01. 中川隆 2011年12月31日 02:55:04
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科学的には100mSv以下の健康被害は証明できないというのが嘘ですね:チェルノブイリ原発事故後の傾向を示している国家ガン登録 A national cancer registry to assess trends after the Chernobyl accident A. E. Okeanov, E. Y. Sosnovskaya, O. P. Priatkina Clinical Institute of Radiation Medicine and Endocrinology Research, Minsk, Belarus Swiss Medical Weekly 2004; 134:645-649 要約 ベラルーシ共和国では1973年から国家ガン登録制度が機能しており、新たに発症した全ての悪性腫瘍についての情報が記録されている。そのデータはコンピュータのデータベースとして保存されており、国民の腫瘍学的状態の評価や疫学研究のために利用されている。我々は1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故より前の結果と1990年から2000年にかけての結果とを比較した。ベラルーシにおけるガン死の発生数における変化についての全般的な比較を示す。その増加はすべての地域において統計的に有意であり、最も慢性的に放射能汚染された地域であるゴメリ州において著しく大きくなっている。 本論文は、チェルノブイリ原発事故による放射能汚染のレベルに最も大きな差が出るように選ばれた、ベラルーシの2つの地域におけるガン死の発生数についての比較分析を示す。最も高い汚染はゴメリ地域で生じており、それは主として、土壌や食物連鎖における、特に農作地域における、高レベルの放射性セシウム(Cs-137)がもたらしたものである。ビテプスク地域のフォールアウトによる放射能汚染は相対的に低かったことが知られているので、ここを「対照」地域とした。これら2つの地域におけるチェルノブイリ原発事故前後の状況を比較した。結腸ガンや膀胱ガン、甲状腺ガンを含む、全ての組織・臓器についての全ガン死亡率は、ビテプスク地域に比べて、ゴメリにおいて統計的に有意に高くなっていた。 高濃度の放射性セシウム(Cs-137)によって汚染されている2つの地域(ゴメリ州とモギリョフ)に住む集団では、ビテプスク地域よりも15年早く、45歳から49歳の年齢層における肺ガン発症のピークに到達している。 最も汚染がひどかった所の清掃と崩れ落ちた原子力発電所を囲む石棺の建設に動員されたベラルーシの「リクビダートル」は、最も高い放射線線量を受けた。ビテプスク地域の対応する成人の集団と比較すると、彼らリクビダートルの間では、結腸ガンや膀胱ガン、甲状腺ガンがはっきりと過剰に発生している。 リクビダートルの間における1997年から2000年までの肺ガンの相対リスク(RR)は、参照集団においては一定値になっているのと対象的に、統計的に有意に1を超えている。 資料と方法(略) 表1 10万人当たりの年間ガン発症率と標準偏差
地 域 1976-1985 1990-2000
ブレスト 150.1 ± 2.18 199.5 ± 2.6
ビテプスク 158.2 ± 3.24 217.9 ± 3.5
ゴメリ 147.5 ± 2.52 224.6 ± 6.3
グロードゥノ 143.8 ± 3.11 207.2 ± 4.2
ミンスク 145.3 ± 3.26 216.6 ± 3.9
モギリョフ 166.4 ± 3.98 219.6 ± 3.1
ミンスク市 223.5 ± 5.72 263.7 ± 1.76
全ベラルーシ 155.9 ± 3.80 217.9 ± 3.4
