http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/144.html
Tweet |
安全な食生活を目指して(1)・・・まず、頭の整理をしておこう!
http://takedanet.com/2011/12/post_ec67.html
平成23年12月7日 武田邦彦(中部大学)
福島原発事故以来、多くのお母さんが安全な食生活を目指して、頑張っています.そして食品安全が山場にさしかかってきました.ここが正念場です!!
ごく最近、明治の粉ミルクの汚染(30から40ベクレル(セシウム以外のものも考慮)、40万缶)が露見しました。まず、理解しておかなければならないのは、1)国の暫定基準1キロ500ベクレルは子供には厳しいこと(1年5ミリ)、2)汚染が発表されるのは子供が食べた後、3)外食に危険な食材が回っている、ということです。
まず、第一の問題ですが、国が決めた食材の暫定基準値はセシウムだけで1年5ミリで、これが危険か安全かということを専門家やマスコミは一般人に説明しようとしています.でも、食品からの被曝の問題は実に複雑で、ちょっとした知識では正確に理解できません.
だから、私たちは「専門家が3月11日以前にやってきたこと」をそのまま経験として理解した方が正確です.たとえば、「電力会社ですら成人男子の従業員の被曝を1年1ミリに制限していた」という事実や、「1年5ミリ以上で白血病になった成人男子を国が労災に認定していた」、「福島に派遣される医師の交代は5ミリシーベルトの被曝で行われている」ということを考えて、より感度の高く、被曝しやすい子供の10年後のために注意をしてあげなければならないということです。
その点で、専門家やマスコミがなんと言おうと、これまでの経験を超えることにならないように注意をしてあげなければなりません。 専門家やマスコミは自分の仕事や立場を優先して、子供たちの健康は2の次になっています.だから、「どこまでが安全か」という無用の議論に巻き込まれないようにしたいとおもいます。
・・・・・・・・・
第二の問題は、「汚染された食材を出荷したり使ったりした人は、子供が食べてから汚染を白状する」ということです。それではどうにもなりません。その典型的な例が横浜市です.
まず、市長を先頭に「大丈夫」を繰り返し、市民全員に「大丈夫パンフレット」を配り、「大丈夫」という雰囲気を作ってからベクレルを測定しないで給食を強行しました。その結果、牛肉、キノコで実に500ベクレルも超える食材を子供に食べさせたのです。40ベクレルを超える食材は多かったと推定されます。公表しない自体が不誠実です。「神経質すぎる」と言う人がいますが、注意するかどうかは本人(親)の問題で、他人が他人の子供の健康に口を出すことはできません.
さらに、その後が問題です。横浜市の担当者がでてきて「すみません」と謝ったのです。物事には謝って済むこととすまないことがあります。すでに子供は汚染された食品を食べてしまったのですから、それを吐き出すことはできません.このように被曝はもとに戻りませんから、横浜市もそれを判らなければなりません。
また、このケースは「1年5ミリの国の基準値も上回った」ということですから、経験的に日本が守ってきた1年1ミリ(ほぼ40ベクレル)の5倍以上を子供たちが被曝している可能性が高いのです.
・・・・・・・・・
明治の粉ミルクもそうで、汚染された粉ミルクを40万缶の出荷してから回収をしています。また新米も福島県知事が安全宣言を出してから、これも1キロ500ベクレルを超えるコメが次々と発見されています.コメは主食で一日に食べる量が多いので、関東から岩手県までの新米は避けた方が良いと考えられます.
