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堆肥の山行き場なし 許容値超の放射性物質 循環型農業に危機
http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4147&mode=0&classId=0&blockId=9909536&newsMode=article
2011/11/24 09:58 福島民報
県内の酪農、畜産農家が生産する堆肥が行き場を失っている。敷地内には堆肥が山積みになり、処理のめどは立っていない。県の検査で半数を超える検体から暫定許容値を超える放射性セシウムが検出されたためだ。流通が制限された上、有機農家を中心に県内産堆肥を敬遠する動きもある。稲わらを畜産に使い、堆肥を稲作などに活用する農業の循環システムが危機に直面している。
■どう処理したら…
稲わらからの放射性物質検出、肉牛の価格下落、原乳廃棄…。東京電力福島第一原発事故以降、酪農、畜産農家に多くの苦悩が降りかかった。本宮市の酪農業渡辺清夫さん(72)は牧草地に積み上げられた堆肥を見詰め、ため息をついた。「これほどの量を、どう処理したらいいんだ」
渡辺さんは乳牛約20頭を飼育。市内の白沢有機センターに堆肥生産を委託していた。しかし、センター内の堆肥から暫定許容値の1キロ当たり400ベクレルを超える放射性セシウムが検出された。流通が止まり、約千トンの堆肥であふれた。やむにやまれず酪農家が引き取っている。
渡辺さん方もこのままでは保管場所がなくなるという。「国は流通させるなと言うばかりで保管場所の指示がない。現状を分かっているのか」と憤る。
喜多方市塩川町で肉牛23頭を飼う畜産業中川源さん(58)方には約60トンの堆肥が山積みだ。放射性物質の値は許容値以下だったが、購入する農家などが減ったという。「毎年買ってくれる小学校や農家が使ってくれるかどうか」と表情を曇らせた。
増え続ける堆肥による周辺環境への影響も懸念されている。全農県本部は堆肥を防水シートで覆うように呼び掛ける。担当者は「雨で堆肥の窒素分が用水路や地下水に流れ込むと水質汚染の恐れがある」と心配する。
■暮らし守るため
「例年なら来年分の堆肥の注文を済ませている時期」。本宮市の50代の稲作農家の男性は気をもむ。
同市の今年度産の稲わらに含まれる放射性セシウムは暫定許容値以下だったため畜産農家に納入できた。しかし、堆肥は許容値を超える検体が多数見つかった。現在も検査待ちが続き、男性は来年の作付けを見通せない。「仕入れができなければ、堆肥なしで来年稲作をするしかないか」
鮫川村の60代のイチゴ農家の男性は農薬や化学肥料を使わない特別栽培を手掛けてきた。村内の畜産農家から提供される堆肥の品質には自信を持っていた。しかし、村内の一部の堆肥から許容値を超える放射性セシウムが検出されると、不検出の堆肥に切り替えた。「ビニールハウスに汚染されたものを入れたくなかった」。イチゴを放射性物質から遠ざければ収入が確保できる。家族の暮らしを守るための決断だった。
白河市で有機栽培に取り組む50代の稲作農家の男性は、稲わらを提供している畜産農家の堆肥を使うことを決めた。放射性物質が少しでも含まれる堆肥は使いたくない思いもあるが「互いに原発事故で苦しんでいる。畜産農家を困らせることはできない」と複雑な思いをのぞかせた。
※背景
県内の牛の飼育頭数(8月上旬現在)は5万9385頭で、畜産農家戸数は3434戸。暫定許容値は堆肥の1キロ当たり400ベクレルに対し、飼料としての稲わらは300ベクレル。稲わらを家畜の飼料にするほか、堆肥を稲作などの肥料として活用していた。
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