http://www.asyura2.com/11/genpatu18/msg/617.html
Tweet |
〈ニュース圏外〉放射能恐れ沖縄へ
http://digital.asahi.com/articles/TKY201111210648.html?ref=comtop_middle_open
2011年11月22日03時00分 朝日新聞デジタル
■首都圏の「数百人」
原発事故の後、首都圏から縁のない沖縄に逃れて、今も暮らす人たちがいる。
「沖縄は人が温かくていいですねー。もう東京では暮らせません」。かりゆしウエアに身を包み、明るく話す谷村仁さん(38)が沖縄に来て、5カ月が経つ。
「日本が終わる」。東京電力福島第一原発の事故後、そんな恐怖に襲われ、妻と子ども、弟夫婦の5人で九州に逃れた。原発がない場所を求め、縁もゆかりもない沖縄へ。ようやくマスクを外すことができた。
放射能は「他のリスクと根本的に違う」と語る。「目に見えないし、情報も玉石混交で、わからないことが多い。だから怖い」
「安心して買い物できる環境を」と7月に食品の放射線測定会社を設立したが、まだ軌道に乗らず、貯金を切り崩す生活が続く。
弟の丹さん(33)も会社を辞めて一緒に沖縄に来た。「僕は東京で被曝(ひばく)したので、10年もすれば病気になる」と真剣に話す。
避難者同士の交流も活発という。集まりがあると聞き、那覇市のマンションを訪ねた。出迎えたのは住人の竹野内真理さん(44)。Tシャツの「セシウムは心臓に悪い!」の文字が目を引く。
10年以上前から原発と地震の危険性について訴える活動を続け、低線量被曝(ひばく)に関する本の翻訳も手がけた。「あれだけの事故が起きたのに、大丈夫と言い続ける政府が信じられなかった」。事故直後、もうすぐ2歳になる息子と避難。2人とも頻繁に発熱するなど、体調を崩したという。
いまも被害の拡大が不安で仕方がない。「インターネットの情報だと、首都圏でも体調を崩す人が増えている。このままでは大変なことになる」。講演やデモなどに力を入れ、「低線量被曝者の会」も設立した。
同じ会の共同代表、谷中真美子さん(44)は「体がだるい」と、座っているのもつらい様子。体調に異変を感じ、仕事を辞めて沖縄に来たのは7月だ。
元々、甲状腺に疾患がある。原発事故後、放射能を恐れて家から出ないようにしていたが、鼻血や下痢などの症状が出たという。ネットで検索して自分は「低線量被曝者」だと確信したが、「8軒の医者を回っても鼻で笑われた」。友人とは疎遠になったが、原発デモや放射能の勉強会を通じ、新しい仲間ができた。
■政府・メディアに不信
政府やメディアには強い不信感がある。一時は信頼していた学者も「東京はもう安全」と言うのを聞いて信じるのをやめたという。
自分の確信を裏付ける情報だけを探しているのでは。そう問うと、谷中さんは声を震わせた。「真実は私の体の中にあります」
■避難の必要性、人それぞれ
東京周辺では事故後、沖縄に限らず、西日本への転出超過が続いている。作家の金原ひとみさんら、避難を公表する著名人もいる。
首都圏から沖縄へ避難した人の数は未調査だが、現地の情報では数百人はいるとみられる。沖縄が選ばれるのは、「福島から遠く、原発がなく、日本語が通じる」からだという。
ネット上には、「政府やマスコミが隠そうとする真実」だという、根拠が不明確な情報も流れており、それを信じる人たちも多い。全国から体調不安を訴える声が寄せられ、検証なしに「放射線の影響」に結びつけて語られる面もある。
なぜ、こうした情報に頼るのか。同志社大心理学部の中谷内一也教授(リスク心理学)は、「人が何を信じるかは、発信者の専門性や誠実さに加え、価値観の共有も重要」と言う。周囲に理解されずに孤立した時、共感できるかどうかが信頼の「鍵」になる。「放射線は結果がすぐ明確に出るものではなく、専門家の間でも意見が分かれるため、不安が増大しやすい」
首都圏の放射線量のリスクについて、中谷内教授は「経済状況や家族状況は千差万別。人によって判断は違うだろう」という。「私たちは様々なリスクに囲まれている。仕事を辞めるリスクや家族と離れるリスクより、現在の放射線量が危険なのかを考え、避難の必要性を判断しては」と助言している。(仲村和代)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素18掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。