議論 高いレベルまで放射能汚染されている地域の集団と「クリーンな」地域に住む集団とを比べると、ガン死の発生率に著しい差異があることが明らかである。農村地帯に住む集団の集団線量は都会の集団に比べて約2倍である。リクビダートルのように、より高い線量を浴びると、ガン死亡率もより大きくなっている。 放射性ヨウ素による被曝は明らかに成人の甲状腺ガンの原因である。成人における増加は1991年から記録されている。1993年から2000年までのデータは、リクビダートルにおける甲状腺ガンの増加を示している。 チェルノブイリ後の子供らの甲状腺ガンについては、非常に多くの論文が取り扱っているのであるが、このよく知られた悪性固形腫瘍は、本論で述べている全ガン中での割合にして0.4%以下である。成人の甲状腺ガンの増加には、科学者たちは関心を寄せようとしてきていない。 全ガンとともに、結腸ガンや肺ガン、膀胱ガン、甲状腺ガンの発症率や死亡率の有意な増加が、汚染地域の集団に観察されている。このような増加は最も汚染されたゴメリ地域の住民やリクビダートルにおいて顕著である。リクビダートルの肺ガンついての相対リスクRRは最近になってから有意に増加した(1997-2000年)。すなわち、12年から15年の潜伏期間である。これらの期間においては著しく高い相対リスクRRが結腸ガンや肺ガン、膀胱ガン、そしてあらゆる部位のガンについて見い出された。甲状腺ガンのより高い発症率はリクビダートルにおいても記録されている。チェルノブイリ原発で1ヶ月から数カ月の間、最も高い被曝をうけたリクビダートルの間では、甲状腺以外のガンも有意に発生しており、より長い期間そこで働いた労働者の間でより多く発生している。 ビテプスクの成人集団やベラルーシの広範な集団においては、胃ガンについては減少傾向にあるが、リクビダートルの間では反対の傾向がある:近い将来においてその増加は統計的に有意になるだろう。 ビテプスク地域の婦人と比べて、ゴメリやモギレフの婦人における乳ガンの発生率のピークは15年早く現れた。ベラルーシにおけるたばこの消費を評価することは極めて難しい。したがって、もしも喫煙が放射線とともにリクビダートルの肺ガンの増加に役割を果しているのかどうかを結論付けるのは不可能である。事故処理作業中に最も高い線量をあびたリクビダートルにおけるガン死率を見ると、彼らがゴメリの放射能汚染地域に居住している場合には、より顕著なリスクとなって現れている。ゴメリにおけるたばこの消費が、ベラルーシにおける他の地域よりも高いと考えるべき理由はどこにもない(訳注:したがって放射線被曝こそが肺ガンの原因と考えられる)。 科学者たちは、放射性ヨウ素がもたらした被曝によって小児甲状腺ガンが増加したということに関しては、くり返し何度も言及している。しかしながら、我々がチェルノブイリ事故後に成人の甲状腺ガンが増えているというデータを公表しているにもかかわらず、国際原子力機関IAEAや国連原子放射線の健康影響に関する委員会UNSCEARの報告書には、この成人の甲状腺ガンが5倍に増加しているという事実は反映されていない。 広島と長崎の原子爆弾の影響に関して公表されているデータによると、被曝から10年ないし20年後に結腸ガンや膀胱ガン、肺ガン、胃ガン、およびその他の腫瘍についての相対リスクが有意に増加しており、これらの腫瘍と電離放射線との間の相関が示されている。したがって、チェルノブイリ後のガン発症との相関についても驚くべきことではない。 最も高いリスクを持つのは、1986年から放射能汚染された地域に住み汚染された食物を食べている集団である。 http://www.jca.apc.org/mihama/chernobyl/swiss_medical04_134.htm ザイール(Zaire)らよってナミビアのウラン鉱夫における予期しない高いレベルの染色体異常が報告された(Zaire et al. 1997)。湾岸戦争症候群に苦しんでいる一連の湾岸戦争
退役軍人の染色体異常についても研究もシュレーダーらによって行われた(Schroeder et al. 1999)。結果を見ると、その損害はおよそ150 mSvの初期被ばくに相当するレベルを示したが、検査を受けたこれらの退役軍人らは預託線量で100 mSvを上回る被ばくを劣化ウランから受けてはいなかった(訳注:預託線量は50年間の累積線量を示す。)。これらの研究からウランの被ばくについての線量計算にはおよそ1000倍の誤りがあることが示された。染色体異常はおよそ2年間の半減期で身体から消えてゆくが、湾岸戦争退役軍人らは被ばくから10年間を経てこの損害を示した事実に注意を払うべきである、これはウランの生理蓄積物が長寿命であることを示唆している。