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静かな怒りが、あの原発事故以来、去りません(川上弘美の「神様 2011」〔講談社〕から)。作者は3・11以後、自分たちの日常生活がどれほど変わってしまったかを「静かな怒り」を込めて書いている。
<参照>
(政府が)ステップ2の冷温停止状態を宣言/海外メディア 冷温停止を疑問視
◆「"原発冷温停止達成"とは何ですか」【パック・イン・ジャーナル】
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http://blog.iwajilow.com/?eid=1071201
神様2011(つぶやきいわぢろう)
2011.12.19 Monday
JUGEMテーマ:日記・一般
現在の状況は太平洋戦争の状況と似ていると思います。
勝ち目もないので「勝つのだ」と言い続け、たくさんの国民を洗脳し殺し続けたあの戦争。
日本という国は、そこから何一つ変わっていません。
あの時、生き残った官僚たちが今も同じことをやり続けている。
自分たちは大本営という絶対安全地帯にいながら国民には我慢を強いるだけでなく死をも強いる。
「死の街」と表現した閣僚は更迭する。それもマスコミが先頭を切ってその世論形成に加担する。
「内部被爆も含め危険性を伝えるべき」と主張する僕に
「政府を信用すべきだ」と助言してくれた素敵なスタッフもいました。
ひどい状況です。
でも、あの時と違うとところがひとつだけ。
それはこの欺瞞に気がついている人たちが少なからずいるということ。
そしてそれはもしかしたら大きなうねりになっていくのかもしれません。
そういう空気を感じさせる小説がこの「神様2011」です。
小説を書いた川上弘美さんは僕の大好きな小説家のひとりです。
この「神様」という小説は川上さんのデビュー作です。
僕がこの小説を読んだのは今から15年以上前になります。
当時付き合っていたガールフレンドが「パスカル文学賞の新人賞を取った『神様』という小説がものすごくいいよ」とFAXで送ってくれました。
近所に引っ越してきたクマと散歩に出かける話です。
現実にあったらいいだろうなぁというメルヘンのような話です。
でも、クマが「ちょっと失礼」と川に入ってサケを取ったり、後ろを向いてオレンジの皮を食べたり、妙なリアリティが心地よい話でした。
そして今回、川上さんはその舞台を2011年にして、「神様2011」を書きました。
あのころと何も変わらない。でも放射能汚染は確実に進んでいる。何も変わらないのに、放射能だけが日常に入り込んできた。でもそれが実は大きな変化なんですね。取り返しがつかないほど変わってしまっている。そういう変わってしまった「神様」の世界の現実を描いています。
3.11から世界は変わってしまいました。
政府も官僚も何事もなかったようにしたいみたいですが、変わってしまったことはみんな気がついています。必死で「変わらない」という権力側に対して僕は「何いってんだよ、変わってるじゃないか」と思います。声高に叫ばなくても、心に刻むことが大事だと思います。もうだまされないよ、と。
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