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小出氏:廃炉に向けた中長期工程表、『冷温停止状態』『事故収束』、燃料がウランの毒性に戻るまでに100万年、各自治体の瓦礫受入れについて@たねまき
http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/3207888.html
2011年12月21日23:12 ぼちぼちいこか。。。
20111221 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
http://www.youtube.com/watch?v=HR8RyPO8wOo&feature=player_embedded
【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】
今、上田アナウンサーがお伝えしました中長期の工程表についてですね、リスナーの方が時事川柳をくださったんですね。
方法が わからないのに 工程表
『40年後までにに廃炉を完了する』っていうのは、今の技術じゃ無理なんですか?
(小出氏)わかりません。要するに全く判らないのです。意味のないことを今の川柳、大変いいと思いますけれども、方法がわからない段階で工程表なんて作りようもないのに、ただただ事故を収束できるという宣伝に使いたいのかなと私は思いましたが、全く馬鹿げていると思います。
リスナーは、
『廃炉に短くて30年、或いは長くても40年という話出てきましたけど、下手したら永遠っていうことにならないんですか?』
っておっしゃってるんですね。
(小出氏)少なくとも私が生きてる間には終りませんし、リスナーの皆さんもかなりの方は無くなっても終わらない、それだけの時間がかかる。それだけは確実です。
あの、私が一番
「どないすんにゃろ?」
と思ったことを伺いますとね、
『10年以内にメルトダウンした、溶けてしまった燃料を取り出す作業を始める』
っていうんですよね。誰がどうやって始めんにゃろう?どこに燃料行ったかもわからないんですよね?
(小出氏)そうです。今現在も溶けた燃料がどこにあるのかもわかりませんし、何年かかけて少しずつ調べようということしかできないのです。
それもそれでできるかどうかも分からない、そういうことになっています。
私たち人類が本当にこんなことに直面するとは思わなかったことが、今起きているわけで、どうしていいかわからない、どうやればできるかもわからない。ひとつひとつ出来ることを積み重ねて、技術開発をしながらということなわけで、本当に10年なのか20年なのか30年なのか、今の段階でわかる道理もないわけで、そんなことに工程表を作るということ自身が馬鹿げています。
ただ、政府と東京電力は、水で満たす水棺というやり方ね、水の棺と書きます。これをまだ諦めていないようなんですね。
(小出氏)それができなければ、溶けてしまった燃料を取り出すことが出来ないのです。
あ、そうなんですか!?
溶けてしまった燃料を取り出すには、水で全部を浸して、水棺の状態にしなければならない。
(小出氏)そうです。
しかしながら、
「水棺はもう無理だ」
と、小出先生は早くからおっしゃっていたのではなかったですか?
(小出氏)そうです。無理だと私は言いましたし、実際に無理でできなかったんですね。
そうですよね。やろうとしてできなかったのが水棺なんですよね。
ところがですね、
『2015年の末頃から、格納容器の下の部分を補修して、水棺に持っていきたい』
っていう話らしいんです?
(小出氏)そうですね。私もできればいいと思います。
それはつまり格納容器の下のほうに穴が開いているということですよね?
(小出氏)私は空いている可能性が高いと思いますし、これまでにももう既に空いてしまっている部分もあるのですね。ですから、そういうものを・・・どうやって治すかということ、大変な被曝作業になってしまいますし・・・
そのあたりに近づくということは、格納容器の下の部分というのは、ものすごい被曝ですか?
(小出氏)そうです。ですから、多分人間は近づけないでしょうから、多分ロボットを開発したいということなんでしょうけれども、そんなロボットで壊れているところを補修できるかどうかすらが、まだわからない。やったこともないということなのですね。
それからですね、先週金曜日に『冷温停止状態』というのを政府が宣言しまして、これについては多くのリスナーの方が
「それ、どういうことやねん!?」
というふうに小出さんに伺いたいとおっしゃってるんです。
どうお答えになりますか?
(小出氏)『冷温停止』ができないっていうことは、もうずーっとこの番組で聞いていただいてきましたし、もちろん政府も東京電力もそのことを十分に知っているのですね。それでも彼らは「事故を収束できる、事故を収束に向かわせているんだ」ということを言いたいがために、『冷温停止』という言葉を引っ込めることができないし、しょうがなくて『状態』という言葉を付け加えて、『冷温停止状態』とか言ってるわけですね。
本当に話にならない人たちだと私は思います、
野田総理は、『事故そのものの収束』を宣言なさったんですね。
この『事故そのものが収束した』という言葉もよくわからないんですが、「放射性物質って、もう漏れていない、止まってる」と思ってる方多いようなんですよ。実際どうなんですか?