2001年に王立協会は、ある種のウランの身体内における半減期は10年以上でありおそらく無期限であると見なせるとする見方を支持する文献を引用した。染色体異常は、被ばくからおよそ40年後の(実験場ではウランにも被ばくした)ニュージーランドの核実験退役軍人のケースコントロール研究においても発見 された。 http://www.jca.apc.org/mihama/ecrr/ecrr2010_chap12.pdf 生涯100ミリシーベルトとされる被ばくの基準で、本当に健康への影響はないのか? 福島をはじめ、全国の人々が現実に直面している放射能の脅威。国は「直ちに体への影響はない」と繰り返すばかりだ。その拠り所としているのが、ICRP(=国際放射線防護委員会)の勧告。広島・長崎の被爆者の調査データをベースに作られ、事実上の国際的な安全基準となっている。 しかし関係者に取材を進めると、1980年代後半、ICRPが「政治的な判断」で、被ばくでガンになるリスクを実際の半分に減らしていた事実が浮かびあがってきた。当時ICRPには、原子力産業やそれを監督する各国の政府機関から、強い反発が寄せられていたのだ。そしていま、世界各地で低線量被ばくの脅威を物語る、新たな報告や研究が相次いでいる。 アメリカでは原発から流れ出た微量の放射性トリチウムが地下水を汚染し、周辺地域でガンが急増。25年前のチェルノブイリ原発事故で、大量の放射性セシウムが降り注いだスウェーデンでは、ICRP基準を大きく上回るガンのリスクが報告されている。いま、誰もが不安に感じている「低線量被ばく」による健康被害。国際基準をつくるICRPの知られざる実態を追跡する。 http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/654.html なぜICRPモデルは危険なのだろう? それが"吸収線量"に基づいているからだ。 これはジュール単位の平均放射エネルギーを、それが、その中で薄められる生体組織の質量によって、割ったものだ。 一ミリシーベルトというのは、一ミリジュールのエネルギーが、一キロの組織で薄められるということだ。 そういうものだから、これは、火の前で体を温めることと、赤熱した石炭を食べることを、区別できない。 だが問題なのは、エネルギーの局所分布だ。一つの細胞に対する、一つの体内アルファ粒子飛跡からの放射線量は、500ミリシーベルトだ! 同じアルファ線飛跡による、全身に対する放射線量は、5 x 10-11ミリシーベルトだ。これは、つまり0.000000000005ミリシーベルトだ。 しかし、遺伝子損傷を、そして究極的には癌を、ひき起こすのは、(全身ではなく)細胞に対する放射線量だ。 ICRPが採用している、単位線量ごとの癌発生率は、細胞への平均線量が、全ての細胞に対して等しかった、広島での外部の強烈な高線量放射線に、ひたすら依拠している。 http://www.rense.com/general93/decon.htm 「御用学者」たちは、科学的知見を真摯に検討するのではなく、すでに一部の「国際社会」を名のる核推進同盟によってつくられた「国際的合意」を日本政府とともに押し通すことが彼らの「使命」でしかないのは明らかである。犠牲になるのは何百万の子孫である。 来日もして、日本政府および日本の市民にたびたび提言を寄せているECRRのクリス・バズビー博士は、7月の帰国時羽田空港で次のように述べていた。 『まず最初に知ってほしいのは、ICRPの基準は役に立たないということです。内部被曝によるガン発症数について誤った予測をだすでしょう。ICRPのモデルは1952年に作られました。DNAが発見されたのは、翌1953年です。 ICRPは、原子爆弾による健康への影響を調べるために設立されました。第二次世界大戦後、大量の核兵器が作られプルトニウムやウランなど、自然界にはないものを世界中に撒き散らしました。このためICRPは、すぐ対策を考えなければなりませんでした。そこで彼らは、物理学に基づいたアプローチをとりました。物理学者は、数学的方程式を使ってシンプルな形にまとめるのが得意です。しかし、人間について方程式で解くのは複雑すぎます。 そこで彼らは、人間を水の袋と仮定し、被曝は、水の袋に伝わったエネルギーの総量によると主張したのです。