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http://fairewinds.com/content/fukushima-could-it-have-china-syndrome
要約です。
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先週、東電が圧力容器の明らかな、そして格納容器の部分的な
メルト・スルーについて発表した。
ネット上で誇張や誤解が多く散見されるので、今回はこの話題を取り上げよう。
福一はチャイナ・シンドローム状態なのか?そもそもチャイナ・シンドロームとは何か。
(映画「チャイナ・シンドローム」の動画)
この言葉は古く、60年代に遡る。炉心が溶融し、米国の反対側の中国まで
地球の中心を通って達するということだ。
これはもちろん誇張表現で、炉心が炉内、そして格納容器を出て大地に
落ちていくことだ。
今日は、福島で起きていることを説明するため、ちょっと大雑把な例えを使おう。
まず最初に、冷却材が喪失した。
ウラン原子は分裂し95%のエネルギーを生み出す。核分裂生成物は高熱を発する。
原子炉を停止すると2秒で95%の発熱はなくなり5%が残る。
冷却水が流れている限り、冷温状態が保たれる。
以前、燃料ペレットを紹介した。
燃料棒の太さは小指大だが長さは12フィート。スパゲッティのようにしなやかだ。
何千本もの燃料棒が炉内にある。
原子炉は、輝く圧力釜のようなもので、大きさは違うが、
高温水を漏れないように閉じ込める点は同じ。
水が沸騰してなくなり、燃料が溶融し、塊となって原子炉の底に固まっている。
1-3号炉でこれが6-10時間で起きた。
第一段階はメルトダウンと呼ぶ。パスタが柔らかくなって圧力釜の底にある状態だ。
次のステップがメルトスルー。燃料の塊が圧力容器の底にある状態だ。
東電によると、圧力容器は8インチの厚さで長時間燃料を保持できる。
東電の解析は正しくないと思う。
以前話したように、沸騰型圧力容器の底には制御棒を出し入れする60個以上の穴がある。
8インチの鋼鉄を突き抜けたのではなく、この穴から燃料が落ちたとNRCは指摘している。
この段階がメルトスルーだ。おそらく事故当日はこの状態だった。
原子炉は停止し、1日もすると核分裂反応による発熱はなく、娘核種によるものだけになり、
稼動時の1%になる。溶融物は原子炉下方のフロアに落ちている。
ここで仮定をしてみよう。
もし原子炉底部に窪みがあれば、溶融燃料はそこに集まり、熱が集中して、
格納容器へより速く落ちていくだろう。
これは仮定であって、危険だから誰も100フィート内に近づいて見ることはできない。
見られるのは20-30年後だ。
溶融燃料がフロアにあり、格納容器を溶かし始めるのが第二段階だ。
第三段階は、いわゆるチャイナ・シンドロームの始まりだ。
格納容器の底は、3フィートのコンクリと2インチ厚の鋼鉄だ。
溶融燃料が圧力容器から落ち、格納容器の底にあるのは間違いないが、
コンクリと格納容器まで溶かしているかは疑問だ。
私は、突き抜けておらず、コンクリを1、2フィート溶かしたところで止まっていると思う。
そう考える理由は、娘核種による発熱は事故当日に比べ少ないから。
発熱量は100万ワットぐらい。100ワット電球1万個分でかなりの発熱だが、
事故当初に比べれば微々たるものだ。
それに加え大量の注水がある。100度以下であり沸騰はしておらず、
大量の熱を奪っているだろう。
格納容器まで突き抜けて、地下水脈に達しているとは思えない。
それによる激しい爆発などが予想されたが、起こるとは思えない。
事故からほぼ9ヶ月経っており、すでに発熱量は水蒸気爆発を起こすほど多くない。
チャイナ・シンドロームが起きないというのは良い知らせだ。
溶融燃料が地下へ降下していくとは思わないし、水蒸気爆発も起きないだろう。
悪い知らせは、燃料が大量の水に接し漏れていることだ。
何千トンもの汚染水が別の建屋にまで広がっている。
汚染水は放射性セシウム、ストロンチウム、そして燃料破片を含む。
ウランもプルトニウムも含まれているだろう。
汚染水は地下水に流れ込み、太平洋へと流出している。
チャイナ・シンドロームが起きないとわかっても、問題は終わっていない。
汚染水は建屋地下に溜まっており、それが30年も続く。
安全になるまで300年かかるセシウムやストロンチウム、
そして何万年もの半減期を持つプルトニウムやウランが含まれているのだ。
危機を脱するまで遠い道のりだ。
格納容器底部の溶融燃料を捕獲するのに30年はかかる。
それまで汚染水は地下水に漏れ続けるだろう。
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(ここまで)
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