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記事の見出しを読み政府の事故調査委のリークだろうと思ったが、公表したのは原子力安全・保安院だった。
福島第一原発事故の「共同責任主体」である原子力・安全保安院による東電運転員からの事故に関する聴取は、“事故経緯に関するすり合わせ”が行われる可能性もあり、はなはだ疑問である。
それはともかく、運転員の証言のなかに事故の経緯に関して極めて重要なものがある。
「タービン建屋1階の原子炉側の通路でシューシューいう音を聞いた」というものである。
1号機は、津波襲来前に原子炉圧力容器の圧力と温度が急激に低下、原子炉水位の異常な低下スピード、他ではみられなかった格納容器内での冷却スプレイ作動、電源喪失からメルトダウンに至るまでの早さなど、地震で配管が損傷し、原子炉などから蒸気が漏れ出したと考えなければ理解ができない事故の経緯であった。
そのような意味で、配管からの蒸気漏れを疑わせる「タービン建屋1階の原子炉側の通路でシューシューいう音を聞いた」という証言は重要である。
また、「シューシューいう音を聞いた」時刻をおおよそでもいいから公表すべきである。
政府・東電は、福島第一原発事故について「津波主因説」を採り続けている。
1号機の運転員の証言と1号機のデータを照らし合わせると、福島第一1号機は、津波の前に瓦解していたと考えたほうが理にかなっている。
それにしても、「深刻な事態、予想せず 福島第1運転員の証言公表」と見出しを打つ日経新聞社の感覚が不思議だ。
深刻な事態を予想しなかったのは、津波の来襲前であり、わざわざ見出しにするようなネタではない。
「タービン建屋1階の原子炉側の通路でシューシューいう音を聞いた」というほうがずっとバリューのある見出し対象である。
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深刻な事態、予想せず 福島第1運転員の証言公表
経済産業省原子力安全・保安院は25日、東京電力福島第1原子力発電所1号機の中央制御室で震災当日に作業していた運転員の証言を初めて公表した。保安院が事故調査の一環で独自に聴取した。「大津波警報の電話連絡を受けたが影響が出るような津波が来るとは認識していなかった」など、深刻な事態を予想していなかったことが改めて明らかになった。
保安院は20日に福島第1原発で聴取を実施、25日の専門家の意見聴取会で結果を公表した。地震直後は「通常の手順書の対応で事象を収束できると考えていた」「津波襲来後、中央制御室のランプ表示が次々に消えるなかで非常用復水器(IC)が機能しているかわからなくなった」などの生々しい声が記録されている。
吉田昌郎所長らがいた本部とは「逐一、中央制御室のホットラインを通じて連絡していたが、具体的な内容は覚えていない」との証言もあった。「タービン建屋1階の原子炉側の通路でシューシューいう音を聞いた」など、配管からの蒸気漏れを疑わせる内容もあった。保安院は今後も聴取を続け、事故原因の解明や対策に役立てる。
[日経新聞11月25日夕刊P.15]
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