これはとても単純な方法です。人の形の水の袋に温度計を入れ、放射線を当て温度が上がったら、それが吸収された放射線量というわけです。』 『彼らは、何かを推進しているなんて言いません。独立した組織で、科学者たちが放射線のリスクを研究しているといいます。決して、原子力を推進しているとは言いません。ただ、結果的にそうなっています。このようなことは水面下でいつも起こります。 私たちの多くは、ICRPはもともと核開発を推進するために設立されたと思っています。推進しないまでも、人々が核開発を阻止しないように設立されたと思います。人々が「牛乳にストロンチウムが入っていたから、ジミーが白血病になっちゃったわ」というと、「いえ、核兵器のせいじゃないですよ、放射線が少なすぎて影響しませんから」、そう言うためにICRPは設立されたのだと思っています。 そして医者たちが騒ぎ出したとき、彼らが何をしたかというと、医者たちをけん制するため、1959年にWHOにIAEAと協定を結ばせたのです。それは、IAEAが放射線と健康に対して責任を持つという協定でした。「IAEA=国際原子力機関」が「健康」について責任を持ち「WHO=世界保健機構」が、放射線のリスクについて考えてはいけないことになったのです。彼らは、蚊だのエイズだけを扱うことになりました。 そこは、はっきり区別されています。これが、ICRPが放射線リスクに対する理解を支配(コントロール)している証拠です。…でも彼らは、絶対にそれを認めないでしょう。』 また講演会では、『20年間ICRPの科学事務局長を務めたバレンタイン氏自身が、辞任直後の2009年4月に、「ICRPモデルは内部被曝を予測することが出来ず誤っている」と公式に認めた』、とバズビー博士は指摘していた。 別なところでは、『チェルノブイリ事故の被曝影響は、国際原子力エネルギー機関(IAEA)と原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)によって隠ぺいされ、否定されています。WHOに対する彼らの支配は、2000年キエフでの中島宏WHO事務局長の言葉からも明らかです。彼はそこで(カメラに録画された)、放射性核種の被曝による公衆衛生の分野ではWHOはまったく委員会に従っていると述べたのです。これは1959年の合意に従ったもので、今でも効力があるということです。ICRPはUNSCEARの証拠を採用しています。UNSCEARはIRCPのモデルにそぐわない証拠はすべて除外しています。UNSCEARによるチェルノブイリ健康被害の隠ぺいは今福島で再び進行中です。今週UNSCEARに新しい委員長が就任しました。ドイツ連邦放射線防護庁(BfS)長官のウォルフガング・ワイスが戦略的な隠ぺい工作を開始しているのです。』 さらに、『チェルノブイリとそれ以外の例の一般公開への対応の歴史から、深刻な健康被害の組織的隠ぺいがあるであろうことが結論されます。それはすでに始まっているのです。 (1)、放射線曝露量を少なく見積もる (2)、被ばく核種をセシウムとヨードだけに限る (3)、健康影響を調査しない (4)、いかなる健康被害も精神的なものであると言い逃れる 日本もソ連と同じ対処をすることがはっきりしました。チェルノブイリ事故後に駆使されたすべての戦術が福島で再び行われています。』 ほとんど上記指摘の通りになった今回の「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」を作成した「学者」たちは、おしなべて「原発安全神話」の旗振りをしてきた文字通りの御用学者たちである。 http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/652.html