(小出氏)もちろん今でも漏れているわけですね。ただし、3月11日から10日ほどの間に大量に出てしまった時期に比べれば、随分少なくなっているということは本当なわけです。
ただし、未だに溶けてしまった燃料がどこにあるのかもわかりませんし、例えば4号機の使用済燃料プールなんていうのは、いつ崩落しても不思議でない、『崩落したらもうおしまい』という、そういう綱渡りの状態が今なわけですから、収束なんていうことには程遠いのですね。
(近藤氏)小出先生、核のゴミってよく言うでしょ?そのゴミで考えた時、先生100万年かかるっていう話してましたよね。100万年っていう話というのは、今回のケースで当てはめて考えたら、どういう話になるんですか?
(小出氏)えーっと、今溶け落ちてしまってる燃料があるのですね。それが今どこにあるかわからないし、何とか取り出して格納したいと言ってるわけですけど、それができるかどうかまずわかりませんし、そのゴミというのが、もともと地下に眠っていたウランの毒性に減るまでに100万年かかるのです。
ですから、ウランという元素は、そのもの自身が放射能で危険ですけれども、そのウラン鉱石の持っている危険まで減るのに、100万年・・・。
そういう隔離が必要だということです。
取り出すにしても、取り出さないで石棺で封じ込めるにしても、それだけが必要です。
(近藤氏)もう我々の時間感覚では説明つかないですね。
(小出氏)もちろんです。一人一人の時間感覚では説明もつかないし、人類という時間感覚でも説明がつきません。
次に放射能汚染された被災地の瓦礫の処理について伺いたいんです。
大阪の橋下市長が、細野原発担当大臣と会談して、被災地の瓦礫を受け入れることについて、
「安全面での基準がしっかりと作られたら受け入れるというふうにおっしゃったんですね。ただ大阪の場合は特殊な事情があって、海への埋め立てと、海へ埋め立てる」
という話があるというふうにおっしゃったら、細野さんはですね、
「今の安全基準作りは、陸で埋め立てることを前提としていたので、海に埋め立てたときの安全性は、もう一度確認する必要がある。ただ、協力して進めたい」
というふうにおっしゃったんです。
陸での埋め立てと海での埋め立てっていうのは、どう意味が違うんでしょうか?
(小出氏)どっちにしても大して変わりはありません。
私は埋めてはいけないと言ってきました。
もともと放射性物質というものを産業廃棄物処分場に埋めたりする、そのことがいけないことだったわけです。
ただ、どうしようもない状況で、国の方はそれぞれの自治体で勝手に燃やして勝手に埋めろと言ってるわけですけれども、どっちも正しくありません。
今現在の各自治体の持っている焼却施設で燃やすようなことをすれば、放射性物質は空気中に飛散していく可能性が強いですし、埋めてしまえばもう取り返しがつきませんので、埋めてはいけません。
ですから、私は基本的には今の日本の国の指示に、全て反対です。
ただしですけれども、この番組でも私は聞いていただいたと思いますが、膨大に既に・・・存在してしまっている震災瓦礫をこのまま放置することはできないと私は思っています。私が何よりも望んでいることは、子供たちを被曝から守るということです。もちろん、大阪の子供たちも被曝から守りたいですし、各地の子供たちも守りたいですけれども、福島の子供達だって、私の願いの中には含まれています。今のまま放置しておくような、瓦礫を放置しておけば、福島の子供たちに被曝がますます集中してしまうと思いますので、何よりもすばやく行動をとらなければいけないと思います。
一番大切なことは、福島現地に専用の焼却施設と早急に作って、そこで焼くということです。
専用の焼却施設を作るべきと。それにはやはり特別な施設が必要だってことですね?
