http://www.asyura2.com/11/genpatu18/msg/881.html
Tweet |
毎日新聞連載、けさの朝刊
中川恵一 東大准教授の見解をみなさんはどう考える?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Dr.中川のがんの時代を暮らす
Dr.中川のがんの時代を暮らす:/17 検診向かぬ甲状腺がん
今、韓国の女性のがんで一番多いのは甲状腺がんです。2番目に多い乳がんの2倍近くに達し、さらに加速度的に増えています。
一方、日本では、甲状腺がんは珍しいがんです。日本人女性のがんは、多い順に(1)乳がん(2)大腸がん(3)胃がん(4)肺がん(5)子宮がん(6)肝臓がん(7)膵臓(すいぞう)がん……となります。甲状腺がんは10位以下です。
韓国のがん対策は10年ほど前から急ピッチで進み、がん検診受診率も6割近くに達しています。一種の検診ブームが起きているようです。一方、日本の受診率は2割程度にとどまっています。
しかし、検診もやみくもに受ければいいというわけではありませんし、全ての臓器のがんで「早期発見が有効」というわけでもありません。とりわけ、甲状腺がんは検診に向いていません。
それはなぜか。韓国で起きているのは「甲状腺がんは増えていない」が、「甲状腺がんの患者が増えている」という状態です。高齢になると、ほぼ全員が甲状腺がんを持っています。交通事故などで亡くなった人を解剖して調べた米国の研究によると、60歳代の全員に甲状腺がんが見つかりました。多くの甲状腺がんは、命にはかかわっていないということです。
問題は「がんがあるかどうか」ではなく、「がんで死ぬかどうか」です。検診の本来の目的も、がんで死ぬ確率を減らすこと。命にかかわらない小さながんをむやみに見つけることではありません。
高齢になれば、ほぼ全員が小さな甲状腺がんを持ちますから、甲状腺を詳しく検査すれば、多くの人にがんが見つかります。韓国では、乳がんの超音波検査のついでに甲状腺も調べることが多く、甲状腺がんが多数発見されるようになったのです。実際は、大半が治療しなくても命にかかわらないがんですから、不要な手術が急増することになってしまいました。手術には一定の危険性がありますから、不要な手術は、本人の不利益につながる恐れがあります。
チェルノブイリでは、小児に珍しい甲状腺がんが増えました。しかし、それを心配するあまり、福島県をはじめとする中高年の方まで甲状腺がんの検診を受ければ、がん患者が急増するでしょう。福島が適切な医療で長寿となることを願います。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)
東日本大震災:丸森2地区児童、甲状腺検査を実施−−あす /宮城
生きる:小児がん征圧キャンペーン 静岡「ほほえみの会」がDVD製作
生きる:小児がん征圧キャンペーン 「親の笑顔が最良の薬」 患者家族向けDVD作製
生きる:小児がん征圧キャンペーン 家族励ますDVD 闘病支えた親ら製作−−静岡
超音波診断装置:ネパールと筑西のロータリークラブ、県立こども病院に寄贈 /茨城
毎日新聞 2011年12月4日 東京朝刊
引用元 http://mainichi.jp/life/health/nakagawa/archive/news/2011/20111204ddm013070055000c.html
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素18掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。