「今までICRP(国際放射線防護委員会)も含めてですね、全然データがないんです」 8月1日、参議院復興特別委員会で質問に立った古川俊治議員の声だった。そして、こう続いた。 「実際、長崎、広島、原爆の問題。その後チェルノブイリが1回あっただけです。60年前ですね。その頃の科学的知見は十分ではなかった。チェルノブイリではなかなかモニタリングができなかった。ほとんど世界にデータがないんです。何もわかってないのが現状」 その通り! と相槌を打った。だから、政府、経産省、原子力委員会、東電は、いたずらに「ただちに健康に影響はありません」と繰り返すのでなく、データを公表し、正確にはわからないと告げ、避難については個人の判断にゆだねるべき、と思ってきた。 ところが、古川議員からは意外な言葉が飛び出した。 「22万7000人ばかりを調査した、立派な調査があります」 それは、文科省の委託を受けた財団法人放射線影響協会が作った「原子力発電施設等 放射線業務従事者等に係る疫学的調査(第IV調査)平成17年度〜平成21年度」である。原発で働く人を対象にした追跡調査。世界で同様の調査は行われているが、戸籍制度がしっかりしている日本のものが、実は最高に優れているという。 その資料を持ちだして、古川議員は何を問おうというのか。 「放射線従事者の方々は長期被曝しておられます。一般の方々と比べた場合、癌のリスクは1.04倍になります。明らかに偶然では説明できない差をもって、放射線従事者のほうが、癌がたくさん発生してるんですね」 原発などで働く放射線業務従事者の通常の放射線被曝限度は、1年で50ミリシーベルト(以下mSvと略)、5年で100mSvと定めている。であれば、少なくとも限度以内では安全、と思う。ところが、1.04倍。100人に4人は癌の発症が増える。 古川議員はさらに決定的な数字を突きつける。 「この放射線従事者の方々の平均の被曝線量は累積で13.3です。20ミリ以下ですね」 http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20110826/zsp1108261137001-n1.htm 文部科学省委託調査報告書 原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査(第W期調査 平成17 年度〜平成21 年度) 平成22年3月 財団法人 放射線影響協会 内部比較の結果について 慢性リンパ性白血病を除く白血病の死亡率に、累積線量の増加にともなう有意の増加傾向は認められなかった。 白血病を除く全悪性新生物の死亡率には有意の増加傾向が認められた。 また悪性新生物(固形がん)を喫煙関連および非喫煙関連の悪性新生物に分類した調査では、累積線量の増加にともなって、喫煙関連の悪性新生物の死亡率に有意の増加傾向が認められた。 近年公表された15 ヵ国合同解析、英国放射線業務従事者の調査結果では、白血病を除く全がんについて統計学的に有意のリスクの存在することが報告されている。 http://www.rea.or.jp/ire/pdf/report4.pdf
被ばくに安全な「しきい値」など存在しない
――福島第一原発事故の対応策として、国はこれまで1mSv(ミリシーベルト)だった一般の人の年間被ばく限度を、緊急時ということで20mSv(暫定基準値)まで引き上げました。福島の母親たちを中心とした運動によって、子どもの被ばく限度は1mSv以下を目指すことになりましたが、避難地域に指定されていない伊達市や川俣町などには年間被ばく量が外部被ばくだけで20mSv以上に達する地域が点在しています。低線量被ばくは「CT検査1回分の線量だから大丈夫」「広島の原爆被害者の調査でも100mSv以下ではがんは増えていません」という専門家もいますが、本当に健康への影響はないのでしょうか。 放射線被ばくの障害は、被ばくした線量によって急性障害と晩発障害に分けられます。一度に大量の放射線を浴びると、短時間で嘔吐、下血、吐血、紫斑、脱毛などの急性障害が現れますが、いちばん軽い症状はリンパ球や白血球の一時的減少です。これが出始める100〜250mSv付近が、急性障害の「しきい値」(この線量以下ならば被ばくしても急性症状がでないという値)となっています。 福島第一原発事故のあと、テレビで政府関係者や専門家が「ただちに健康に影響を及ぼす線量ではないから安心」と繰り返したのは、この急性障害を引き起こすような線量ではないということでしょう。 100〜250mSv以下の低線量被ばくは、すぐに目に見える形で健康被害が出るわけではありません。だからといって安全なのではなく、被ばく後、数年〜数十年たってから、がんをはじめとしたさまざまな病気になる危険性があるのです。これを晩発障害といいます。 