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「事故になれば福島の比ではない」――もんじゅ研究者が指摘
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2011年12月21日 12:39 週刊金曜日編集部
福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」が火災事故を起こしてから一一月八日で一六年。現在も巨額の税金を垂れ流したまま稼働していない。衆院決算行政監査委員会(新藤義孝委員長)が、政府に対し中止を含む抜本的見直しを求める動きになった中、脱原発を訴える「京都大学六人衆」の一人で「もんじゅ」研究の第一人者、京都大学原子炉実験所元講師の小林圭二氏が大阪市内で講演した。
小林さんは、世界初の発電用原子炉は米国の高速増殖炉だったが実用に至らず撤退していったという歴史を解説し、「もんじゅは燃料棒同士が非常に接近してブランケットでまとめられており、溶融すれば大きな塊となって暴走し、核爆発する危険が軽水炉よりずっと高い。そうなれば福島どころではない事態になる。琵琶湖も汚染され関西はだれも住めない」と、その危険性を説明した。
もんじゅの「売り」は「新たな燃料を生み出す増殖」だ。しかし小林さんは「増殖は倍増時間(別の原子炉一基を動かせる燃料を生むのに必要な時間)、再処理のロス率や、燃料加工、新たな燃料装荷にかかる年数による。現在でもロス率が五・七%。仮に五%でも倍増には九〇年かかる。新たな燃料を生むなど夢のまた夢で、世界のどこでも実用化されていない」と指摘した。
高速増殖炉「もんじゅ」には現在、維持費だけで年二三三億円かかっている。稼働できる見通しが立っていないにもかかわらず政府が存続に固執する理由について小林さんは「使用済み燃料の行き先がない」ことに加え、「核武装しやすいから」と指摘した。
(粟野仁雄・ジャーナリスト、12月9日号)
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