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小出氏:玄海原発1号機の定期検査と脆性、給食の40ベクレルは3.11比で400倍、DT核融合とは?@たねまき
http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/3178984.html
2011年12月01日22:25 ぼちぼちいこか。。。
今日も給食の基準値や玄海1号機の定期検査、核融合炉と多岐にわたっています。
ぜひどうぞ。
20111201 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章http://www.youtube.com/watch?v=uu31ANx5cyc&feature=player_embedded
【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】
今日は毎日新聞論説員の藤田まことさんと一緒にお伺いします。
まず最初に質問は、こちらなんですけれども、運転開始から36年経った玄海原発1号機が、今日から定期検査に入りました。入りましたけれども、おととい小出先生のお話にもありましたようにですね、鋼鉄製の圧力容器が核分裂を伴う中性子を浴びて脆くなっていって、急激な温度変化に耐えられなくなっている可能性がある、つまり冷却水の温度が下がったら、圧力容器が壊れやすいガラスのような状態になってしまうということを、踏まえますと、どうやって原子炉を止めたらいいんでしょうか?
通常はどんな手順で止めていくんでしょうか?
(小出氏)はい。原子炉そのものはもともと鋼鉄ですけれども、鋼鉄も伸び縮みはするわけですけれども、それでも伸びたり縮んだりするときに、『応力』という力があちこちにかかって、材料に悪い影響を与えますので、原子炉を動かし始めるとき、或いは止めるときというのは、できる限りそういう力が掛からないように、ゆっくりゆっくりと動かしたり、ゆっくりゆっくり止める作業が必要になるわけです。
ですから、事故になっていきなり原子炉をパタッと止めたりすることはありますけれども、本当はそんなことは好ましくないので、なるべくゆっくりと停止させるということになっています。
じゃあ時間をかけてゆっくりゆっくりと確認しながら止めていくということなんですか。
(小出氏)そうです。圧力が通常は70気圧くらいあるのですが、その圧力を下げながら、そして温度も270くらいあるものを、少しずつ下げていく、そういう作業をします。
そうやって止めてする定期検査っていうのは、いったいどんな内容をどんなやり方で誰が検査するんでしょうか?
(小出氏)山ほどの検査内容があります。
原子力発電所っていうのは、たくさんの部品からなりたっているわけで、例えばポンプなんていうのは重要な機器ですので、そのポンプがどんな状態にあるかを分解して点検することもありますし、ちゃんと定格の流量が出ているかどうかも調べなければいけませんし、たくさんの計測器がついているわけですけれども、その計測器がちゃんと動作をしているのか?ということも調べなければいけませんし、例えば原子炉を止めるための制御棒というものがキチッと動くのか?ということも調べなければいけない。
山ほどの検査をするということになっています。
検査をするのは、原子力発電所は経産省の管轄下ですので、経産大臣が最後には認可をするということになると思います。
じゃあストレステストのようになっているわけではなくて、きちんと分解するとこは分解して、きちんと検査をしていくということですね。
(小出氏)もちろんです。そうです。
あの、今まで定期検査が長引いて運転再開できなかったというような例はありますか?
(小出氏)長引くことはありますけれども、例えば柏崎刈羽原発というのは地震に襲われて、あちこちに不具合が生じたわけですけれども、それを再稼働させようというときには、長い時間かけてあちこちを検査しなければならなくなりましたので、定期検査機関がながーくなるということは、その時もありましたし、そういうことは度々あります。
今回の玄海の原発の場合も、脆性遷移温度というものが想定される以上に高くなってしまっていますので、その原因を今回調べるということも必要だろうと私は思います。
では、気にかかるところは、定期検査のときはきちんと調べるということ・・・
(小出氏)『きちんと』と言えるかどうかはわかりませんが、一応定期検査項目というのが決まったものがありますので、それはやるということになっています。
あの、今あの小出先生の話にでた『脆性遷移温度』っていうのは、どうなんでしょうか?
(小出氏)先日も聞いていただきましたけれども、通常の温度であると金属というものは伸びる、伸びたり曲がったりするものですよね。皆さん判っていただけると思うけれども。一方ガラスは通常の温度でパリッと割れるというもので、ガラスのようなものを『脆性』と私たちは呼んでいます。脆い性質。金属の方は、『延性』伸びる性質とよんでいるのですが、その金属が中性子を浴びることによって、ドンドン『延性』から『脆性』に変わっていってしまうのですね。通常の状態だと普通の温度だと、金属は延性だったんですけども、今玄海の原子力発電所は、
「98℃以上になって初めて延性=つまりガラスだ」
と言っているわけです。
ですから通常の温度に冷やしてしまうと、圧力容器は鋼鉄に見えますけれども、実はガラスのようになってしまっている、そういう状態なんですね。
非常に壊れやすい状態になってしまうということですね。
(小出氏)あの、巨大なというか、厚さ20pくらいある鋼鉄ですので、ガラスだといっても簡単に割れるわけではありませんけれども、危ないということはもちろん変わりないわけで、低い温度でおいておく、或いは圧力をかけるというようなことは避けなければいけませんし、
「本当にどこまで余裕があるのか?どうしてそんな状態になったか?」
ということは、やはりきちんと調べなければいけないと思います。
はい。藤田さん、いかがですか?
(藤田論説員)ということは、定期検査中は、圧力容器の温度は非常に低い状態のままになる、脆い状態が続くわけですね。ということは、もしそういう状態で地震が起きた場合、大きな地震が起きた場合、かなり危険な状態になる可能性がありますか?
