01. あっしら 2011年12月16日 03:00:17: Mo7ApAlflbQ6s
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福島原発廃炉、最長40年 政府・東電最終案 プール燃料搬出、14年に着手 政府と東京電力がまとめる福島第1原子力発電所1〜4号機の廃炉に向けた工程表の最終案が15日、明らかになった。20〜25年後に原子炉の解体に着手し、廃炉完了は最長で40年後とする。危険性が指摘される4号機の使用済み核燃料プールは2014年から燃料取り出しを開始。放射線の影響を軽減するため原子炉格納容器を水で満たす冠水状態による作業も盛り込む。野田佳彦首相は16日に記者会見し、事故を起こした原発の冷温停止を宣言。来週20日にも廃炉への工程表を公表する。 工程表案では工期を3年後までの中期、4〜10年後の中長期、10〜40年後の長期の3段階に設定。中期では、原子炉建屋内の放射線量が低い4号機のプールから燃料の取り出しを始める。4号機は水素爆発で建屋が激しく損傷し、プール倒壊の恐れがあった。次に3号機、1〜2号機の順にプールから取り出す。 中長期では原子炉の損傷部分を修理し、放射線の影響を抑えるため原子炉格納容器を水で満たした冠水状態にする。並行して原子炉内を遠隔操作で調査するロボットなど、廃炉に必要な機材を準備する。 長期では炉心溶融(メルトダウン)により原子炉格納容器に大半が溶け落ちたとみられる1〜3号機の核燃料取り出しを開始。20〜25年後にも核燃料の回収を終え、原子炉の解体を始める。30〜40年後をメドに原子炉建屋を更地に戻す計画だ。 政府は16日の原子力災害対策本部(本部長・野田首相)会合で福島第1原発が冷温停止状態になり、事故収束に向けた工程表の第2段階(ステップ2)を達成したと確認。その後、中長期の廃炉計画や避難区域の見直し方針を月内にも公表する。 1〜4号機の廃炉費用については、東京電力に関する経営・財務調査委員会(委員長・下河辺和彦弁護士)が1兆1510億円と算定している。費用が膨らむと経営を圧迫するとして、工程表に盛り込む項目は最終調整している。 枝野幸男経済産業相と細野豪志原発事故担当相が11月に東京電力、経済産業省資源エネルギー庁、原子力安全・保安院に廃炉に向けた工程表の作成を指示。原子力委員会の専門部会は既に、廃炉に必要となるロボットや除染技術などをまとめた中長期の研究開発計画を決定した。これを土台に、東電と資源エネルギー庁、保安院が具体的な手順や期限を盛り込んだ工程表案をまとめた。 溶融燃料回収、技術開発から 政府と東京電力がまとめる中長期計画では30〜40年後に解体を終えて廃炉を完了する案を盛り込んだが、技術的な課題は山積する。通常の原発の廃炉期間は約15年。2倍以上に長期化する理由は、溶け落ちた核燃料の回収準備に時間がかかるためだ。 1979年の米スリーマイル島(TMI)原発事故では、圧力容器に重大な損傷はなく、核燃料が漏れ出なかったにもかかわらず、取り出し作業が始まったのは事故後7年たってからで、終えるまで約4年かかった。福島第1原発事故では核燃料は圧力容器から格納容器に溶け落ちたとみられ、依然として放射線量が高く、燃料の位置などの詳しい状態は不明なままだ。 廃炉計画ではまず格納容器内を確認・修理するロボットの開発から始めなければならない。ただ、格納容器の水漏れをロボットで修理して冠水状態にできるかは不透明だ。10年後に核燃料の回収を開始、20〜25年後に完了する計画だが、研究開発が順調に進まないと計画変更も十分あり得る。 山名元・京都大学教授は「損傷した原子炉の修復などは世界でも例がない。特殊な技術が必要で、実現には国内外の英知を結集しなければならない」と話す。 解体にも課題は多い。30〜40年後に原子炉や建屋の解体を終えるとしているが、事故から30年以上経過した米TMI原発は今でも解体していない。 [日経新聞12月15日夕刊P.1] 福島第1廃炉に向け「研究開発本部」 政府と東電、年内にも設置
政府と東京電力は東電福島第1原子力発電所1〜4号機の廃炉や敷地内の除染を進める「研究開発本部」(仮称)を設置する方針だ。枝野幸男経済産業相、細野豪志環境・原発事故担当相、東電の西沢俊夫社長が参加する。福島第1原発の「冷温停止」を確認のうえ、年内にも立ち上げる。 [日経新聞12月15日夕刊P.5] |