アメリカの原爆障害調査委員会(ABCC)が始め、その後、放射線影響研究所が引き継いだ広島原爆被爆生存者約9万人に行った生涯追跡調査によると、がんの他に、心疾患、脳血管疾患、消化器疾患、呼吸器疾患も増加することが明らかになっています。この人たちの平均被ばく量は200mSvですが、半数以上は50mSv以下です。とくに、がんの死亡率は被ばく線量が多いほど増加しますが、この線量以下ならば被ばくしても害はないという「しきい値」は見つかっていません。 広島・長崎の被爆者追跡調査は世界でも信頼性の高い研究として評価されており、国際放射線防護員会(ICRP)もこの調査結果に基づいて「発がんには『しきい値』はない」という勧告を出しています。また、米国科学アカデミー(BEIR VII)、国連科学委員会(UNSCEAR)、欧州放射線リスク委員会(ECRR)も、低線量被ばくの「しきい値なし直線説」を採用しています。それなのに、日本の医療者の中にはABCCの調査結果を無視するような発言をする人がいるのです。もしも「100mSvで害がない」というなら、この調査を上回るしっかりとした科学的根拠を示すべきだと思います。 http://kenitikimura.wordpress.com/2011/07/16/%E8%82%89%E7%89%9B%E3%80%81%E8%BE%B2%E6%B0%B4%E7%94%A3%E7%89%A9%E7%AD%89%E3%80%81%E9%A3%B2%E9%A3%9F%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%82%8F%E3%82%8B-%E3%80%8C%E5%86%85%E9%83%A8%E3%80%8D%E8%A2%AB%E3%81%B0%E3%81%8F/ ロシアの科学者 アレクセイ・ヤブロコフ博士 「チェルノブイリ事故の最終的な死者の推定について私の調査では100万人近くになる」 旧ソ連で1986年に起きたチェルノブイリ原発事故について、人や環境に及ぼす影響を調べているロシアの科学者 アレクセイ・ヤブロコフ博士が25日、ワシントンで記者会見し、福島第1原発事故の状況に強い懸念を示した。 博士の発言要旨は次の通り。 チェルノブイリ事故の最終的な死者の推定について、国際原子力機関(IAEA)は「最大9千人」としているが、ばかげている。 私の調査では100万人近くになり、放射能の影響は7世代に及ぶ。 http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/04/kyodo-opinion-article-by-alexey.html 福島原発3号機の事故から2ヶ月後には乳児の死亡率が48%も増加!(フィラデルフィア) http://www.youtube.com/watch?v=sMV4p6RS1c8&feature=youtu.be 福島第一原発事故による健康被害の初の査読済み論文が米医学誌に掲載(愛と苦悩の日々) http://tod.cocolog-nifty.com/diary/2011/12/fukushima_-60f1.html 福島第一原発事故による健康被害の初の査読済み論文が米医学誌に掲載
2011年3月11日に始まった福島原発の複数原子炉のメルトダウンにより大量の放射性物質が放出され,それが日本中にそして諸外国に散布されつつある。このような状況下では,汚染状況と健康被害の研究は重要と思われる。福島からの最初の飛来物がアメリカ合衆国に到達したのは、地震,津波,そしてメルトダウンのちょうど6日後であった。降雨,空気,水,そして牛乳中の放射能が合衆国政府により測定されたが、これは通常の数百倍の値を示した。しかし,この測定では検体数が少ないため経時的あるいは広域的検討をするにはほど遠い。 一方,合衆国の厚生当局は122の都市における年齢別死亡数を毎週報告している(これは合衆国全体の死亡数の25%から35%に相当する)。これによれば,日本からの飛来物が到着する前の14週間の死亡数は2010年の平均に比べ2.34%の増加であったのに対し,飛来物が到着してからの14週間の死亡数は前年比4.46%の増加であった。このうち,乳児死亡を見てみると飛来物が到着する前の14週間の死亡数は2010年の平均に比べ8.37%の減少であったのに対し,飛来物が到着してからの14週間の死亡数は前年比1.80%の増加であった。