私は、完璧には行きませんが、牛乳や粉ミルクについては4月頃から「食べないように」と呼びかけ、新米も安全宣言がでているさなかに「新米は避けるように」と行ってきましたが、それは「つじつまが合わない」ことと、「子供たちの口に入る前に注意を姿態」と言うことによります。
つまり、新米は「汚れた田んぼから綺麗な新米が作られた」と言うことです。そんなことはありません.稲には移行係数というのがアリ、一定の作り方をすると田んぼのセシウムは1%内外の比率で稲に移ります.だから、5000ベクレル程度の田んぼに稲を植えたら、40ベクレルどころか500ベクレルに近いコメがとれるはずなのです。でも最初の測定値はとんでもなく低かったので、私は新米はダメと言いました。
また、牛乳や粉ミルクは放射性物質が福島や茨城に降ったのですから、当然、ウシもある程度は汚染されたし、汚染されたエサを食べましたので、汚染牛乳は必ずあったはずです。
これらのことをマスコミが報道しにくいことも事実です.今のマスコミはかつての「骨太の記者」はいません。効率的にさっさと記事を書かなければならないので、「自分でコツコツ取材する」のではなく、「人のいったことや発表をもとに記事を書く」ということになっています.
粉ミルクの場合も丹念に取材をし、勉強し、自分で計算していれば、どうも雪印の粉ミルクは危ないということで記事を書くこともできますが、今では記者はそんな時間を持っている人はいません.
その点、私は立場は無いので、自分の学問上の知識から「新米、乳製品は危ない」と「まだ、汚染が公表されない前」にブログに書くことができます。確定していませんから、私は「お父さんとして家族を守るために書く」と宣言しています.そうでなければ、「自分の責任を考えて、子供が汚染された食品を食べてから報告する」のでは家族を守れないからです.
(つづく)
◇
安全な食生活を目指して(2)・・・被曝は子供の立場になって!
http://takedanet.com/2011/12/post_a867.html
平成23年12月7日 武田邦彦(中部大学)
明治の粉ミルク汚染で「セシウムが1キログラムあたり22から31ベクレル」と報道されました.この報道は「会社サイド」に立った報道(つまり、会社の発表をそのまま報道した数値)です。もともと会社の自主的な発表ではなかったという話もありますがまだ未確認です。
これはこれで事実なのですが、「子供の立場」から言えば、粉ミルクに入っいる放射性物質はセシウムだけ出はないことは間違いありません.原子炉からはヨウ素、セシウム、ストロンチウム、プルトニウムなどが出ており、子供はそれらの混合物を摂取することになります。
従って、専門家としては「子供のために」、「会社が発表したセシウムだけの数値からすべての放射性物質を拭くんだ数値」を推定する必要があります。本当はすべての数値を測定するのが正しいのですが、会社は面倒だということで測定していませんし、マスコミも「記事を書ければそれでよい」ということ、さらに御用学者は「できるだけ低く見せるためにはセシウムだけでよい」としているので、結局、余計に被曝するのは子供ということになります。ひどい社会ですね.
私は、終始「セシウムだけが発表された場合は、3割り増しにする」ということにしています.あまり危険を強調するのでもなく、かといって科学的な間違い(セシウム以外に放射性物質が入っているのを判っていて補正しない)ことはできないからです.
今回の明治の事件は、水分を含んだ原料を乾燥するときに乾燥空気のなかのセシウムが粉ミルクに付着したと説明されていますから、メーカーの責任としては、空気を分析してセシウム以外の放射性物質量を出すこと、さらには3月にさかのぼった測定値を公表するなどが必要です.
なんといっても明治乳業は歴史もあり、多くの日本のお母さんに支えられて営業をしてきた会社ですから、ここは恩のあるお客さんを安心させるだけの十分な、誠意あるデータを提供して貰いたいものです。
そこで私はブログに30−40ベクレルとしました。また私が食材で使っている1キログラムのベクレルを100で割ると1年あたりのミリシーベルトになるというのも、セシウムだけを考えると130でも良いのですが、食品汚染が判る度に全部の核種がでていないと子供の健康を守れないのではどうにもならないので、3割り増しでやっています。
私の信条は「科学的にOKで、若干、安全サイド」というスタンスを取ることが、変化が多く、ウソも入る2011年度で子供の被曝を低下させるには大切だと思っています.
(つづく)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素19掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。