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福島、研修医離れ深刻 内定2割減 原発事故の影響懸念 病院、人材確保に奔走
東京電力福島第1原子力発電所事故を受け、福島県内の病院で臨床研修を受ける新人医師が激減している。研修医は将来の地域医療の担い手として期待されるが、来春の内定者数は前年度比2割減の過去最少で、事故の影響への懸念が背景にある。医師が不足すれば避難した住民が戻りにくくなる恐れもあり、地元の病院関係者は人材確保に腐心している。
福島市にある「大原綜合病院」ではここ数年、年6人の臨床研修医を受け入れてきたが、来春の内定者は現時点で1人。11月から2次募集を始めた。担当職員は「覚悟はしていたが、こんなに減るとは」と話す。
県地域医療課によると、研修医は修了後も赴任先で勤務するケースが多いといい、将来の地域医療の担い手として期待される。それだけに、担当者は「医師不足により十分な医療体制が整わなくなれば、県外避難者らが地元に戻ってこなくなる」と焦りを募らせる。
県内で唯一医学部がある県立医科大(福島市)の学生の間にも敬遠の動きがみられる。東京都出身の男子学生(22)は「被曝(ひばく)リスクを考えると、福島に残ろうとは思えない」。同県南相馬市出身で小児科志望の男子学生(20)は「原発事故の影響で子供が減り続ければ働き口もなくなる」と宮城県内の病院などでの研修を考える。
新人医師の研修先を決める「医師臨床研修マッチング協議会」(東京・港)が今秋に実施した1次募集では、福島県内16病院への内定者は昨年度比21%減の61人。減少率は全国2位で、同10%減の宮城、同4%減の岩手両県など被災地の中でも研修医離れが顕著だ。
福島県内でも地域間格差が顕在化。原発に近い沿岸部の病院で減少が目立つ一方、原発から100キロ以上離れた会津地方では微増となるなど、県担当者は「放射性物質汚染を敬遠した動きがみられる」と指摘する。
こうした状況を受け、県立医科大は人材確保に奔走する。例年は仙台市や東京都内だけで行ってきた医学部生向け説明会を、来年から大阪市や福岡市など西日本でも開催する方針。2013年春入学の医学部入試では、福島県内で9年間働けば奨学金の返済を免除する「地域枠」を新たに15人分設け、若手の囲い込みを狙う。
昨春から大原綜合病院で働く千葉県出身の研修医、菅家康之さん(27)は「困難な状況こそ医師として学ぶことが多い」と強調、自分に続く若手の応募に期待を寄せている。
[日経新聞12月14日夕刊P.15]
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