原発」という発想の是非はともかく、そのための研究はもはやことここまで至ればなかなかむつかしいですね。
その発想は、もっと大昔、戦後日本が、われわれは資源がないのだからこれからは原発でやっていくしかないので、世界でももっとも安全な原発を作ろうと考えたときにやるべきだった。

日本にはむかしから日本独特の「方法」や「発想」といものがあった。それらはアメリカ的なずさんな方法によって消滅してしまったけど、
たとえば苗を育てる場合、小さく育てて、大きく広げる。いきなり大きな水田で大規模にやらないで、まず隅っこのほうに小さな水田を作って様子を見る。それでさまざまな対策などを取得してから、大規模な水田をはじめる。

原発も数キロワット級の小さな小さな原発で徹底的な検証をやり、あらゆる放射能災害への対策をそこでじっくり研究し習得してから、ちょっと大き目の原発を作るという日本的な方法をやらずに、いきなり大規模な原発をど〜ん、ど〜んと日本中に作った。
これは日本人の発想じゃない。

日本だけの技術で、日本だけの判断なら、原発はもう少し安全なものになったでしょう。しかしもともと原発はアメリカの要請だったのだから、日本の技術者の自由にはならなかった。

しかし、いずれにせよもう遅い。ここまで甚大な被害を及ぼして「安全な原発」という発想はもはや受け入れられない。でしょう。残念ですが、そういうことができなくなってしまった。

もう「原発建設」ということばは数十年、あるいは百年ちかく封印しなければならない。
じっと研究する必要がある。

わたしが小出を批判するのは、この人、原発批判はしても、どうすれば被害を最小に抑えられるか、そういう研究は何もしてこなかった。
だから今現在の発言も「ぬるい」と評価するしかない。ある意味、東電や政府よりもひどいことをいっている。

わたしがなんとかいまを耐えていけるのは武田さんのような方々の存在があってのことです。


02. カッサンドラ 2012年1月06日 09:23:23 : Ais6UB4YIFV7c : pbo4n7mJDU
 津波は「波」とはいっても、海全体が盛り上がって押し寄せてくる現象だから、これを防潮堤で防ごうとするならヨーロッパの城壁のようにぐるりを取り囲まなければ意味はない。
台風の大波を防ぐのとは訳がちがう。

03. 2012年1月06日 09:46:00 : Hm94fDDuOc
津波について日本でもっとも詳しい人は永田豊という方をおいてほかにはないのじゃないかな。もうお亡くなりになっているかもしれない。

おれは大昔に、この人の『ハワイの波は南極から』という本を読んで目を開かされた覚えがある。サーファーのおれにとってハワイのあの大きな波はいつも垂涎のまとだったのだけど、あれは南極からやってくるんだということを学術的に解説していた。
これがまたものすごく面白い。

内容ははぶくけど、津波をさける方法ってのはものすごく簡単なんだよね。w
津波の性格からして必ずU字形の湾の最底辺の部分、つまりUという弧の中心部にそのパワーがすべて集まるようになっている。

ところが日本の原発はなぜかそのU字の形をした湾の中心、つまり一番津波がそのパワーを集中させる部分に建てている。
どうかしているとおもうよ。
極端なことをいえば岬の突端に建てれば、それだけで津波のパワーは霧散させることができる。

もっといえば海の近くに建てなければそれでいいのだ。
もともと日本の原発はアメリカ海軍の原潜用原発を強制的に買い取らされたものだから海水によって冷却するシステムになっていたという説を米国人が語っていたが、さもありなんとおもう。

いずれにせよ、わざわざ活断層の真上に、しかも波の力学上、もっともそのパワーの炸裂する部分に原発を建設させた意図はなんなのか?

アメリカさんの目論見をきいてみたいね。


04. 2012年1月06日 11:52:43 : lYjcdyn69U
今、11時50分、4号機建屋内の発光現象を目撃。
http://www.youtube.com/user/tbsnewsi/featured

05. 2012年1月06日 12:50:40 : PgGEzDs2v2
■ 武田邦彦先生 

 本年も ご活躍 期待しています!

 
 ことの 真理は


  生 あるものは 死す

  形 あるものは 壊れる

 
 原発だけは 別 なんてことは ない!


06. muff 2012年1月06日 13:21:14 : cRJ8fTByWzgGg : 4uDfAqJ0u6
> 01 殿、

東海村の原研を思い出してください。

> 02 殿

大熊町から双葉町の海岸線の地図を参照下さい。また、岬の突端ではスペースが取れませんし、耐震設計上も問題が出てきます。

原潜用の原子炉とは規模や構造も全く違うので、勉強をお勧めします。また、日本の原発設置は、日本側から望んだもので、中曽根元首相の回顧録でもお読み下さい。


07. 2012年1月06日 14:32:36 : RHngKxb97E
>原潜用の原子炉とは規模や構造も全く違うので、勉強をお勧めします。

02ですが、どうも。
双葉町から栽培漁業協会にかけての海岸線がほぼ弓状になっていてその中心に福島原発がありますね。
この形状だと福島原発に津波のパワーが集中します。
Uと書いたのはそれに近い文字がなかったのでちょっと大げさになりましが。
もひとつ大事なことはこの海岸線の形状と遠浅の浜の海底の段差です。

それから岬といっても突端に建てる必要はないでしょう。もちろん建てろというつもりはない。w
離れていれば離れているだけいいでしょう。
ただ、現在の福島原発の地層はもともと砂の堆積した砂地の崖を削ったもので、ほんらいもっとも弱い地盤に作られています。

あと米国の戦後初期型の原潜に載せたた原子炉の機種をご存知のようですから、福島原発とどう違うのか教えてくれませんか。w
おそらく開発初期の原潜の搭載原子炉は機密事項扱いでだれにもわからないとおもいますがね。


08. 2012年1月07日 17:40:20 : xCKC9rBowQ
>>。ヨ電気が欲しいから危険でも原発をやりたい」というのが政府、自治体、原子力関係者ですが・・・

武田センセイ間違ってますよ。
昔を思い出してください。
「お金がほしいから危険でも原発をやりたい」「おいしい生活が送りたいから危険でも原発をやりたい、やらせたい」というのが政府、自治体、原子力関係者及び御用学者たちだったでしょう。
その内の一人ではなかったじゃないですか。もう忘れたのですか?

でも転向されたセンセイの今の活動は評価してますよ・・・


09. 2012年1月08日 02:47:29 : AznMl0bgfE
>>07

武田氏のおっしゃりたいことは、


福島第一が津波の巨大なパワーで壊されたのではなく、

>「浸水を防ぐ設計がされていなかった」

などの安全上の対策を怠っていたことが、津波に対しては問題であったこと。

さらに、防潮堤を高くするだけでは、問題は解決しないこと。これらは、
写真などで、事実を確認すればわかることだ、ということ。

それなのに、このことが、テレビ、新聞、国会の議論でもまっとうにとりあげられないこと。

結論として、

>「事実を確認せず、科学的なつじつまも考えずに、言葉の説明だけで
>すっかり納得してしまう」というのは、今から40年ほど前から日本
>社会に流行している特殊な精神状態のように思います。

を言われたかったのだ、とおもいます。まとめてみました。


10. 2012年1月08日 07:43:53 : DlbqPeoulk
原発はその前に水があるところに立地する。これは大量に温水を処理しなければならないためで、日本の原発は全て臨海地に立地している。

チェルノブイリ原発や北朝鮮原子力施設の場合、前に大きな川がある地域に立地している。津波のない地域に建設するなど夢物語である。


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