(小出氏)はい。圧力容器が割れるという可能性もあるわけですね。
(藤田論説員)あー、そうなんですか。
(小出氏)ただ、その場合は定期検査中は、原子炉の中に燃料は既に取り出してしまっていますので、圧力容器が仮に割れたとしても、すぐに燃料が溶けてしまうとかそういうことには多分直結しないと思います。
(藤田論説員)そうですか。
わかりました、では、次の質問参ります。
文科省が学校給食の食材に含まれる放射性物質について、1sあたり40ベクレル以下とのめやすを示す通知を東日本の17都県の教育委員会に出したと伝えられています。
これまで一般の食品中の放射性セシウムの暫定規制値は、飲料水と牛乳や乳製品が1sあたり200ベクレルということなんですけれども、『内部被曝線量の上限を、今年間5mSvから1mSvに引き下げる方針で見直しを進めている』ということからちょっと考えてみますと、200と40なので、この値っていうのは、子供用に特別な値にしたわけではなくて、単にこれと同じように、今ある値を5分の1にしただけですという感じがするんですけれども、小出先生、どうご覧になります?
(小出氏)はい。私も根拠をくわしくまだ見ていませんけれども、飲料水とかは、確かに5分の1になっただけですね。でも、お米なんかは1sあたり500ベクレルというのが暫定基準値ですから、それに比べれば12分の1くらいに引き下げたということになります。
なにがしかの仮定に仮定を積み重ねて、40ベクレルという数値を引き出したのだろうと思いますが、私としては、子供はもっともっと被曝から守らなければいけないと思っています。
例えば、福島の事故が起きる前に、日本のコメがどのくらい汚れていたのかと言えば、1sあたり0.1ベクレルとかせいぜいその程度・・・
0.1ですか・・・?
(小出氏)はい。少なくとも1にはならない、その程度しか汚れていなかったのです。ほとんどのコメは0.1、0.2、その程度の汚れだったわけで、40を許すということは、400倍許してしまうということになるのですね。
はぁ・・・・。
(小出氏)できれば私は子供に関しては、もっと低いモノにしてほしいと思います。
そうですか・・・。
40でもやっぱり400倍許してしまうということになるんですね・・・。
わかりました。
もう一問だけお願いします。リスナーからのメールが来てまして、
『私はアメリカの大学院で核融合の研究をしている者です。去年博士号を取得し、今は???研究員をしています。核分裂を原理とする原発が非常に危険なものだという認識は前からあったのですが、3月11日以降、今まで知らなかったさらにたくさんの問題点を学び、自分の研究テーマである核融合についても、核廃棄物の問題など、結局多かれ少なかれ似たようなものではないかと考えるようになり、このままこの研究を続けていくことに疑問を感じるようになりました。そこで、小出先生が核融合技術の安全性、将来性などどうお考えになっているかをお伺いすることができれば、大変ありがたいです』
というメールなんですが。
(小出氏)はい。その方に対しては、大変いいにくいですけれども、核融合に将来はありません。
はぁ・・・。
(小出氏)この技術は途方もなく難しすぎて、実現しないと私は思います。
そして、私がその方に言うほどのことは無いと思いますけれども、現在唯一実現可能だと思われている核融合は『DT核融合』というのですが、水素の中の重水素と三重水素を核融合させようとする、そういう技術なんです。そして、
『核分裂反応は核分裂生成物という放射能を生むけれども、核融合反応は放射性物質を生まない』
とそういう宣伝が広く行きわたってきましたが、燃料に使う三重水素自身が放射能です。
ですから、反応を起こす前から放射性物質を取り扱うという技術ですので、私は決してやるべきではないと思っています。
その上で、DT核融合を起こしてしまうと、大量の中性子が出てきてしまいますので、核融合炉という、それも鋼鉄を中心としたものでできるわけですけれども、それが膨大な放射能の塊になってしまいます。
ほう・・・・。
(小出氏)そういうことを考えると、多分その方は、今ご質問くださった方は、もちろんご理解したうえで聞いてくださったんだと思いますけれども、並大抵な技術ではありませんし、恐らく実現もしないし、やるとまた大変な放射能汚染を引き起こすことになると、私は思います。
わかりました。
小出先生、ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】
【参考記事】
九州電 玄海原発1号機停止へ
NHKニュース 12月1日 5時56分
佐賀県にある九州電力玄海原子力発電所の1号機は、1日、定期検査に入り、原子炉を止める予定です。国内では、今月中に玄海原発1号機を含め4基が停止する見込みで、九州電力と関西電力は、家庭や企業に節電を要請することにしています。
九州電力は、玄海原発1号機で、1日から定期検査に入るため、原子炉の出力を下げる作業を昼前から始め、夕方には原子炉を止める予定です。定期検査では、原子炉などの検査をするほか、核燃料のおよそ4分の1を取り替える予定です。国内では、今月中に玄海原発の1号機と4号機が停止するほか、関西電力でも2基が止まる見込みで、運転中の原発は、九州電力では0に、関西電力では1基のみになります。このため関西電力は今月19日から、九州電力は26日から、家庭や企業に節電を要請することにしています。玄海原発1号機の停止で、全国では54基ある原発のうち83%が止まることになりますが、いずれの原発も運転再開の判断の前提となるストレステストの国の審査が終わっていないほか、地元自治体の了解も得られておらず、再開の見通しは立っていません。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111201/t10014325241000.html
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