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国内の損保会社が契約を更新しない方針を打ち出したことで、福島第1が「無保険」となるため原子力損害賠償法違反になると言われてきたが、それは間違った解釈だと思っている。
転載する記事でも、「期限が切れる来年1月以降、福島第1は「無保険」となり、原子力損害賠償法違反で事故対応に支障が出る恐れがあった」と書かれている。
しかし、「原子力損害の賠償に関する法律」(原子力損害賠償法)では:
「(損害賠償措置を講ずべき義務)
第六条 原子力事業者は、原子力損害を賠償するための措置(以下「損害賠償措置」という。)を講じていなければ、原子炉の運転等をしてはならない。
(損害賠償措置の内容)
第七条 損害賠償措置は、次条の規定の適用がある場合を除き、原子力損害賠償責任保険契約及び原子力損害賠償補償契約の締結若しくは供託であつて、その措置により、一工場若しくは一事業所当たり若しくは一原子力船当たり千二百億円(政令で定める原子炉の運転等については、千二百億円以内で政令で定める金額とする。以下「賠償措置額」という。)を原子力損害の賠償に充てることができるものとして文部科学大臣の承認を受けたもの又はこれらに相当する措置であつて文部科学大臣の承認を受けたものとする。 」
と規定されている。
福島第一の1号機から4号機は廃炉がすでに決定しており、現在も、事故で思うように対応できない状況にあるだけで、“原子炉の運転”をしている状態とは言えない。
問題になるのは5号機と6号機だが、この二つも再稼働は現実的な話ではないから、廃炉を決定し、原子炉から核燃料を抜き取り、共用プールに移せば保険が不要になるはずだ。
(「原子炉の運転等」は、正常に停止した状態を含むと解釈するのが妥当だ。そうでなければ、一般に、停止中に起きた事故には保険金が支払われないことになる)
3.11以降の事故については、賠償費用を東電に国民負担で無償提供している。
そうであるのに、なぜ、「期間5年で約200億円に上がる。無事故ならば保険料の一部が戻るが、事故があればさらに約200億円を東電が追加で払う」保険を契約しなければならないのかまったく解せない。
もしも、保険の契約内容が、「運転や正常に停止した状態で生じた事故」を対象としたものなら、事故の状態にある1号機から4号機で何か起きたとしても、保険金の支払い対象にならない可能性がある。
そんなバカなという話だが、「福島第1は「無保険」となり、原子力損害賠償法違反で事故対応に支障が出る恐れ」を回避するためというバカな目的で契約をしているのなら、あり得る話だろう。
合計400億円の保険料を払うことで事故賠償のために支払われる保険金の金額を含め、保険内容の詳細を公表する義務が政府と東電にはあるだろう。
新規の保険契約は来年2月から5年間の事故賠償に備えた保険というが、3.11の事故賠償はその5年間を超えて継続していくはずだ。
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福島第1原発、無保険回避 東電が外資系と契約へ、保険料10倍
東京電力福島第1原子力発電所の事故に備えた保険について、東電は来年1月からスイスを本拠に国際展開する損害保険大手、エース損害保険との契約に切り替える方針だ。現在は国内大手損保などが共同運営する保険に加入しているが、契約を更新しない方針を伝えられていた。福島第1は「無保険」状態を回避できるが、保険料は現在の10倍程度と大幅に上がる可能性がある。
原発は事故に備えて、地震や津波による事故で国が補償金を支払う保険と、人為ミスなどの事故を対象にした民間契約に加入する。民間契約は損保23社が共同運営する日本原子力保険プールが引き受けてきた。
ただ、福島第1の事故後、同プールは契約を更新しない方針を固めた。期限が切れる来年1月以降、福島第1は「無保険」となり、原子力損害賠償法違反で事故対応に支障が出る恐れがあった。
関係者によると新契約では、現行年数億円の保険料が期間5年で約200億円に上がる。無事故ならば保険料の一部が戻るが、事故があればさらに約200億円を東電が追加で払うという。エース損保は海外の再保険会社などにリスクの一部をカバーしてもらう。保険料は電気料金に転嫁できるため議論を呼びそうだ。
[日経新聞12月9日朝刊P.4]
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