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福島、中越沖「複合災害」の教訓生きず
内線PHSまた不通 事故調分析
東京電力福島第1原子力発電所事故で使用不能になった内線通話用PHSについて、2007年の新潟県中越沖地震の際に同柏崎刈羽原発でも通話不能に陥ったのに、同社が改善策を取らずにいたことが17日分かった。政府の事故調査・検証委員会(委員長=畑村洋太郎東京大名誉教授)は、自然災害と原発事故が同時に起こる「複合災害」の先例だった中越沖の教訓を生かせなかったことが事故の深刻化につながったと分析している。
東電が過去に停電で真っ暗になった現場を想定した防災訓練をしておらず、操作手順書に不備があったことも判明。事故調はこうした事実関係や分析を、26日公表予定の中間報告に盛り込む。
中越沖地震で柏崎刈羽原発は、建屋外にある変圧器が出火するなどの被害に見舞われた。このとき、原発内の内線電話だったPHSが使用不能になり、事故対応の遅れにつながった。自然災害によって原発事故が起き、平常と異なる状況で対処を迫られる複合災害の危険が指摘された。
福島第1原発事故では、社員一人ひとりが使用し、約1000台あったPHSは全電源喪失により、緊急時対策本部のあった免震重要棟内を除き通話不能に。各原子炉建屋と同本部の連絡は電話1回線のみで、備品の無線機9台も通じなかった。現場に出た作業員と連絡できず、状況確認や作業の遅れを招いた。
事故発生直後、原子炉建屋の現場確認に向かった作業員は東電の社内調査に対し「通信手段があれば作業にここまで時間を要することはなかったと思う」と話している。
東電は08年に国や自治体と福島第1原発の炉心溶融を想定した原子力総合防災訓練を実施したが、暗闇での手動操作などはせず、電源は32時間後に回復する想定だった。炉心溶融などの過酷事故に備える事故時運転操作手順書も、ベント(排気)の実施時には電気で弁を操作する手順を記述し、手動での手順は記載していなかった。今回の大震災では10日以上電源が回復せず、暗闇のベント作業に手間取り、水素爆発に至った。
現行制度では過酷事故対策は電力会社が自主的に取り組むとしている。また、国の安全設計審査指針には「長期間にわたる全電源喪失を考慮する必要はない」と明記されている。事故調は国の規制と事故とのかかわりにも関心を寄せている。
[日経新聞12月18日朝刊P.30]
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