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事故「収束」宣言後の福島第一原発と消される被曝労働者(その1)/フクシマ・オーバー・ブログ(12月17日)
http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/11217-1169.html
2011年12月30日 フランスねこのNews Watching
今月も、フランス各紙は日本政府の原発政策と福島第一原発事故への対応をリアルタイムでほぼ連日報道しました。今回は「フクシマ・オーバー・ブログ」から、福島原発の現状と被曝を強いられる原発作業員についての記事を2回に分けてお届けします。
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1. 原発事故「収束」宣言と継続する非常事態
野田総理が12月16日に行った福島第一原発の冷温停止と原発事故収束宣言に対し、同原発で働く作業員たちからはあきれと憤りの声が上がっている(以下、東京新聞より引用)。
「政府はウソばっかりだ」
「言っている意味が理解できない」
「ろくに建屋にも入れず、どう核燃料を取り出すかも分からないのに」
作業を終え、首相会見をテレビで見た男性作業員は
「俺は日本語の意味がわからなくなったのか。言っていることがわからない。毎日見ている原発の状態からみてあり得ない。これから何十年もかかるのに、何を焦って年内にこだわったのか」
とあきれ返った。
(東京新聞 「作業員『政府ウソばかり』」2011年12月17日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011121702000035.html
独立系記者の鈴木智彦は、7月13日から8月22日までの間、福島第一原発で東芝系列会社の請負作業員として汚染水の処理に従事した(注1)。この勇気ある現場記者によれば、福島原発の状況は「収束」どころか、全く進展していない。東京電力は第一号機への「建家カバー」取り付け、第四号機の外壁洗浄など、分かりやすく目立つ部分の処置を行って状況が制御できているかのような印象を与えようとしている。しかしこのような短期的な処置は、何の解決にもつながらない。
問題は以下の3点に集約される。
・ 原子炉の冷却作業により発生し続ける汚染水への対処方法はいまだ見つかっていない。11月15日の時点では既に10万6千トンにも達していると見られるが、世論の圧力が無ければ、東京電力はこの汚染水を海へ投棄していただろう。
・ 1964トンもの核燃料を格納する7つの燃料プールは、常時冷却が必要な状態にある。東京電力は12月1日、通常7メートルの水位が必要な第四号機の燃料プールの水を、水位1.5メートルまで蒸発させてしまった。これらの燃料プールは非常に危険な状態にあり、今後何十年もの間多大な予算を投入して監視と維持管理を継続しなければならない。
・ 第一号機、第二号機、第三号機で溶融した核燃料257トンに相当する溶融燃料は、未だどこにあるのか分かっていない。どこにあるか分からないものについて、「制御できている」と言うことができるのだろうか。
危機解決には進展が見られていないが、もう予算が無い。日本政府と東京電力は、事故処理にあてる予算を大きく削減するために「収束」を宣言することを思いついたのである。(続く)
(抜粋、一部編集。小見出しはフランスねこが付けました。)
(« Les disparus de Fukushima », Fukushima over blog, 2011.12.18)
http://fukushima.over-blog.fr/article-les-disparus-de-fukushima-93065109.html
(注1)鈴木智彦氏 潜入取材(Youtube)
http://www.youtube.com/watch?v=H8EJ8ePtOEI&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=5Yd8DMkhBn0&feature=related
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事故「収束」宣言後の福島第一原発と消される被曝労働者(その2)/フクシマ・オーバー・ブログ(12月17日)
http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/21217-da62.html
2. 「闇労働」の実情と公式記録から消される高度被曝作業員
(福島第一原発で東芝系列会社の請負作業員として汚染水の処理に従事した)独立系記者の鈴木智彦記者はまた、福島原発内の事故処理現場における悲惨な労働環境について証言し、作業員が被る健康被害へのリスクに警笛をならしている。
すなわち、臨時の請負作業員についてはその経歴すら確認しない。東芝と日立が繰り広げる「競争」のせいで、共有されるべき情報が互いに隠されている。日本ではこうした情報全てが日常的に隠されている。原発作業員が契約の中で、現場で見聞きしたことを外部の人間に話す権利を奪われているからである。
東京電力は6月20日、福島第一原発で事故処理作業に従事した69名の作業員に関する名簿を紛失したと発表した。東京電力が「紛失」した名簿に記された作業員の数は、その後7月21日のNHKによる発表では198名、12月15日のFukushima Diary(注2)によれば840名にまで膨れ上がっている。これら「行方不明」扱いの作業員たちの健康状態については、これまで継続して危惧の声が上がってきている。
Fukushima Diaryによれば、3月から7月にかけ福島第一原発で働いた21歳の作業員が心筋梗塞で死亡している。死亡後に遺体の解剖が行われなかったために、この作業員の死は福島原発における公式の死亡者記録からは消されている。福島原発から東に22キロの距離にある川俣町に住む自営業の佐久間さんが、岩上靖己記者の取材に答え明らかにしたものだ。(注3)
死亡した青年には、銀行に三千万円の借金があった。自分の身に及ぶ放射能の危険を知りながらも、福島原発へと働きに向かったのである。こうした証言によって、最も汚染された地域で極限の状態での作業を強いられている「名前の無い」労働者たちの状況が明らかになっている。毎時1〜2シーベルトもの放射線量の場所で除染を強いられるなど最悪の条件での除染労働を強制されるなどして、最後には(死亡して)「行方不明者」にされてしまうのである。
原発から20キロ圏内の立ち入り禁止地域を守る警察官もまた、被曝の被害者である。彼等は自らが働く場所の放射線量を知らされていない。佐久間さんが計測した時には、毎時約100マイクロシーベルトを記録していた。警察官に死亡者が出ても、彼等は原発による死亡者リストには加えられない。原発作業員ではないからである。
ホコリよけのマスク一つで汚染地域に立つ警察官たちは、自分たちの身が危険にさらされていることを知っているのだろうか?今日、実際に何人の関係者が原発事故に関する作業の後で生存しているのかは明らかになっていない。東京電力が公表している匿名のリストでは、確認が不可能なのだ。
(抜粋、一部編集。小見出しはフランスねこが付けました。)
(« Les disparus de Fukushima », Fukushima over blog, 2011.12.18)
http://fukushima.over-blog.fr/article-les-disparus-de-fukushima-93065109.html
(注2)Fukushima Diary http://fukushima-diary.com/
(注3)
● 「福島県伊達郡川俣町 東電住民説明会 10月20日」
(岩上安身オフィシャルブログUstream) http://iwakamiyasumi.com/archives/13861#more-13861
●「21歳原発作業員の死について東電を追及した福島県川俣町の佐久間忍氏インタビュー」(Tommy さんのマイページ 10月25日)
http://www.freeml.com/bl/8513681/37822/
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