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[東電]吉田所長の深刻な病状 原発作業員はすべて死ぬの恐怖
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2011/12/1 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
事実は発表されないが被曝問題を追い続ける専門家はこう言い切った
「かわいそうだな、東電に捨てられたんだな。ニュースを聞いた瞬間、そう思いました。吉田所長の病気入院について、病名も被(ひ)曝(ばく)線量も公表されていない。なぜ隠すのか。吉田所長は、すさまじい放射能漏れの原発事故の最前線で8カ月も陣頭指揮を執っていた。常識的に考えて、恐ろしいくらいの被曝をしている。
集積された放射能による深刻な病状をだれもが疑うのは当然です。東電や政府は“病気と被曝の因果関係はない”と否定しますが、それが本当なら、吉田所長の被曝線量を発表すればいいじゃないですか。野田政権は反省もなく原発を海外に輸出しようとしている。それなのに日本の原発事故の中心にいた人の被曝線量を隠すなんて通用しないことです。“プライバシーの問題”でフタをして済む話ではないのです。被曝線量を公表しないということは、言えないくらい吉田所長の病状は深刻なのです。それでかわいそうだなと思ったのです」
こう語るのは報道写真家の樋口健二氏である。38年間、原発作業員の被曝問題を追い続け、記録写真に残してきた。「闇に消される原発被曝者」「原発被曝列島」など著書も多数だ。
会った原発作業員は1000人を超え、150人以上から生の証言をとってきた。その人たちは、被曝が原因で次々と死んでいる。
「原発内の作業で、暑くて暑くてマスクを外してしまう。すぐにアラームが鳴るから線量計のスイッチを切って長時間働く。被曝手帳すら持たず自分がどのくらいの放射能を浴びたのか分からない。それで病気になり、亡くなった下請け労働者をずっと見てきました。補償を求めて裁判になったケースもあります。しかし、いつも“因果関係が認められない”“持病でしょ”で片付けられてしまう。真相は闇に隠され、下請け労働者はボロ雑巾のように捨てられてきた。それが原発被曝者の歴史です。今回、大事故を起こし、東電の社員、それも福島原発所長という幹部が問題になっている。初めて被曝線量を公表し、因果関係を認めるのかと少しの期待があった。しかし、やっぱり隠す。吉田所長も東電に見捨てられたんだなと思ったのです。これはもう犯罪ですよ」(樋口健二氏=前出)
原発作業員は被曝で死んでいく。世界的大事故という教訓があっても、「闇に葬る」歴史が繰り返されようとしている。恐ろしい残酷な国だ。
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