この数字を合衆国全体に当てはめてみると,(飛来物到着の前後で)総死亡数で13,983の増加,乳児死亡数で822の増加という結果が得られる。以上の数字は暫定的なもので今後更に検討を要する。特に,今回と類似しかつほとんど検討が終わっている1986年のチェルノブイリ事件後4ヶ月間の合衆国での死亡数の変化との比較検討が必要である。 ビデオニュース・ドットコムやTBSラジオ『Dig』でお馴染みのジャーナリスト・神保哲生さんのこちらのツイートで驚くべきことを知ってしまった。こちらのサイトだ。 Medical Journal Article: 14,000 U.S. Deaths Tied to Fukushima Reactor Disaster Fallout(2011/12/22 Global Research.ca) とにかくこのページの本文を日本語に試訳してみる。 (ここから日本語試訳) 『International Journal of Health Services』の2011年12月号の主要論文によれば、米国での死亡者数増加のうち約14,000人は、日本の福島原発事故による放射性物質の降下と関連性があるとのことだ。これは福島事故の健康被害に関して、医学誌に初めて査読を経て出版された論文ということになる。 論文の全文はこちら。
International Journal of Health Services, Volume 42, Number 1, Pages 47–64, 2012 (based at the Johns Hopkins University, School of Hygiene and Public Health) 筆者のジョゼフ・マンガノとジャネット・シャーマンは、福島のメルトダウンの後の14週間の米国の約14,000の死亡例は、1986年チェルノブイリ後の17週間の16,500の死亡例に相当するとしている。
福島事故後の死亡者数の増加は、米国の1歳以下の幼児で最も大きい。2010年春に対して2011年春の幼児の死亡者数は1.8%増加したが、それに対して事故以前の14週間で比較すると8.37%減少している。 3月11日福島原発の4基の原子炉で破滅的なメルトダウンが起こった、たった6日後、科学者たちは米国の沿岸部に毒性のある汚染物質の降下を検出した。それに続く米国環境保護庁の測定では、大気、水、牛乳の放射線レベルは米国全体の通常レベルの数百倍であることが分かった。米国でヨウ素131の降下が最も多く検出されたのは次の地域である(単位はピコキューリー。通常レベルの水中のヨウ素131濃度は約2ピコキューリー):アイダホ州ボイズ(390)、カンサスシティ(200)、ソルトレイクシティ(190)、フロリダ州ジャクソンビル(150)、ワシントン州オリンピア(125)、マサチューセッツ州ボストン(92)。 疫学者であるジョゼフ・マンガノは次のように言う。「福島の健康被害に関するこの研究は科学誌に初めて掲載されたものです。これは懸念すべきことで、日本の福島県が全世界に与える影響を理解するには、健康に関する研究をぜひ続ける必要があります。今回の発見は、新たな原子炉を建設するかどうか、老朽化した原子炉をあとどれくらい運転させ続けるかといった議論にとって重要な意味を持ちます」 マンガノは放射線と公衆衛生プロジェクトの事務局長で、27の査読済みの医学誌の論文およびレターの著者でもある。 内科医であり毒物学者であるジャネット・シャーマンは次のように言う。「私たちは引き続き研究をしていますが、それによればここ米国での実際の死亡者数は18,000に及ぶかもしれません。これは同じ期間のインフルエンザと肺炎による死亡者数の5倍にもなります。死亡者は全ての年齢層にわたっていますが、幼児が最も影響を受けていることが継続して観察されています。その理由は、幼児の組織の成長は速く、免疫機構が未発達で、放射性元素の影響が大人よりも大きいためです」 http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/608.html
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