(小出氏)もちろんです。ただし、それだけでは到底もう間に合わない状況がありますので、私は各自治体で引き受けるべきだと実は言ってきて、皆さんから怒られ続けていますが、子供たちのトータルの被曝を少しでも減らすためには、それしかないと私は思っています。
ただし、そのためには国が言っているようなやり方はダメで、現在の焼却施設に、きちんと排気系統に放射能と除けるようなフィルター等を取り付ける必要があります。その上で焼くことは、私は受け入れざるを得ないと思っています。そして出てくる焼却灰は、各自治体で埋めてはいけません。それはもともと東京電力、福島第一原子力発電所の原子炉の中にあった東京電力のれっきとした所有物が、今汚染物として出てきているわけですから、東京電力にお返しするのが筋なわけですし、これから福島第一原子力発電所の事故収束のために大きな石棺をつくったり、地下に遮水壁を作ったりするために膨大なコンクリートが必要になりますので、その原料に使って、福島第一原子力発電所に持ち帰るのがいいと思います。
はい。ありがとうございました。
【以上】
【参考記事】
福島第1原発1─4号機の廃炉、30─40年後目標=政府が工程表
ロイター 12月21日(水)13時55分配信
[東京 21日 ロイター] 政府は21日、東京電力<9501.T>福島第1原子力発電所1─4号機の廃炉終了までに今後30─40年を目標とすることなど、中長期の工程表を発表した。枝野幸男経済産業相は記者会見で「可能な限り具体的な計画を織り込んだ」と説明したが、費用の見積もりは示されなかった。枝野経産相は「1─2年後に30年先のことまで全て見積もるのは困難」と述べた。
中長期工程表は3期に分けて道筋が示された。原子炉を冷温停止状態にしたとして今月達成が宣言されたステップ2を起点に、
1)使用済み燃料プール内の燃料取り出しまでに2年以内を目標とする第1期、
2)燃料デブリ(燃料と被覆管等が溶融して再固化したもの)の取り出し開始までに今後10年以内を目標とする第2期、
3)第2期終了後から廃炉完了までに30─40年後を目標とする第3期──とした。
使用済み燃料プールからの燃料の取り出しは、原子炉に燃料のない4号機でステップ2終了後2年以内(2013年中)、3号機で同3年後程度(2014年末)をそれぞれ目標に開始する。1号機は「3─4号機での実績を把握し、がれき等の調査を踏まえて計画立案し、第2期中に取り出す」、2号機は「建屋内除染等の状況を踏まえ、既設設備の調査を実施後、計画立案し、第2期中に取り出す」とした。
最も困難な作業となる原子炉からの燃料デブリの取り出しについて、工程表は「作業の多くには(ロボットによる)遠隔技術等の研究開発が必要で、これからの成果、現場の状況などを踏まえ段階的に進める」としている。枝野経産相は「廃炉のプロセスが想定通り進んでいかない可能性を否定するつもりはないが、基本的にはこの範囲の中で実現していく強い意志と十分な可能性はあると考えている」と強調した。
廃炉費用を負担する主体については「当然東電が負担すべき性質のもの」(枝野経産相)とされ、費用がどの程度膨らむかによっては東電が債務超過に陥るリスクが生じ、そのことが原子力損害賠償支援機構を通じて東電への国の資本注入が行われるとの観測につながっている。枝野経産相は「これから着手して見積もることができる費用は当然、経営計画の中に入ってくる」と説明しながらも、東電を実質国有化するとの報道については「(政府の対東電方針は)あらゆる選択肢を否定せずに検討しているが、政治的に現時点で何かを決定しているわけではない」と述べるにとどめた。
(ロイターニュース、浜田健太郎)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111221-00000064-reut-bus_all
橋下大阪市長、がれき受け入れに前向き
TBS NEWS i(21日11:02)
上京している大阪市の橋下市長は、21日午前は、閣僚と相次いで会談しています。細野・原発担当大臣との会談では、安全面での基準がしっかり作られれば、被災地のがれきを受け入れることに前向きな考えを示しました。
「大阪の場合は特殊な事情がありまして、海への埋め立てというところがある。安全性の基準さえしっかりあれば、がれき処理の受け入れはきちんと進めていきたい」(大阪市 橋下徹市長)
橋下市長の発言に対し細野大臣は、「基準作りは陸で埋めることを前提としていたので、海に埋めるケースの安全性は、もう一度確認する必要があると思っています」と語り、協力して進めたいという意向を示しました。
一方、これに先立って訪れた文部科学省で、橋下市長は中川正春文部科学大臣と会談し、「大阪維新の会」が成立を目指す「教育基本条例案」について、政府が否定的な見解を示していることを批判しました。
「あの閣議決定、文科省の見解は、日本の政治家というか首長をばかにするような決定としか思えない」(大阪市 橋下徹市長)
これに対して中川大臣は、「現在の法律の枠組みでは、具体的な目標は教育委員会という規定になっている。知事や市長が教育について語るなという見解ではない」と説明しました。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4908340.html
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