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野田首相になってから、口先だけの「事故収束」や「脱原発依存」も、さらにいっそう軽いものになってしまった。
財務官僚や通産官僚に手を引かれなければ横断歩道さえ渡られない人が内閣総理大臣の職に就いている状況が続く限り、実効性はともかくその方向をめざした菅前首相の脱原発の政策は雲散霧消していくであろう。
我が国の権力者や政治家を判断するための手っ取り早い基準は、大手メディアにほめられる人が“最悪”で、逆に、大手メディアに叩かれる人は“まだましな存在”というものである。
原発推進派でありながら、事故隠し問題などを経て東電・経産省などで構成される「原子力帝国」に逆らったことで罪に陥れられた佐藤元福島県知事だからこそ、「敵は、東京電力ではなく経済産業省である」と正鵠を射た見解を述べている。
オールド保守の佐藤元福島県知事は、原発政策や「平成の大合併」政策を強権とカネの力で推し進める異様な官僚勢力に抵抗し敗れたと言える。
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利権の巣窟・原子力帝国は「復活しつつある」 佐藤栄佐久元福島県知事
2011年12月4日(日)12時40分配信
東日本大震災以前より、経済産業省などが推し進めてきた原子力行政に対し、強く反発してきた元福島県知事の佐藤栄佐久氏は、2011年11月30日に行われた自由報道協会主催の記者会見に出席。現在もなお、官僚機構が主導する強権的な原子力政策について、自身の経験を踏まえた上で痛烈に批判した。
佐藤氏は、かつて知事を務めていた福島の視点から、様々な原子力政策の問題(放射性廃棄物中間処理施設問題、プルサーマル強行問題、原発トラブル隠し問題など)を提起した上で、
「原子力発電所をとにかく復活させ、原子力政策を元に戻そうという力が強力に働いている」
と述べ、原発に関わる諸問題の解決が無いままに、原子力行政が再び動きだそうとしていることに危機感を募らせた。続けて、
「原発に裏切られ続けた知事時代も、原発事故後の現在も、敵は、東京電力ではなく経済産業省である」
と語り、「"原子力帝国"はすなわち、"官僚帝国"である」との見解を示した。
■市民には一切届かなかった「正確な情報」
会見中、ジャーナリストの上杉隆氏より、政府内でも意見が分かれている「除染」の問題、方法論について、どういった判断をすることが正しいのかと問われると、佐藤氏は、会見場のバックパネルを福島県地図に見立て、福島第1原発より半径20キロ圏内の警戒区域内であっても、地域によって、空間放射線量にかなりの違いがあることを熱心に説明した。その上で、「具体的に、汚れている所と汚れていない所(を区別して)、具体的な(除染の)展開をしていく必要がある」と述べ、福島県浪江町などの深刻な放射能汚染を例に、県内の汚染状況を正確に把握し、実態に即した除染作業を行うことが必要であると訴えた。また、佐藤氏は、説明の過程で原発事故発生当時を振り返り、
「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)がどうのこうのという判断があったが、(市民には)正確な情報は全然流れなかった」
と述べ、原子力災害発生の際に情報公開の原則が守られなかったことに対し、佐藤氏は改めて遺憾の意を表した。
佐藤氏はまた、経済産業省などの官僚機構以外にも、そうした権力に追随する有識者らによる学会にも問題があると強調した。社会に対して学会が真の役割を果たすためには自己の良識に従うべきとの考えを示し、責任の所在をあいまいにしようとする学会に対して、
「学会も含め、この"原子力帝国"を、何とか国民の民主的な体質で動かせるように、(講演などの活動で)頑張って行きたい」
と、決意を語った。
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 上杉氏の除染に関する質問から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv72619260?po=newsnifty&ref=news#1:05:22
(内田智隆)
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/ncn-20111204-nw156969/1.htm
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